横寺町の隠れ家(和紙貼り実験)

 

WORKS・ACTIVITIES

 

 

 

改修前の壁。カビが発生していた。雑巾で拭いても落ちるような状態ではなかった。和紙を袋貼りにすることで壁に吸湿効果を持たせ、カビの発生を防ぐことにした。

@カビの発生している部分には、アクリル系のシーラーを塗布して、表面塗幕をつくり下地にカビが移るのを防ぐ。
Aシーラーが乾いたら、和紙の下地となる茶チリを貼る。茶チリの糊は四隅に塗り、袋層をつくっていく。この層が湿気を吸い込むことで吸湿効果が出る。基本的には一層とし、カビのひどい部分は2層貼りとした。茶チリは非常に薄い藁半紙のような物で、刷毛で壁になじませながら貼っていく。これがなかなか難しい。熟練を要する作業だ。

B茶チリの上に新鳥の子和紙を貼る。出隅の窓枠がFL+310mmの高さにあるので、この寸法を和紙の基準寸法として貼っていった。仕上げの和紙も袋貼りにする。和紙が乾燥後、ピンと張るように、全体的に水で濡らして4隅に糊を付けて貼る。仕上げの和紙は茶チリと違って切れにくく、はみ出した部分の切断にかなり手間取った。うまくカッターの歯が入っても、意図していない部分が切れてしまったりして、しまいには作業している本人がキレそうになる次第だった。

カビ臭く薄暗い部屋がモダンな和室に変身!
友人が手伝ってくれたおかげで、なんとか予定通りに仕上げることができた。また、和紙貼りの技術指導や、専門工具の貸し出しをしてくれた、八幡表具店の八幡さんにもこの場をかりてお礼を述べたい。
和紙貼りのいいところは気軽に色を変えられるところにもあると思う。今回の改修したような真壁の和室の場合は柱と鴨居などの横材で壁面が区切ってあるので、これを一つの枠として要所要所にアクセントとなる色を入れることで、平面構成を楽しむことができる。

入り隅の柱の部分。梅雨が開けて、空気が乾燥しだしたころに、「メリ、メリ」という音とともに壁にクッラクが生じた。
和紙の乾燥収縮で下地モルタル(元の仕上げ面)が剥離してしまった。通常ならばこのようなことは起こらないらしいが、下地がカビで劣化していたために、和紙の引っ張り力に負けてしまったようだ。
和紙貼りは下地の状態が重要だと思い知らされた事件だった。
            
前のページへ戻る

OFFICE  WORKS・ACTIVITIES  WEB GALLERY  TOP PAGE

Copyright(c) Town Factory