サッカー観戦記

[広島スタジアムバックスタンドより]

サンフレッチェ広島の試合を中心に、日本代表やその他海外の試合について私の視点でみた観戦記です。
10試合分保存します。


その他のテレビ観戦やサッカー界あれこれの感想はこちらです。
もちろん乱入も大歓迎で〜す(^○^)


サッカーな日々


2009/8/19】

[J1] サンフレッチェ広島 1−0 大分トリニータ

前節の神戸戦といい、かなりパフォーマンスが落ちている。やはり、酷暑の状態で『観せる』スポーツではない。いいかげんに『秋〜春制』を導入してほしいのだが。


1.個々の評価(満足度)

GK中林・・・6.5
安定している。1本、ハイボールをキャッチしそこねたが、それ以外は確実に処理してる。シモもアキも、どちらかと言うとハイボールの対応が苦手だったと思う。フィジカル的な問題もあって、接触に弱かったり、飛び出す範囲が狭かったりしていたと思う。その意味では、ウッズは強い。ガタイもあるし、反応もいい。アキも復帰し、シモも戻ってきた。高いレベルで競ってほしい。

CBストヤノフ・・・8.0
大分の入れてくるボールの先には、必ずイリアンがいた。それくらい、イリアンの『ボールカット』『クリア』の回数が多かった。2年前と何が違うか・・・単純に、彼の存在。あの時、コンディションが万全ではなかったとは言え、横浜戦の後もイリアン中心のDFラインを組んでいたなら・・・今となっても悔しい。

CB槙野・・・6.0
攻撃では、あまり見るべきものがなかった。それは槙野の問題だけでなく、コウタの状態も影響していたかも。まあ、守るということに関しては、よくがんばっていたが。ただ・・・高松とのバトルだけ見ると、『完敗』じゃなかったか。あまりにもファールが多かった。日本代表で活躍するためには、国内で負けているようじゃダメだ。

CB森脇・・・6.0
高松を見失った時は、『やられた』と声を上げた。奇跡的に、ヘディングシュートが体に当たったからラッキーだったが。愛媛時代、何度もあの形でマークを見失って失点したシーンを見てる。あのことが、脳裏を横切った。そろそろ改善しないと。それと、ミカが下がってWBに上がってからのプレーに冴えがなかったのが、残念。WBに入ったら、もっとドリブルで仕掛けないと。あれじゃ、ハンジェや楽山と差はない。

DH中島・・・6.0
この日は、かなり安定していた。危険なミスはなかったと思う。守備の面でも、目立たないが危険なシーンで的確にクリアしていた。この試合はOKだが、前節の神戸戦は、かなり醜い出来だった。ややコンディションに問題があるのではないか。次節はアオが出場停止。大丈夫だろうか。

DH青山・・・4.5
こんなにひどいアオも久しぶり。年に1〜2回、メッチャひどい時があるが、今回もひどかった。普段ならいとも簡単に通す20〜30メートルのパスが、弱くて途中でカットされる。10メートル程度のショートパスが、受け手とのタイミングが合わない。自陣ゴール前で相手ボールをカットした後、バックパスを相手に奪われて、危ういシュートを食らう。本来、アオの特長である『瞬時に周りの状況を把握する』能力が、極端に低下していたと考えられる。いつもより判断が遅れたり、視野が確保されないままに判断してしまったり、微妙な問題があったのでは。この時期に一番考えられるのは、睡眠不足だが・・・。どちらにせよ、次節は出場停止。ポジティブに考えて、しっかりコンディションを戻してもらいたい。

WB服部・・・5.5
あのアシストは見事だったが、それ以外は目立つシーンはほとんどなし。と言うか、あまりにもボールタッチが少なかったような。特に後半は、いつもなら左サイドを疾走し、すばやく駆け上がっているはずのコウタが、いつもの場所にいなかった。後半、攻撃が淡白になってしまったのも、そこに要因があったと思う。年齢のこともあって、あまりムリな要求はできないのだが。

WBミキッチ・・・5.5
だんだんミカの存在が薄らいでいる。もちろん、ハンジェや楽山とは比べ物にならないくらい、縦への推進力はある。が・・・開幕当初は、もっと『前へ』のプレーが多かった。それに比べると、途中でスピードを落としたり、縦へ抜こうとせず、横パスを入れる場面が大半になった。その意味で、かなりモノ足りない。また、相手もミカの縦への突破を予測しているため、縦へ仕掛けても抜けないことも多くなった。しかし・・・それでも、縦へ勝負してほしい。縦へ勝負して、相手に当ててコーナーでもいい。確かに、チームのコンセプトを考えると、中央でフリーになった味方に横パスを入れる方がベターだとは思うが。ヘンに『サンフ慣れ』して、丸くなってほしくない。

MF柏木・・・7.0
90分を考えず、とにかくスタートから飛ばしまくるプレースタイルは評価したい。いつまでも、そういう陽介であってほしい。が、なんでそこまでシュートが下手。また、いちいちペナの中でトラップしたがる。今の陽介をみていると、やっぱ『古いタイプのチャンスメーカー』にしか思えない。代表を狙える選手になるためには、得点がないと。う〜ん、なんとかならんかな。

MF高柳・・・5.5
ゴールは良かったが、前節の神戸戦といい、今節も『消えすぎ』。もちろん、以前酷評していた『ジョギング』走りは、ほとんど目に付かなくなった。それだけ、悩むことなく、明確な役割を意識してプレーできている証拠だろう。が・・・やっぱり、消えすぎ。ただ、テレビの映像からも、相当疲労しているのがわかる。疲労だけでなく、コンディションにも問題があるのでは。一誠にとっては、ここまで連続してスタメンを続けていたことはなく、彼のサッカー人生でも『チャンス』であり、『転機』のはず。体調管理だけは、しっかりやってほしい。

FW寿人・・・5.5
大分が3バックで、しかもほとんど中央に3人残った布陣だったため、常に『1対3』の状態を強いられてしまった。ああなると、かなりしんどい。サイドに逃げる以外、フリーになれない。さらに、暑さで味方のサポートが極端に遅い。正直、寿人にとっても『お手上げ』の状態ではなかったか。

CB盛田・・・6.0
こういう単純な試合になると、盛田の高さは大きな武器。出場時間は短いが、味方へ与える精神的な安心感も含めて、貢献度は高いと思う。

MFハンジェ・・・???
解説の沖原さんは『右サイドに入る』と語っていたが、以前から言っているように、ハンジェは『シャドー』の方がいい。実際、シャドーでプレーしてた。MF陣の疲労や出場停止もあり、ハンジェにはシャドーでポジションを狙ってほしいのだが。


2.守備について

相手には高松がいたため、サイドからのクロスは危険だった。それでも、なんとか防げた。多分に、ラッキーな面も多かったと思うが、集中していたことは良かったと思う。東京戦、鹿島戦、神戸戦も含めて、こういう試合で失点をせずに我慢できていることは大きい。2年前は、『我慢比べ』でことごとく負けた。『巧いチーム』から『強いチーム』に変貌するためには、ここは避けて通れない。

もちろん、問題はある。2シャドーまで戻って守備に奔走せざるを得ないため、ボールを奪っても展開できず、ハーフラインを越えられないシーンも多かった。またその繰り返しによって、自然にDFラインが下がりすぎる傾向もあった。相手がシンプルにクロスを入れてきたため、何とか中央に人を集めて弾き返すことができたが、ドリブルやワンツーを多用して崩してくるチームだと、かなり危険なゾーンまで簡単にボールを運ばれてしまう危険性がある。

かと言って、不用意にラインを上げると、大分のように一瞬ズレて失点してしまう恐れもあるのだが・・・難しいところだ。


3.攻撃について

わかっていることだが、走れなくなると、このサッカーは厳しい。ある程度、コンディションが良く、思考能力が冴えていないと、このサッカーはやりきれない。2〜3人、体調に問題がある選手が混じっていると、グダグダになる可能性が高い。

また、コンディションや暑さの問題だけでなく、相手に研究されてきていることも、大きな障害になっている。大分のポポビッチ監督は、サンフのサッカーを知り尽くしているわけで、どこのゾーンを『潰す』か知っていた。同じく、神戸の三浦監督も、就任してすぐということもあったが、それよりも神戸のスタイルを捨ててまでサンフ対策のサッカーをやってきた。

明確に見えたのは、イリアンとアオのプレーゾーンに、常時3人残していたこと。それとミカとコウタのところのアプローチに、人を集中していたこと。ここの3つのゾーンから、前へボールを運ばせないように、とにかく『人海戦術』をやってきたように見えた。ここから前へボールが運べないと、自然にイリアンへボールは戻ってしまう。両サイドにフタをして、イリアンとアオに激しくプレスをかければ、イリアンは前線へロングボールを入れてくる。それを、徹底的に狙う。アオやミカ、コウタが万全であれば、長い距離を走り抜けて、前線でボールを受けられるのだが・・・ここ2試合とも、それが機能しなかった。

さらに、DFラインが高く押し上げて、シャドーのプレーゾーンを消しにかかっていた。こういう状況下では、プレー範囲の狭い一誠よりも、広範囲に動く洋次郎の方がいいのかもしれない。

猛暑のゲームでやむを得ない要素ではあるが、このままでいいわけでもない。神戸戦、大分戦と、内容に乏しい試合が続いていることは事実だ。


4.全体の感想

ここ4試合で、2勝2分けは上出来だと思う。これで、『J2降格』を意識せず、上を向いて戦える状態になった。が・・・『ACL出場権』を得るためには、ここからギアを上げていく必要がある。『ベースはできた』状態から、ステップアップしなくては。

その意味で、次節ホーム浦和戦の意味は大きい。相手は『4連敗』で、『手負いの獅子』になってる。相手も、余裕などなく必死で向かってくる。確実にハードな戦いになる。

そんな時、アオが出場停止。これは痛い。が・・・今のアオのコンディションでは、60%のパフォーマンスも期待できないだろう。では、誰が中盤でタクトを振るうのか。私なら、陽介をボランチに下げたい。そして、シャドーに一誠と洋次郎を配置する。これなら、全体のバランスも崩れないし、大きくパフォーマンスを落とすこともないと思う。シャドーの2人が疲れたら、ハンジェと楽山をシャドーに入れたらいい。もう、総力戦しかない。


2009/7/25】

[J1] FC東京 0−0 サンフレッチェ広島

火曜日の夜、やっと映像が見れた。中国新聞のサイトを見る限りでは、『かなり押されていたんだな』と想像していたが・・・違った。勝たねばいけない試合だった。


1.守備について

何本かセットプレーやミドルシュートを浴びた危険なシーンはあったものの、完全に守備組織を崩されたシーンは記憶にない。高さのある平山は封じていたし、スピードのある石川のドリブルも脅威に感じることもなかった。FC東京の武器である長友、徳永のサイド攻撃もほぼ封じていたし・・・別に悪いと感じるところはなかった。

試合全体も互角であり、一方的にどちらかが押し込んでいる時間帯もなかったように思う。全体的には広島は遅攻の比率が多く、それにつきあう形で東京も遅攻が多かったように見えた。本来スピードを活かした『速攻型』のチームと思うが、広島のゆっくりした攻撃に自然と自陣深く戻ってしまう形になり、速攻に持ち込めていなかったように思う。当然、広島の選手全員『守備をサボらない意識』が浸透できていることも大きく、夏としては気温の低さもラッキーだった。また、中島が全体のバランスを保つ役を巧みに務め、盛田が槙野ほど攻撃参加しなかったことも安定していた要因だった。もちろん、イリアンも今までにないくらいハーフラインを越えてボールを持ち出すシーンは少なく、それも無失点の要因だったと考える。


2.攻撃のついて

ミカがいないことは大きい。ハンジェも楽山もボールが収まる『基点』にはなるが、そこから『もうひと崩し』はできなかった。私的には、橋内を起用してほしかったが。

ミカがいないことと、槙野がいないことで、その分森脇がよく攻撃参加していたと思う。盛田もイリアンも自重気味だったので、森脇が積極的に攻撃参加することでバランスをとっていた。悪くなかったと思う。

が・・・全体的に迫力不足は否めなかった。寿人、一誠、陽介、コウタ、アオの4人でよくボールが動いており、局面での強さやトリッキーなプレーも良かったのだが、フィニッシュがうまくとれなかった。結局、槙野やイリアンの攻撃参加がなかった分、セカンドを拾って二次攻撃とか、そういう破壊力に欠けていたと思われる。

得点が取れなかったことよりも、この日は『攻撃』という部分で気になったことがあった。それは・・・最終ラインでのビルドアップ。ハンジェに前への推進力がないのと、盛田が槙野ほど上下動しないことによって、かなり低い位置でのビルドアップが何度も見られた。そして、深い位置で相手に奪われ、ミドルシュートを浴びた。相手のシュート数の多さは、最終ラインでのポゼッションでのミスに起因したもの。失点しなかったから良かったものの・・・危なかった。特にハンジェがサイドを割りそうなボールをヘディングで折り返し、それが自陣ペナルティエリア内に入ってピンチを招いたシーンと、5メートルくらいの距離でウッズにバックパスをして、クリアミスになったシーンなど、かなりドタバタしたシーンがあった。まだ『責任ある大人になっていない』メンバーが多くいる証拠だろう。


3.全体の感想

どちらのチームも、積極的に『勝点3』を奪いに行くのではなく、無理をせず、『勝点ゼロは回避しよう』という感じの腰の引けた試合に見えた。試合の最終盤にもかかわらず、ホームの東京も強引にパワープレーに打って出てこなかった。お互い『キズ』を負いたくないようだった。

最近調子のいい東京も、広島のホームで完敗したトラウマが残っていたように思う。5連勝しているし、『負けたくない』という意識の方が強かったと思われる。当然、ミカと槙野が出場停止の広島も同じ。前節3連敗の後に『勝点3』をゲットし、なんとか『勝点1でもほしい』ところ。お互いの利害がちょうどはまった感じだ。だからこそ・・・もったいない。特に、前節の槙野の警告がアホらしい。次が『あんなの引いて守る時代遅れのサッカー』と言われた因縁の鹿島だけに、ここは勝って勢いをつけたかった。鹿島、神戸、大分、浦和・・・苦手のタイプの対戦がこれから続く。あ〜、もったいない。


2009/7/19】

[J1] サンフレッチェ広島 4−1 ジェフ千葉

19時から懇親会があったので、前半途中まで見て家を出た。懇親会途中に入ってきた携帯メールを見て、目を疑った。


1.個々の評価

GK中林・・・6.5
失点はムダ。が、足の故障も癒えたようで一安心。特に不満なし。

DF森脇・・・5.5
あまり記憶なし。森脇がヘディング強いのか弱いのか、最近イマイチわからない。コーナーキックでも、ボールに当たるのは槙野ばかり。勝てよ。

DFストヤノフ・・・6.5
わかってることだけど、存在感が大きすぎる。彼が目立てば目立つほど、不安になってくる。ケガだけはしないように。

DF槙野・・・4.0
バカたれ。プレーの記憶は吹き飛んだわ。あんなくだらん『報復行為』でイエローもらうとは。下手をすると、この『勝ち点3』と『勢い』をフイにしてしまうかもしれん。アホや。鹿島戦を前に『連勝』が大事なのに。猛省せよ。

