ダンヒル Bruyere #34 1942年(?)

ブルイエルの研究をしてみようと思い、出来るだけ古いものを、と思っ
て手に入れたパイプ。だがこれが初期ダンヒルの謎への迷宮に入り
込むきっかけになろうとは思ってもみなかった。

吸ってみてすぐにわかったのはノンキュアリングの味であること。ダン
ヒル・イコール・キュアリングと思い込んでいた身にすればちょっと驚
きであった。

ただし木の質はおそろしく良い。CPF, WDCなどの絶頂期と同等以上
の木であろう。生木であっても雑味がなくひたすら甘い、あの超絶・ナ
マ味である。

しかし不満が残ったのも事実である。ブラインド・テストをすればまごう
かたなきアーリー・アメリカン味のパイプとなると、やはり納得がいかな
いのである。最高の工作技術、最高のシェイプ感覚、最高の木、最高
のキュアリング、以上四点をもってダンヒルをダンヒルたらしめている、
と曲解していた当方の勝手な思い込みではある。四点のうち一点が抜
けても不満なのだ。

おそらくこの点、早期に気がついたのは、他ならぬアルフレッド・ダンヒ
ル本人ではなかったか? どれだけ最高の木で作っても、いまわしい
アメリカン・パイプに大差をつけることは難しい、と。他のどのメーカー
よりも優れたパイプ、特徴のあるパイプにするには材料にキュアリング
を施して「ダンヒル味」を確立するべきであろう、と…………。

初期のダンヒルは自分のところでボウルを作らず、フランスから輸入し
ていた、と言われる。おそらくこのパイプもフランス製ボウルから作った
ものだろう。キュアリングに移行する過渡期のパイプと見るのが妥当で
はないか?

こうなると、出来るだけ多くの初期ブルイエルを吸ってみたくなった。も
つべきものは先輩スモーカー、以前DRを買っていただいたN・K氏のコ
レクションから該当するものを何本も借り出したのである。


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