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妄想{もうそう}
根拠のない誤った判断に基づいて作られた主観的な信念。その内容があり得ないものであっても経験や他人の説得によっては容易に訂正されない。
「誇大妄想」「あらぬことを妄想する」「妄想にふける」など。
先日、行われたトリニティースクール一泊二日のツーリングを振り返り、参加者の数々の発言を整理し調べてみた。結果、辞書にぴったりと当てはまる言葉を見つけた。上記がそれである・・・。
また今回は大量の処分者が出てしまったのは残念だ。
停学処分〜3名 極刑・島流し〜1名
平成15年11月8日 AM6:10 自宅前
数日前までの予想を覆し天候は理想的な秋晴れで気温も高い絶好のツーリング日和。集合場所に向け走り出す。空いている都内の道を抜けて、東京IC〜海老名SAへ。トライアンフの調子も良い。
平成15年11月8日 AM7:20 海老名サービスエリア
集合時間前に到着。一番乗りかと思いきや視界に見たことのある2人の姿が。20期生のS根さんにエンジンクラスのO安さん。S根さんは真夜中に海老名入りしサービスエリアに宿泊したとのこと。1人だけ2泊3日か・・・。
平成15年11月8日 AM8:20 海老名サービスエリア
集合時間になり続々と参加者が集まるが、やはり3人ほどが現れない。もしや途中でバイクにトラブルがあったのか? その時13期生のK田さんの携帯電話に連絡が「えぇ!、なに」「ギアーが4速から動かない」「そりゃーリターンスプリングが折れたんじゃねーのか」「うん、うん、わかった」などとあきらかにバイク不調を訴える者との通話をするK田さんに「誰ですか?」聞くと「S谷、S谷だよ。あいつのコマンドが壊れた」と笑いながら言った・・・。「車で参加する生徒がいるので宿泊所まで一緒に乗せてもらえ!」とK田さんは的確な指示をS谷氏に与える。これで連絡がつかない生徒はあと2人。教頭H尾氏が電話する。1人目は20期生・S巻さんで前日に酒を飲みすぎ体調不良、2人目は22期生T畑さん。H尾氏は言った。「あれは絶対に寝起きの声ですよ」「たぶんこの電話で起きたんじゃないのかなぁー」「つまり寝坊で」この時点で停学2名。
平成15年11月8日 AM9:10 大井松田インターチェンジ出口
「いやぁー俺のトラ、“150”出たよ」「キロじゃないよ、マイルだよ」「俺なんか飛ばしすぎて風圧で肩が外れたよ」などと料金所の外で勝手な発言を繰り返す生徒たち・・・ そこにグリーブスに乗る校長が到着し「料金所の手前まで物凄く調子が良かったのに」気になるコメントと共に若干、気まずい顔でグリーブスを調べ始める。「素手でプラグ触ってキックしてもビリビリこないよ」「バッテリーが死んだかな?」調査の結果バッテリーを交換する以外ないと判断。校長は「R246で沼津方面に向かえ」「沼津インターチェンジ南出口付近で合流する」「合言葉は沼津!」皆にこう言い残し、バッテリーを購入しにこの近くにあるかどうかも分からないバイク屋をグリーヴスを押しながら探し行った。
平成15年11月8日 AM10:00 国道246号線
沼津方面に向け走り出した一団は道路工事の影響だろうかダンプカーが多くて渋滞する道で苦戦することとなる。あっというまに集団はバラけ校長が指定した場所に向かった。しばらく走ると私のトラに異変が・・・ 「なんかスロットルの動きがへんだな」と感じたその時に前方約10メートルを走行中のダンプカーがブレーキランプを点灯し減速した。無意識にアクセルを閉じるが速度が落ちない「・・・ん、なんだ」「うぅ、なぜ俺のトラにオートクルーズ機能が?」などといろいろ考えてみたがそれどころではない。クラッチレバーを握りブレーキング、路肩に止め点検するとキャブのスロットルバルブが引っ掛かり全閉にならない。「おかしいなぁ?このトラはナノテクノロジー並みの精度で組んだはずだが?しかも自分で・・・」しばし妄想に耽る。
