概 要 Moog社後期の6音ポリフォニックシンセサイザです。
音は3VCO/Voiceなので放っておいても勝手にあつくるしくなってしまいます。開発がなされたのは1980年代の後期で、T8と同様YAMAHAの
DX7が飛ぶように売れる中、消えていった機種です。
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| コントローラ周辺 Panel-Left-Side全体写真
★Auto Tune/Tune
Auto Tuneは全部で18個もあるVCOを一気にチューニングしてくれます。T8の16個よりも多いのですが、T8よりも早くチューニングをしてくれます。 ![]() ★Mono/Multiple Trigger/KB Out モノモードとポリフォニックのモード切替を行います。モノモードはやっぱり恐ろしいですね。アナログ機はチューニングが悪いというのが評判ですが、モノ モード時のピッチはぴったり合っていて、でも微妙にディチューンをしています。 KB Outはすこし変わった機能をもっています。MemoryMoogは、バックパネルにMonophonicSynthesizer用にCV/GATE出力 をもっていて外部のCV/GATEタイプのシンセサイザを制御出来るようになっています。恐らくMiniMoogを制御できるようにしているのでしょう ね。 ★Glide/Glide On/Off いわゆるポルタメントですね。非常に滑らかにポルタメントがかかります。後述しますが、MemoryMoogはVCOのアサインメントが色々あり、それ に応じてポルタメントの掛かり方がかなり違いいます。 ![]() ★KB Mode キーボードモードの変更をします。MemoryMoogは全部で7つのキーボードモードが存在します。となりのAlpha Numeric Keyboard(16キーですな)と連携してこの7つのモードを選択することが出来ます。各モードについては後述します。なぜ、これほどモードが存在す るかという話なのですが、Moog社は、それまでの製品開発においてシングルトリガーモードと、ポルタメント効果に対する持論があるようです。富田勲氏も いっていましたが、シンセサイザの基本はやはり単音の制御に全て由来するそうで、MemoryMoogはそれを出来るだけ正確に求められるようにした結果 これだけのモードをもつようになったそうです。 例えば、アナログ製品ですから同じ音程、音色であってもボイス(カード)や暖気運転の程度によってばらつきが目立つときがあります。こういうときは、ボイスのアサイン方法をCYCLICモード(空いているものに順番に割り当てる)にしてい ると、同じ音を連打しているにも関わらず、次々とボイスカードを切り替えますので音程、音色の変化が目立ってしまいます。またポルタメントの動きも直前に 発音した音程ではないので不自然なものになります。この時はキー をボイスに割り当てた場合にその割り当てパターンを出来るだけ利用するMEMORYというモードが適切になります(Prophetの場合はこの MEMORYモー ド固定のようですね)。自然と音色がそろうようになるようになっています。 MemoryMoogはこの他にもこれらを複合したモードを幾つかもっており、フレーズにあわせてそれを使うことが出来るようになっています。 ★HOLD アルペジエータや、コードメモリをするためのスイッチです。これを押すとLFOのテンポに合わせてアルペジオの自動演奏や、押さえたコードの記憶をしま す。 ★ARPEGGIATOR ご存知、アルペジエータです。MemoryMoogのアルペジエータは、6つのモードをもっていて、 1)下から上に(手を離すと直ぐに止まります)。 2)上から下に(手を離 すと直ぐに止まります)。 3)下から上に、、上から下に(手を離すと直ぐに止まります)。 4)下から上に(ホールドします)。 5)上から下に(ホール ドします)。 6)下から上に、、上から下に(ホールドします)。 システムパネルから音色毎に設定をすることが出来ます。 また、アルペジエータのクロックは、バックパネルからCLOCK INが出来ます。 ★PITCH BEND AMOUNT ピッチベンドの効き具合を設定することが出来ます。 ★MODULATION AMOUNT モジュレーションホイールの効き具合を設定できます。 ★システムコントローラ こいつは、難しいです。色々な機能を備えているのですが、この16進キーでコマンドを打ち込まなければ言うことを聞いてくれません。まるでアラジンに出て くる山賊の砦の扉のようです。呪文が必要です。 ここは、また後で説明することにしましょう.....。 ★ MIDI 実は、MemoryMoogにはMIDIがついていないのですが(ついているのはMemoryMoogPlus)、これにはSYMP1.0というバージョ ンのMIDIシステムがついていてそれなりに動作しています。 |
