『釣りバカふたり北島を行く』 ![]() 【ニュージーランド北島】 【借りたフォード製キャンパーバン】 前回のパラオ篇にて釣り談義にはまってしまったのですが、この年’95年の暮れから新年にかけ念願の『ニュージーランド釣行』の夢が実現しました。 海外釣行は'94年タイのパタヤ沖と'97年のロタ島と敢行したのですが、やはりNZが一番印象に残っております。釣りに興味がない方にはいたってつまらないかもしれませんが、その他旅情報も盛り込みますので一読願えましたら幸甚です。 我が釣りの師匠であり、また二十数年来の悪友でもあるF君から'95年の11月に電話があった。「今年はどこ行こう?」僕は迷わず「そりゃ、NZだよ。ちょっと遠いけど。海と湖が両方いけるからな。」 と言ったのだが、脳裏にはこの年のパラオの『ブルーマーリン』への未練があったのは否定できない。またあのキャプテン・ミックの故郷での釣行という意味でも是非訪れてみたかった。ま、サラリーマンがある程度まとまった休暇を取れるのは盆暮れかGWくらいなもので、その中でもやはり正月が確実だ。 ところがこの正月は南半球のNZは真夏であり、夏休みとニューイヤー・ホリデイが重なっておりリゾート地でのホテルの確保が大変そうだ。 そこでどうせ釣り三昧が目的なのだから移動の足と宿泊を両方兼ねるキャンピング・カーにしようと思い立った。 ところが旅行代理店に聞くとほとんどこの手の情報を持っていない。『地球の歩き方・NZ』に読者の体験記でキャンパーバン(キャンピングカーの意)による南島の旅が載っており、そこにMauiというレンタル業者の紹介があった。さっそくFaxで問い合わせてみると2人用でNZ$140/日、2〜4人用でNZ&200/日程度とのこと。当時のレートで日本円に換算すると各々約9,800円と14,000円(1NZ$=\70.0)となる。 これだと、別途にレンタカーを借りホテルに泊まるよりも安上がりになりそうだ。大の男二人で2人用だとちょっと狭いと想像し4人用を申し込んだ。 申し込みにはクレジットカードの番号を知らせる必要有り。 往復の航空機であるがニュージーランド航空が直接乗り入れており便利なのであるが料金的な理由でカンタス航空使用となった。ただしこの場合、シドニーで一泊しなければならず、その為にオーストラリア大使館に行ってヴィザを取得せねばならなかった。 【12月27日】 12月27日の昼前カンタス航空機は成田を飛び立った。 シドニー着予定は夜の10時。長い長い空の旅だ。過去ジャカルタ以南は旅したことがない。もちろんオーストラリアは始めてだ。時間があればオーストラリアも回りたいのだが涙を飲んで次回にまわす。 さて、シドニーにやっと到着したものの旅行代理店を通じて頼んだホテルの送迎バスが一向に来ない。 しょうがなくタクシーに乗り込みホテルへたどり着く。フロントに文句をいうと“聞いてない”の一言。やれやれ、今更言い争ってもラチがあかないので早々に寝る。 【12月28日】 翌日再びカンタス航空でNZに向かうがこれが以外と時間がかかる。確か記憶では4,5時間かかったと思う。地図上で見るとオーストラリアに比べ小さくみえるNZは直ぐ近くと錯覚してしまうのだ。 現地時間午後4時、北島の玄関口オークランドにやっと到着。ちなみに首都は同じ北島にあるウェリントンだ。 オークランド空港の税関で長いロッドケース(釣り竿を収納)を持った僕らを見て係官は第一声は『ウェーダーを持っているかい?』であった。これは川釣りなどで身につける胴長靴のことだ。海外から細菌、害虫などが使用した胴長とともに持ちこまれるのを極度に警戒しているようだ。『NO』と言うと後は何も見ずに行ってよろしいと言われた。 【12月29日】 さっそくオークランド市内へ出かけてみる。市内観光が目的ではなく、釣り情報を仕入れるのが主たる目的だ。それと現地の『魚の本』や海、湖用のルアー(現地で人気の有りそうなもの)を探したりする。 