現代和室考』 2004年度 建築塾修了論文

 

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【1】「和室」とは

 まず、考察を進めるにあたって「和室」という言葉の意味を整理してみたい。一般論としての定義を理解するために建築大辞典と大辞林を調べてみた。

 建築大辞典

「木造を基調に、畳、紙障子、襖、床の間などの伝統的な手法が用いられている部屋の総称。住宅では洋室に対比して用いられている」。ちなみに「洋室」とは「住宅における椅子式を基本した意匠を施した部屋」と出ている。

 大辞林

「日本風の部屋。日本間。洋室に対する部屋」。ちなみに「日本間」とは「伝統的な日本風家屋の様式に基づいてつくられた部屋。ふつう、壁は塗壁(ぬりかべ)、床は畳あるいは板敷で、建具は障子・襖(ふすま)を入れ、椅子を用いず、床の上に座る。和室。洋間に対する部屋。」

 雰囲気的には理解できているのだが、決め手となる空間的要素を絞るのはなかなか難しい。住宅における「和室」は畳が敷いてあっても、それ以外の要素で洋室との違いと言えば障子や襖といった建具がある程度で、格式のある伝統的な手法は少ないのが現状だ。特にマンションやハウスメーカーの住宅では化粧柱や長押などの木部も無くなってきている。

 ここでは「住宅では洋室に対比して用いられている」という一文にも着目して唯一残っている日本的要素としての「畳」に焦点を絞って「和室」の話を進めたい。「洋室」の部屋が増えていく過程で椅子座を基本としない部屋、つまり畳の敷かれた部屋が「和室」と呼ばれていると解釈することも可能だろう。


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