DH中島・・・6.0
がんばってもらうしかない。今のところ、安定感は抜群。とにかく、ケガをするな。出場停止になるな。

DH青山・・・6.5
かなり広範囲に動けていたと思う。7月なのに、この気温はアオにとってラッキー。あと、ミドルシュートをがんばろう。

WB服部・・・6.0
大きな不満はなし。ただ何度も言うようにクロスの工夫を。

WBミキッチ・・・6.0
以前のように、なんでもかんでも強引に縦へ突破できなくなった。やや『牙』がもがれた感じ。それでも、ボールを持って仕掛けるスタイルは健在。頼もしいんだけど・・・また次『休み』か。おいおい、勘弁してくれ。

MF高柳・・・6.0
状態は確実によくなってるようだ。が、いつもこんな時に大ケガするんだよなあ。大丈夫か。

MF柏木・・・7.0
好調をキープしてる。今の調子を維持すること。次節は槙野もミカもいない。陽介にかかってる。

FW寿人・・・7.0
簡単なのが入らなくて、あんな難しいのが入っちゃうんだもんなあ。『ストライカー症候群』って言うべきか。スネだろう、スネ。シュートミスが、あのコースに飛ぶもんな。勝利につながると、ホッとするわ。

MF高萩・・・???
記憶なし。

DF盛田・・・???
記憶なし。

MFハンジェ・・・5.5
ミカに代えて盛田を入れて、森脇が右サイドに出た。よって、ハンジェはシャドーに。本来、ココなんだよね。あの『ごっちゃんゴール』は、これまでの『ごほうび』か。次節ミカが出場停止だが、ハンジェのアウトサイドはゴメンこうむりたい。


2.全体の感想

連敗が止まって一安心。連敗中も内容が悪くなかっただけに、解せない想いがあった。修正はできると思っていても、結果が伴わないと疑心暗鬼に陥ってしまう。特に『2007シーズン』と同じ曲線を描いていただけに、その不安をぬぐえなかった。ただ、次のFC東京戦がとても大きな意味を持つ。その次に鹿島戦を控えているだけに、何が何でも『勝ち点3』がほしい。前回快勝しているだけに、勢いをつけたかったが・・・アホが。

ミカの出場停止は審判の問題もあったが、槙野のは『自己抑制』の効かなかったセルフコントロールの問題。あれはないわ。あれじゃ、大久保と同じだ。次節の重要性を考えても、やってはいけない行為だろ。クラブは『罰金』を課すべきだ。

これで、戦力的にかなり厳しくなったことは事実。槙野がいれば、盛田をDFに入れて、森脇をWBへ上げることも可能だった。実際、終盤にはそれを試してる。ひょっとしたら、槙野の出場停止までミシャは認識してなかったのでは・・・と、勘ぐりたくなる。けれど、もうこの手は使えない。DFを森脇、イリアン、盛田で組むしかない。となると、右WBは楽山、ハンジェ、橋内しか選択肢はないのだろう。ミカでも苦しんだ長友を、代役で抑えられるのか。かなり厳しくなることを覚悟しなくちゃならない。私が監督なら、ぶん殴ってやりたいくらいだ。

個人的には、ハシを先発で起用してほしい。誰が出ても長友には勝てないのであれば、とりあえずスピード、高さで長友を上回るハシを使いたい。どっちにしてもこのサイドが一番激しい『バトルの場』になる可能性が高いのだから、奇襲で勝負したい。

千葉のサポーターたちは、メッチャ悔しかったと思う。寿人、イリアン、中島と、かつて一緒に戦った同志たちがサンフの主力にいて、彼らに好き勝手暴れられたのだから。申し訳ない気持ちと、感謝の気持ちが湧いてきて・・・複雑な心境だった。彼らのためにも、この『勝ち点3』を大切にしなくてはならない。


2009/7/11】

[J1] 浦和レッズ 2−1 サンフレッチェ広島

試合前、想像していた通りの失点シーン・・・残念だ。


1.個々の評価(満足度)

GK中林・・・5.5
一番危険なセットプレーの対応で、ウッズが積極的に守備範囲を広げて対応していたことで、厳しかった前半を無得点に抑えることができた。そこまでは見事だった。が・・・カウンターに屈した。あのシーンは、何とかならなかったか。過去にも、ああいう抜け出しを止められなかったことがあった。ウッズの弱点なんだろうか。

DFストヤノフ・・・6.5
守備の読み、1対1の強さ、さらに前線へのロングフィードの正確さ、どれもスーパーなんだけど。残念だ。

DF槙野・・・5.5
攻撃時の空中戦の強さは評価できるが、守備時は空中戦になる前のポジション争いに負けるシーンが多い。まだまだだなあ。

DF森脇・・・5.5
最近、あまり目立ったプレーがない。1本、ヘディングシュートがあったくらい。一時に比べ、かなり印象が薄いのが気になる。

DH中島・・・5.0
やってしまった。確かに、中島の角度からは、エジミウソンはオフサイドだったが、イリアンが走って戻ってくるのは視界に入れてなかった。アンラッキーな判断ミス。全体的にはミスもなく安定しているのだが・・・ここまで勝てないと、カズが懐かしくなってしまう。

DH青山・・・6.0
カズ不在の影響もあると思うが、アオの活動範囲が狭くなっているような気がする。カズがいる時は、もっとサイドまで走りこむシーンがあった気がするが、今は中央を上下動しているだけのような気がする。それによって中央が混雑してしまう要因になっている気もするが。

WB服部・・・6.0
コウタは安定したパフォーマンスを発揮していると思うが、裏を返せば『それ以上』もない。ミカがいなくて右サイドが手詰まりになっているだけに、何かを期待したいのだが。

WB楽山・・・5.0
ボールを失っているわけではないが、果敢に仕掛けてくる浦和の10代コンビに対して防戦状態になってしまった。今の楽山では、ハンジェとの違いが見えない。

MF高柳・・・6.0
かなり戻ってきた。運動量も上がっているし、フィジカルも悪くない。あとはゴールだけなのだが。下手に小さくならずに、GKを吹っ飛ばすくらいに思い切ってシュートを振り切ってほしいものだ。

MF柏木・・・8.0
がんばっているんだけどなあ。この試合も、陽介だけは別次元のプレーをしていた。が・・・これだけがんばっていても、ゴールを奪って『ヒーロー』になれないところが、『並』と『スター』の違い。相手にとって『嫌な選手』で終わってはダメだ。決めないと。空振りしてる場合じゃない。ミドルかフリーキックの『武器』を持たないと。残念。

FW寿人・・・6.5
ああいうのが決まっても、あれだけのチャンスを外してしまうと。あまりにも『寿人オンリー』になってる現実も問題があるが、それでも決めないと。この3つの負けは、山のように決定機があっただけに、納得できないし、悔しさが増幅する。

WB橋内・・・6.5
確かに、あの失点はハシのマークミスだ。が、へこたれずに成長してほしい。ハシが入って逆転負けしたのは事実だが、ハシが入って試合の流れは変わった。特に右サイドの攻防は優位に展開した。それまで右サイド深くまでボールを運べなかったが、ハシが入ってからはそのスピードと積極的なランニングで右サイドを制圧した。ハシが入ったことで『カウンターを食らった』わけで、逆に浦和は苦しい状況に追い込まれていたんだから。ただ・・・高さに自信のあるハシが、セットプレーで負けたことは悔しい。槙野も同じで、セットプレーのポジション争いでの経験不足があった。それでも、ハンジェ、楽山とのポジション争いでは、ハシが一番良かったと思ってる。がんばってほしい。

FW丸谷・・・2.0
プレーした記憶がないまま終わった。

FW平繁・・・5.0
シュートを決めてナンボだ。磐田戦も『救世主』になるチャンスはあった。しかし・・・決めれなかった。それと、最近ドリブルで突っ込んでは止められるシーンが多い。ドリブルは龍一の魅力ではあるが、奪われすぎだ。高さで競り合えるFWがいない状態なのだから、もっとシンプルにプレーして、ゴール前で『泥臭く』体を張ってプレーしてほしい。

2.全体の感想

いやいや、マジで『まったなし』の状況になってきた。『勝点』が計算できた京都、磐田を落としたのが大きい。鹿島までの、千葉、FC東京で踏ん張れないと、かなり危機的状況に陥ってしまう。内容が悪くないのが救いだが、結果次第では内容も悪くなるものだ。

一番の問題は、ミカ不在の右サイド。ここを何とかしないと、急激な改善は期待できない。ここまでの印象では、橋内が良さそう。安定感はないが『戦う』状態は作れる。ハンジェも楽山も、安定感はあるが『戦う』状態にはなっていない。相手に引かれてしまうと簡単にはこじ開けれないのだから、多少リスクはあっても、ハシで勝負した方がいいように思う。あるいは、盛田が復帰できれば、森脇か槙野をWBに上げることも検討しなくてはならないだろう。もう『総力戦』なのだから。

あとは、アタッカーの問題。寿人、陽介、一誠の3人が悪いわけではないが、90分間パフォーマンスを維持するのは難しい。洋次郎、龍一を含めて、どんな組み合せで、どのタイミングで投入するか、考える必要がある。それと、大崎を積極的に起用してほしい。特に、ラスト15分くらいであれば、かなり有効だと思われる。ここ3試合を見ても、試合終盤には相手選手が足をつるシーンが目立つ。またゴール前ベタ引きになっている。相手もラスト15分は苦しくなっており、こういう時間帯にドリブラーの大崎は価値がある。龍一とも違う細かいステップで勝負するタイプのようなので、相手を追い込む可能性は高い。

ともかく、今いるメンバーを総動員して、この苦境を乗り越えるしかない。


2009/7/5】

[J1] サンフレッチェ広島 0−1 ジュビロ磐田

■陽介は戦った

いやいや、ホントに良く走っていたと思う。攻撃はもちろん、守備の場面でも。また中盤での球際の強さも際立っていた。『連敗はしたくない』という気持ちはメチャメチャ伝わってはいたが。

■クロスに弱く、クロスに強くない

言い変えれば『高さに弱く、高さに強くない』ということになる。あんなイージーなクロスに競り勝てなかった。逆に、いくらクロスを入れても得点を奪えそうな気配がない。それが今の現実。守備に関しては、競り勝てないんだから仕方ない。盛田でもいれば、まだ改善できるが・・・今の森脇では、あれが精一杯。攻撃に関しては、洋次郎がいてもたいして戦力にはならないが、洋次郎がいるだけで寿人や陽介がフリーになりやすい。けど、それが限界でもある。

■川口はすごい

日本代表ではポカばかり目立つ川口だが・・・やっぱりすごい。DFラインの裏を狙うボールに対して飛び出してくるタイミングとか、すべりやすいピッチでのキャッチ、抜け出した選手に対する飛び込みとか、ことごとくチャンスを潰されてしまった。

■駒野に帰ってきてほしい?

試合前日に寿人のコメントが載っていたが・・・駒野がこの試合で対戦してみて『広島に戻りたい』と願うだろうか。サッカーの質は確かに悪くない。けれど、これで優勝が狙えるかと言うと、それは疑問。巧くて楽しいかもしれないが、強くはない。今の磐田も良くないけど、こんな試合で『広島に戻りたい』とは思わないのではないか。

■J2のサッカー

正直『しょせんJ2レベルののサッカーか』という想いがこみ上げてきた。もちろん、森崎兄弟はいないし、ミキッチもいない。それでも、J2では勝てた。守れたし、崩せたし、ゴールも奪えた。けど・・・『優等生のサッカー』では、J1では勝たせてもらえない。ボールを回してボールを失わないサッカーは、ある意味『優等生』のサッカー。しかし裏を返せば、チャレンジは少ないし、強引さにも欠ける。それでも、J2では勝てたのだが・・・。

■個で崩せない

毎度言われてることだし、資金力のないサンフレッチェが目指すべきものでもない。けど・・・そこへ行き着く部分もある。こういう試合になればなるほど、いつまでも久保の『幻想』を追ってしまう。

■中を固めれば恐くない

相手チームにとったら、『広島対策』としてまず考えることだろう。サイドを崩すことに長けているサンフではあるが、そこから入ってくるクロスに合わせる選手がいないし、少ない。ほとんどの場合は、寿人1人しかいない。高さ的に恐いアタッカーもいないので、センターに枚数をかけていれば、ある程度は防げる。しかも、サンフの攻撃は後方から次々と選手が飛び込んでくるスタイル。下手にマークしてしまうと、ズレが生じてしまう。よって『人につく』より枚数をかけてゾーンを埋めた方がいい。それを徹底されている。

■高さがないから中央突破

サンフの攻撃の多くは、一度両サイドにボールが入って、そこから中央へボールが動き、クサビを入れて2列目のアタッカーが飛び出すパターンが多い。しかし・・・相手は中央を固めている。ならばサイドを激しく攻め立てて、相手DFを中央からサイドへ引っ張り出したい。けれど、1対1のドリブルでサイドを突破できないし、しない。なので、相手もサイドに1人しか配置せず、中央の人数が減らない。その狭いゾーンを崩そうとしても、なかなか難しい。うまくボールをつないで崩したとしても、狭いゾーンをこじ開けようとしているため、シュートの瞬間、あるいは直前にブロックにあっている。またシュートを撃てたとしても、ペナルティエリア内のゴチャゴチャした状況のため、無理な体勢でゴール枠を捉えられなかったり、GKに当ててしまう。

■限界と言えば限界

森崎兄弟とミキッチが不在の状況では、これが『限界』とも言える。これで勝てなかったら勝てない。あれでゴールが奪えなかったら勝てない。それ以上でも、それ以下でもないと思う。『理詰めの攻撃』は必ずしも悪くはないが、相手にとっても守りやすい部分がある。それを打ち破るには、今のままではいけないが、かといって『選手』や『戦術』を変えるわけにもいかない。今のやり方で、何か改善していかねばならない。今のままで『運が悪い』とか『今のサッカーを続けるだけ』と精神論を語っていては、道は開けない。

■プラスアルファを

今の『理詰めの攻撃』は悪くない。相手がベタ引きしてしまうほど、相手には恐れられている。相手は『ひとつのミス』が致命傷になる恐怖心を抱え、追い込まれている。そのことは悪くない。今のサッカーを続けていくことに不満はない。ただ・・・『上乗せ』がないと、この先勝てなくなる。やはり常勝チームと呼ばれる鹿島などは、悪い流れの試合であっても、『自分たちのサッカー』ができない時も、最後には勝ち点を手に入れている。ACL出場権を獲得するためには、そこを改善できないとダメだろう。