オークランドは近代的な大都会で極めて清潔な印象がする。もちろん英連邦の一員ということもありイギリス的な街づくりの雰囲気が随所にみられる。 それとは別にやはり庶民が集うマーケットが面白い。市内にはビクトリアパーク・マーケットとチャイナ・オリエンタル・マーケットがある。特に後者はアジア各国の産品が盛沢山集まっており冷やかしだけでも楽しい所だ。ブラブラしてお腹も空いてくる。フェリーターミナルの近くに行くと洒落たシーフードのお店が何軒かある。そこで豪快に海の幸をほうばったことは言うまでも無い。 おまけの話題。オークランド市内でみかけた『OKショップ』。かの大橋巨泉氏が経営するチェーン店である。入り口には彼の等身大の写真看板が。まさかNZのオークランドまで進出していたとは・・・。逞しき商魂に脱帽。 さて、いよいよ明日からはキャンピングカーでの釣り三昧行の始まりだ。 【12月30日】 F君と僕はキャンピングカー(以下CCと略す)を借りるべくMAUI Lesure Portへ向かった。 場所はオークランド国際空港の直ぐ近くにあった。広大な敷地にずらりと大小のキャンピングカーが並んでいる。 受付に行き予約の確認を取る。この時同時に北島と南島間のフェリボートの予約も入れていたのでチケットを発券してもらおうとしたところ、何と往路の北島→南島はOKなのだが、北島へ戻る復路の予定日も再び北島→南島という予約を入れてしまったと言うではないか! 帰って来ることが出来ないのだ。なんたるドジさかげんなんだろう。係りの女の子は悪びれた様子もなく、『あなた方ね、たった10日間で北島と南島は回りきれないわよ。間違えて予約入れてしまったけど、北島をゆっくり楽しんでね』ときた。 なおも当初指定の帰り便を取ってくれと食い下がったのだが、とにかく満席とのこと。 F君と憮然とするがどうしようもない。あきらめるしかないだろう。 だが、彼女の言ったことは大正解であったことを後で思い知らされることになる。 さて、事務所で手続きを終えると別の女性が来て僕らを車まで連れて行った。 ここで借りる予定のCCについて概略の説明をするという。 ![]() 【キャンピングカー・CCの内部】 CCはフォード社製の車がベースになっている。3.4リッターのディーゼルエンジンで長さ4.8m,幅2.2m,高さ3.3mの仕様となっている。 中の設備はキャビンへのステップを上がると正面に台所、右手つまりキャビンの奥にリビングルーム、左手手前にトイレ兼シャワールームがセットされている。 台所はシンクタンクとガスコンロが付いたキッチンセットと呼べるもので開き戸を開けると鍋釜、フライパン、食器セットとほぼ不自由しない程度のものが揃っている。ガスコンロなどは4口もある。使用するLPガスはボデーの外の収容ボックスに収められている。 奥のリビングは両脇に長椅子が付いてており、真中にテーブルが置いてある。 大人4人がゆったり座れるスペースだ。 夜になるとここは寝室に大変身。真中のテーブルを利用してダブルベッドになる。ルーフの下にはぐるりと収納箱が取りつけられとっても便利に出来ている。 もう一つのベッドは運転席の上、外から見ると帽子のようにせり出している部分がベッドになっている。このサイズはシングルサイズだ。 したがって大人2人、子供2人程度の家族で旅行できるサイズだと思えば良い。さて肝心のトイレといえば、これが水洗式。自前の給水タンクからペダルを踏むと水が流れる。シャワーを使いたい時は便座のフタを閉じてシャワーを使用。台所の使用水と共に備え付けの「汚水タンク」に一時蓄えられる。 その溜まり具合もゲージで表示され、その後このゲージとにらめっこの日々が続くことになるとはこの時は夢にも思わない。 とにかくこの「汚水タンク」をモーターキャンプ場でいかに空にするかしつこく教えられた。 それと運転席のエアーコンとは別にキャビン内にもエアーコンが完備。