サシエニ Four Dot Rustic Marlow   (pretransition)

 サシエニは美味いしカッコ良い。特に4ドット、8ドットのマークは洒落ていると思う。
さらにサシエニ特有のラスティック(彫り込み)仕様も英国特有の「威張った」雰囲気
が独特である。

 喫味も存在感もダンヒルに引けを取らない。 特にこのような堂々としたパイプだ
と、有無を言わせぬ威圧感があり、ロールス・ロイスのようだ。
エレガンスと威圧感、という相反するイメージを高度に融合させる点、英国人の右に
出るものはない。

 だが、ダンヒルをパイプのロールス・ロイスと言うことは出来ても、サシエニはそ
うは言えない。
サシエニはセカンドクラスのパイプを大量に作っていたからだ。 この点だけでもブ
ランド・イメージの失点は少なくない。

 サシエニの失敗はもうひとつある。 それはセカンドクラスの喫味が上級クラスと
全く同じか、時として上回ることがある点だ。つまりサシエニのセカンドクラスは
応々にしてダンヒルをも上回ってしまうのである。

 この上級であるはずのサシエニも実は所有する中では一番美味くないのである。
またこのページの最初のほうに紹介している8ドットもサシエニとしては不満が残る味だ。

 これでは喫味だけを見れば、上級クラスは売れなくなる筈だ。 しかしそうでもな
いのは、昔も今も味のわからないスモーカーが大勢いる、と言うことに他ならない。

 ともあれサシエニの真骨頂はそのキュアリングにある。ダンヒルより手間をかけ
た、と言うだけあって、木の味より、優れたキュアリングから来る味のほうが立っている。
サシエニを吸う時は、混合させるラタキア葉の量が少なくなってしまう、と言えば
イングリッシュ・ミクスチャー派にはわかってもらえるだろうか。

 最近のサシエニの値段の高騰ぶりには参っている。 このような上級グレードだ
と、もはやダンヒルと全く同じ価格帯である。このパイプも上で紹介した59年の
タンシェルを下取りにしてやっと支払った。それでも美味くないのだからやりきれない。
 手に入れるのは Windsor などのセカンドクラスばかりになってしまった。