ビジネス・モデル特許申請にあたって知っておくことは

 

  日本でもビジネス・モデル特許出願は大流行ですが、特許を取得するには、『産業上利用可能で自然法則を利用した技術的思想の新規で進歩した創作』であることが日本の場合必要です。  
  ビジネス・モデル特許はインターネットの普及と米国のプロパテント政策が合致し、ソフトウエア特許の保護強化の延長戦上浮上し、米国の連邦巡回控訴裁判所(CAFC)が1998年7月に複数のファンドの資産の運用にあたって投資の有効運用、管理費用の節約、税法上の利点のために開発したBusiness Methodsへの侵害事件(ステート・ストリート)の判決で数学的アルゴリズムではなく、保護されるべき対象であるとし、以後、Business Method Patentが脚光をあびました。日本の特許庁は2000年7月からファセット分類ZECを使用しはじめました。米国はclass705です。  

2000年、日本、米国、欧州の三極特許庁の代表がビジネス・モデルの審査基準の統一を計るための会議を行いました。三極間のビジネス・モデル特許の審査基準に大きな隔たりはなく、下記の点で合意しました。

1.ビジネス・モデル特許が特許されるためには、技術的側面が必要である。 2.既存のビジネス手法を、単に自動化しても特許されない。 
 

 表面的には、この合意で、ビジネス・モデル取得が一定の条件下行えるようになるとの期待が見られます。しかし実際には三極間でのでは、ビジネス・モデル特許の審査が統一できるとは思えません。特に、自国の利益をまず考える、米国は独自の考えを持っています。  「米国が、日本や欧州の審査に合わせて、ビジネス・モデル特許の審査を行うことはあり得ない」と米国高官は明言してます。

 

  米国では、ビジネス・モデル特許の審査体制を整えており、 現に、米国は、特許権の保護に最も力を入れている国であります。 さらに、日本では、公知技術からある程度レベルアップした発明でなければ特許しないという規定があります(特許法第29条第2項)。この規定に似たものとして、米国でも公知技術から明らかに思いつく程度の発明を特許しないという規定(セクション103)があります。 しかし、日本の規定の方が厳しく、公知技術から相当レベルが高くないと、拒絶査定をうけます。したがって、米国の方が、ビジネス・モデル特許が特許化されやすい環境にあると言えます。

  米国では1998,1999年の2年間で千件程度の特許が認められたにすぎませんが、出願しこれから特許賦与される数は、指数的に増加するとみられてます。特に金融部門では、日本は今後米国のビジネス・モデル特許の続々した成立で、かなり苦境を強いられるのではないかと言われています。このため、規定の厳しい、日本で成立しないビジネス・モデル特許が、米国では特許され、米国が世界をリードするという事態が続くのではないかと思われます。 

 これは、米国の特許戦略、特許で世界をリードするためには、できるだけ特許の成立がしやすい土壌をつくり、世界標準をめざしているからです。特に、新しいビジネス・モデル特許では、日本からの米国出願はどんどん増える傾向があります。  
  2001年1月日本の特許庁は新しい審査基準を発表しました。これは、

 1.プログラムそのものを特許対象にする。 

 2.ソフトウエアの新規性・進歩性を判断し特許を与える。 

日本では、ソフトウエア特許の延長線上にビシネス・モデル特許は位置づけたいます。日本の場合、コンピューターを用いて処理を行うものであり、従来人ででやってたのを、コンピュータに置き換えただけでは、特許になりません。 どの様に処理を行うか、サーバとユーザーのコンピュータはどのような構成であるという、具体的な事項が記載されていないと発明とは認められません。つまり、ソフトとハードがあって具体的に実現された場合、『自然法則を利用した技術的思考の創作』ということができるのです。また、新規性から、言うと、そこに、今までとはちょっと違った目新しい、効果や選択をいれておくと、取得しやすくなります。  しかし、ビジネス・モデル特許が、いままでの特許と比較すると、 

1.サーバーとユーザーのコンピュータシステムで組みたてられた特許で、サーバーあるいは、ユーザーだけの部分が権利侵害となっても、特許の構成要件にたいする直接侵害とはならない可能性があることです。又、サーバーだけが、他の国にあった場合はどうなるのでしょうか。 

2.ビジネス・モデル特許で難しいのは、新規性、進歩性の判断です。進歩性「その発明の属する技術の分野における通常の知識を有するものが容易に発明できない」ことが条件ですが、発明の属する技術の分野の判断が難しいでしょう。
 


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