−猛虎硬爬山に付いて−
猛虎硬爬山(前半部分)
| 小生が学んだ猛虎硬爬山は、武壇系八極拳の六大開なのであるが、専門誌等に発表された武壇系に比べると、その技の構成順序に差違があることが分かった。 また、以前別のネット上の掲示板において、武壇系を学習されている方々にお聞きする限り、台湾武壇では「冲捶→寸捶・冲捶→頂肘」と両手の変化でそれぞれ行うのが普通のようである。 この結果、小生的には自分の系統の伝承が一体どうなっているのか、実はよく分からなくなってしまったのである。 ただ、八極螳螂拳を率いておられる蘇c彰師範が、1999年に雑誌「武術(うーしゅー)」誌で発表された「猛虎硬爬山」は、よくその構成が似ているように個人的には思うものである。 さて、以下に紹介するように小生の学んだ「猛虎硬爬山」は、把子拳による右馬歩捶から始まり虎爪掌の打ち降しで終わる。 今回は、その動作の簡単な解説のみにとどめるものである。 |
|
@ 蹲式(冲捶と同じ)より左手を掲げて、センター(中心線)上に持ってくる。 体幹部は正面に対して45度程度の半身に維持し、右手は把子拳にして腰へ移動し左足を爪先立ちにする。 この状態は蓄勁の段階であり、気沈丹田を維持しながらも、前方への三尖相照によ鋭角的な意識を強く発揮する。(水色の矢印線は、身体の左側の動作を表す) |
| A 一旦左足を引き上げて後、激しく落下させて震脚する。これにより「重み」を地球の中心点に返してやり、その反動を待つ。 左手はこの落下の力を利用して前方に伏掌する。この時、肩を伸ばして通臂も一緒にを行う。(緑色の矢印線は、身体の右側の動作を表す) |
| B 左足の反動を利用して右足から大きく跳び込み、「把子拳」にて馬歩捶を打ち込む。 写真では、あまり前に出ていないように写っているが、全力で踏み切り左足も送り足で馬歩になる。 当然、後ろになる左手も十字勁により引かれる。これは、肘打ちとしての威力が出るくらいでなければならない。 |
|
C Bの馬歩より、左足を寄り足して虚歩になる。 右把子拳は、そのまま打った位置に残しておき、寄り足と共に体幹部を正面に向ける。 このように拳を伸ばしたまま足を寄せることにより、相手との距離を維持でき、またこういった技法が秘伝であった頃は、こういった技術を知らない相手との距離感を狂わせることが十分可能であった。 |
| D Cの状態より、右足を前方に素早く送りつつ馬歩になり、右拳による寸勁を発する。(肩の縦回転を入れても良い) 短い距離からの打撃(寸勁)は、体幹部より遠いと各関節がクッションの役割をして威力の減少が起こりやすい。このことを回避するには、纏絲勁による瞬間的な整勁で自分の身体を統合しなければいけない。 |
| E 再び左足による寄り足をして、左掌を右脇下より差込み、体幹部を前方に移動する。 やはりCと同じような技法であるが、今度は左手を前方に出すことにより蓄勁(含胸抜背)がより強力にできる。これは「小八極拳」における頂肘と同じ要領である。 |
| F 右足を大きく素早く前に踏み出し、伸ばしたままだった右腕を変化させて裡門頂肘を打ち込む。 この時の勁道は、あくまで真っ直ぐであり、突き刺すようなベクトルの頂肘でありながらも、体当たりの威力を損なわないこと。 当然のことながら、十字勁及び沈墜勁を充分発揮する。 |
|
| 小生の習った猛虎硬爬山・前段階の特徴は、寸勁を織り交ぜた片方の腕のみによる「三連打」である。 ご存知の通り、把子拳で打ち込んだ後にすぐさま正拳による打ち込みをするのは、以前なら秘伝であり、滅多に語られることはなかった。そして、その連還技の後に肘を打ち込むというのは、「コロンブスの卵」的な発想ではないかと学習当初に小生は思たものである。。 ちなみに、この前半動作はスピーディーに行われなければならず、演じた時には震脚の響きが途切れること無く、「1(最初の沈墜)+3(連打)」といった感じで辺りにこだまする。 |
今回の写真の撮影には、デジタルカメラを門弟より借りて撮影したのだが、恥ずかしながらデジタルカメラの扱いに不慣れで、いつシャッターが切られるか分からない状況と共に、写す側の方に向いたりして応答しつつ撮影するといった不本意な形で行われた。
当然、その様な調子では非常に速いスピードで行わなければいけない、この招式の真価を写すことができる訳も無く、自身の基本的な姿勢すら許容範囲ではあるが、若干乱れてしまった。
新しく撮影し直せば良いのであるが、先だっての水害で利用していたスポーツ施設が使用できなくなり、しばらく練習環境が良くないので撮影はしばらくお預け状態である。よって、先に撮ったこれらの画像を使うことになった。しばらくしたら、また差し替えたいと思うので今はこれで何卒ご容赦!