走行中は発電機で、オートキャンプ場では一般電源から給電するしくみ。学生時代住んでいた四畳半生活よりも贅沢な設備と空間なのだ。 説明が一通り終え、さぁ出発だ。 進路を北に取る。今日の目的地はオークランドの北方約240kmのリゾート地Paihiaだ。 道路は英国、日本と同じ左側通行だから違和感が無い。CCはディーゼルエンジンであることと車重がかなりあることからさっぱりスピードが出ない。特に坂道では全然ダメだ。ま、そんなにかっ飛ばして行く必要も無いか。途中展開される景色を眺めながらのF君との会話。 『おい、なんかこの景色見たことあるんでないかい?』 『こりゃ北海道の道東だろが!』 『あ〜あ、こったら景色見に金と時間を使って、ばっかみたい!』 車外の景色は見渡す限りの牧草地と草をはむ羊の群れまた群れ。 ちなみに二人とも北海道出身者だ。 オークランドを出て約4時間、Paihiaの町に近づいてくると道路脇のホテルやモーテルに『No Vacancy』の看板が。 郊外に有るモーターキャンプ場(以下MCと略す)は2ヶ所とも超満杯で駐車スペースがない。どうしようか?と思い町の中をぐるぐる回ると学校のグランドに何台かのCCが見えた。 さっそく行ってみると地元の学校が臨時に場所を開放してくれたようだ。 CCを駐車し、町をぶらついてみる。凄い数の観光客だ。この時期北島は北へ行くほど暑くなる。学校の夏休み?とニューイヤーホリデイで南島からの自国民に加えて各国からの観光客が大挙して北島のリゾート地へ殺到するらしい。 Paihiaは海辺のリゾートとして有名で釣り舟が多数あるとのことだが、この日はほとんどフルブッキング。NZ人は相当の釣り好きらしい。 【12月31日】 翌朝、さらに北上することに。Paihiaを出る前に「汚水タンク」のゲージを見ると満杯に近い。その辺に撒き散らすわけにはいかない。昨日見かけたMCに入り事務所へ行く。受付のお兄ちゃんは『片目のジャック』風の何やら狂暴そうな御仁で、僕らが入っていくとその隻眼でジロリとにらんだ。 『あのう・・・、実はですね、クソ、いやいや水タンクが満杯で。そのぉ、もしお許し願えれば、いやダメならいいんですけど。ちょっと捨てさせてもらいたい・・・のですがね。』 と言うなり彼は椅子から立ちあがりカウンターから出て来た。僕らは思わず後ずさりすると、ジャックは僕らの脇を通り過ぎドアーを開けてアゴをしゃくって言った。 『Over there』 『・・・・・・』恐る恐る彼のアゴの先をみると汚水用ダンプ場が見えた 『Hahaha,Thanks a lot!』僕らは彼の気が変わる前にダンプ場にすっとんで行った。車も心もスッキリしてバイバ〜イとジャックさんに手を振って別れた。 F君と顔を見合わせ『意外とイイ奴じゃん。』と微笑んだ。人は見かけで判断するなということだ。 MANGONUIの途中のMCに立ち寄るも全て満杯で、ほぼMCにキャンプすることは絶 望的になってきた。 MANNGONUIに到着。 ここもリゾート地でいくつかホテルがあり観光客の姿が見 られるがPAIHIAほどではない。 港に行くと面白い施設があった。 木製の桟橋があり、突端に水産会社の倉庫・事務所がある。その周りで多くの釣り人が鈴なりになっている。この辺りはDOUBTLESS BAYの一番奥まった地点だ。 桟橋の手前に駐車場がありCCを止め、さっそく様子を伺いに行って見る。 釣り人はほとんど観光客というかキャンパー達らしい。大半が家族連れで、中には先住民のマオリ族の人々も混じっていた。 どんな魚が釣れるのだろうとしばらく眺めていると側の少年の竿にアタリがあった。釣り上げられたのは日本でいう「馬頭ダイ」である。体長30cmくらい、悪くない型だ。 あとはよく名前のわからない小魚が上がっている。この水産会社の事務所脇には釣道具屋さんがあった。通常こうしたプライベイトな桟橋は釣り禁止のはずだが、一般の人々に開放しているらしい。