| フランク GOLD DOT 1920年代(?) |
アメリカのFrankには二通りの系統がある。 S.M.Frank & Co.Ltd. と Wally Frank Ltd.だ。開業は前者が1900年、後者1930年であり、どちらもニュー ヨークにあった。両者につながりがあったのかは不明だが、規模としては前者 のほうが大きい。後年カウフマン(KB&B)やディミュース(WDC)をその傘下に 入れるのだ。 後者ウォーリー・フランクはもともとLHSの系列であるから興味 は湧かないが、S.M.フランクの初期はなかなか興味深いのである。 1903年、Demuth から製造部長を引き抜き、自分たちでパイプ製造を始め る。 1933年、Medicoブランドでフィルター・パイプを作り始めてからは Frank Medico などと名前が変わる。それまでの初期30年間のパイプは筆記体で Frankの名前が入るだけである。このフランクのみの刻印のパイプはどれも クセがあって面白い。なかなか出ないパイプだが数ヶ月で何本か集まったの で紹介する。 まずはゴールド・ドットというパイプ。真鍮製のドットが2個埋め込まれており、 造りも丁寧だから上級クラスと言える。サンドブラストもなかなか堂に入って おり、この手法はダンヒルよりディミュースのほうが早い? と言われるのも わかる気がする。 ディミュースから引き抜かれたフェルディナンド・フォイエルバッハ氏の存在は 大きかったようで、ちょうどディミュースが凋落してゆく時期と重なるように思う。 このパイプが20年代だとすると(吸い口形状から推定)、同時期のWDCよりモ ダンであり、ユニークであり、魅力もある。 全長155mmと長いが重量はわずか20g。トランペットのように広がった開口 部により、ボウルが全体的に肉薄だからである。吸ってみると上等なイタリアン ・ブライヤーの味がする。極端に軽いうえ、セミ・オリフィックの吸口だから安定 が悪く咥えっぱなしに出来ないから、神経を遣う。だがそれも上等なパイプを吸 っている気持ちにさせるという不思議な緊張をともなった存在感になる。 初期WDCは美味いパイプだが無骨である。フランクがメディコになる前の30年 間がWDCのあるべき進化・洗練を引き継いでいる、とは言えないだろうか? 事実WDCが1937年、 S.M.Frank に吸収されているのを見れば、WDCの魅力 はそれまでには失われていた、と見ることが出来よう。 以前紹介したWDC製BBBなどもWDCが迷走していた時期の作と思われる。 オッペンハイマー(カドガン)と S.M..Frank という英米の二大勢力はこうして提 携もしながら、パイプ界を牛耳っていったのだろう。 |
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