ダンヒル DR−A 1969年 Root Briar

マニアックなパイプが続いたのでダンヒルで箸休め。

 DR、デッドルートである。立ち枯れして樹脂の抜けきった材料から毎年少数のみ
作られるダンヒルのトップモデル。 木目の整っている順に最低グレードのAからア
ルファベット順にHくらいまである。私は木目には興味がないのでAで充分、と思っ
て買った一本。それでも高価であった。

 デッドルートの材料が貴重なうえ、木目が良いとなるとさらにレアな訳だが、木目
の悪いデッドルートの材料はどうなるのか?あるいは木目の良いものはデッドルート
でなくとも、なんでもDRと称して高く売られるのか、と思うのは無理もない。

 しかし私は、このDRを吸ってみて、これは通常のブライヤーとは明らかに違う、
と思った。なによりパイプ自体が異様に軽い。そして喫味もクールである。
ダンヒルのスムース仕上げ、 RootBriar とBryuere は辛くて好きになれないが、
これは Shell と同等のマイルドな味がする。
スムース(光沢)フィニッシュ・パイプに特有な、ある種ホコリっぽい香りが最初に
するが、それとて好ましい個性に感じられる。

 キュアリング技術を発達させたダンヒルが、逆に「素」のブライヤーで勝負するた
めにデッドルートに目をつけたのかもしれない。あるいはDRが1910年代から存
在する事を考えると、その素材特性を研究してキュアリング法を発達させたのかも
しれない。

 ところでデッドルートの使用はダンヒルが嚆矢なのだろうか? 
などと怪しんでみると、またぞろ未知なるパイプヒストリーの探求が始まるのである。

(デッドルートを標榜する作家にユリウス・ヴェスツというカナダ人がいる。
この人のハンドカット・シリーズも吸ってみたいが、カタチがキツいので買う気にな
れない。 どなたか一服だけさせてくれる人はいないものか? )