| LHS Park Lane De Luxe 1930年代(?) |
またひとつ、ジャーマン・アメリカンを紹介。LHSは1911年、ニューヨーク でドイツ人のシュテルン兄弟が創業(Ludwig & Hugo Stern)。ただしこの兄弟はパ イプ職人として渡米したのではなく、ニューヨークで修行後に独立開業したようだ。 トップモデルの Sterncrest をネラっているがなかなか良いものが出ないので買って みた一本。戦前の製造でアメリカンであるからハズれはないだろう、と踏んだのだ。 吸ってみるとけっこう美味い。しかし Kaywoodie ほどの感動はない。だが細工はケ イウーディーより精密で、シンクロステムと同様ネジ式のマウスピースだが、ピタリ と決まってステムとの段差も出ない。ケイウーディーよりもドイツ的で緻密ある。 手堅い品質の実用量産品であり、クルマで言えばフォードのような退屈さがある。 マーブル模様のステムはヴァルカナイトより硬く、咥え心地はイマイチである。趣味 の対象にはならないが、外出用、旅行用などには重宝しそうなパイプだ。 ケイウーディーもそうだが、こういうパイプを眺めていると、古き良きアメリカ社会 の活力は中産階級が支えていたのだ、ということがよくわかる。アメリカでは197 0年代頃から階級の二極分化が始まり、現代では大量の極貧層が存在する一方で富の 多くは少数の富裕層が独占するに至った。中間層がいなくなった社会ではこういうパ イプは生まれないだろう。 なにより中間層とは最も数の多いクラスであり、その層を狙えば商売にもなる。さら に中間層の多くは上流階級入りを目指して頑張るから、そこに社会の活力が発生す る。ダンヒルのようなスーパー・ハイグレードでもなく、使い捨ての安物パイプでも ない。中流であることを恥じないような堂々とした存在感、古いアメリカン・パイプ の魅力はこんなところにもあるのかもしれない。 |
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