指輪ホテル「It's Up To You」
2003年10/7(火)〜10/9(木)4年目の演劇百貨店の店長をこなしてくださった羊屋白玉(ひつじや しろたま)さんの主宰する劇団「指輪ホテル」の最新公演「It's Up To You」が行われました。私は初日からいそいそと観に行ってまいりました。
ここのところちょくちょくと観劇にでかけていて、とても感銘を受けたものがあるにもかかわらず、これまでメモひとつ残すことはなく、ただもう観っぱなし。
今回、反省の意味もこめて劇団宛てに送ったメールの内容をご紹介してまいります。お芝居のことがよくわかっているとは言えないので、もしかしたらすごく見当違いなことを書いているかもしれませんが、そこはご容赦。あくまでも批評ではなく、「It's
Up To Me」な感想なのですから。
その1
知人として観た感想………………………………………………
もっとみていたかった、が直後の感想。
どうしてだろう。女優さんたち、すごく綺麗だった。
あのコスチュームであのバックグラウンドミュージックだから、役者さんたちがしっかりしていないとほんとにストリッパーになってしまう瞬間が生まれてしまうと思うんだけど、それがなかったように思う。あくまでもパフォーマンスとしてきりりと成り立っていたことが印象に残ったし、すごいなぁと思った。
知人としてのひいきめかも知れないが、圭サマの動きやせりふが芝居全体をとっても引き締めていたと思う。お芝居全体を見透しながら、めいっぱい役どころも楽しんでいるということか。
とにかく力量を感じました。
その2
ゆきずりの観客としての感想………………………………………
ストリッパーって何かこう自分とはちょっと生きてる場所が違うというか私とは関係ないやって思ってたけど、それはきっと間違いなんだね。
私の生きている場所と地続きっていうか、どっちからみるかという問題でしか本当はないのかな。そんな気がしてきてちょっとショックだった。
舞台の上の役者さんたちの思いっきりのメイクと衣装、ひとことで言うと
「わーお」。
ちょっとうらやましくて、ちょっとねたましくて、それでもってかなーり、「ごっくん」でした。
なんかでもしあわせな気分で劇場を出ることができたよ。
また来たいな。そう思える公演だったと思うな。
その3
観てない人にわかってもらうための感想……………………………
〜実際に伴侶に話したことからの抜粋〜
今日観た演劇の説明するの、ちょっと難しいなぁ。
あのね、ストリッパーのコスチュームで女優さんたちがスタジオ内の特設舞台で生バンド(いわゆるチンドン屋さん風のもの)をバックに踊ったり、多分オトコの(あるいは、フーゾクに関係ない一般人の)メタファーな羊の着ぐるみと会話したりのするの。物語としての起承転結はないんだけど、ちょっと現代詩的な、ブンガクの香りのするやりとりがあって、それがすごく生きてるんだ。いい意味でそのやりとりがお芝居を牽引していくんだよ。それでね、観ているうちに、だんだん見る側と見せる側にありがちな安易な図式から解き放たれていくのがわかる感じがしてくんの。そうだなぁ、図式がねじれて逆転したり、メビウスの輪みたいにまた戻ったり。ストリッパーたちを観ているというより、世界がのびたり縮んだりしながら、たゆたうように移り変わっていくのを眺めている。そういう感じになってくる。わかる?
後半羊が着ぐるみ脱いで中からストリッパーが出てきたり、ぬけがらになった着ぐるみにまた別のストリッパーが半分入ったりするシーンがあるんだけど、そのあたりなんてオトコとオンナも入れ替え可能というか、対立軸で観ることを避けているうちに性差も個性の違い程度に薄まっちゃっているみたいでおかしかった。
お芝居をダレさせずに浮揚させていたものとしては
―あなたのことを考えるのに、あなたがいると邪魔なんだ。
―なぜ?どうして!
という言葉のやりとりがあって、これがかなり効いていたとおもう。お芝居の隅々にまで。小道具や効果として、他には風船やシャボン玉がつかわれてたけど、言葉の果たしている役割も同等である気がした。
着ぐるみと、着ぐるみの連れている「七つの煩悩」の象徴としてのぬいぐるみがすごーく面白かった。
最初に大きな着ぐるみ羊がずるずると煩悩たちを率いて出てくるところはほんとにぎょっとしたし。
考えてみるとあの着ぐるみやぬいぐるみの中に七つの煩悩がうまく封印されていたから、一方で演じられてた女優さんたちのパフォーマンスをクリアな絵として楽しんで観ることができたのかもしれない。
そうやって世界を透明感と奥行きのあるものに見せることに成功していたっていうか。ちょっと褒めすぎ?
とにかくこの次は一緒にいこうよ。ねっ。
03.10.12