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| 作家番号 | Y021 | |||
| 作家 | 山之内 秀一郎 | Yamanouchi Shuuichiro | ||
| 国籍 | 日本 | 生没年:1933〜 | ||
| 東京都生まれ。東京大学工学部卒業後、日本国有鉄道に入社。 東京北鉄道管理局長、本社運輸局長、国鉄常務理事、東日本旅客鉄道副社長、同会長などを経て2000年退社。独立行政法人宇宙航空研究開発機構理事長を経て、現在東日本旅客鉄道顧問。 |
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| 管理番号 | 書名 | 備考 | |
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| Y021-001 | 新幹線がなかったら | ||
| 管理番号:Y021-001 | 55 技術史・科学史・文化史 | ||
| 書名:新幹線がなかったら | 朝日文庫 や16-1 | ||
| 価格:\760 | ページ数:391P | 装丁:文庫 カバー写真:世界文化フォト |
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| 初版発行:04/8/30 第三版:05/6/30 |
購入:05/7/19 | ||
![]() 「新幹線がなかったら」 1998年12月(ただし、ぼくの記憶では年代はさだかでない)に最初にこの題名の本がハードカバーとして店頭に並んだとき、そのお値段(¥1500)でまず引き、及び腰で読んだ最初の方に、 「世界で一日に鉄道を利用する人の半分は日本人だ」 東海道新幹線のお客様を航空機で運ぶとしたら、航空機は何機必要になるか ・・・ 一日にジャンボ機が約百機必要になる ・・・ 日本の国内航空の全輸送量の約半分に相当する。 新幹線の代わりにバスで運ぶとしたらどうなるだろうか? ・・・ 40人乗りのバスで10秒間隔でバスを走らせなければならないことになる。 てなことが書いてあって、まあそういうキワモノ的な本はいいや、と棚に戻した覚えがあります。 今回、文庫で出たので少し真面目に立ち読み(おい)してみました。 単なる鬼面人を驚かすたぐいのものではない、時代と歴史を新幹線という世紀のプロジェクトによって切り取った本であると納得しました。 著者である山之内秀一郎氏の略歴は、上に書きました。 東大卒のキャリアとして、そうそうたるものです。ただし、エンジニア上がりとして、国鉄の本道を歩んではいないように思えます。 氏は、文字通りSLの釜たきとしてその国鉄マンとしての勤務を始めました。そして、キャリアとして容赦なく上に立たされ、保守的な部下に突き上げられ、組合の標的となり、政争の具として使われながらも、常に前向きに国鉄マンとしての道を歩みます。 その半生を顧みると共に、日本の鉄道が目指した技術向上を書きしるし、その道標として新幹線プロジェクトを持ってきます。 しかしその新幹線プロジェクトも、終着点ではない。 新幹線を万里の長城、戦艦大和と同列の無駄と罵倒した世相を語り、新幹線の成功にあぐらをかいた国鉄の愚劣さを描きます。 国鉄民営化がなにをもたらしたのか、については、その渦中にあった人らしく、明るい変化のみを語ろうとしますが、むろんその陰となる部分も忘れてはいない。 そして視野は、世界にも向けられています。 日本の国鉄、新幹線技術が、いかにヨーロッパ、特にフランスの影響を受けていたかについて、正直いって初めて知りました。平野の広がるヨーロッパと山間をうねる線路の日本で、速度競争する愚かさを笑いながらも、速度の向上という技術の頂点をなぜもっと追求しないのか、とも語ります。 そしてフランスが選んだTGV方式、すなわち先頭と最後尾に機関車を着ける方式を紹介しつつも、日本の全車両駆動方式との優劣は語りません。どちらもメリットとデメリットがあり、どちらも磨きぬかれた技術のひとつの頂点である点においてかわりがなく、どちらも正しい選択なのだ、という。 目からウロコです、この見解は。 奇しくもというかなんというか、ちょっとしたネタ。 山之内氏は2001年にJAXA(ジャクサ 宇宙航空研究開発機構)の初代理事長となりました。このJAXAは、かつての宇宙開発事業団を母胎として、宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所などが統合されたものです。 この宇宙開発事業団(NASDA)は1969年に設立され、初代理事長は「新幹線を作った男」、スーパーエンジニア島秀雄氏(1901/5/20-1998/3/18)でした。 山之内氏はかつて、島氏と設計の問題で議論を交わし、島氏の不退転のエンジニア魂に玉砕した経験があるとか。(笑) 日本の宇宙技術の最先端組織の幕開けが二回あり、二人の鉄道スーパーエンジニアがそれにあたったのです。 こんな歴史もあったのです。 (05/7/23) |
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