■ミドルシュートとフリーキック

『プラスアルファ』の1つは、『崩す』という面倒な部分を必要としないシュート。それは20〜25メートルくらいのミドルシュートと、直接フリーキック。磐田戦の終盤、磐田は捨て身でサンフの攻撃を止めにかかった。そのため何度も何度も直接フリーキックのチャンスを得た。が・・・ことごとく得点につながらなかった。ここをなんとか『上乗せ』する必要があると思う。アオも一誠も、ミドルの才能はある。もちろん洋次郎もある。陽介もないわけではないが・・・寿人はあまり得意ではない。ともかくミドルがないと、相手も中央の守りを崩そうとしないし、京都戦の『アンラッキーな失点』みたいなことも生まれない。『理詰め』で『クソまじめ』すぎるのも、今の『手詰まり』な状態を生んでいると考える。そして、フリーキック。なんとかならないものか。ストヤノフ1人というのも情けない。これこそ、日々もっと練習すれば短期間に改善できるものだろう。プロに駆け上がるほどの選手たちが、それまでのサッカー生活の中で直接フリーキックを1回も決めたことがないわけがないだろう。積極的に練習すべきだ。そのあたりはチームとしての考え方もあるだろうが、個々の選手たちが『他人任せ』にしているのではないかと疑ってしまう。直接フリーキックも含め『セットプレー』全般が、これからのサンフレッチェの『浮沈のカギ』を握っていると思ってる。

■積極的な選手起用

試合終盤、平繁、大崎と『捨て身』の選手投入をしてきた。そのことは評価できる。ここまで主力が欠け、メンバーが揃わない状態では、監督としても対応が難しい。それは大きく評価できる。しかし・・・まだ足りない気がする。極端な話、大崎も平繁も、先発で起用するくらいの『思いっきり』がほしい。2年前とほぼ同じ状況になりつつある。次節は浦和との対戦であり、簡単に『勝ち点3』を奪える相手ではない。2年前も中断開けに浦和と対戦し、木っ端微塵にされた。あそこから完全に狂った。当時、『メンバー固定』が問題になっていた。このままでは、あの2年前と同じ状況にならないかと危惧している。『理詰めからの逸脱』と『積極的な選手起用』・・・それを期待するしかない。

京都戦は2年前の入れ替え戦のリベンジ、磐田戦はナビスコ杯のリベンジと、それぞれ強いモチベーションを持てる対戦で、相手チームの状況からも『勝ち点6』を積み上げて『勝ち点26』に到達できると考えていた。ところが・・・『勝ち点1』も積み上げることができなかった。神戸戦の逆転勝利が『無になった』わけではないが、一気に『不安モード』に突入してしまった。これもまた2年前の『当時』によく似てる。そして、再び浦和戦。

トラウマを解消できるのだろうか。


2009/6/21】

[J1] サンフレッチェ広島 4−3 ヴィッセル神戸

DVDを再生しながら・・・3点目を失ったところで、バカバカしくなって2倍速で流して見ていた。『最悪の負けパターンだ』とほとんどあきらめモードで見ていた。が・・・ああなるのか。2年前とは違うようだ。


1.個々の評価(満足度)

GK中林・・・5.0
PKはともかく、残りの2失点はいただけない。2点目はクロスのミスかもしれないが、私は狙っていたと考えている。明らかにGKを見ていたし、インフロントではなくインステップに振りを速く当てにいった。とてもクロスとは思えなかった。J1では、ちょっとしたポジションの取り方でああいうところを狙うスキルを持った選手がいるということ。また3点目は、最後に足を浮かせてしまった。最後まで両足を着けて待てなかった。あれはウッズのミスだと思う。ともかく3失点は多すぎる。

DFストヤノフ・・・6.5
途中から、あそこまでDFを下げて攻撃的な選手を次々と投入されると、さすがのイリアンも下手に前にいけない。けど、抜群のロングフィードで勝利に貢献。陽介の3点目を演出したシーンだけでなく、何度も何度も寿人の動き出しに合わせたフィードをしている。あれを前半のうちにきっちり決めていれば、こんなに慌てる試合にならなかったのだが。

DF盛田・・・5.5
安定したプレーをしていたのに、悔しいかな、あの1回足を滑らせたことで。

DF槙野・・・6.5
3点は取れてた。

DH中島・・・7.0
すごい存在感になってきた。カズ不在はチームにとって大ピンチだが、現時点ではそれを感じなくなっている。中島自身も、確実にシーズン当初から成長しているということではないか。決して起用ではないが、必要な時に必要なところへ動き、他のタレントの能力を最大限に引き出していると思う。こういうチーム状況の中で、チームが壊れずにいられるのは、中島の存在があるから。ありがたいことだ。

DH青山・・・6.0
そんなにパフォーマンスは良くなかったと思う。ミスは少なかったものの、反面チャレンジも多くなかった。

WB服部・・・6.5
まあ、本当に良く走ってる。この『鉄人』に代わる存在がなかなか出てこないわけだ。

WBミキッチ・・・4.5
このところ『厄日』が続いている。あまりドリブルにも冴えはないし、何よりもプレーが裏目に出る。PKを与えたシーン・・・直前のプレーで相手に激しくアタックし、自分の体をねじ込んでマイボールにしていたのだが、そこで中途半端な対応になってしまい結果としてファールをとられた。そのフリーキックを手でブロックしてPKを与えたわけだ。ハッキリ言って『1人芝居』。どうも大宮戦から『ケチ』がつき始めているような気がしてならない。外国人に効果があるかはわからないが、どこかで『お祓い』をしてもらった方がいい。

MF柏木・・・6.0
正直言って、あまり存在感のなかった試合。やたらと洋次郎が目立っていて、陽介のプレーの記憶が薄い。そんな中でも、ああいう劇的な逆転に絡んだことは大きい。よくフカさずに決めた。こうやって着実に『実のある』プレーヤーとして成長してほしい。

MF高萩・・・6.0
90分間でコロコロと印象が変わった。これもまた『洋次郎らしさ』なのか。安定感のあるプレーもあれば、ひとりよがりなプレーをして簡単にボールを失う。けど豊富な運動量で、ボールのあるところへ次々と顔を出す。激しい守備も惜しまず、試合終盤は最終ラインでカバーリングしていたりもした。徐々に『洋次郎のチーム』に染まりつつある予感がしてる。

FW寿人・・・5.5
数々のビッグプレーあり、献身的なプレーもあり、DFの間を切り裂くすばらしいランニングありで、本来なら『7.0』をつけても不思議ではない。が・・・前半にもう2点は取れた。あれをモノにできなかったことで、あんなに苦しい展開になってしまった。その想いがあるから、素直に『7.0』をつけれなかった。

MF高柳・・・6.0
一誠と洋次郎の2人が、なんとも言えない感覚のワンツーで切り崩していくのを見ると、やたらに楽しくなってしまうのは私だけか。

FW平繁・・・5.0
一本、ものすごいスライディングを見舞ったのは覚えているが、あとはほとんど記憶なし。

MFハンジェ・・・5.0
時間稼ぎ要員だった。


2.全体の感想

最後の方は、何がなんだかわからなかった。たぶん、イリアンと中島の2人で守っていたのでは。まっ、どっちにしても負けていたんだから、あれくらいやっても不思議ではないが。

前半終了間際に槙野のゴールが決まった時点で、この試合は『楽勝だ』という意識だった。前半には何度も何度も決定機があり、それをことごとく決められなかった。GKのビッグセーブがあったとは言え、あまりにもシュートが正面に飛びすぎた。『やばいな』と感じていたところでの追加点だったので安心感もあった。

ところが・・・あの判定。最初は『おいおい』と思ったが、リプレイを見る限り手を出している。位置もペナの中。ハッキリ言って、ミキッチのチョンボ。しかも直前に、無意味なファールを与えている。どうも、最近のミキッチはおかしい。で、あのミドル。最初は普通にクロスをあげるんだろうと思っていたら、突然すばやく足を振ってインステップ気味に蹴った。一瞬GKを見て『ひらめいた』と言う感じだったので、ウッズのスキを見られたのだと思う。どっちにしても、イケイケの神戸の流れを受けてしまった状況なので、流れを変えるプレーができなかった問題もあった。それで、あの追加点。足を滑らせたとは言え、ああもあっさりと失点するとは。 ガムシャラに攻めた広島が良かったのか、守りに入った神戸がグスかったのか・・・両方の要因があったのかもしれない。2年前、ド楽勝気味の試合を最終盤に追いつかれ、そしてカズがPKをとられて逆転負けした。あそこから連敗街道がはじまり、一気に奈落の底へ落ちてしまった。あの時も、あの神戸戦までは順位も、総得点も、今とほとんど変わっていなかった。この日も3失点目を食らった時に、あの悪夢が完全によみがえった。だからこそ・・・取り返した2点は価値がある。あの『呪縛』を振り払ったことに、大きな価値がある。

京都、磐田と比較的戦いやすい相手が続く。しかも京都は入れ替え戦、磐田はナビスコ杯とそれぞれ『リベンジ』としてのモチベーションも作れる。2つとも叩いて浦和戦に臨めれば・・・ひょっとしたら『優勝争い』も現実のものになってくる。ここから2戦は、内容よりも集中して『あきらめない』『必死で戦う』姿勢を見せてほしい。これまで何度も『精神的なもの』によって期待が打ち砕かれてきた。この『山』を越えられるのかどうか・・・楽しみにしたい。


2009/6/17】

[W杯予選] オーストラリア 2−1 日本

あれしかないサッカーに、あれでやられた。悔しいというレベルではない。しかし・・・それ以上に、日本がやらねばならないサッカーをやれなかった。そっちの方がもっと悔しい。


1.個々の評価

GK楢崎・・・5.5
1点目も2点目も、なんとかならなかっただろうか。この日の楢崎は、全体的に腰が引けていたように感じていた。前半から、空中戦で競った時に、何度も体をぶつけられていた。それが精神的にボディプローのように効いていたのだろうか。1点目は、コースが難しいところに飛んだので如何ともしがたい部分もあったが、2点目は・・・楢崎がボールに触れていればなんともなかった場面だ。ああいう大きい相手になればなるほど、GKの存在意義が大きくなってくる。かなり大きな不安を感じてしまった。

CBトゥーリオ・・・6.5
良くがんばっていたと思う。ゴールは見事だったし、逆に1点目の失点は後ろから来た相手にやられたのでやむを得ない部分もある。正直『孤軍奮闘』していたと思う。

CB阿部・・・4.5
さすがに評価を下げざるを得ない。2点とも、阿部が直接絡んでしまった。1点目はマークから逃げる相手を追わなかった。2点目はマークの相手にフィジカルで負けた。本来DFではない阿部をあの位置で使ったことに問題があったと思うが・・・それでも失点シーンがあまりにも情けなかった。

SB長友・・・6.0
もっとできるはず。もっと仕掛けれたはず。仕掛けないのなら、安田の方がいい。今の日本代表の武器は、間違いなく『両サイドバック』である。パスワークで崩せない時は、アウトサイドが突破するしかない。長友は、それができるアタッカーのはずだが。

SB内田・・・5.5
長友と同じで、ああいう展開になったら仕掛けていくしかない。まだまだ中途半端。恐がっている感じも見える。それと気になってるのが、クロスの質。あまり良くないし、受け手とのイメージが共有できいない気もする。ああいう大きい相手なのだから、もっとクロスのバリエーションがほしい。

DH橋本・・・4.0
頼むから代表から外してほしい。正直、彼が代表メンバーだと言うことを恥ずかしく思ってしまう。日本サッカーを代表する11人の中に、あのレベルの選手が混じっていると思うと悲しくなってしまう。日本には、もっとすばらしいボランチがたくさんいるではないか。ともかく立ち上がりからボールを失い続けた。彼がポゼッションの中心に位置するということは、ポゼッションを放棄しているのと同じ。本来、選ぶ方がおかしい。

DH今野・・・5.5
彼はボランチとして価値のあるプレーができてた。けど、所詮1人では何もできない。最初からケンゴとのダブルボランチでやってほしかった。

MF岡崎・・・4.5
そろそろ神通力も消滅したか。この日の岡崎は、何もやっていないし、何もできていない。エスパルスでの『存在感のない』岡崎と同じ。彼の動きに合わせてパスを提供できる選手がいないと、何の価値もないことが良くわかった。

MF松井・・・5.5
やろうとしていたことはわかる。けど、結果が伴っていない。いろんな場面でミスが出た。特にシュートでのミスは致命傷だった。試合勘が戻っていない証拠だと思う。W杯で活躍したいのなら、一度日本に帰った方がいいと思う。

MF中村憲・・・6.0
日本のパスサッカーには、中心になってボールを回せる選手が必要。ここまで築き上げたチームの中では、遠藤、中村俊、中村憲の3人が常に中心に位置していた。ここに最近になって長谷部が入ってきて、今は4人でボールを動かしている。ところが、この日はケンゴしかいなかった。ケンゴがボールを動かすしかなかった。海外組が不在の時でも、これまでは遠藤がいた。その遠藤すらいない。ハッキリ言って、この現状では厳しかった。それだけだ。

FW玉田・・・5.0
これまでの試合から比べると、まだマシだった。けれど、あんなもんじゃないはず。勝負しない玉田なんて、ほとんど価値はない。あれでは、田中達也の復帰を期待するしかない。

FW矢野・・・4.5
戦えていない。競り負けているし、スピードを活かした突破もなかった。交代で出た意味がほとんどなかった。

FW興梠・・・5.0
もっと前で使わないと、オーストラリアにとっても恐くはない。


2.全体の感想

この日の采配には、思いっきり疑問符がつく。

まずはしつこいが、橋本の起用はあり得ない。攻撃に関しては、高さでは絶対に勝てないのだから、徹底的にボールを回して、相手を走らせ、時間がかかっても遅攻を繰り返すしかない。そのためにはポゼッション能力の高いMFを揃える必要がある。とくにボール回しの中心であるボランチに、有能な人材を揃えるしかない。遠藤、中村俊、長谷部が同行していない以上、ボランチの位置で安定してボールを回せるのは、中村憲、今野、阿部の3人しかいない。まず、ここの判断を誤ってる。

それとセンターバックの構成。中澤のリタイアにより、阿部を先発で起用した。そこに関しては、ある意味仕方ない部分がある。これまでの代表での経験と、トゥーリオとのコンビを考えれば、スタートはこれしか選択肢はなかった。けど、前半から何度も阿部のところで競り負けてピンチを招いている。よって、失点は時間の問題だった。ラッキーにも先制した時点で、『この試合を勝ちに行く』方向で考える必要があったと思う。オーストラリアの攻撃自体が単発で、パワープレーに頼るものばかりだったので、先制した時点で『高さ対策を講じる』必要があった。本大会を考えても、同じシチュエーションは考えられるし、良いテストケースであったことも間違いない。それなのに・・・ベンチは手を打たなかった。

ちなみに、本大会でも同じケースがあるかもしれない。ドイツ大会では、1点リードしながらオーストラリアのパワープレーに屈した。オーストラリア以外でも、オランダなど背の高いチームはある。あるいは中澤欠場のような事態も考えられる。せっかくの機会を、ベンチはフイにしてしまった。