平成15年11月8日 AM11:20 国道246号線
沼津インターチェンジ近くのコンビニエンスストアーで小休止する。静岡在住の卒業生T川さんがお兄さんと共に現れる。このお兄さんが乗ってきたホンダCB750がスゴイ。各々給油しお茶を飲みのんびりしていると聞き覚えのある排気音が近づいてきた。「あっグリーブスだ」校長だった。追いついた校長に皆は「バイク屋すぐに見つかったんですか?」等々質問し再会を喜んだ。購入したバッテリーはガムテープでかなり強引にフレームに取り付けてあるがグリーブスの調子は良いようである。「そろそろ時間も時間なので昼食にします」と校長が宣言して一団は移動。料金は高いが近くに美味しい店があるらしい。その隣はファミリーレストラン。懐具合でどちらで食事するか決めてくださいとのこと。
平成15年11月8日 AM11:55 荒狗路
校長が美味いと言うので迷わず同じ店を選択。その名も荒狗路。確かにお品書きを見ると高額だった。「みんなこっちに来たんですか?」と校長に聞くと「あぁー何人かの負け組みはファミレスに行きましたよ」「まぁこっちは勝ち組だから」とかなり辛辣な発言をする校長・・・ 人数の関係で2部屋に分かれ食事をした。美味いウナギ丼を食べ終え隣の客室に居る生徒のところへ行き「いやーあわびのステーキ美味かったなー」「あれっ伊勢海老の刺身たべなかったの?」とウソをつきあう。
平成15年11月8日 PM13:50 国道1号線
宿泊地は西伊豆の松崎。協議の結果、西伊豆スカイライン経由で行くこととなる。キャブの調子が今ひとつなのでゆっくり走行していると路肩に停車中の校長を発見。走っているうちにだんだんクラッチの遊びが増えてレバー側のアジャスターでは調整不可の状態らしい。「校長、まさかワイヤーが切れる前兆では?」しかし校長は冷静な顔で「ワイヤーが切れる気配はない」「そうか!解ったぞ、アウター側が縮んだに違いない・・・」さすがは英車界の豪族、妄想も一級である。校長は素早くドライブ側のカバーを開け調整を済ませた。
平成15年11月8日 PM14:40 西伊豆スカイライン
しばらく走っているとスロットルバルブの引っ掛かりもなくなり「もう大丈夫かな」と楽観しワインディングを駆け抜ける。この先に待ち受ける恐怖も知らずに・・・。初めおよそ6〜7台グループの後ろの方を走り「う〜んやっぱり俺のトラはグレートだなぁ」「これならトライアンフワークスのG・ロメロにも勝てるんじゃないか!フフフッ」勝手な妄想にうっとりする。
平成15年11月8日 PM14:50 西伊豆スカイライン
いくつかのコーナーを消化した頃、“あれ”は静かにやって来たのでした。しかも登りのかなりタイトなコーナー手前でスロットルバルブが固着。「うぅ、これは神のイカズチか!」「ヌォォー、いかん!このままではガードレールを突き破り大地に還ることになる」クラッチを握るが回転数は5千から落ちず!フルブレーキ!事なきを得る。これより後、大幅にペースダウン
平成15年11月8日 PM15:10 西伊豆スカイライン出口
料金所でS北氏が「K渕さん、途中からスローダウンしたけど、またキャブですか?」ずばり言い当てられたのが悔しかったので訳が分からない答えでうやむやにすべく「あ、うん、減速できないから逆にアクセル全開で走ったよ。俺はポジティブだからねぇ、此処にいる全員を逆ハンぶち抜いたけど」「あーそうか俺のトラが速すぎて見えなかったのかぁ」とすぐバレるウソをつく。
平成15年11月8日 PM16:00 国民宿舎伊豆まつざき荘
