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居眠りコレクション・八卦掌編

中国大陸で出版された書籍の多くは、武術書に限らず再版されることは非常に少ない。
こうした書籍を資料として、コレクションしていくのなら見つけた段階で必ず購入することが必要である。このようにして衝動的(?)に集められた、多くの書籍が小生の手元に眠っているのであるが、これを機会に少しずつこの図書室で紹介してみたいと思う。





八卦拳真伝


八卦拳真伝:孫 錫コン著/中華武術出版社(台湾台北)・1974年影印版出版
初版本は大陸で1934年に刊行されたもので、この書籍は台湾で再版されたものである。
程廷華派の八卦掌を伝える貴重なもので、八母掌の他に八卦剣や春秋刀などが紹介されている。
また、後半には「道功・点穴・薬功」も紹介されており、各種の経穴を打撃された時に起こる症状の解説と、それに対する漢方薬の処方箋もある。
小生はある機会に、この書籍に出てくるのとまったく同じ套路の学習をしたことがある。そして、この古伝の套路を学ぶことにより、現在多くに分かれた八卦掌の八母掌における、ある種の共通性を認識できるようになった。ちなみに同書内の套路の解説は、頻繁に撮影時の向きが変わったり、また繋ぎの部分が著しく欠如しているので、単純な套路の学習には不向きである。これは、出版当時の状況等から考えれば致し方ないことである。
*写真上は八母掌/翻身掌

*双換掌




八卦掌図説


八卦掌図説:閻徳華著/華連出版社(台湾台北)・1983年影印版出版

1936年に大陸にて出版された書籍の復刻版。八卦掌の招式を現したもので、当時の套路紹介中心の書籍の中では非常に珍しいと思われる。
また、技法の紹介に使われているイラストが、どこかコミカルで、技が決まった時の相手の表情など中々細かい表現がなされていて楽しい。また細かいついでに言えば、写真のように指の開きかた等も強調されており、力の入り加減等比較的推測しやすい。

この書籍の技法に付いては、日本においても松田隆智氏が、日東書院から昭和59年に出版した「八卦掌入門」の後半部において、自ら演じて技法の再現に取り組まれている。ただし、小生的にはこのイラストの原著の方が、色々な意味で面白く感じる。
また同書には、漫画「拳児」で有名になった八卦掌の「大公釣魚」も載っている。
*写真の技法は「左右坡腿」

八卦七十二暗腿


八卦七十二暗腿:趙震忠著/北京体育学院出版社(中国北京)・1993年初版出版
八卦掌の技術構成において、よくその七十二暗腿の名前を耳にするが、実際に目にする機会は極めて少ないのではないだろうか?
この書籍は、その題名の通りこの珍しい套路の紹介をしている。
暗腿とは、文字通り「見えない蹴り」を意味し、八卦掌には「扣歩・擺歩」などの歩法が、変化して相手の足を引っ掛けたり邪魔したりなどの用法に変化することが知られている。

この書に紹介されている套路は、内容的には通常よく目にする八卦掌の套路と大同小異であり、たまに掲載した写真のように足を蹴り上げたりしている。ただ、こういった動作のほとんどは、通常学ぶ八卦掌においての個々の暗脚と変わらず、どちらかというとそういった単体での練習に不向きな人が習得できるようにと、先人が考え出したものではないかとも思える。
もっとも、伊福派などでは羅漢拳の套路を改変して八卦腿に使っているようなので、もともと脚力の自由度を挙げる練習用なのかもしれない。



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