後半から、センターバックに山口か槙野を投入すべきだったと思う。1点のビハインドを追うために、オーストラリアは必ずパワープレーに持ち込んでくる。さらにオーストラリアにとって目障りなトゥーリオを封じ込めにかかってくるはず。1点目でわかるように、あえてトゥーリオに対して2人が競りに行くのは常套手段だ。『阿部を代える』のではなく、阿部はボランチとして残し、『高さ対策』の選手を投入する必要があったと思う。特に前半は前線にケネディ1人だったのに対して、後半からケーヒルが前に張ってきた。あれを封じるには駒が足りなかった。『クロスの出所を封じろ』と言っても限界がある。こういう戦いでは、中央に人を集めて弾き返すしかない。それをしなかったことは、ベンチの『無策』と言われても仕方がない。極端な話、山口と槙野の2人とも投入して、1点を守ることも重要なシミュレーションではなかったかと考える。

ある報道によると『全員入れ替えろ』とセルジオがほざいているらしいが・・・少なくとも何人か入れ替える必要があると思う。今回のメンバーは、『アジアを勝ち抜くため』のメンバーであって、本大会を勝ち抜くメンバーではないこともわかってる。けど・・・あまりにもメンバーのレベルが低い。またポジションごとにバックアップメンバーも揃っていない。いくら本大会出場が決まっているとは言え、W杯予選であるにもかかわらず休んだ連中も許せない部分はあるが、彼らが抜けたからと言って、この体たらくが許されるものではない。代表は日本サッカー関係者全員の『代表』なのである。負けて許される試合などない。

GKは、安定感では楢崎だ。けれど、この日のように腰が引けていては不安が残る。やはり『デカイ』『強い』GKの登場に期待したい。流通大の林はどうなってるのか。どっちにしても本大会まで間に合う話ではない。JリーグのGKのハイボールへの対応強化を期待するしかない。

センターバックについては、やはり高さの問題がある。オーストラリア相手に、高さで勝負できるのがトゥーリオ1人というのが、そもそも無謀である。万全であれば、中澤とトゥーリオである程度対応できる。しかし、いつ今回のようなアクシデントが起きるかもしれない。また今回候補だった寺田も直前で負傷した。もっと多くのリストアップが必要ではないのか。高さ対策なら、鹿島の岩政なども呼ぶべきだ。正直、盛田でも良かったと思う。国際試合では、きれいごとを言ってられない時もある。相手によっては、イレギュラーなメンバーを組む必要も出てくる。勝たないと何の価値もない。『高さには勝てませんでした』という言い訳は通用しない。本大会までに、もっと多くのセンターバックを使える状態にしておかねばならない。

ボランチに関して、今回の予選で大きな問題を露呈してしまった。具体的には、遠藤が不在の場合、『攻撃』のレベルが数段落ちてしまうこと。特に遠藤がいないと、緩急がまったくつけられない。緩急がつかないと、有効なポゼッションもできないし、そこからのサイドチェンジも生まれない。数的優位を作れないまま相手守備陣を突き崩すほど、日本の個人の突破力はない。あくまでも『数的優位』の状況が『個』をサポートしているにすぎない。

基本的に、オシムと岡田さんの『攻撃』に関するコンセプトは違っていないと思う。どちらも『人もボールも動くサッカー』を攻撃のスタイルにしている。ドイツで敗退して以降、ボランチでホゼッションを操っていたのは、遠藤、中村憲の2人だった。長谷部の台頭によって、今はケンゴが前へ移動しているにすぎない。となると、この3人のうち1人はボランチにいないと、チームとして攻撃の形が作れないことになる。実際、カタール戦も、オーストラリア戦も、スタートでは3人ともボランチにいなかった。だから・・・まともな攻撃が何一つできていない。カタール戦も、オーストラリア戦も、日本代表が狙ってきた形でのゴールとは言いがたい。キリン杯で生まれた8つのゴールは、ある程度狙っていた形であり、本来はああいうゴールの場面が作れないとダメ。しかしボランチが入れ替わったことで、形すら作れなくなってしまった。

遠藤、長谷部、中村憲の3人が、アクシデントなく本大会を迎えることかできるならば、さほど心配することではないかもしれない。けど・・・何が起きるかわからない。もう1〜2人、彼らと同レベルの攻撃能力があるボランチを作っておかねばならない。言うのは簡単だが、彼らと同レベルのボランチなど、そうそういるもんじゃない。特に長谷部の代役は、中村憲や今野でも務まるが、遠藤の代役は相当なレベルが要求される。いないのか・・・いや、いるじゃないか。小笠原満男だ。同じ歳の遠藤、小笠原、小野伸二・・・彼らにとって、たぶん最後のワールドカップになる。ケガでもない限り、本番直前まで、彼らは代表メンバーに加えておくべきだ。今回だって、小笠原がいたならば、カタール戦も、オーストラリア戦も余裕で勝てたはずだ。

あとのポジションは、『代えのきかない』ほどの選手はいない。逆に、飛びぬけている選手もいない。できるだけ多くの選手をリストアップして、『今一番調子がいい』選手を確実に選考すること。間違っても、このシリーズの玉田や大久保のような誤った選考をしてはいけない。

オーストラリア戦でもわかるように、あんな大きな相手に対して『真っ向勝負』の試合をしても勝てるはずもない。やはり日本は日本のスタイルになりつつある『人もボールも動くサッカー』をやりきるしかない。そのためには、1人1人の高いパス精度、ボールを失わない中盤のビルドアップ能力が絶対的に必要。さらに相手の守備をかく乱する『走る』能力。『走る』ことで相手を引き寄せ、そこでの『スモールサッカー』でボールを失わず、反対サイドへのサイドチェンジで一気に数的優位を作って崩す。カタール戦も、オーストラリア戦も、『人もボールも動かない中途半端サッカー』をやった。あんなんじゃ、『ベスト4』なんて単なる戯言にしか聞こえない。

カタール戦も、オーストラリア戦も、単に『采配ミス』『選手選考ミス』の分類に入ると考えている。しかし・・・この分類こそが、一番危険な問題である。間違った考えを持っている監督こそが、一番タチが悪い。監督を代える以外、改善が不可能だからだ。岡田監督が正しい分析をしてくれることを祈るしかない。


2009/6/10】

[W杯予選] 日本 1−1 カタール

日本サッカー界の底辺を支える人間の1人として、まさに『痛恨の極み』と呼べる試合となってしまった。


1.個々の評価(私の満足度)

GK楢崎・・・6.0
いくら楢崎でも、どうしようもない試合。

CB中澤・・・5.0
完全に、いつもの中澤ではなかった。年齢的なものもあり、コンディションは最低レベルではなかったか。バウンドしているボールに競り合わなかったり、積極性が欠けているというプレーが何度も見られた。あれだけ体がキレていなければ、経験など何の価値もなくなる。

CBトゥーリオ・・・6.0
試合の序盤、トゥーリオから繰り出されるロングボールがつながらなかったり、クサビのパスをカットされる場面が続出した。最初は、『トゥーリオのミス』という印象を抱いていたが、途中から考えが変わった。明らかに『受け手が走っていない』と。トゥーリオは良くやっていたと思う。

SB今野・・・5.0
さほど出場機会に恵まれていない今野が、ここまでパフォーマンスを落とすのか。それが不思議でならなかった。いったい、チームスタッフは何をしていたのか。

SB内田・・・5.0
立ち上がり攻撃は見事だった。ところが、途中から全体のパフォーマンス低下に引きずり込まれてしまった。若いんだから、もっと大胆に、前を追い越してでも攻め上がるべきだったと思うが。

DH阿部・・・4.5
アベちゃんまでが、あの状況に陥ってしまうとは。どれだけ全体のパフォーマンスが落ちていたんだろう。本来の特長である『ミドルパス』が一度も記憶に残っていない。それはアベちゃんが悪いのか、それとも長い距離を走る選手がいなかったのか。後者だったと思うが。

DH橋本・・・4.0
論外だ。橋本は守備の選手。ホームゲームで、あの程度の攻撃センスしか持たないボランチを投入すれば、ああいうゲームになることを予測できなかったのか。結果として、本来『緩急』でリズムを作るボランチのラインで、ボールがドタバタと動く展開になってしまった。日本代表を背負ってきた歴代のボランチを考えてほしい。橋本を抜擢する価値がわからない。

MF岡崎・・・5.5
1点目のランニングは見事だった。ああいう長い距離を惜しまず走るのが彼の真骨頂。が、途中から走れなくなった。原因は、前が狭いゾーンでつまったから。玉田と中村憲の影響を受けてしまった。

MF中村憲・・・4.0
ケンゴはいい選手だと思う。大好きな選手でもある。けれど、あまりにも状態が悪い。ウズベク戦で状態はわかっていたはずだ。広島がJ2へ落ちたシーズン、川崎も状態の悪い時期があった。その時、ケンゴがトップ下に入り、非常に狭いゾーンでプレーしていたことがあった。あの時の川崎は、まったく恐くなかったし、ケンゴもほとんどボールに関われていなかった。中村憲剛という選手は、『走ってナンボ』の選手だと思ってる。柏木陽介と同じで、ただのテクニシャンではなく、走り回って自分を輝かせる選手だと思う。その彼が、走れない、走らない状態で、輝けるわけがない。ウズベク戦も、この試合も、彼の状態の悪さがそのままパフォーマンスとして表れた。中村俊輔もインタビューで『走っているはずのケンゴが走っていない』と試合を振り返っていた。それがすべてだ。

MF中村俊・・・5.5
セルティックの試合を見てもわかるように、彼がスコットランドで輝けたのは、セルティックの選手たちが労を惜しまず走り回るからだ。イタリアでは、そこまでクソまじめに走らない。個人主義のイタリアでは、サポートは早くない。その点、スコットランド人はクソまじめだ。この試合、シュンスケはかなり味方を探していた。スコットランドに行く前のシュンスケなら、明らかにドリブルでボールを運ぼうとする場面でも、必死で味方を探していた。けれど・・・味方が走らなかった。『味方が走るサッカー』に慣れていたシュンスケには、戸惑う状況に陥っていた。ただ中田英寿がいた時代と違って、悪い状況を改善する責務も今のシュンスケは負っている。彼が積極的にアドバイスして、試合中に改善できなかったことは、残念で仕方がない。前回ドイツ大会で、開幕直前まで好調だったチームが、大会に入ったとたん絶不調になってしまったことを彼は経験してきたはずだ。今回のキリン杯からW杯予選の流れは、それに類似している。ここを立て直せなければ、本大会でも同じことが起きる。

FW玉田・・・3.0
彼は変わってしまったのか。あの程度の選手だったのか。今の玉田なら、寿人の方が100倍価値がある。1つのシーンで、完全に幻滅した。弾んだボールがフリーの玉田のそばに落ちた。その時一斉に、3人の相手選手が玉田向かって突進していた。玉田は視野の確保を怠り、すばやくボールに寄せて収めることもせず、ボールが弾んでいる間にあっさりボールを失ってしまった。あり得ない。日本代表としてあり得ない。いやプロのサッカー選手としてあり得ない。この程度の『戦う気持ちもない』選手を日本代表選手としてピッチに送らねばならないのか。情けなくなってしまった。運動量は極端に少ない。膠着している展開なのだから、玉田が下がってボールを受けようとすれば、中盤がドンドン狭くなる。ならば、あえてオフサイドのポジションまで走りこみ、ダミーとしてでもDFラインをかき回すべき。それもしない。代表をなめているのか。当面、玉田の顔など見たくもない。

FW興梠・・・6.0
こんなフレッシュな選手がいるのに、なぜ起用しない。頭から彼が出ていれば、こんな試合にはなっていない。ウズベク戦の大久保の代わりに、彼を先発させるべきだった。

MF松井・・・5.5
空気が読めないのは、相変わらず。彼もまた、試合勘が鈍ってる。その影響はあると思う。ただ、あの状況での投入は難しいかも。リズムに乗れていなかった。自分の仕掛けでドリブルに打って出たのではなく、やむなくドリブルを選択しなければならない感じの場面もあった。けれど・・・フランスでプレーしている松井であれば、あんなにあっさりボールを失っても困るのだが。本田にできて、松井にできないのは、やはり試合勘の問題だと思うが。

MF本田・・・5.5
あのシュートを決めていれば、その価値はあったのだが。キリン杯のチリ戦で、山田からのパスをきれいに決めたのと同じシチュエーションだったが。


2.全体の感想

現場の状況を知らなければ、私でも同じメンバーを選んでいたかもしれない。W杯出場を決めたとは言え、この試合はW杯予選だ。テストマッチとは違う。大幅にメンバーを入れ替えるのは難しい。ましてW杯予選で最後のホームゲーム。『凱旋試合』の意味合いも追加された。メンバーを入れ替えて大敗でもしたら、大変なことになる。もちろん、主力の大半を休ませるようなメンバー構成での実戦テストもしていないだろう。ある意味『仕方がない』とは思う。けれど・・・ここまでひどいと『結果論』で批判する。

    矢野  興梠
 松井        本田
    阿部  今野
槙野  トゥ  山口  内田
      楢崎

これで良かったのではないかと思う。W杯予選は、交代枠が3つしかない。先発メンバーを簡単に入れ替えられない。コンディションが回復しないのなら、これの方がいい。結果がどうであれ、得るものは大きい。もっと言えば、1週間後のオーストラリア戦は、これでやってほしい。今から追加登録できないはずだから、残ったフレッシュなメンバーで戦うべき。『走れない』選手は、いくらスキルが高くても、今の日本のスタイルには適さない。

今回の『無様な試合』によって、2つの不安を感じた。本大会までに、それを改善できるのか心配になってくる。

1つめは、あれほどコンディションの悪い選手たちを起用した岡田監督をはじめスタッフの問題。おそらく、あんなに『走れない』というのは想定外だったと思われる。けど、本番で『想定外』をやらかしたらドイツの二の舞である。同じ過ちは繰り返してはいけない。岡田監督、大木、大熊、小倉の各コーチ。さらに選手のコンディションを見極めるフィジカルコーチたち。彼らのマネージメントには大きな問題があったと考えざるを得ない。ウズベク戦の大久保、中村憲、この試合の玉田、中村憲など、テレビの映像を通してみても『普通じゃない』と思われるコンディションの選手がいた。彼らを選んだのは、間違いなくチームスタッフ。その判断は本当に正しかったのか。ドイツ大会では、コンディションの悪い中村俊と『心中』する形になっていた。結局、日本のサッカーは『走る』という付加価値によって世界と対等に戦えるのであって、『走れない』のなら他国を上回れるメリットは得られない。わかっていたはずなのに、こんな大観衆の前で『当たり前の理由』を露呈してしまったわけだ。選手が口々に『走ってない』『サポートが遅い』と語る現実は、改善できなかった選手側にも非はあるが、それ以上に選考したチームスタッフに非があるはずだ。こういうメンバーを選んだ時点で、こうなることは必然だったわけだ。正確に選手のコンディションを分析し、その時点で『ベストメンバー』を選ぶ能力が、このスタッフにあるのか・・・とても心配だ。