| モジュレーションセクション MODULATION セクションは、LFO MODURALTIONと、VOICE
MODURATIONの2つに分かれています。
★LFO MODULATION こいつは、通常のLFOです。5つのソースと7つのデスティネーションを持っています。結構LFOの最高周波数が高くオシレータにかけるとちょっと FMっぽい音がします。またS/Hも中々いいですね。SEを作るのにはもってこいです。 ★VOICE MODULATION ProphetのPOLY-MODに相当します。同じことが出来ますが、もう少し綺麗な感じです。Prophetの代表的なフィルタが振動する音(バリ バリ、ぐちゃぐちゃ)も、このセクションで作ることが出来ます。OSC3とFilter EGをソースにして変調することが出来ます。実は、Prophetが売れたのもこの変態的な音作りがPolyphonicで出来て、ある程度音楽的な音に なると ころにあるのでしょう。Memorymoogもこれにならっています。余談ですがバーチャルアナログものでこれがちゃんと出来るものは少ないでしょうね。 |
オシレータセクション![]() ★OSCILLATORSセクション
過激に1ボイスに3つのオシレータが並んでいます。特徴的なのはオシレータ2と3の2段ボリュームですね。ProphteだとFrequencyと Fineの2つに分かれている音程調整つまみが1つになっています。上段は、Fine、下はCourseというようになって連動して動作します。また、 Octaveの 設定は、左にあるOctaveスイッチを押すことで変更が出来ます。 各オシレータは、3つの波形を同時に選択することが出来ます。また、矩形はWidthを調整することも出来ます。もちろん、これを先ほどの MODULATIONセクションから揺すってやることも出来ます。 3つ目のオシレータですが、LOWボタンでLFOにすることが出来ます。またKEYBOARD CONTROLボタンで鍵盤のピッチから切り離して一定の 音程で発振も出来ます。LFOにした場合は、各ボイス毎にLFOがあることになりますので、バラバラの周波数と位相が異なるので非常に複雑な音を作ること が出来ます。 |
ミキサ/フィルタ/アンプセクション![]() ★MIXER
3つのオシレータとノイズをミキシングするミキサーです。Moogは面白い機能をここにも持たせています。各ノブは、0〜10までのレンジがあるのです が、通常のミキシングレンジは0〜5となっていて5〜10までは、オシレータから出てくる波形をクリップするように(頭を潰す)ように働きます。こうする と、フィルターは開いていても、鋸波や、三角波は更に柔らかい音に変わります。ノイズはホワイトノイズではなくピンクノイズを採用しています。 ★VOLTAGE CONTROLLED FILTER KB Trackは、0%、33%、66%、100%の4つから選べるようになっています。ProphetT8では、ノブによるフルレンジのキーフォ ロー でしたが、MemoryMoogでは、2つのスイッチのオンオフで賄っています。 後はCUTOFF、RESONANCE, CONTOUR AMOUNTとなっています(Moogでは、エンベロープのことをCoutourといっていま す)。通常のフィルタ制御のパラメータと同じです。フィルタの特性ですが、さすがにことはCEMチップを採用せず相変わらずのMoogフィルタで良 く効きます。T8と較べると高域が良く抜けています。また、カットオフ周波数の動きも、レゾナンスの効きもシャープです。 ★VOLTAGE CONTROLLED AMPLIFIER 通常のADSRの4パラメータです。フィルタのところではエンベロープジェネレータについて触れませんでしたが、同じなのでここでちょっと使ってみた感 じを表現し ておきます。 つまみは、指数変化をするようになっていて、非常に使い良いです、微妙な細かい設定がやりやすくなっています。そして、やはり舶来もの、超高速エンベ ロープなのです、異常に動作がはやいです。恐らくT8よりも早いでしょう。設定では、本当に、カチン、ガツンとくる音が作れます。やっぱりここは良く出来 ていると関心します。最近のデジタルシンセもここは適わない(いや、こんなところあまり重要視していないのでしょうか)ようです。 ★OUTPUT 音色記憶に含めることが出来るProgramable Volumeと、ヘッドフォンボリュームを決めるHEADPHONE、そして最終出力レベルを決めるMASTER VOLUMEがあります。 |
