コモイ製GBD(?)   年式不明

デーニッシュ・フリーハンド的なシェイプである点、またメタルバッジ
でない事から1980年頃まで下るかもしれない。もはやGBDとは
名ばかりのパイプだが、不思議に美味いので紹介しておく。

カドガンが表向きにコモイを買収するのは1980年ということになって
いるが、それ以前にもコモイはオッペンハイマーとは浅からぬ関係が
あった。このGBDが80年以前であったにせよ、コモイで作られた可
能性が高いと思われる理由が三つある。

ひとつはコモイ特有のゴールデン・コントラスト・フィニッシュ、いまひと
つは特徴的なコモイのくすんだ味がすること、さらにマウスピース入り
口や煙道全般の細工がコモイのように丁寧で、煙のスムースネスが
抜群であること。

およそ英国勢のキュアリング術において最も特徴的なのはコモイのそ
れだと言って良い。ダンヒルとサシエニは酷似していて判別不能なこ
とがあるが、コモイは間違いようがない。甘く、くぐもった味は好き嫌
いがあるだろうが、生アルジェリアンとは対極にある、人工的テイスト
の最右翼とも言える。

最近コモイを評価できるようになったのは、オッペンハイマー系のパイ
プの味を理解したからだ。生ブライヤーの味を若干曇らせるそのキュア
リングを、もっと発展させるとコモイの味になるのではないか、とにらん
でいる。コモイのキュアリング法を調べるにはオッペンハイマーの探求
が不可欠、と愚考する次第。

ともあれGBDもこあたりまで時代が下り、味も外観も変わり果てると、
もとの姿を想像することは難しい。また今までのところ、ロンドンGBD
のほうがパリの本家より上等、というのも複雑な思いである。その意味
でGBDは悲劇のメーカーであり、ますます原初・黄金期の19世紀パリ
製GBDを吸ってみたくなるのであった。


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