2つめは、選手たちの問題。もっと突き詰めれば、リーダーシップの問題。これまでチームの中心としてボールを動かしてきた長谷部と遠藤がいない。その危機感は、誰もが抱いていたはすだ。それに対して、選手たちが積極的に改善できなかったこと。それはおかしい。

試合後のインタビューで、みんながみんな『走ってない』と語っている。そのこと自体もおかしいが、誰も改善策をコメントしていない。『走っていない』と他人事のようだ。どうして、90分間のピッチ内で自分から改善しようとしなかったのか。『日本代表』の肩書きを背負っているメンバーなのだから、彼らの成長過程では、きっとチームの中心選手としてキャプテンを任されたこともあるだろう。そんなに無責任な連中ではないはずだ。なのに、誰もリーダーシップを発揮しなかった。ウズベク戦もそうだが、淡々と90分間試合を続けた。こういうチームは、調子のいい時は大爆発するものの、悪くなると歯止めが利かなくなる時がある。それが危険だ。

前回のドイツ大会では、リーダー格の中田英寿が孤立してしまった。彼は自身のホームページで語っていたが、誰も彼の想いについてこれなかった。そこに一番の問題があった。前々回の日韓大会では、トルシエという独裁者がリーダー不在のチームを牽引した。それはそれで成功した。今回は、どうなるのか。結局、誰をメンバーに選ぼうとも、誰を先発で使おうとも、結果としてチームリーダーが誰なのかが、この『日本代表』にとって重要ではないかと思う。サンフも、戸田から寿人にキャプテンが移ってから、別なチームに変貌した。苦しい時ほどキャプテンの存在は重要で、監督以外に『勝敗の責任』をピッチ内で負うことができるかが重要になる。

ハッキリ言うと、中村俊輔にキャプテンマークを巻かせるべきだと考える。中澤でも悪くはないが、守備の選手がキャプテンを任されるというのは、必ずしも良い選択ではないと考える。誰よりも走らなくてはならないのは中盤から前の選手であり、サボろうと思えばいくらでもサボれるのも前の選手である。日本人のような気質であれば、攻撃側の選手がキャプテンマークを巻くべきだと思うのだ。キャプテンは中村俊輔、副キャプテンは中村憲剛とトゥーリオ。責任の所在を明確にしないと、大きなプロジェクトは成し遂げられない。

『選手の気が緩んだ』『コンディションが悪い』・・・そんなことを批判しても、何も前進できない。そうではなく根本的なシステムを変えていかないと、『ベスト4』なんて結果は得られない。きっちり原因を分析して、確実に改善してほしいものだ。


2009/6/6】

[W杯予選] ウズベキスタン 0−1 日本

岡田、岡野、岡崎・・・『岡』がつく名前は、日本の救世主なのか。まるで岡崎に『神』が降りたみたいだ。


1.個々の評価(私の満足度)

GK楢崎・・・7.0
不思議と今、楢崎が失点するシーンが浮かんでこない。あれだけ攻められていても、楢崎が失点するイメージが湧いてこなかった。理由はわからないが、何かそういう『安定感』『信頼感』がある。何が起きても動じない『静』の楢崎。私の中には鎧をまとった戦国武将のイメージがあるのだが。

CB中澤・・・6.0
中澤自身も、そんなにいいデキではなかったと思う。ミスがあったわけではないが、何度か裏を取られかけたシーンがあった。

CBトゥーリオ・・・6.0
足を痛めた時は、正直ヤバイと感じた。なんだかんだと言っても、トゥーリオの高さは信頼できる。他のメンバーでは不安はある。しのぎきって、本当に良かった。

SB駒野・・・5.5
最初、『なんで内田じゃないの』と疑問を持っていた。体調不良だったのか。ともかく、今のコマちゃんでは厳しい。まだ槙野の方がマシかもしれない。クロスを上げられずボールがラインを割ってしまった時は、何とも言えない脱力感に包まれてしまった。

SB長友・・・7.0
守備には課題はあるものの、こいつはいい。『ツラ構え』がいい。これまでは安田がお気に入りだったが、今はどっちも『お気に入り』だ。

DH長谷部・・・5.5
この日は全体的に良くなかったと思う。長谷部らしいプレーも記憶がない。特に守備に粘りがなかった。ドリブルで簡単にかわされるシーンも目立った。体調に問題があったのではないだろうか。まあ・・・あれはレッドだわ。故意かどうかは別にして、ヒジが入ってるもん。あの時間帯だったから『大けが』にならなかっただけで、ひとつ間違えたら『戦犯』モノ。気をつけるべきだ。

DH遠藤・・・5.5
遠藤ですらコントロールするのが難しかった試合。遠藤が『ゲームを切る』しか選択肢がないような展開になってしまった。ひとりで打開するタイプじゃないし、まあやむを得ない。

MF中村俊・・・6.0
いやいや攻撃面より、守備面での貢献が抜群だった。過去にはいろいろな想いがあったが、今の俊輔は誰よりもW杯本大会に出たがっている証拠。若い連中よりも守備に走り、体をぶつけに行っていた。日韓やドイツの時に、これくらいの気概を見せてくれてたらなあ。

MF中村憲・・・5.0
最近ではお目にかかれないくらいの絶不調。陽介の悪い時とそっくりで、『周りが見えない』状況もしばしば。あのキラーパスはお見事だったが、あれ以外は存在感もなく、ウズベクの猛攻を許した起因にもなってしまった。

FW大久保・・・4.0
どのポジションだか知らないが、とても試合に出れる状態ではない。そもそも大久保をスタメンで使ったことが間違い。Jに復帰して、コンディションを戻せ。

FW岡崎・・・7.5
あそこまで行ったら、もう『神がかり』の世界でしょ。ファーストタッチはうまくいったものの、完全に体勢が崩れた。相手も寄せてきたので立て直す余裕はなし。崩れながら左足を当てにいった。シュートはGK正面で、跳ね返ってきた。この時、岡崎はすでに『死に体』状態。完全に勢いで前に倒れこんでおり、制御不能。ところが・・・なんとボールの方から岡崎の頭へ向かって飛んできた。30センチずれてたら、絶対に無理だった。あれを『神がかり』『奇跡』と言わずして何と言う。特別に巧いタイプでもないし、技が切れるタイプでもない。すごいシュートがあるわけでもないし、圧倒的な高さがあるわけでもない。ゴール前の嗅覚や『動きの質』では、寿人の方がはるかに上だと思う。けれど、岡崎は約半年前に代表に呼ばれてから、12試合で7ゴール。いったい、どうなってるんだ。清水と試合をしても、岡崎に恐さを感じことはない。なのに・・・今や日本の『救世主』だ。日本のサッカーはきれいだ。日本人プレーヤーの質もスマートだ。結局、みんながみんなそれに走って、ゴール前のガムシャラさや泥臭さがなかった。ゴール前でパスをするような連中のサッカーに、頭から突撃するようなヤツが入ってきた。結局、そういうストライカーが必要だったということじゃないのかな。

MF本田・・・5.0
本田に期待したのは、劣勢の状態でゴリゴリとボールを前に運ぶこと。が・・・いつもと同じボールをつなぐサッカーをしようとした。あれを見た瞬間、『勘違い野郎』と頭を抱えてしまった。

FW矢野・・・5.5
どちらかと言うと前線で張っていて、味方が奪ったボールを前線で競り落としてほしかったんだけど、ほとんど前線に残らなかった。どういう役割で入ったのだろうか。守るだけなら、今野でよかったはずなのだが。

MF阿部・・・5.5
ほとんど記憶がない。


2.全体の感想

結果として、『3つの敵』と戦っていたような気がする。

1つめは、あの芝の深いピッチ。最近は、Jリーグでもあんなに深い芝はない。あそこまで深いと、ボールは走らない。選手たちは事前にわかっていたはずだが、体に染み付いた感覚を変えることは難しい。どうしてもパスが弱くなり、そこを狙われる。逆に、ドリブル中心のサッカーを仕掛けるウズベクには有利。ボールが転がらないため、切り返しを得意とするドリブラーはやりやすい。最後までピッチに適応できなかったことが、厳しい試合になった要因の1つだった。

2つめは、もちろん審判。あまりにも怪しいジャッジが多い。けど・・・後半途中までは、まだ納得できるレベルだった。リプレイを見ると、やむを得ない部分もあった。日本に有利な笛も吹いていた。問題は、後半の終盤に差し掛かって。たぶん、スタジアムの熱気に押されたのだろう。レフリーが『過』興奮状態に陥っていたようにも見えた。長谷部の退場はともかく、岡田監督の退場は意味不明だった。レフリーは日本側が判定に苛立っていたことは感じていたはずなので、妙に敏感になっていたのだろう。多くはボールの近くで判定しており、かなり走っていたことも事実で、そこまで悪いジャッジとは思えなかったが・・・コントロールが下手なレフリーであることは間違いなかった。

3つめは、『内なる敵』というやつ。厳しい言い方かもしれないが、大久保と駒野は使うべきではなかった。駒野のところは今野でよかったし、大久保は使う必要性を感じない。遠藤のフリーキックがこぼれた場面、間違いなく大久保はオフサイドだった。あれは単に『試合勘』の問題。大久保の『焦り』はわかるが、ろくすっぽ試合に出ていない選手を『代表』として使うほどの価値はない。ドリブルは簡単に体を入れられて失うし、シュートを狙っては枠を捉えられない。好調時の大久保と比較したら考えられない。大久保を使うくらいなら、岡崎をワントップにして、その下にシュンスケ、ケンゴ、本田を並べた方が良かったのではないか。采配の誤りが、この日の苦戦の原因になったような気がしてる。

ともかく失敗の許されない予選で、きっちりと結果を出した『僕たちの日本代表』は頼もしい。押し込まれてはいたものの、不思議と失点する雰囲気は感じられなかった。フリーキックがゴール前を横切った時は肝を冷やしたが、あれ以外は高さでも負ける気がしなかった。以前と違って、日本人の体格もよくなっている。『高さに弱い』というのは、もはや当てはまらない。それほど『高さ』は脅威にならない。それにもまして、ウズベクのレベルの低さに助けられた。シュートが枠を捉えない。あの精度では、危険を感じなかった。

岡田監督は『ベスト4』を目指していると言う。まあ目標とすれば、妥当なところだろう。オシムが語っていた『日本のスタイル』というのが、徐々に浸透しつつある。誰が入ってもドリブルに固執したり、ロングボールを放り込んだり・・・そういう違和感を覚えないサッカーをするようになった。そして『ボールも人も動く』サッカーができるようになった。北京五輪代表などに見られた『すぐに停滞する』サッカーは、ほとんど見られなくなった。その意味では、日本のスタイルが『形』として見える状態になったのは大きい。岡田さんとは関係のないところで、オシムが広めようとした理論が日本中に浸透してきた結果だろうと思う。

この『日本スタイル』をどこまで高められるかが、これからの課題になる。最終予選というガチンコの世界では、なかなかトライできなかったことも、これから1年かけてできる。岡田監督の言うように、ここからが本当のスタートライン。新しいスターたちも、いつの間にか出てきているし・・・楽しみである。


2009/5/31】

[キリン杯] 日本 4−0 ベルギー

相手のメンバーが落ちていることは間違いないんだけど・・・それでも、悪くない仕上がりになっている。これならウズベキスタンで本大会を決められそうだ。


1.個々の感想(私の満足度)

GK楢崎・・・6.0
安定している。もちろんプレー機会もほとんどなかったけど。

CB中澤・・・6.0
チリ戦よりは、攻撃機会はなかった。けれど、チリ戦よりも前から激しい守備をしていた。存在感は抜群だ。

CBトゥーリオ・・・6.0
あのミスはヤバかった。けれど、よくがんばってると思う。正直、ここまでトゥーリオをあまり評価することはなかった。これまで、彼の広島に対する言動を快く思わなかった部分もある。しかし・・・彼は広島でプロサッカー選手としてスタートした。挫折も味わった。でも、広島が嫌いだったわけではないはずだ。彼を評価しなかった当時の監督に問題があっただけだ。もうそろそろ、そういう想いは捨てようと思う。あの下手だったトゥーリオが、ここまで登りつめたことを評価したいと思う。そして『日本代表』として魂を込めて戦ってくれていることに感謝したい。当時、痛い目に遭った槙野も、選手としてトゥーリオを尊敬している。我々も本気でトゥーリオを応援しなければならないと思う。

SB内田・・・6.5
正直、駒野とは差がある。広島にいる頃なら、コマちゃんは内田に負ける要素はなかったと思ってる。しかし、今のコマちゃんでは勝負にならない。積極性もスピードも、今のコマちゃんでは勝てない。ましてや左サイドの長友にも。それを感じながら見てしまった。

SB長友・・・7.5
広島でのFC東京との試合で、長友のすごさを確認していた。あのミキッチでさえ、長友には歯が立たなかった。それくらい、今の長友は勢いも自信もある。ちょっと驚くほど成長している。間違いなく今の日本代表の『武器』である。

DH長谷部・・・6.0
チリ戦ほど積極的ではなかったが、それでも安定したプレーを見せていた。ここに来て、やっと日本代表のダブルボランチが固まってきた。

DH遠藤・・・6.5
特にありません。巧いですわ。

MF中村俊輔・・・6.5
なんだかんだと言っても、やっぱりレベルが違う。プレーの選択肢が多い。ひとつひとつのプレーに、すべてフェイクが入ってる。ボールを受ける時、ボールを受けてから、常にフェイクが入ってる。ケガの影響もあるので、ともかく無理をしないでウズベク戦に合わせて調整してほしい。

MF中村憲剛・・・6.5
『ジェラードになってくれ』というゲンゴ用のシステム。これは、意外と当たってるかも。どちらかと言うとパサータイプが多すぎるチームにあって、ケンゴはシュートが撃てるセカンドアタッカータイプ。この高い位置でプレーする方がいいと思う。2点目の抜け出しからファーストタッチまでの一連の流れは、まさに理想的なもの。ケンゴがあの位置でプレーできたら、ああいうシュートが期待できる。これは楽しみになってきた。

MF大久保・・・4.5
使うべきではない。代表は調整の場ではない。チームで試合に出ていないからといって、代表で調整するのはいかがなものか。おかしいと思う。確かに実力も実績もある選手。けれど・・・あくまでもコンスタントに試合に出ているのが前提。こんなゲーム勘の落ちている選手は、とても『代表』とは呼べない。陽介や寿人を入れた方が、よっぽど価値がある。

FW岡崎・・・6.5
悪くない。起用とは思えないけど、気持ちがある。あれを頭っから飛び込むところなんて・・・いかにも『代表』らしくていい。それにしても、まさか岡崎がねぇ。ちょっと信じられないんだけど。でも、結果がすべてだから、代表は。

MF本田・・・6.0
悪くはないんだけど、シュンスケと比べてしまうと、まだまだ年季が違う。けど・・・いざという時には、役に立つ『武器』を持ってることは間違いない。

