オルデンコット Derby Luxe 年式不明

 ファウエンだけがドイツのパイプではない。もうひとつのビッグネーム
がOldenkott だ。1909年創設、1992年廃業である。スモーキング
クオリティーには定評があって、吸っておきたいパイプであった。
e-Bay Deutschland では少数見かけるが、どれも驚くほど安い。ヨー
ロッパではアメリカのような古パイプ収集の趣味が一般的ではないから
だろう。古そうなものを選んで買ったのはもちろんである。(例によって
資料がない。年代、グレードは推察するしかないのが現状である。)

最初に手に入れたのがこのパイプ、Derby Luxe の刻印。ファウエンの
Luxus を思わせるネーミングで上級グレードだろう。というのもこのパイ
プ、喫味が驚異的で、ファウエンをダンヒル、サシエニと同じ、と書いたが
、これはそれらを上回っているかもしれない。クール、ドライ、そしてスイ
ートな味がボウルの底まで楽しめる。並みの英国パイプではかなわない。
年代は1960年前後であろうか?

もはやダンヒル党の看板を降ろす時がやってきたようだ。この先ダンヒルを
買い足すペースは落ちるだろう、と思う。造り込みも凝っていて、1/4 インチ
径のフィルター用の穴に、フィルターを使用しない時のためのパーツが挿入
されており、しかもそれにはアルミのインナーチューブが圧入されている。

くわえの部分はオルデンコット・リップとでも言うのか、端面に傾斜がつけら
れ舌にあたらないようになっている点、注目に値する。


ファウエンはあれから3本ほど購入したが、beginner’s luck と言うべきか、
良いものに当たらず、このページで紹介できるようなものに当たらない。模
倣ピーターソン・リップも穴の角度が悪く、歯ぐきで塞がれて煙がストップし
てしまうことがあり、本家の劣化コピーと言わざるを得ない。木は良いが作
りは雑、の感がある。

いっぽうオルデンコットは隙のないパイプである。オートバイで言えばファウ
エンがトライアンフとすれば、こちらはノートン、つまり数は少ないが、より良
心的なジャーマンパイプである、と言えよう。メッサーシュミットがファウエン、
フォッケウルフがオルデンコット、とも言えるだろうか。ワルサーやルガーと
言ったドイツ製拳銃の趣きもある。

それにしてもファウエンもオルデンコットも戦前のものが出てこない。ドイ
ツ人にとっては得体の知れぬ古パイプなど、使い古しの歯ブラシ程度に
しか思えないのだろうか? 多くの名品が捨てられていないことを祈る。


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