到着後、校長は「凄いよ5階全部うちで占拠だよ!」それはそうです5階にはトリニティーに割り当てられた5部屋しかないのです・・・。「校長、部屋割りどうしますか?」と指示を仰ぐと答えは「俺は今すぐ風呂に行く」・・・仕方ないので名簿順で部屋割りする。
平成15年11月8日 PM17:00 502号室
同部屋のメンバーは参加者唯一のOG、O澤女史とS巻さん、そして最近トリニティースクール無形文化財に指定されたK田さん。K田さん早速室内を見回して「なんだ部屋に冷蔵庫ないのか?」と施設内のビール販売機へ向かう無駄のない動きはさすがである。502号室で新たな問題が発生!O澤さんを除く同部屋の全員が「自分はイビキをかく、それも凄いイビキを」と自己申告し始め、それを聞いたO澤さんは困惑ぎみでこう答えた「あまりにもうるさかったらこっそり違う部屋で寝るから大丈夫よ」
平成15年11月8日 PM17:45 502号室
風呂で一日の汗を流し部屋に戻る。誰もいない、部屋には自分ひとり。おもむろにテレビのスイッチオン!好色一代男らしく、こういう所ならではの有料スケベチャンネルを探すがその様なサービスは無いらしい。怒りが込み上げる「ここはプリンスホテルではないのかッ!」と独り言・・・。怒りのあまり隣接するプリンスホテルとまつざき荘の区別すらつかない状態。自分を見失う。仕方ないのでNHKで全国剣道大会を観戦する。ごろごろしつつテレビを観ていると開けっ放しのドア付近で聞き覚えのある声がする。「あ、K渕さんじゃねーか」振り返るとそこには3人の男が!「おぉ今、着いたの。入ってきなよ。」 やって来たのは7期生のM地氏と自宅から数キロでコマンドが壊れた13期生S谷氏、そして元教頭S崎氏。M地氏は今回、K田さんにトラを借りて参加予定であったがK田さんの家まで行くのが面倒くさくなり当日クルマで参加(会社のカローラを無断借用)停学処分・・・
平成15年11月8日 PM18:05 大広間
夕食開始。まずはビールで乾杯する。「あれ?S根さんが居ないぞ」「だれかS根さん見た?」「本当だ19人しかいない」聞くところによると宿泊所のかなり手前でS根さんは「私はもう少し走りたいので皆とは違うルートで行きます」と別れたそうだ。みんなは心配しているのか、してないのか飯をバクバク喰い始めたころにようやくS根さん現る。食事中に元教頭S崎氏が「あとで卓球しようぜ」と言う。クルマで来た3人はまだ風呂に入っていないので私服のまま。「まぁ、まず風呂に入ってさ」M地氏がやんわり言う。そこで私は「大体、私服で卓球なんて俺は認めねーぞ!いにしえの昔から温泉卓球やるときは浴衣だろ!」食事後4人で風呂に行くこととなる。
平成15年11月8日 PM19:00 大浴場
脱衣所での出来事。私の横で服を脱いでいたS谷氏が突然、話しかけてきた。ふとS谷氏を見るとパンツ一丁で、それもムラサキ色のブリーフ一丁で突っ立っている。「えっ、なに」と私が答えるとS谷氏は「ねぇ俺のパンツ後ろ前逆じゃないかなぁ」「やっぱり逆だよねぇ、なんか履き心地悪かったんだよ」私が確認すると確かに逆でした。これを聞いたM地氏とS崎氏は「S谷!お前もう30(年齢)だろう!パンツもちゃんと履けねーのか!バカ」それからS谷氏は我々にこう言ったのです。
「パンツ後ろ前に履いて乗ったからコマンドのギアボックス壊れたのかなぁ・・・」
S谷氏は確かに日頃いいヤツだが、この時ばかりはS谷氏が今すぐ死ねばいいと思いました。
平成15年11月8日 PM20:00 505号室