DH橋本・・・5.0
彼の重用だけは、岡田さんを理解できないところだ。

DH阿部・・・6.0
便利のいい選手だ。どこでもそつなくやってしまう。

MF興梠・・・5.5
ポジション的にどこだか良くわからなかった。

FW矢野・・・6.0
同じタイプとして、岡崎といい意味で争ってほしいよね。

CB山口・・・5.5
あまり記憶がない。


2.全体の感想

Jリーグでは、サンフのポゼッションは異質のものだ。しかし・・・代表では、ごく当たり前のようにやられてる。当然のごとく、ひとりひとりのボール扱いもパススピードも、サンフのそれをはるかにしのいでいる。これくらいのハイレベルの選手が集まれば、自然にできるスタイルなのだと思う。槙野も、それなりの自信を持って代表へ合流したはず。けれど、実際にプレーしている槙野が自信を打ち砕かれるくらい、彼らのポゼッション能力は戦った。それを槙野は肌で感じているはずだ。

シュンスケ、ケンゴ、遠藤、長谷部が絡んだボールポゼッションは、すさまじいものがあった。パスの速さ、ボールコントロールの正確さ、フェイク、リカバリー能力・・・どれをとっても『超一流』だった。バルセロナのそれもすさまじいものだったが、日本代表も負けていなかった。いくらチリやベルギーがベストメンバーではなかったとしても、好くなくともウズベキスタンよりは上だ。それは確信できた。

岡田さんがトライした『ケンゴ・システム』は、このメンバーにマッチしている。左サイドに松井を入れて、どれだけパフォーマンスが変わるかはわからない。松井も、あまり試合に出ていない。そこまで期待はできないかもしれない。けれど、4人が繰り出すボールの動きは芸術に近かった。それだけで、感動するものがあった。それに絡んでくる両アウトサイドも躍動的だった。オシムの後を引き継いで、試行錯誤を繰り返してきた岡田ジャパンも、やっと目指すスタイルが見えてきたような気がする。その意味では、岡田さんはやはり日本人監督の中では一番尊敬できる監督さんである。

ともかく、まず本大会の切符を手に入れること。早くスタート地点に立ちたい。


2009/5/30】

[ナビスコ杯] サンフレッチェ広島 7−0 大宮アルディージャ

小学生でも7点差のゲームは滅多にない。ましてや、プロの試合。しかも『7点も入った』じゃなく、『7点ですんだ』ゲーム。いったいどうしてこんなことになったのか。前週、浦和と引き分けた大宮に何が起きたのか。考えてみたい。


1.個々の感想(私の満足度)

GK中林・・・6.0
危ない場面はなし。守りに関しては、まったく不満はない。ただ・・・一度『おい』と言う場面があった。相手のセットプレーかクロスボールをキャッチした直後、中林を追い越していこうとしたイリアンの足元へ手でパスをしたシーンがあった。場所は、PKスポットの辺り。もちろんイリアンだけでなく、周りには相手選手が数人いた。これは、これまで森脇や槙野へ手で渡したボールを奪われて失点したシーンにとても近いシチュエーションだった。相手に囲まれた状態だったが、この場面はイリアンが巧みに相手を蹴散らしてボールを運んでくれたから問題なかったが、やはりあまりにもリスクの高い選択だと思う。もっと遠くの味方に正確につなぐことを狙わないと。本当に反省しているのか、やや不安になった。

DFストヤノフ・・・6.5
あれは『やばい、レッドだ』と思った。ゴール前で、相手と盛田とイリアンが競り合って、イリアンは倒れて起き上がれなかった。イリアンが倒れているのにレフリーは笛を吹かず、そのままオンプレーとして続き、相手がコーナーキックを奪った。起き上がって、イリアンはレフリーに食って掛かった。イリアンは一度ピッチ外に出され、コーナーが終わるまでピッチに入れなかった。コーナーは味方がクリアし、その間にレフリーがイリアンにピッチに入る許可を出した。クリアしたボールは寿人につながり、カウンターになった。その時・・・ピッチに入ってきたイリアンのそばで、相手選手が倒れこんでいた。何が起きたかわからない。しかしレフリーは気づいていたのかいないのか、そのままプレーは続行。寿人は見事なループシュートを決めた。大歓声に包まれるバックスタンド。が・・・私は倒れた選手の付近を見ていた。第4審判が第2審判(線審)を呼んで話をしていた。そして主審も呼んだ。とっさに『イリアンにレッドが出る』と感じた。3点目が認められても、1人少ない状態で残り時間を戦うのはきつい。しかも若手を使いたい試合。レフリーは協議の後、イリアンを呼んでイエローを提示した。よかった・・・イエローで済んだ。実際、なんで相手が倒れたのか知らない。殴ったり、蹴ったり、ヒジ打ちしていたら、おそらくイエローではすまなかっただろう。一連の流れから『報復』ととられても仕方ない。おそらくそこまでの行為ではなく、軽く体をぶつけただけなのだろう。それでも・・・やったことは良くない。いくら頭に血が上っていたとはいえ、こういうのは勘弁してほしい。

DF盛田・・・7.0
大宮を無力にした1つの要因に、盛田の圧倒的な高さがあった。ともかく、ハイボールは片っ端から弾き返してしまった。あれじゃ、苦し紛れのロングボールも、まったく通らないし、チャンスにもならない。本当に『高い壁』だった。攻撃に関しては、相変わらず柔らかいボールタッチで的確にボールをつないでいた。1本、コーナーキックだと思うが、相手のはるか上から叩いたのがあったのだが・・・残念。

DF森脇・・・6.5
攻守に、よく走っていた。相手の前でのボールカットも多く、集中してプレーができていたと思う。ただ・・・ミカとの連係は、なしに等しい。ちゅうか、森脇がガンガン追い越しても、ミカはドンドン勝負して縦へボールを運んでしまうから。服部と槙野は、かなり高度な連係を見せているだけに、それはそれとして、時々は連係で右サイドを崩してほしいのだが。

DH中島・・・6.0
カズが持っている『大きな展開力』という部分では同じことはできていないが、それでもボールを『受ける』『つなぐ』という部分は、ほぼ同レベルのことをやっている。違和感はまったくない。しかもアオとの連係がいい。役割が明確になっていて、アオも迷いなくプレーできている。それだけでなく、中島の新しい能力も2度ほど確認できた。1本は前半、コウタがオフサイドにはなったものの、中盤左サイドのポゼッションに参加し、相手DFの裏へ絶妙なスルーパスを巧みに通した。2本目は後半、同じく左サイドのポゼッションから、ペナルティエリアの内側に進入した陽介の動きにあわせて、ピンポイントのスルーパスを通し、陽介の2点目をアシストした。ラストパスを通す能力も見せた。ほとんどミスらしいミスもなく、ほぼ完璧だった。すばらしい。

DH青山・・・7.5
はっきり言って、『すごい』の一言。前節も絶賛したが、スタジアムでライブ観戦すると、いっそうその想いが強くなる。視野の確保も完璧だし、1つ1つのプレー判断にもミスがない。スタジアムの上から見ていて『ターン』と思うシーンは確実にターンしてボールを前へ運ぶし、『簡単に叩いた方がいい』と思うシーンはダイレクトでシンプルに動かす。上から見ているのと同じイメージをアオは頭の中で描いている。しかも、はるか先の寿人やミカ、コウタの位置も見えてる。だからルックアップして、ワンステップで彼らのところへピンポイントのパスを繰り出せる。ホント、アオに『フリーキック』という『武器』さえあれば・・・必ず代表に呼ばれるのに。

WB服部・・・6.5
一言で言えば『安定感』。単独で突破することはほとんどないが、洋次郎と寿人を使うのが巧い。全体では不満はないのだが・・・前半立ち上がり、完全にフリーで抜け出したのに、ペナの外10メートルもありそうな距離からシュートを撃って外した。ああいうところで、ああいう淡白なプレーをするのは、ちょっと抵抗があった。シュートを狙うなら、しっかりペナの中へ運んでからだろうし、あの場面はタメを作って、中がしっかり入ってくるのを確認してからクロスでも良かったのではないかと思う。簡単に相手へボールを与えず、確実にフィニッシュで終わる意識を強く持ってほしいと思う。

WBミキッチ・・・6.0
この日、『もっとも楽しませてくれたプレーヤー』だとは思う。が・・・一番結果を残せなかった男でもある。1点目のクロスは正確だった。そこまではいい。しかし、そこから狙ったシュートが、ことごとく枠に嫌われた。前半、逆サイドを冷静に狙ったシュートがクロスバー。後半、自分のドリブル突破で獲得したPKを寿人が譲ってくれて蹴ったが、GKに阻まれる。さらにイリアンと相手をもてあそぶようにパス交換をした後、イリアンが『決めなさいよ』と優しく出してくれたラストパスもゴールポストへ。ここまで外れたら、もうお手上げ。『運』がないとしか言えない。まあ、散々ドリブル突破を仕掛けて、スタンドを喜ばせてくれたことは、間違いなく事実なのだが。

MF高萩・・・6.0
前半は結構いいプレーをしていたのだが・・・後半は、『軽い』プレーが増えてきて一誠と交代してしまった。前半は、本当に良かったのになあ。1点目は、左サイドで一度クサビを受けてポイントを作り、そこからボールが右サイドに渡っている間に相手2CBの間にスルスルっと走りこみ、そこでクロスを受けてワンタッチでペナの中へ進入したところから始まった。シュートを撃つ前に潰されてしまったが、そのクリアボールからミカのクロス、寿人のヘディングシュートが決まった。また攻撃だけでなく、守備の場面で何度も足の長いスライディングで相手のカウンターの芽を摘んだ。特に、藤本主税のドリブルを何度も奪い取った。攻撃よりも守備の貢献の方が印象が強かった。あれだけ攻めたのに・・・洋次郎のシュートの記憶がないのは、いかがなものか。

MF柏木・・・7.0
ハットトリックはできた。1点目は、相手DFがヘディングクリアしきれなかったボールを奪ってのゴール。2点目は、中島のスルーパスを受けてのゴール。が、それ以外にも前半25メートルの絶妙のループシュートがゴールポスト。まだ、他にもあったような気がする。荒稼ぎできる試合展開だっただけに、ここはハットトリックをやってしまいたかった。また洋次郎と同じく、守備での貢献も見事だった。連係がほとんどなく、ボールが停滞気味の大宮のボール回しに対して、ボランチのところで巧く囲い込んでボールを奪取していた。そのことが、大宮を追い込んでいたことも間違いなかった。陽介の体のぶつけ方、体の入れ方の巧さは、本当に素晴らしい。

FW寿人・・・7.5
1点目のヘディングはドンピシャ。5点目のオウンゴールは、コウタの蹴ったDFラインへの長いボールに対して寿人が必死で追ったことで、焦って飛び出してきたGKとDFマトの連係が狂ったことから生まれた。6点目と7点目のアオとツバサのゴールは、寿人がペナの中でワンツーのポストプレーを正確にやったから。これ以外にもレフリーに流されたドリブル突破からの『PK疑惑』があったし、例の取り消された『幻のループ』もあった。途中から大宮が壊れてしまっただけに、できれば途中交代をしてほしかったのだが。

MF高柳・・・5.5
『動き』はケガの直前に『よくなった』以前の状態。運動量は少ないし、プレスにもほとんど参加していない。ケガ明けじゃなかったら、きつい調子で叩いていたかも。ただ『オン・ザ・ボール』は『よくなった』後の状態を維持していた。『おまえはドリブラーか』と言いたくなるくらい、ドリブルで激しく突いていた。2点くらい奪っても不思議ではなかったが。どっちにしても『走る』ことが大事。走らないのなら、いや走れないのなら・・・勘違いするだけなので、復帰しなくてもいい。

DH横竹・・・6.0
ゴールは、良かった。ただ、元々ストライカーでもあるんだから、あそこまできれいにボールを運べたのなら決めて当然。それより・・・まだまだと思う場面が続出。特にピッチに入った直後は、味方との呼吸が合わなかったりしてミスが多く見られた。それでも時間とともにミスも減り、ミスをしても積極的にトライしていた効果か、途中から違和感のない状態になり、そして積極的な仕掛けがゴールを生んだ。ただ・・・マジでボランチをさせたいのか。カズが復帰のメドが立たず、中島とアオの2人で回しているボランチ。この日、トモは起用されたがシャドー。トモではなくツバサを第3のボランチと認識していることは間違いなさそうだ。確かに、足元は巧いし、ヘディングもある。シュートも持ってる。ユースでは前も後ろもこなしていた万能型の選手であるので、どこでもできるポリバレントは持ってるんだけど・・・本当にボランチなのか。次はストヤノフが抜け、槙野もいない。DFラインは、森脇、中島、盛田の3人のみ。ボランチも足りないが、DFラインも足りない。近い将来を考えれば、ツバサをDFとして試運転させた方がいいとも思うのだが。

MF岡本・・・5.5
若干走る量が少ないか。投入されてしばらくは、左サイドから動かなかった。動きの質も量も、迷いながらプレーしている感じで、どちらも少なく感じた。ただ得点差があり、相手も無抵抗に近い状態だったため、トリッキーなプレーも出しながら自分のリズムを作っていったようだ。試合終盤には右サイドにも流れたりして、プレーの幅を広げていった。ただ・・・ツバサと同じで、ここが適性かと言うと微妙。トモの良さは『展開力』だと思う。そんなにたくさんトモのプレーを見てきたわけではないが、広島ユースでの試合、あるいは年代別代表での試合を見る限り、アオと同タイプで長いボールで局面を変えるタイプだと思う。この日は相手からタイトなプレスを受けることもなかったが、シャドーの位置では常に激しいボディコンタクトを受けることが多い。そこでプレーできるかというと、微妙。ツバサやトモの適性を考えれば、やはりトモがボランチ、ツバサはDFだと思うが。


2.あのジャッジについて

もう一度、振り返ってみよう。

ストヤノフと盛田、相手選手が競り合って、ストヤノフが倒れた。サンフの選手たちはレフリーや相手選手にアピールしたものの、レフリーはゲームを止めず、プレーは続行され、相手のクロスをブロックしてコーナーに逃れた。レフリーが笛でゲームを止めない限り、プレーを続行するのは当然であり、大宮は3点負けている状況だったので、あの場面で大宮の選手は責められない。またレフリーも、ストヤノフが大げさに倒れるのは先入観にあったかもしれないので、流したこともさほどおかしいとも思えない。

ゲームが止まった後、担架が入り、ストヤノフは立ち上がった。ルール上、ストヤノフは次のプレーが再開されるまでピッチの外に出なければならない。この時点で、ストヤノフはかなり激怒していた。

コーナーキックのボールが蹴られて、サンフの選手がヘディングでクリアした直後、レフリーは手でストヤノフに入るよう合図を送った。しかし・・・その瞬間には、クリアボールをうまくつないで、寿人がDFラインの裏に抜け出していた。当然レフリーは全力でボールを追い、そして寿人のループシュートが決まった。

