岡田正義さんがやってきた!
さて、家庭教育学級の今年度最後のイベントは講演会で、ということになりました。お呼びするのは、サッカーの国際審判としてあの1998年のワールドカップのピッチに主審として立たれたご経験のある岡田正義さん。これは日本人としては歴史上二人目の快挙でした。選手としてではなく、審判として世界の試合を見てこられた方だということで、小学生たちにはイマイチぴんとこない様子でしたが、試合を成り立たせているのは選手だけではないんだということに気づくことは、ゲームに出場する側としても、見る側としても実はとても大切なこと。岡田さんの経験されてきたことを通じて、子供たち一人一人が自分の果たせるポジションということについて一考してくれる機会になれば、それは素晴らしいことだと思います。
岡田さんが審判を志すようになられたきっかけは、一級審判員の資格をもつ高校時代の恩師(サッカー部顧問)からの勧めでした。まず四級をとり、大学に進学してから三級獲得へと駒を進めていかれるわけですが、この道に進んだのはテレビでイギリスのウエンブリーのフィールドを見、そのあまりのすばらしさに「いつかきっとオレもこのピッチに立ってみせる」と決意したことが直接のきっかけだったとのこと。テレビという巨大メディアを通じて配信されるお決まりの映像の中に、正確に自分の夢を思い描くことができるというのは、紛れもなく一種の才能。岡田さんには後に国際審判として活躍するべく勘所のようなものが早期から備わっておられたのだ、と私は思いました。
イベントは前半が講演会、後半は模擬試合という二部構成になっていました。講演会は岡田さんご自身が編集された過去の国際試合のビデオを効果的に用いながら行われました。岡田さんの活躍を見たことがない人でも、実際の映像を見ながらであればよくわかります。ビデオは本当によくできていて、要所要所でスロー再生になったり、リピート再生になったりします。岡田さんのお話の内容ともシンクロしていて、映像が切り替わるタイミングまであっていました。岡田さんご自身がそういった工夫をされ、余裕を持って話して下さったからこそ、子供達も集中して見たり聞いたりができるというもの。まるで岡田さんといっしょに過去の試合を追体験しているみたいで、とても貴重な体験だったなと思っています。
せっかく岡田さんに来ていただけたのだから、と後半に行われた模擬試合ですが、実はセッティングがとても大変でした。実は、企画を立てた側にはサッカーに詳しい人間がひとりもいません。なにしろ、試合の際に審判が何人必要かですら、誰もわかっていないのです。岡田さんの存在感を際立たせるような構成にしようにも、何をどうすればいいのかイメージすら描けないわけです。そんな私達を助けてくださったのは、S小の抱えるサッカー部の監督で、世田谷区の青少年委員でもおられる長沼世紀さん。この方が加わってくださったとたん、企画の輪郭がはっきりしてきました。とにかく仕事が速い、速い。人の配置案や必要となる備品のリストの作成、人手の手配にいたるまで、あっという間に取り決めて指示を出します。私達はない知恵を絞る苦痛からたちまち開放され、実務的な算段に集中できるようになりました。氏の介在がなければ、とてもここまで企画を取りまとめることはできなかったろうと思います。
さて、この模擬試合、当初は一試合ぐらいしか余裕がないのではと思われていましたが、氏の提案もあって十分ずつの三試合構成で行こうということになりました。まずは二学期のイベントでも大活躍してくれたオヤジの会中心の大人チーム対S小サッカー部の対戦。この大人チームには先生達の有志も紛れ込んでいます。第二試合はこの大人チームにお隣のS中学のサッカー部が対戦。そして、最後の第三試合は、S小サッカー部対S中サッカー部。実はこのS中、S小サッカー部の子供達の進学先ということもあり、送られるもの達対迎え入れるもの達の対戦という趣向になっています。なかなかPTA好みの心憎い演出です。さすが長沼氏。ただ、PTA好みということで言えば、模擬試合の後48人もの参加者のPKという、ちょっと?な企画になだれ込んでしまったことは反省すべき点かもしれません。本来から言えば、試合中に彼が吹くホイッスルに周囲の空気が変わるその瞬間を共有すればよかったはずなのですが、すべての子供達に平等であることをうたい文句としている小学校のイベント。希望者全員がPKにのぞめるというメニューは長沼氏のアドバイスを仰ぐ以前に取り決めてしまったもので、今更やめるわけにはいかなくなっていたのです。
もっとも、元来気さくな性格の持ち主であるらしい岡田さんは、そのことに辟易する様子はまるでなく、多すぎるPKにも最後までにこやかに付き合ってくださったばかりか、不用意にサインを求める小学生達にも誠意を持って対応してくださいました。岡田さん、本当にありがとうございました。
それにしても、洗いざらしの肌着にサインを求めるとは…。
ずうずうしすぎるぞ、お前たちっ!
02/02/07
☆アンケート結果から☆
〜子供達からの感想として〜
☆今日はジーパンにサインをもらえてよかったです。握手をしてもらって、「じゃあね」とひとこと言ってもらえてとてもうれしかったです。
☆岡田さん、サインありがとうございました。とってもたのしかったです。おかげで夢の希望が持てました。
☆かっこよかったです。ぼくは岡田審判の本を持っていてサインをもらいました。うれしかったです。岡田さん、ありがとうございました。PKが入ってうれしかったです。岡田さんの話もメモにとりました。岡田さんが試合で審判をした時にあんなハプニングがあったなんて驚きました。こんなイベントがあればまた出場したいです。
☆ビデオを見ながらいろんな国の選手の話を聞けたのがとても面白かったです。やっぱりPK戦も出てみればよかったなと思いました。
〜岡田さんへの質疑応答として〜
Q.
ワールドカップフランス大会において特に印象に残ったチーム・選手はありますか
A.
イングランドです。選手としてはオーウェンでしょうか。スピードとボディバランスがとてもよい選手だと思いました。
Q.
サッカーの試合というとフーリガンがつきものですが、実際に被害に遭われたことはありますか。また、今年のワールドカップは大丈夫でしょうか
A.
フーリガンはごく一部の暴れ者です。被害にあったことはありません。日本は島国ですし、簡単には入国できません。大丈夫です。
Q.
今年のワールドカップについて、岡田さんの目から見てここが面白そうだというものはありますか
A.
日本代表チームがどこまで勝ち進むかでしょう。また、世界のサッカーファンが集まるのでその騒ぎ方を見るのも楽しいでしょう。
Q.
僕達のような中高生の試合の審判をされることもありますか
A.
地元の国分寺市では時々中学生の試合を審判します。国民体育大会や高校選手権の予選も審判しましたよ。
Q.
選手に言われた野次で印象に残っているものは何でしょうか
A.
ありませんね。いやなことはすぐに忘れることにしています。そうしなければ、次にその選手と試合で会ったときに公平な審判ができなくなる恐れがあるからです。
Q.
好きな選手やチームを教えてください。
A. 現役の審判にはありません。
Q.
試合中に万が一でも腹が立つことはありませんか。その場合、どのようにして落ち着かせるのでしょうか。
A.
選手に腹を立てたら審判の負けです。常に平常心を心がけています。
02/02/18