19世紀末の喫煙具カタログ

最近ますますパイプの歴史調べが面白くなってきている。 e-Bay だけでなく、
海外の古本屋のページなどを逍遥していると、思わぬ本に出くわすことがある。

この本もそうだ。Salmon & Gluckstein (サーモン&グリュックシュタイン)とい
う19世紀末、英国にあった喫煙具チェーン店の1899年のカタログである。
S&Gは海外も含めて120店舗以上を誇っていた。そのカタログを見れば多くの
ことがわかるだろう、と思い、これを売り出している本屋に問い合わせたのである。

送られてきたのがこの写真、あまりにも興味深いのでルール違反を承知で紹介
する。

この時代、いよいよブライヤーパイプが主流の座を占め、洗練の度を深め始めた
頃だ。

他で調べるとS&Gのパイプはサンクロードの La Bruyere 社で作られていたよ
うである。

120店舗以上となれば、そんなに高級品を売るわけにもいかないだろうから、サ
ンクロードの平均的なパイプであったのかもしれない。パイプのシェイプも、まだ
ブリティッシュ・スタイルの確立する前のオールド・フレンチの雰囲気だ。これがそ
のまま洗練されて英国スタイルになっていったのだろう。

シガーホルダーの吸い口にも注目したい。この時代のパイプ同様、まん丸のオリ
フィック・ボタンである。また目次を見るとパイプよりシガーのほうが多いのである。

S&Gの主力商品はシガーであったようで、現在 e-Bay でもS&Gのパイプなど
見たことがないことからも、それは想像できる。

シガレット(紙巻)もすでに多く扱われている。歴史の事実としてシガレットの爆発
的普及は第一次大戦終盤、すなわち1910年代後期からではあるが、けっこう多
く紹介されているのである。

喫煙具に見る煙草の歴史、欲しいのは山々の本であったが、パイプのページが
少なく(ステッキなどが載っているのは現代の柘製作所などと同じ)1600ドル
(19万円!)という値段に購入を見送った。全編イラスト、カラーが多いのも楽しい。


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