以前であれば、ここで得点の笛を吹く。しかしルール改正によって、現在は得点の笛は吹かない。もし以前のように笛が吹かれて、得点が認められていた後なら・・・ひょっとしたら『得点の無効』はなかったかもしれない。

ゴールが決まる直前、私の目にはストヤノフがピッチに入った場所の近くで、大宮の選手が倒れていたのが目に入った。とっさに『ストヤンがなにかやったな』と感じた。ゴールが決まった直後、ストヤノフは歓喜の輪に加わろうとせず、すぐに倒れていた選手に近寄って行った。間違いなく、ストヤノフがこの選手に何かアクションを起こしたことを確信した。このことを、4人いる審判団が見ていないはずがない。主審はサンフのカウンターになっていた場面で、必死で寿人を追っていた。ホームスタンド側の第2審判は、大宮サイドであり、寿人のオフサイドや人とボールの動きに対してDFラインについて走らなければならない。角度的に、主審も第2審判もストヤノフの行為を視界に入れていたとは考えにくい。となると、この行為を確認できるのはバックスタンド側の第3審判とハーフラインの後ろにいる第4審判。ただ寿人が走りこんだのは左サイドであり、ボールサイドの第3審判もボールから目を離すわけにはいかない。結局、一番近くで正確に見ていたのは第4審判と、両チームのベンチにいたスタッフと選手だけだと思う。ゴールの直後、第4審判が飛び出してきて第2審判を呼んだのが見えた。一言二言話をした後、主審を呼んだ。この瞬間、『ヤバイ、イリアンにレッドが出る』と確信した。直前のプレーでイリアンが殺気立っていたのはレフリーも認識しているし、誰もがわかっていた。おそらく大宮ベンチからも味方選手が倒れた時に、大声でアピールしていたはず。誰が考えても『報復行為』だ。ルール上でも、『一発退場』と記されている。ただ・・・程度による。蹴ったり殴ったりなら、それは間違いなくレッド。けれど、ボールを目で追って自陣に戻ろうとていた相手選手に対して『邪魔だ、どけ』と体をぶつけた程度なら、イエローで済む。私の関心は、『レッドか、イエローか』に移っていた。レフリーの頭上に掲げられていたのは、イエローカード。『よかった、ゲームが壊れずに済む』とホッと胸をなでおろした。

ところが・・・レフリーはボールを持って、倒れていた選手の近くに置いた。『ん?』、一瞬理解できなかった。ということは、寿人のゴールは取り消しか。なぜ? 確かにストヤノフのプレーは悪質だ。しかし、寿人の得点になんら関与するものではない。クリアボールから得点までの間に動いたボールの軌跡とは、一番近くても20メートル離れた付近で起きた行為。その位置までボールを戻すことに、正当な理由はないと思う。第4審判がストヤノフの行為をレフリーに伝えるのは、それは当然の行為。得点を認めないというのであれば、それはその地点で『ゲームを止める必要がある』という不正が行われたケースに限ると思う。4人いるレフリーの誰かが飛び出してきて、レフリーにすぐに伝えなければならない。ゴールが決まった後では遅い。ゴールが決まった後でいいのであれば、ゴールは取り消す必要はない。得点を認めた後で、ストヤノフを罰すればいい。問題は、あの時集まった3人の審判のうち、あの短い時間の中で誰が『ゴール取り消し』『不正があった地点に戻す』という判断をしたのか。

多くの得点が入って、大勢に影響がない試合だったから良かったものの・・・もし競っていたら、恐ろしい。実際、この日のジャッジは選手が倒れても、結構流していた。前半、寿人がペナの中で倒されたシーンも、レフリーも第2審判も流した。すでに2点入っていたので、若干大宮寄りに判定したのかもしれない。そして、少し試合が荒れてくる。それを抑えるためなのか、激しいとは思えないアオのバックチャージにイエローが出される。『ゲームをコントロールするためだな』と感じた。しかし・・・逆にサンフの選手たちに『不信感』が大きくなったことは間違いなかったと思う。それがストヤノフのあの行為につながり、ミキッチのPKにつながったような気もする。

勝ったから良かったものの、後味は悪い試合ではあった。


3.全体の感想

今期、初めてスタジアムで試合を見れた。そこで、ピッチの全体像をできるだけチェックしようと考えていた。実際に見た光景は・・・実は、昨シーズンJ2での戦いで見た光景ともかなりイメージが違っていた。
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上図が攻撃時の全体の布陣。○がサンフ側。後ろでボールポゼッションをしている間、1トップ2シャドー、さらに両WBまで相手最終ラインの位置まで上がっていた。まるで『5トップ』のような位置をとって押し込んでいた。この5人のうち、誰かが下りてきてボールを受けることが多い。これだけ前に張られてしまうと、相手DFラインは、誰が誰を見ていいかわからない状態になることは間違いない。浦和に対して我慢強く守備をし、互角の試合展開に持ち込んで勝ち点1を奪った大宮DFも、この状況には混乱せざるを得なかったのではないか。これまで多くのチームは、サンフがポゼッションしようとしていた時に、ある程度ラインを下げて、中央へのクロスを潰す方法をとってきた。それに対して、大宮は最後まで中途半端にラインを上げていた。おそらく、立ち上がり4分、12分とクロスボールから失点したことに恐怖を感じたからではないだろうか。クロスを上げられると危険と判断したから、高い位置で我慢して奪う意識が強かったと思う。実際、何度かオフサイドを奪えていた。まだ中盤のプレスが効いていたからだと思う。ところが外国人FWを入れ、反撃モードにシフトした瞬間、その構想が崩れた。前4人で強いプレスをかけることができない。あるいは、前4人のところで簡単にボールを失う。多くのケースは、2シャドーと2ボランチが囲い込んでボールを奪っていたため、彼ら4人が一斉に前4人のラインを越えて攻め込んできて、結果として、『大宮6人vs広島6人』の状態が何度も起きる。前半からこれを繰り返していたため、後半には大宮2ボランチがまったく走れなくなり、そのゾーンを素通りして『大宮4人vs広島6人』の状態が何度も何度も発生した。マジで、『7点で済んだ』と。
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一方の守備の状況だが、実際はこんな状態になっていた。寿人1人を残して、ほぼ全員が帰陣。その意識はかなり強いし、全員がんばって走ってる。残念ながら、後半途中から投入された一誠とトモだけは、この意識が少ないように感じてしまった。特に目を引いたのは、コウタとミカが、かなり早い時点で最終ラインの位置まで戻ること。あっという間に『5バック』状態になる。昨年までもこの傾向は強かったが、今シーズンは昨シーズンよりもこの形を作るのが速い。この良し悪しは、この試合だけでは判断できないが、ともかく『速い』と感じた。また中島がボランチに入った場合、アオはかなり高い位置にいる。陽介や洋次郎と同じ高さでプレスに行ってる。これが『ベタ引き』を防いでいる要因にもなっているのかもしれない。

攻守にハイレベルなサッカーを展開できるところまでレベルアップしていることは確認できた。ただ・・・数日前に見たバルセロナは、同じようなサッカーを、もっともっと高い次元でやってる。パススピードは、今サンフよりもはるかに速い。さらに守備時には高いラインを崩していない。J1残留を決めるだけなら、今のままでも問題はないと思うが、これからACLを本気で狙うのであれば、まだまだレベルアップを意識しないといけないと思う。

同じプロであり、同じJ1チームに対して、同情の念を抱くほど完膚までに叩きのめした。J1第2節で、屈辱的な敗戦をしたリベンジの気持ちも強かったこともあっただろう。あの時の教訓で、1点目を奪った後、すぐに2点目を奪った。あの敗戦した試合も、2点目が入っていれば同じ結果になったかもしれない。そう思わせる試合だった。

森崎兄弟と槙野を欠いた中で、多くの若手を起用しながら大勝したのは大きい。また、急激に気温が上がった厳しい状況の中、全員が最後まで走りきれたことも大きい。次節の大分戦は、ピッチコンディションも考え、大幅にメンバーを入れ替えると思われる。そこで、ツバサやトモが、どこまでやれるのか。その足がかりはできたと思う。楽しみにしたい。


2009/5/27】

[キリン杯] 日本 4−0 チリ

久々に日本代表のスッキリする試合を見た。それにしても・・・チリって、きっちりしたいいサッカーをするなあ。


1.個々の評価(私の満足度)

GK楢崎・・・6.0
さすがに安定している。正直、川口よりも楢崎の方が好きだ。ワールドカップ本大会を振り返っても、フランス、ドイツの川口よりも、日韓大会の楢崎の方が安定していたと思ってる。川口は、時々『神がかり』的な時もあるんだけど、その反面ポカも多い。『動』の川口に対して、『静』の楢崎と言うところか。この日、一番ビックリしたのは、キャッチしたボールをパントキック1本で中村に通して、ビッグチャンスを演出したところ。あんなに精度の高いボールが蹴れるとは。すばらしい。

CB中澤・・・7.0
なぜ、あそこにいたのか。未だに、不明。けど、あそこにいたから、岡崎にパスを出せた。何度かあったピンチの場面でも、なぜか『中澤がいた』と足が伸びてきた。あれこそ、経験のなせる業なんだろう。彼はエリート街道を歩んできた選手じゃないから・・・どうしても応援したくなるんだ。

CB阿部・・・6.0
正直、不安な部分はある。センターバックとしては、やはり恐い。それでも、無難にやってしまうところが、阿部の阿部たるゆえん。まあ、この年代には、この手のユーティリティプレーヤーが多いとは思ってるけど。

SB駒野・・・5.5
久々にコマちゃんのプレーを見た。今でも、『あのまま広島に残っていたら』と考えてしまう。コマちゃんも、磐田に移籍して苦労した分、勢いがなくなってる。広島でのラストシーズンは、完全にイケイケ状態だったのに。どうしゃったんだろう。悲しい。

SB今野・・・6.5
立ち上がりは『今野は厳しいなあ』と思っていたが、時間とともに磐石な状態に。やっぱり、安定感はピカイチだわ。ここに槙野が使われる予定だったんだけど・・・どうかなあ。長友はともかく、今野と比較してもしんどいかなあ。チャンスはありそうだけど。

DH長谷部・・・6.5
よくなってる。以前、知ってる長谷部とは違う。速いし、強い。特に、守備面がものすごく向上している。さすが、ブンデスリーガのチャンピオンチームの一員だけある。シーズン後半は、スタメンだったのだから。長谷部や本田のように、海外でコンスタントに試合に使ってもらえるなら、間違いなく海外でプレーすることは意味があるんだけどなあ。

DH遠藤・・・6.5
完全に、チームの中心だなあ。遠藤がボールタッチすると、妙に落ち着くもん。ゴリゴリとボールを運ぶんじゃなく、なんかフワフワとボールを運ぶんだよね。まさに『ガチャピン』のイメージがピッタリ。そんな中、あのコーナーは・・・完全に狙ったな。ああいうポーカーフェイスで、ああいうスキをついたプレーをやるんだもんな。歴史に名前を刻む選手になったもんだ。

MF本田・・・7.0
いやいや、一回り大きくなっていることは間違いない。ビッグマウスも不自然ではない選手になりつつある。チリの選手相手に、余裕でボールキープしていたのは本田だけ。腕とデカイ体で相手をブロックして、長い足で悠々とボールキープしてやがる。そして、左足に持ち出してシュート一閃。あのパワーは、確かにオランダでも通用するわ。外国人の体を、なんとも思わないところは、やっぱり日本人離れしてる。4点目のゴールなんて、間違いなくイメージした通りのプレー。コース、カーブのかけ方・・・すべてイメージ通り。正直、あんなきれいな得点は久々に見たよ。まいっちゃったなあ。ただ・・・体力がないのは、昔とあまり変わってないかも。90分は難しいわ。

MF中村・・・6.5
あれは決めなきゃ。もったいない。まあ、プレーと存在感は文句なし。巧い!

MF岡崎・・・7.0
実際は、FWとしてのプレーの方が印象に強いかな。正直『あんなに足が速かったっけ』と。中澤から受けた2点目のシーンは、DF2人の間をスピードでブッちぎった。岡崎って、足が速いイメージがないだけに、本当に驚いた。2点とも結構簡単そうで外しやすいシーンだったが、冷静に決めてくれた。いいじゃない。ちょっと、岡崎の見方が変わった。

FW玉田・・・6.0
あまりにも短い出場時間だったが、玉田の『キレ』は確認できた。中盤で囲まれた状態の中、すばやくターンして突っ切ったシーンは圧巻だった。さらにペナの中で強引に縦へ仕掛けて左足を振り抜いたシーンも、いかにも玉田らしい。アジア杯の中国戦だったか、玉田がハーフラインあたりから高速ドリブルでブッちぎったシーンが忘れられない。うん、まだまだいけるぜ。

MF山田・・・6.0
とんでもねぇガキが出てきたもんだ。いいよねぇ、日本サッカー界にとっても、こういう『王子』が登場することは。うちの『王子』も、そろそろ上がらないと・・・なあ。J1『10試合』程度で代表に選ばれて、そこで世界の強豪国の選手に一切ものおじせず、創造力あふれるプレーをやりきってしまうのだから・・・おそろしい。山田の良さは、ドリブルだけの選手ではないこと。運動量の選手であること。北京五輪の頃は、ドリブラーばかり重宝がられていた。もちろんオシムは違う路線だったが・・・反町は、そんな選手ばかり集めていた。けど、山田はオシム的な選手。陽介と同じタイプ。いいよ、好きなタイプだ。同僚の原口もあわせて、日本の未来は明るい。

DH橋本・・・5.0
あまり好きじゃないんだよね。同じポジションで、同じガンバなら、明神の方を選ぶけど。橋本は、ミスが多いんだよね。追い込まれて冷静にプレーできるタイプじゃない。プレスをかけられると恐いんだよね。マジで、橋本だけは勘弁してほしい。

FW矢野・・・6.5
新潟ではサイドでプレーしているから、最近は1トップでプレーできるイメージがないんだよね。でも・・・よかった。ジェフの巻を、少し足元が巧いように改造した感じ。もちろんスピードもあるし、高さもあるし、1トップならいいと思う。4点目も、実際はミスなんだけど、強引に足を伸ばして山田へのパスにしてしまった。ああいうハートのあるプレーは好きだ。

CB山口・・・5.5
彼も苦労人だから。確か、高校2年くらいでプロデビューしたんじゃなかったっけ。息が長いよねぇ。ただ・・・昨年末、マンチェスターUにチンチンにされたイメージが残ってるんだよねぇ。スピードには対応できないイメージがある。山口なら、まだ阿部の方が安心できるんだけど。

MF香川・・・6.0
長居のファンサービスか。香川を出すんなら、マキを出せ。巧い選手なんだけど、やっぱり持ちすぎだと思う。正直なところ、このタイプが国際大会、特にワールドカップ本大会で通用するとは想像できない。もっとタッチの少ない、走れる選手じゃないと無理だと思う。中村俊輔が成功したのも、途中からスタイルを変えたから。香川にそれができるだろうか。