嬉しい限りだ。 そのうち桟橋の先端で釣り座を構えていたおにいさんのリールが悲鳴をあげだ した。見ると竿が満月のようにしなっているではないか。 おにいさんは腕をブルブルと震わせて耐えていたのだが、そのうちバチーンという音をたて糸が切れてしまい尻餅をついてしまった。 日本での堤防釣りの感覚では計り知れないものがここにはいる。 さっそくF君とルアーをキャストし始めた。そして30分もしたころであろう か。F君のルアーに大物がヒットした。しばらく大物とのやり取りが続く。 そのうちかかった魚の魂胆が見えてきた。徐々に桟橋の下に潜りこもうとしてる。そうなると桟橋の支柱にラインがこすられ切れてしまう。 そうはさせじとF君はひっしで逃げ込みを阻止しようとするのだが、いかんせん大物のパワーがありすぎる。とうとう桟橋の下に潜られたか、と思った瞬間フッとラインがたるんだ。切られたのだ。 おー、これは楽しみだ。この湾にはとてつもない大物が入ってくるらしい。 この魚は恐らく地元でいうKINGFISH、日本名ヒラマサであろう。体長は80cmを超えるものがいる。小魚を捕食するため湾の奥深くまで入ってくるのであろう。夜に期待する。
【 mangonuiの桟橋と水産会社倉庫】 薄暗くなり始め腹がへってきたので一旦CCへ戻り、近辺のお店を物色するがなんと大半の店が閉っているではないか。 ふと駐車場の外れのレストランらしき店に人だかりが。 さっそく行って見るフィッシュ・アンド・チップスのお店。おいおい、大晦日にこんなもん食べる の皆さん?と思うのだが他に開いてる店がない。 しょうがなく列に並ぶ。 2人前頼んだら馬が食らうほどの量がきた。あとかろうじて残っていたエビサラダらしきものをゲット。 しかし、飲み物がない。ビールが売っていない!ワインもない!!今日は大晦日なんだぞぉ。 結局'95年の大晦日は惨めにもフィッシュ・アンド・チップスと水で過ごすことに・・・。こんなことなら早めにスーパーでビール、ワイン、シャンペン、ウィスキーの類を買い込んでおくんだった。涙、なみだ。 そしていよいよ96年の年越しカウントダウンを迎える瞬間!ふたりは桟橋突端でさかんにロッドを振っていたという『釣りバカ』ぶりを発揮。 夜になり桟橋の灯りに引き寄せられるように鯵の群れが寄ってきており、これを追う大物を期待してガンバッたのであるがアタリなし。 しょうがなくその鰯をサビキで何匹も釣ってしまった。明日の食料じゃ! 【1月1日】 明けて元旦。そろそろ真の大物に出会いたくなってきた。地元の土産屋に釣り船案内の看板を見つけ尋ねてみる。釣り舟がこの正月あるかと聞くとさっそく連絡を取ってくれた。明朝オーケーとのこと。船のキャプテンの居場所を聞き、簡単な案内図を書いてもらう。 この日はあたりをぶらついてみる。MANGONUIのちょっと先にMCがあるらしいので行ってみるがやはり満杯だ。ただしMC脇のビーチが素晴らしい景色で十分駐車スペースがある。あぶれたCCが何台かキャンプしているので今夜は僕らもここに泊まることにした。トイレもMCのが使用できる。久しぶりに遠慮無くたっぷりとナニをして水を流すことができた。とても気分が爽やかであった。 【1月2日】 早朝、MANGONUIへ戻り、船のキャプテンの家を探した。キャプテンはまだ若い。今日の釣りは一応“マーリン”を狙うという。またキャプテンの友人ふたりが相乗りすがOKかというので快諾した。CCをキャプテンの家に預けヨットハーバーへと向かう。思ったよりはるかに小さいプレジャーボートだ。 友人二人も既に到着している。キャプテンの説明によると、3時間ほど走ると絶好のポイントがある島に着く。今日はそこまで行って見よう、とのこと。さっそく出航。外洋に出たとたん波が高い。時間が経つにつれ荒れ模様がひどくなってきた。 小さなプレジャーボートは荒波に翻弄される木の葉みたいだ。とても立っていられない。