全ては、衝撃の映像から始まった……

ロシア武術 『システマ』 in 東京

Russian Martial Art Systema Seminar in Tokyo




ネットで遭遇 ロシア武術 「システマ」!

2005年9月9日 ついにシステマ初の日本講習会が開催された!
小生はその前日の8日、九星会の練習会を終えてから、期待に胸を膨らませて夜の名古屋を後にしたのだ。

中国拳法を長年に渡って修めてきたのに「今更、新しい武術を学ぶ必要性があるのか?」と云ったご意見もあるであろうが、小生の姿勢は未知の存在に対しては、常にニュートラルで居たい訳で、新しいものに触れる機会に対して何ら抵抗はない。
ただ若干心配なのは「期待」が外れることだが、システマのビデオやネットの動画を観る限り、システマの有している体系が高度なのは間違いない。
これまで自分は北派の中国拳法を長年錬拳してきて、その過程で大東流の「合気」の技術に惹かれて研究を重ねた。
そして更に功朗法の横山師範と知己を得ることで、イスラエル護身術のクラブ・マガも含め「リアル護身術」に関する見識を深めることができた。
さて、こういった自分の経験は、現代格闘技と武術における「差」について改めて考察する機会を自分に与えてくれた訳で、それぞれ「戦うことを前提」にしてできあがってはいるが、実は大きく目的が異なることを錬度が深まるにつれ実感していった。
こういった分類は、古武術(伝統)・護身術・格闘技に大きく分かれ、中国拳法の殆どは、生まれた時代と分化を背景とした古武術である。
一方、リアル護身術とは横山師範の功朗法やイスラエルのクラブ・マガであり、その前提は現代の日常における「即戦性」である。
また、一般的に呼称される格闘技とは競技性重視であり、試合におけるルールの中でそれぞれが特化した存在である。
つまり、フルコン、K−1、総合、ムエタイ、レスリング、ボクシング、ブラジリアン柔術、柔道、相撲等そのルールの中で極めた体系こそが一番なのは当然なのであり、武術において練習法の一巻であった試合が目的となっている点に注意しなければいけない。

さて、システマである。

初めてこのシステマの情報をくれたのは、ネットの武術オフで知り合った友人からの情報で、当時日本にはアメリカで行われた「合気エキスポ」で講師として招かれたウラジミール氏がシステマ実技の披露と講習会を行ったという情報があたっくらいで、ネットにも幾つかの動画が存在する程度だった。
しかし、その動画を一目観て興奮した!
「速い!速い!!」
ともかく、速いのだ。。。(笑)
「一吐五打」と云うくらいに、小生が学んだ螳螂拳の速さも半端ではないし、翻子拳なんぞは「双拳密なること、雨の如し」と比喩されるほどスピードを重視する。
その小生から見ても、システマの手技の速さは掟破りで、更に信じられない「重さ」を一打ごとに生んでいるようにしか見えないのであった。
その後、システマの情報はどんどん増えていき、そこから中国拳法には無かった身体操作に幾つか気付いていった。
もちろん九星会内でも小生が気付いた方法論を導入し、練習方法も変化すると共にメンバーの動きも好い意味で中国拳法らしいスタイルから開放されていったのである。
だから今回のシステマ講習会は、九星会的に「答え合わせ」の場となるものであり、九星会から延べ合計で13人が出席することとなった。


The Fiest Day (初日)

前日の深夜にメンバーと共に名古屋をたって、9日当日の早朝に我々は東京入りした。
仮眠を取るには既に中途半端な時間であり、個室タイプのマンガ喫茶でとりあえず休憩。。。しかし、環境があまり好くなくて明らかにメンバーの気力が下がってしまったのだ。(泣)
ともかく、朝食を済ませて会場となる田畑区民センターに向かい、開始時間よりも少し早目に到着する。センターの対面に丁度あったパーキングに車を停めてしばし待つと、見知った顔が数人センター内に入っていくではないか!

当然、我々も勇んで会場入り!!

見知った顔は、小生の講習会に出てくれている方や、他の武術の団体の方々。早速そこここで挨拶を済ませ、練習着に着替えて講師陣を待つことに。やがて大きな体格の白人が数人会場入りし、うち一人が明らかに見のこなしが違う。
長身の彼の頭は綺麗に剃り上げられており、ギョロリと向けられる目が明らかに印象的だ!
もちろん、この日本人には居そうもない雰囲気を醸し出しているのが、わざわざ今回来日された、

Mr.Alex Kostic
※写真 BABジャパン
アレックス・コスティック講師……システマの数少ないシニアインストラクターであり、先に何本か入手していた海外で発売されたシステマのビデオでも見た顔だ。
後々聞いた話では、現在はカナダ籍だそうだが元々アレックス講師の母国はセルビア(旧ユーゴスラビア)であり、軍人だったそうである。
この話しを聞いて、その身に纏うオーラが常人と異なる訳に合点がいった次第である。

さて、会場となったのは運動室というよりは会議室の少し大きめなサイズの部屋で、下は硬いリノリウム。
今回定員の50人が入ったら、大げさではなく過密になるであろう!(笑)
それでも20人を超えたくらいで集まり具合を確認して、記念すべき日本初のシステマ講習会はいよいよ開始されたのだ。
小生にとって外国人講師による異武術の講習会は、クラブ・マガのヤニロブ代表が名古屋で行われて以来である。
さて、講習会は通訳を介してアレックス講師が模範を示すのだが、特に日本的な準備運動はなく関節のエクササイズから始まった。
レッスンの具体的な部分は、2005年11月号の「月刊 秘伝」誌におけるシステマ特集記事に譲るが、システマは殆ど全ての動作に「∞」のスパイラルが使われる。それは手も脚も頭も胴体も骨盤も全てにおいてスパイラルであり、このように関節を稼動させていくのは「ジョイントワーク」と呼ばれていた。
システマの優れた点は、このスパイラル運動の追及がそのまま攻防技術を形成していく。
小生がシステマを深く知るきっかけになったのは、アメリカで放映されたディスカバリーチャンネルの「武者修業番組」でロシア武術として紹介されたシステマなのだが、そこでもシステマのレッスンを受けるアメリカ人武道家が両腕を体側で「8」の字にひたすら運動させるシーがある。
九星会で早速この運動を試すと、特定の「技」云々を考える事なくある種の動作が容易に行えるようになり、スパイラルの有効性は経験済みなのだが、まさか全身全ての関節でそれを起こしていくとは想像していなかった。
ちなみに、このエクササイズをこなしている時に思い出されるのは、やはり中国拳法の八卦掌である。
八卦掌の動作の基本も「螺旋」であり、関節の捻りと開放がその独特の勁力を生み出している。しかし、この八卦掌でも、今回学んだシステマほど徹底した関節の稼動は行っていないと思う。もちろん、こういった比較論的な意見には異論もあるであろうが、ここに書くのはあくまで小生の私見であり「自分のところは違う!」と反論を持つ前に、まずはシステマの体系を体験することをお勧めするものである。

こうした基本的な身体操作をこなしている時に、小生の知人である名古屋ブラジリアン柔術のH代表が講習会会場に姿を現した。彼も九星会で採用を始めたシステマの練習スタイルに強く興味を持った一人である。
H氏も加わってスパイラルムーブメントグランドへ移行していく。

八卦掌



ロシア武術「システマ」体験レポート Vol.2

TanTan館