風呂上りにS崎氏行方知れずになる。M地氏とベランダから煙草を吹かしつつ外を眺める。中庭を挟み向かい側の建物1階部分に卓球場があるようだ。潮風に乗り微かに卓球に没頭する人の叫び声が私たちの居るベランダに届く。なぜか卓球をしている1人の動きは昆虫のようで気持ち悪い。汗も相当かいているようだ。「・・・なぁ、あれSやん(S崎氏)ではないか?」「ん〜?」眼を凝らしよく見る。確かにあの気持ち悪い動きをしている卓球選手はS崎氏だった。
平成15年11月8日 PM20:50 宿舎付近
生徒数人で宿舎付近を散策。何もなくすぐ宿舎に戻る。食堂でトリニティー入学時の教材車選びよりも真剣に各々好きなアイスを選択し購入する。横にある喫茶室で校長とK田さん、Y泉さんが談笑していた。しかしこれから数分後に校長は大変、気まずい思いをS谷氏によって強いられる・・・。
平成15年11月8日 PM21:07 505号室
なぜか505号室に生徒が集まりだし人口密度が濃い。酒を飲む者、談笑する者で混沌とする。「俺もアイス買ってこよう。どこに売ってた?」S谷氏が聞く「1階の食堂で売ってるよ」買い物に行くS谷氏。10分後に手ぶらで戻ると「アイス売ってないじゃないか!ウソつき!」と怒り出す。
平成15年11月8日 PM23:00 2階喫煙スペース
販売機でビールを購入。横に設置してある数種類のマッサージ機に数人が興味を示すが有料で二の足を踏む。そこへほろ酔いのK田さん現る。酔っていることをいいことにマッサージ代の100円を各自がK田さんにせびる・・・。
平成15年11月9日 AM02:35 502号室
「・・・ん?誰だ、大声で話しているのは?」眼を覚ます。横に居るK田さんの方を見ると「・・・ガガガガガァ・グァ・ガッガガ・・・」いびきだった。あまりにも見事ないびきに驚く。しばし観察しているとK田さんのいびきには人間には聞こえない周波数が含まれているのか、窓の下の海で魚が跳ねた。
平成15年11月9日 AM07:25 502号室
「プシュッ」「ング・グビグビ」物音で起床。「ん〜風呂上りはやっぱり○○○だな」とK田さん。朝風呂に行って来たらしい。そこへマスクにサングラス姿の校長が現れ「熱が出た」「寒気がする」「クルマで帰る」と言いながら布団に入る。
平成15年11月9日 AM08:15 大広間
私の横で変な汗を掻きつつ朝食を取る校長。体調が悪そうだ。校長が突然思い出したのか昨晩の事を話し始めた。喫茶室で校長が生徒数人と談笑中にS谷氏が現れた。従業員のお爺さんに「アイスください」「はいソフトクリームね」と準備を始めるお爺さん。「いや、棒付きのアイスください。棒の付いているヤツ」執拗に棒付きのアイスを求めるS谷氏。お爺さんはコーンを片手に困惑気味で「えっ、ボウズ?ボウズがなんですって?」話がまるでかみ合わない。「だから棒が付いたヤツください」S谷氏は諦めない。話がかみ合わないのは当然です。喫茶室にはソフトクリームしかないのだから。ようやく、ここには棒付きアイスが無いことに気が付いたS谷氏は、この訳の解らない客の為に半分準備を済ませたお爺さんに「じゃ、いらないです」の一言。S谷氏が去ったあと残された皆はかなり気まずかったと語る。校長は話終えた後、お茶碗を握り締めS谷氏を指差し「コラッS谷!君の行動は問題あるんじゃないか!バカ!」と怒る。残念ながらS谷氏の処分は極刑にする以外ありえないと判断し、鳥島への島流しと決まった。この島の過酷さは吉村昭(著)の「漂流」に詳しい・・・。
平成15年11月9日 AM10:05 まつざき荘駐車場
朝の天気予報ではお昼過ぎから雨。異例の現地解散となる。集合写真を撮る。今日もたっぷり走る者、すぐ帰路につく者と様々。校長が「各自、家に無事着いたら学校の留守番電話に連絡を入れること。解散!」と宣言。各車爆音と共に伊豆松崎を後にしたのでした・・・。(了)
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