この朝効き目抜群であるはずの『DRAMAMIN』を飲んできたのであるがどうもこみ上げてくる気配だ。 しばらくするとキャプテンの友人のひとりがトイレに駆けこんだ。こうなるとつられてがまんが出来なくなってくる。僕もトイレに駆けこむハメに・・。その後、断続的に吐くのだがもう吐くものが無い。この世の生き地獄だ。 この点F君は先天的に船酔いしない体質なのか、平気な顔をしているのが恨めしい。 あと目的地の島まで少しという時、ボート後部にいたキャプテンの友人のひとりが大声で叫んだ。『マーリンだ!』僕はもつれる足取りでキャビンから這い出し後部へ出てみると、なんと船外機の直ぐ後ろ3,4メートルのところに巨大なマーリンの背鰭が見えるではないか!こいつはボートにわざわざ挨拶にやって来たらしい。なんという不適なマーリンではないか。 『ジーザス・クライスト!』キャプテンが吼えた。キャプテンは友人と大急ぎでタックルを取りだしセットした。そして吹流し(擬似餌)を投入した。 僕はこの「臨戦体制」に入った瞬間、船酔いであることを忘れ去った。しばらく挨拶に来たマーリンを探しトローリングに入る。 僕はただただ船から振り落とされないようにデッキの支柱にしがみ付いてボートの後方を睨んでいた。いつしか目的の島が見えてきた。この島の周りをしばらくトローリングする。 嵐はますます強まる気配だ。遂にキャプテンが『もう引き上げようぜ』と苦々しく宣言。 悔しいがキャプテンの指示に従うしかない。緊張の糸が音をたてて切れたように感じた途端、僕はキャビンのなかに倒れ込んだ。 【1月3日】 今回のNZ釣行のもう一つの目的は湖でのトラウト(マス)、特にTAUPO湖のニジマス狙いであった。どうも海はいまいちパッとしない。ここいらで気分一新、湖を攻めてそれから再度海釣りに挑戦、ということに決めた。 TAUPO湖は北島のほぼ中央に位置している。現在僕らはかなり北部にいる。一挙に南下することにした。一日ではとても着けない距離なので、行ける所まで行って泊まるという何時もの無計画ぶりだ。 オークランドを通過し更に南下する。高速道路が無い為、平均時速(休憩時間も入れ)50kmくらいしか進めない。それにしてもボートを引いている車の数が多い。海辺や湖、至るところでボート遊びができるため、NZ国民はかなりの割合でボート所有者がいると思われる。ガレージをのぞくと車の横にボートがしっかり「駐ボート」している。 オークランドから約120km来た地点で夕刻がせまってきた。ガイドブックをみるとTHAMESというところにMCのマークがある。ガソリンスタンドで給油したついでに聞くと直ぐに分かった。行ってみると嬉しいことに空きがある。今回CCの旅で始めてのMCだ。今日こそたっぷりシャワーが浴びれるぞ。洗濯物も溜まったし。 ここでNZのMC(モーターキャンプ)の施設についてちょっと紹介。全土に数百ヶ所完備されており、通常自国民であれば使用料は500円くらい。我々外国人はちょっと高めでそれでも1000円程度。 受付で使用料を払うと所定の駐車スペースを割り当てられる。各スペースには水道の蛇口と220vの電源が配置されている。この使用料は別途加算されない。あと共同の炊事場(3組くらい同時に炊事可能)とダイニングルーム、ロビーのある建物があり、併設してシャワールームとランドリー(両方ともコインを使用)施設がある。もちろん水洗式トイレも完備だ。 そしてCCの汚水処理施設も。その他MCによっては普通の自動車で旅する人の為に固定式CCを用意している所もある。更に車の無い普通の旅行者が泊まることができるドミトリーを完備している所もある。 ここTHAMES MCはそれら全てがあった。到着してシャワーを浴び一服してから事務所に買い物に行ったところ、スタッフがちょっと、と手招きした。なんだろと思い行ってみると『実はねあの子日本人らしいのだけどトラブルらしい。どうも歯が痛いらしいんだけど言葉がわからなくて困っていたんですよ』とのこと。 