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ま
だ、バックパネル、中身と色々あります。
各セクションの感想ももう少し書き足したいことがあります。 すこしずつ書き足しますので、暫しお待ちを。 |
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2004/09/06
チュー
ニングをするためにばらしました! ![]() 少々怖がっていて、開けるの躊躇っていたのですが、チューニングをするために空けてみまし
た。
まず、ネジが全て背面と底面に集中していたので、それを外すのが大変でした。MemoryMoogは本体が重たいので、裏返すだけで大変です。これだけ で、1時間くらい格闘していました。最後にはあまりに暑くて、ビールを飲みながらになってしまいました。 空けてみると、以外にスッキリ。 ”ふん!、口ほどにもない、噂ほどのケーブルの塊ではないな”と思いましたが、これが甘かったのです。 ![]() チューニングをするためにボイスボイスカードを探すと、右手にあるので、これか?と思い、
確認すると見た目には4枚しかないではありませんか。6Voiceなので6枚あるはずと思って調べて見ると、なんと、上の写真の表の基盤の裏に張り付くよ
うに2枚の基盤が存在し、計6枚のボイスカードがちゃんと存在しました。
どうやって、この裏側の2枚を触るのかとなやんで、メンテナンスマニュアルを見ると、写真のネジをはすしてパネルを起こせと書いてあるのでやってみると、 ![]() こんな風になるわけですね。ちゃんと、裏表で4枚、下に2枚で、6ボイスでした。
しかし、ここからが大変でした。 MemoryMoogのチューニングは、ハードウェアチューニングと、ソフトウェアチューニングの2つがあるのですが、今回は、ソフトウェアでサポートし てくれるソフトウェアチューニングをしてみました。 ソフトウェアチューニングは、MemoryMoogの本体のソフトウェアで、チューニングのサポートをしてくれる手法で、システムコントローラのLED が、各オシレータの調子を示してくれるので、それに従いトリマーをいじってチューニングをしていきます。 トリミングは、1オシレータに3つあり、1ボイスで3オシレータ、6ボイスで、18オシレータx3を調整しなければなりません。 しかーし、見てのとおり、MemoryMoogはパネルを開けられたせいで、システムコントローラは隠れてしまっているではありませんか。LEDの数値を見るために は、いちいち、トリマーから離れて、背面に回りこまなければ数値が読めないので、大変です。もう、これは体力勝負の修行でした。 一つのトリマを調整するのに数回、トリマにドライバをいれて回し、数値を見てというのを48回やったら、足腰が立たなくなりました。 MemoryMoogが調整に大変という噂は本当でした。VCOの調整だけで、4時間かかってしまいました。しかも立ちっぱなしです。疲れました。 しかし、勢いで、VCFもチューニングをしてやろうと思ったところ、メンテナンスマニュアルをよく読むと、オシロスコープがないとちょっと難しいではない ですが、なんかVCFの共振時の波形を見て調整をしろと書いてあります。しかも、周波数が指定してあります。これは、ちょっと出来ない!とあきらめてしま いました。今度友人にオシロスコープを借りてきてやることにしましょう。 蓋を閉めてチューニングの結果を試してみました。中々よくなりましたね。 MemoryMoogはVCOが多いため、チューニングが狂うと直ぐに調子が悪くなったように感じますが、調整をしてあげると直ぐによくなります。一度お 試しください(とは、いっても、システムコントローラに16進の数字を打ち込みながらやるので大変でした)。 次回は、チューニングの仕方を少々レクチャーしてみることに致します。 |
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