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−寸勁実技編です!− 八極拳「寸勁」 |
| 「寸勁」・・・初級的フォーム |
| 下の写真の寸勁の実演は、数センチの距離より大型ミットを持つ相手に対しての打ち込み。 緑色の大きい矢印線は、ミットを持って構えている者の位置であり、小さい矢印は、その足下にある畳の線に着けてある。 以前、雑誌「武術(うーしゅー)」誌の1987/5月号において、松田隆智氏が中部工大での威力測定実験で、寸勁には大きな力積があることを証明した。現在伝承されている寸勁の全てに、この様な特性があるのかどうかまでは分からないが、小生の学んだ八極拳の寸勁も、やはり力積が大きいのが特徴のようである。 さて、今回ここに演じている寸勁は比較的初歩の段階のフォームであり、あらかじめ相手に対して体を正面に向けておいて、後足の強い踏み切りによる反発力及び纏絲勁を発生させ、腰(骨盤)を要として上体の各部で威力を加速していく。 この衝撃を受けた相手は、ミットを持っていてもその威力を吸収しきれずに踏ん張ろうとしても踏ん張ることができない。そして、必ず大きく後方によろめいていくことになる。 このフォームを真似すれば、中国拳法の心得が無くともある程度同じような威力を出せるが、やはり身体のジョイント(関節部など)で威力の減少が起こると共に筋力の調整など中々上手く行かないため、その吹き飛び方に大きな差違が出てくる。 なお、寸勁をただの体当たりと同じように捉えておられる方もいるので、今回比較のため下の写真のように小生よりも身体の大きい門弟(Mクン)に助走を付けて体当たりをしてもらった。彼の当たりの最初にも当然威力があるが、その威力はミットなどに確実に吸収され、寸勁のように大きく相手が吹き飛ぶことはない。(小生の寸勁を受けた相手は、Bの写真でも踏みとどまれずにいるが、Mクンの体当たりは、写真Cの時にすでに相手は停止している) |
| 参考:体当たり |
| 「寸勁(毫勁)」・・・上級的フォーム |
| 下の写真の寸勁は、初級と異なりすでに相手に対して体は横を向いている段階より発せられる。 表面上使用できるのは、若干の身体の捻じりのみであり、この僅かな動きから初級の時と変わらぬような威力を出す必要がある。技術の詳細をここに書くことはできないが、横隔膜による爆発呼吸をメインにして、沈身から得られる纏絲勁など、非常に内部の操作で威力を確保する。 ちなみに、ただ瞬間的に右拳を発しただけではミットに威力が吸収されてしまい、Aの写真のように相手は浮かない。 |
例えば「八極拳」の「大纏」後の抱掌の様に、相手を反対の腕で抱きかかえた形で寸勁を打つのは、相手を壁に押さえつけて打つのと同じようなものである。ただ、錬功が進めば打ち出す初撃にもスピードが加わるので、思ったよりも相手に浸透しやすくなる。(これは相手を拳銃で撃つの同じ理屈) 中国拳法には、この他にちゃんと技術として相手に浸透させる技術があり、口伝を受ければ自分の錬功に頼るのとは別に、割と簡単に相手に効かせることができるようになる。 少し紹介すると、一昔前に寸勁の秘伝として隠されていたのが、相手の斜め下方に打ち込む軌跡の取り方である。これはフルコン・カラテのローキックが、ただ棒のように真横から当てるのよりも、むしろ斜め下に切り下ろすように蹴った方が、打たれた脚の逃げ場が無くなり効くのと同様の理屈である。 また、寸勁は通常のパンチの後に連撃することにより相手の腹筋を緩める技術も使う。これは当「TanTan館」で紹介している「猛虎硬爬山」の連続動作を確認して頂きたい。人間の身体は一度打たれたところに意識(気)が集まり防御を行う。しかし、戦闘中は常識として次に来るはずの反対の手や脚に意識が向かうので、そこに残っている腕がもう一度同じ部位に打撃を行ってくることが予測できず、大きく響くことになるのである。また、これを更に有効にするのに「引進落空」と呼ばれる技術も存在する。 |