それで始めて玄関脇に立っている東洋人の女性に気がついた。彼女に近づき聞いてみるとやはり日本人で一人でNZを周っているとのことだが、昨日からひどい歯痛で我慢できないという。それで痛み止めの薬が置いてあるかどうか事務所に来たらしいが何と言えば良いのか分からないという。 スタッフに事情を説明して『Pain Killer』ある?と聞くと幸い持っているとの返事。さっそく分けてもらい彼女に渡したのだが、後ろからスタッフが『痛み止めは一時的なものに過ぎないから、ちゃんと歯医者に行った方がいいよ。明朝私が知っている歯医者まで連れて行ってあげるからそれまで辛抱してと彼女に言って下さい』と言ってくれた。 その旨彼女に伝えるとやっと安堵の表情が浮かんだ。 それにしてもほとんど英語が分からないまま女ひとり旅とは度胸があるというかなんというか・・・。これがもっと深刻なトラブルにでも巻き込まれたらどうするんだろう?などと他人事ながら心配になってしまう。 翌朝、事務所の前で立っている彼女を見つけ、手を振って別れを告げた。もしも彼女がすごい美人だったらどうしたろう?もっとめんどうみたんじゃない?とF君に聞くとただニヤリと笑った。 【1月4日】 朝からCCを休みなしに飛ばし、途中パンクにみまわれたが親切な現地の方に助けられ、無事目的地のタウポ湖畔のMCに到着。さっそく地元の釣り具屋に行き、「入漁券」=ADULT'S WEEK LICENCE($22)を購入。ついでにトラウトにヒットするという店長おすすめのルアーも購入する。湖に戻り、MCに近い岸辺から何度かキャストするがヒットせず。翌朝に期待をかけ早々に就寝。 ![]() 翌朝、タウポ湖で船外モーター付ボートを借りる。こうした時も「四級船舶免許」が必要。F君はしっかりと持っているのだ。なお、この日本の免許は国際ライセンスで世界に通用する。 ここタウポ湖のトラウトの釣り方の最大の特徴は左写真のように『トローリング』方式。周りをみると皆さんこの方法で流している。残念ながらこの方式でかかるとも思えず、岸辺に近寄り沖合から岸のスポットに向けキャストを繰り返す。しかし、かからんのだなぁ、これが。2,3時間ヘロヘロになるほど攻めたのであるがノーヒット。むなしく船着き場に引き返す。 そこで昼飯を食った後、作戦を変えて河川がタウポ湖に流れ込む河口部を攻めることにして移動。河口部では地元の年寄りがフライでせめている。そのp横でルアーを幾度か繰り返したF君のロッドに強烈なアタリがあった。素早くリーリングするF君。かかったのは見事なレインボー・トラウト(ニジマス)だ。 ところが、後で判明したのだが、このF君が釣り上げるのを見ていたフライ・フィッシャーマンが地元の管理員に通報したらしい。ライセンスをよく読み返すと、河口部から300m以内はルアーの使用禁止となっているからだ。 後から管理員が我々のCCまでやって来てそのことを告げた。しかし、そのときはすでに釣り上げたトラウトは別の場所で解体され、三枚におろされた後で証拠物件は見つからなかった。いずれにせよ違法である。尚、その晩の夕食にニジマスを料理して食べたがあまり美味ではなかったことを記しておく。 ここタウポ湖でもこれといった釣果が得られず、傷心をいだいた二人は再び北上し、オークランド港北部にたどりつく。ここでボートをチャーターした釣りは写真を撮る暇がないほど多種の魚がかかり、我々ふたりやっと釣り三昧を堪能した。特にタイに入れ食い状態にはびっくりした。 最後はちょっと尻切れトンボ状態でなさけないが、かくして大した釣果には恵まれなかったものの大いに釣りには堪能できた2週間であった。1月10日の夕刻飛び立った飛行機はシドニーにて2時間のトランジットの後成田へ向かった。帰国したのは翌日11日の朝6時頃であった。 |
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