パネルです
Prophetシリーズの特徴は、国産のシンセサイザと比べるとポリモジュレーションなど変態的波形を生成するところに工夫があるのですが、それに加えてエンベロープジェネレータのノブのきき具合がリニアではなく指数的に変化するところにあります.。ノブを回すと徐々に効いてきます。これのおかげてAttackやDecayなどはかなり細かいところまで設定ができます。Prophetがプロに愛用されたのもこのエンベロープの操作のしやすさにあるのでしょう。パンチのあるエンベロープが簡単に作れます。国産のシンセサイザーではこのような配慮がされていなかったようにに思います。
Pressure-Mod, Poly-Mod, LFO-Modセクション
最近のデジタルセンセサイザではあまり感じなくなりましたが、少し古い物では、ポルタメントやLFOのモデュレーションに周波数の解像度が荒いためにざらつきが感じられることがありましたが、T8ではさすがアナログ、まったくそんなことはなく音が気持ち良く滑らかに震えてくれます(これだけではまります)。
Poly-Modを少し説明しておきます。LFOなどは全体的に同じ効果を与えますが、Poly-modは1つのボイスの中で独立して効果を与えるものとしてそのような名前が与えられています(Syncもそうですね)。(FilterEG+OscB)->(OscA
Freq, PW A, Filter)というモジュレーションがかけられます。例えば、OscB->Filterとすると、OscBの出力で、FilterのFreqを揺することが出来ます。その音は、鐘や雷のような、また紙を引き裂くような音です。恐らく代表的なプロフェットサウンドの1つでしょう(しかし、memorymoogにもこの結線パターンはありますが....)。
OscillatorA,B,Keyboard,Mode, Glide, Mixer セクション
OscB->OscAへのハードシンクが出来ます。OscBはキーボードのピッチ制御から切り離し単独のLFOにもなります。
Filter, Velocity-Sensivity, Amplifier-Envelope,
Sequencer, Auto-Tuneセクション
オートチューン(コンピュータチューニング)についてですが、これを見ると、この時代のアナログシンセサイザはチューニングに苦労していたというのがわかります。T8は電源を入れると、オートチューンモードになり、約2分間はオートチューンのランプ以外はパネルが真っ暗な状態となり何も出来ません。これが終わるとパネルに明るさが戻り演奏が出来ますが、約15分間はチューニングが安定しません。オシレータの温まった15分後にもう一度オートチューンを行うとそれ以後はほぼ完璧に近いチューニングを保ちます(しかし、デジタル機器とは違いますよ.....)。この機能は、Moogのmemorymoog等にも搭載されています。
余談ですが、アナログ機器をシュミレートしているデジタルソフトウェアシンセサイザがありますが、このピッチの不安定感はあまり再現されていない様に思います。Prophetの怪しげなサウンドはアナログ特有のいい加減さにあるのでしょう。
8パターンの記録が出来るシーケンサがついていますが、600音程度のメモ的ものです。
キーボードモードについてですが、Single,Double,Split,monoモードの4つがあります。splitモードは4音づつになります。また、モノモードは非常に強力でぶっ飛びます。
Programは64音色 x 右、左の128音色です。
MIDIについてですが、OMINIとPolyモードが付いています。Polyモード時は16chのうちの1つを選択して送受信が出来ます。eMagicのSoundDiverで送受信が出来ます。Prophet5と違いこのあたりは心配なく普通のMIDI楽器として取り扱えます。
電源:Prophet5、ProphetT8は最初からワールドワイドなを販売を考えており変電トランスなどなくても使えるようになっています。私の場合は、ヒューズ(100V,0.5A)を取り換えるだけですみました。
次の機会に中身もみてみることにしましょう。Curtisの有名なチップが並んでいることでしょう。
2002年10月6日
中身をちょっと見てみました。あまりの部品の少なさにびっくりします。まず、ピアノキーのハンマーアクション部分が存在しましたが、もちろんハンマー自身はなく、速度センサがキーアクションフレームの最後についていました。アクションフレーム自身は全て木製で非常に綺麗でした。本当に20年前に作られたものなのか疑ってしまいます。
速度センサについてですが、本当は打鍵というのは打鍵圧だと思うのですが、圧力センサをつかうと経年変化が激しいのと、調整がかなり難しく、これを回避する仕組みが速度検出法なのでしょう。非常に簡単に、しかも20年経っても正確なベロシティを弾き出しています。
そして、電子回路基盤は25cmx35cmの基盤が3枚はいっているだけでした。1枚は、マイクロコンピュータボードでした。Zilog社(Z80で有名ですね)の16bit
CPU Z8008 が乗っています。パネルの制御と、音色メモリ、シーケンサ、キースキャンと、EG、ボイシングを担当しています。2枚目、3枚目は、4Voiceのアナログボイスボードです。左、右のボイスに割り当てられているようです。VCO,VCF,VCAの部分はCEMチップが色々並んでいます。基盤の設計自体は非常にシンプルで芸術的です。
このProphet T8は、オークション終了時に、米国のWineCountrySequential.comでオーバオールしてもらってから輸入しましたので、内部はほこり一つもなく綺麗なものでした。やっぱり古い機材は一度オーバオールをしたほうがいいのでしょうね。
2002年12月21日
鍵盤の不具合を修正するために中を開けてみました。
メイン基盤はこの大きな3枚だけです。1番左のボードには、Z80とZ8002が載っていました。
1列で1Voiceに相当し、8列あります。CEM3372、CEM3340が並んでいました。
基盤は、非常に綺麗にデザインされています。隙間にはグランドがたっぷりととってありました。
ピアノアクションフレーム
回路基盤は、蝶番がついていて、写真のように跳ね上げることが出来るようになっています。基盤の下は、ピアノアクションフレームが納まるようになっています。鍵盤をはずすと綺麗さっぱりですね。
前面コントロールパネル
アクションフレームをはずしてズームしてみました。アクションフレームは2つの部分からなります。アクションフレームの後段部分には、重りと、プラスティック台がついていて、プラスティック台には、針金によるばねがついています。これによって、鍵盤の重さと鍵盤の返りを実現しています(今回、この針金が折れてしまいました)。
本体から外したアクションフレームの全体図
横から。鍵盤の下にある黄色の板が、ポリフォニックプレッシャー用圧力センサーです。
。
速度検出部分です。アクションフレームの1番最後に黒いプラスティック板がついていて、2組のフォトダイオードの間を通過するようになっています。
組み立てなおして、電源いれて。
はい、おしまい。
|