| シャピュイ・コモイ Royal Coachman 年式不明 (ボヤージュ#12) |
Chapuis Comoy = Chacom は気になるブランドだ、と言えば意外に思うかもしれない。日本における中級グレードの輸入パイプとしては非常にポピュラーであり、どこでも売っているからだ。ブツ・ショーカンと並んでフランスを代表するブランドであろう。 名前のとおりシャコムは英国の(もとはフランスだが)コモイと関係がある。創立は1922年、 Jose Manuel Lopez によれば シャピュイ・コモイがシャコムになるのは1928年、その後1957年にこの名が復活するらしい。となればこのパイプは20年代のものには見えないから60年頃のものだろうか。 シャコムに注目する理由は、その独特のキュアリングにある。コモイのようにヘヴィーではなく、むしろBBBのような軽みと明るさを持っている。フレンチパイプにしては稀有のことだ。しかもこの味がかなり最近まで保たれているのも特筆すべきだろう。初心者の入門用にはシャコムを勧める所以である。 シャコム自体の出品が e-Bay では少ないのは不思議で、もしかしたら日本への輸出が特別多いのかもしれない。Chapuis Comoy 名義となるとさらに稀であり、これも珍しく出てきたもので、多少古そうに見えたので落札したのである。 届いてみて感心したのはそのシェイプである。こんなブルドッグはフランス人にしか造れないだろう。真横から見ると中心の角の線が前上がりになっていて、真上から見ると輪郭に直線がなく、シャンクもマウスピースも曲線の縁を持っている。前傾ボウルとあいまって、かたち自体にリズム感がありブルドッグにありがちな無骨なところがない。 味も期待どおりのシャコム味であり、美味い。サンクロードの「田舎生味」ではなく都会的なのだ。マウスピースもマシンメイドながら薄く、精度も良好である。目隠しテストをすれば英国パイプと間違えるかもしれないが、この明るさはフレンチの気分であり、英国とは違う。と言うより唯一無二、間違えようのないシャコムの味である。 木埋めが多いのが残念だが、このロイヤルコーチマンなるパイプは低グレードなのだろう。上級グレードの同じようなブルが出ることを期待したい。 |
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