2.全体の感想

チリが、いいサッカーをしてくれた。日本が求めていた『相手』をしてくれた。それがうれしい。それによって、日本にとっても価値のあるトレーニングマッチができた。

岡田監督としたら、新しい戦力が想定通りの活躍をしてくれたことが大きな収穫。本田に関しては、中村俊輔の状態次第ではいつでも使えるメドが立った。柔と剛の違いはあるが、プレースタイルは意外と近い。しかも、あれだけフィジカルに強ければ、国際ゲームでは計算しやすい。

それと山田だ。パサーか多すぎる傾向のこのチームにとって、あれだけ『走れる』選手はありがたい。しかも基礎的なスキルも申し分ない。岡崎を2列目で使うくらいなら、山田の方がはるかにいい。

前線については、岡崎が高い決定力を見せてくれたことは大きい。ああいうワンチャンスにきっちり決めてくれるのは助かる。矢野のプレーも安定していたし、玉田や大久保も含めて、戦力的にはなんとかなりそうだ。本戦では、森本も加わってほしいところではあるが。

ともかく『新鮮』だった。なんとなく停滞気味だった代表が、これで一気にプレイクした感じ。この勢いを壊さないように、一気にウズベキスタンで決めてきてほしいものだ。


2009/5/23】

[J1] 大分トリニータ 0−1 サンフレッチェ広島

『大人のサッカー』ねぇ・・・確かに。


1.個々の評価(私の満足度)

GK中林・・・6.5
ハイボールの処理、キャッチングの正確さ、至近距離からの反応、どれをとってもハイレベル。『守る』『ボールをつかむ』というプレーは、かなりレベルの高いGKだということはわかる。ただ・・・ミシャは、GKの『攻撃能力』を求めている。だから『守る』という部分で負けてなかったウッズよりもアキを選んだ。この試合、あまり無理をしていない。蹴るところは、きっちり蹴っていた。それでいいんじゃないかな。つなぐところと蹴るところをきちんと使い分けれれば。今の感じでいいと思う。

DFストヤノフ・・・6.5
カズの役割まで、ひとりでやってる。すごいことは間違いない。だからこそ、抜けた後のことが気になる。

DF槙野・・・6.0
さほど難しいゲームではなかった。特に何も言うことはない。それよりも・・・代表に行って、何を感じて帰ってくるかだ。チームリーダーとして、自覚を持って帰ってきてくれれば。中澤やトゥーリオから、『魂』をもらって帰ってくれれば。もう『若いから』は必要ないでしょ。『ミスターサンフレッチェ』なんだから。

DF森脇・・・6.0
ちょっと停滞気味かな。中へ斬り込んで左足でシュートを撃つパターンも、読まれているのかコースを抑えられている。セットプレーでもヒットしないし。ちとモノ足りない。

DH中島・・・6.5
徐々にフィットしつつある。カズに近いプレーをやってるし、ただのモノマネでもない。中島自身が自分のプレースタイルにしつつある。まったく違和感がない。やはりボランチから後ろのプレーヤーだと、あらためて実感。トップ下はないな、と。後ろからプレスを受けるのには、あまり慣れていないし、得意でもなさそうだ。しかし・・・前を向いたプレーは安定している。ミスも少ない。カズの状態が良くわからないのだが、とりあえず今はしっかり埋めてほしい。もちろん、あのフリーランニングは見事だった。止まらず、最後まで走り抜けてくれた。ボランチ2人で相手DFを崩したゴールだから・・・いかにもサンフレッチェらしい。

DH青山・・・7.0
ちょっと手がつけられないデキだったと思う。アオには、文句のつけようのないベストゲームだったと思う。おそらく、日本サッカー協会の技術委員会も、そろそろアオをリストアップしているのではないかと考える。少なくとも、今シーズンのサンフの試合を1〜2試合見た人間なら、アオの存在感を捨て置くわけにはいかないと思う。専門的な部門の人間が見れば、もっときちんと評価していると思う。ただ・・・すぐに代表に呼ぶかというと、それは難しいと考える。現時点では、中村俊輔をはじめ遠藤などシドニー五輪世代が一番油の乗っている時期であり、経験値の面でもアオは足元にも及ばない。けれど彼らがピークをすぎた時・・・つまり次のワールドカップ後には、必ずピックアップの対象に挙がってくると考える。アオの武器は『走力』と『ミドルパス』の2つ。90分間走り回るスタミナと、ワンステップで40メートルのパスを通すキック力と精度。この部分で同等のことができているプレーヤーは、J1広しと言えどもなかなかお目にかかれない。しかし、それだけで代表を背負えるほど甘いものではない。代表を背負うためには、もっと明確な『武器』が必要。そして『欠点』があってはならない。『武器』という意味では、アオに一番足りないのはフリーキックだと思ってる。あれだけのキックを持ちながら、自らフリーキックを蹴ろうとしない。左足のキッカーは陽介、コウジと揃っているが、右足のキッカーはいない。そこで今は、ストヤノフがほとんど蹴っている。アオが蹴りに行ったシーンは記憶がない。それどころか、セットプレー時は最終ラインに残っている。これではモノ足りない。作陽にいた頃、岡山県選抜として、アオのミドルシュートとフリーキックは何度も岡山チームを救った。蹴れないわけがない。中村俊輔も遠藤も、みんなフリーキックのスペシャリスト。代表に駆け上がるには、まずはそこをクリアしないと。槙野に蹴らしている場合じゃない。北京五輪の時は、ケガもあって最終選考で落選してしまった。あの当時は、まだアオにもモロさがあった。まだまだ守備面では弱い部分があった。しかし2年前と比べて、アオはたくましくなった。激しい接触プレーをまったく恐れなくなった。競り合いにも強くなった。2年前は、チームもどん底だった。チームが勝てない時、当然選手のパフォーマンスも下がる。チームも勝って、アオの評価も上がる。あとひとつ・・・『武器』を手に入れれば、次の次のワールドカップが待ってる。

WB服部・・・6.0
なんだかんだと言っても、コウタが入るとゲームは安定する。残念ながら、楽山とは大きな差がある。それだけコウタがすごいと言うことなのだが。しかし、いつまでもコウタに頼っている状況は、チームとしては良くない。これまで、何人もコウタのポジションにチャレンジしてきたが、佐田も、入船も、みんなチャンスすら与えられずチームを去っていった。『鉄人』コウタは、彼らに一度もスキを見せず、彼らを振り払ってきた。そんなコウタも、時々休みを与えられるようになった。それだけ、以前とは違うということだ。ここに誰かが割って入ってこないと。内田、清水・・・チャンスなんだが。

WBミキッチ・・・5.5
かなりしんどくなってきた。かなり研究されてきた。おそらくミカも戸惑っていると思う。日本にやってきた直後は、相当自信満々だったと思う。そこまで日本の情報はないだろうし、日本に興味もなかっただろう。クロアチアでやってたことが、そのまま通用すると考えていたと思う。実際、シーズン当初は自由自在にやれていた。自分のイメージ通りのプレーがやれていたと思う。ところが・・・最近はかなりてこずっている。日本人特有のアジリティ、クソまじめな守備、走力など、ちょっと感じ方が変わってきているのではないかと思う。今では、相手と1対1になるシーンはあまりない。相手はボールを奪いに来るのではなく、数的優位を作るまでスローダウンに徹してくる。そして、すぐに囲まれてしまう。そろそろ森脇とのコンビネーションで崩すこともやってほしいのだが。

MF高萩・・・6.0
プレーは安定していた。よくやる『ポカ』も、この日は記憶がない。つかみどころのない洋次郎らしいプレーが随所に表れていた。そんな中、この試合で一番印象に残っているのは・・・試合終盤だったと思うが、前がかりになっていた時にカウンターを食らったシーンがあった。その時、DFは全然揃っていないし、間に合っていなかった。おそらくストヤノフがボールホルダーにアタックしたものの、右サイドから駆け上がってきた相手選手にパスが出てしまった。『ヤバイ』と思った瞬間、猛烈に追いすがってアタックした選手がいた。『誰だろう』とよく見ると、洋次郎だった。正直なところ、目を疑った。『自覚』なんだろうと思う。もともと『軽い』と言われていた洋次郎のプレー。守備も『アリバイ』と見られることも多々あった。自由気ままな洋次郎だったが、徐々に『レギュラー』という自覚が強くなってきたのではないだろうか。かつては、コウジ、陽介らの控えでしかなかった洋次郎が、すでにレギュラーとして攻撃の核を担っている。チームの勝利には無頓着で、自分のプレーだけを追求していた選手が、チームの『勝利』を強く自覚するようになり・・・あの場面、自分でも危険を察知し、チームのために全力で駆け戻ったのではないかと思う。勝手な想像だが、もしそうだとしたら・・・本当にうれしい。

MF柏木・・・6.0
元気だった。とてもよく周りが見えていた。しっかり首も振れていた。常にこのレベルのプレーを続けてくれれば、何も不満はない。

FW寿人・・・6.0
頼む、とにかく無理をせずに休んでくれ。

FW平繁・・・5.5
どうなんだろう。やっぱリュウイチは、1トップがやりやすいんじゃないだろうか。正直なところ、コンビネーションで何かをするタイプじゃないと思ってる。ユースの時を思い出しても、結構相手を背負いながらもゴリゴリやるタイプだったと思う。寿人と2トップの場合、どうしてもボールホルダーは寿人を優先的に探す。やはり寿人はポジションの取り方が巧いし、受ける動きも多彩だ。リュウイチにボールが回ってくる確率は低い。またリュウイチは、広範囲に動くタイプでもない。サイドに流れる回数も少ない。どうしても寿人の動きにかぶってしまうことも多いのではないかと思う。その意味でも、1トップの位置にいるのは居心地がよいのではないだろうか。しかも、シャドーはユース時代から知り尽くした陽介と洋次郎。考えていることは、自然にわかる。こういうチャンスを、しっかり与えてほしい。ただ・・・決めないと。あれは、決めないと。今のリュウイチは、スタメンを争う位置にはいない。ベンチには入れるようになったが、まだただの『サブ』にすぎない。単に『サブ』ではなく『スーパー』がつく『サブ』にならないと。そこまで地位を高めるためにも、あれは決めなきゃ。早く『スーパー』がつく『サブ』に昇格しないと。

DF盛田・・・6.0
剛平さんが入ると、なぜか落ち着く。やはり修羅場を乗り越えてきたベテランは違う。高さはあるし、懐も深い。ボールを失うことが、まずない。槙野や森脇のように、『つまらない』ミスがないから、見ている方は落ち着く。安心感がある。が・・・そんな剛平さんより、ミシャは槙野や森脇を優先的に使う。彼らは攻撃的だ。ミスを恐れず、果敢にチャレンジする。最前線にまで、積極的に顔を出す。そんな彼らと剛平さんを比較すると、ミシャは剛平さんにモノ足りなさを感じているのだろう。ミシャが自分の理想とするサッカーを体現するためには、剛平さんはモノ足りなく、槙野や森脇ではないとダメなのだろう。でも・・・私は剛平さんが出てくると落ち着くんだけど。

DH横竹・・・5.0
う〜ん、なにをやってたのか記憶がない。


2.全体の感想

ミシャはマジでツバサをボランチにする気なのか。意味がわからない。

もし・・・あのシーンで失点したなら、たぶん罵っていただろう。ミシャを激しく非難していたかもしれない。ツバサのようなルーキーにとって、ボランチというポジションは難しい。やらねばならないことがたくさんあり、役割も不明確になってしまう。それがあのシーンに象徴されていたような気がしてならない。

あのシーン・・・ツバサは、まさかあそこにクロスが入ってくるとは予測していなかったと思う。あるいは、そこまで厳しい状況になるとは考えていなかったと思う。自分はDFではないし、そこまでタイトにマークする気持ちもなかったのだろう。それがボランチという中途半端なポジションの特性でもあると思う。DFなら、失点をすれば責任を問われる。失点はDFにとって許されないものである。ルーキーだとしても、DFで出場したなら失点は許されるものではない。必死で食らいついて、失点をしないように集中するだろう。ところが、与えられたのはボランチ・・・ある意味、仕方がない。

本当に失点して、勝ち点1であの試合を終えたなら、ツバサにとっても精神的にきついだろうし、チームとしても残念な結果になっていた。あそこまでリスクを冒して、ツバサをボランチに投入する意味がわからない。ツバサを育てるのなら、DFで起用すべきだ。

大分は、本当に気の毒な状態だった。昨シーズンの大分の勢いは、どこにもなかった。唯一、家長だけが1人だけ違った世界のプレーをしていた。そういう相手に対して、あまりリスクを負わずに、しっかりボールをつないで相手陣内で試合を進めることに終始した。結果として1点しか取れなかったが、大分に与えたダメージは相当なものだったと思う。その意味でも陽介の語った『大人のサッカー』ができていたのだろうと思う。プロである以上、長丁場のリーグ戦である以上、いつもいつも大勝する必要はない。必要なのは『勝ち点3』である。

このチームは、徐々にACL出場する価値のあるチームに近づいてきているのであろうか。


2009/5/20】

[ナビスコ杯] 横浜Fマリノス 3−1 サンフレッチェ広島

若手中心のメンバーで戦うということで、とてもワクワクしてテレビの前に座った。しかし・・・試合後は、納得できないモヤモヤした気持ちだけが残ってしまった。


1.個々の評価(私の満足度)

GK中林・・・5.0
残念ながら、まだウッズは迷っているのがわかった。アキの負傷により、急遽正GKの座が転がり込んできたウッズ。彼のデビュー戦から2試合は大きなミスをしてしまったが、そこからはチームの中で存在感を示してきた。もう『大丈夫だ』という安堵感もあった。けど・・・それは甘かった。1点目は、あれはウッズのミスとは言いがたい。あれは森脇がやってしまったミスと同じで、ほとんどの原因は槙野にある。問題視しなければならないのは、その後もコーナーキックやクロスボールをキャッチした後に、近くの味方に預けようとしてボールを失うミスを1〜2度やってしまったこと。つまり、ウッズの心の中には、まだ『やらされている』気持ちがあるということ。本当なら『遠くに蹴りたい』という気持ちが強いのに、それをできないもどかしさを感じているということ。鳥栖から移籍してきたウッズには、まだミシャのサッカーが浸透していない。やろうと努力しているものの、頭の中では否定している部分もあるということ。それがあの『迷い』を生んでいる。厳しいことを言えば、あのミスは小学生レベルのミス。指導の場面ではよく言うことだが『敵を見てパスをしなさい』ということがおろそかになっていた。ウッズがパニックになっていたとは考えにくいが、『早くつながなければいけない』という意識が先行して、味方を探すことばかりに気持ちが行っていたのではないか。そのため、敵を見る意識が飛んでいたのではないか。だから、狙っていた相手選手にあんなに簡単に奪われるミスをやった。ミシャのサッカーには、GKからのすばやいフィードは必須条件かもしれない。しかし、そのことを意識するばかりにウッズの評価を落とすのは好ましくない。今はできることを確実にやって、できないことは無理をしない姿勢で取り組んでほしい。

DF中島・・・5.5
残念ながら、この試合は中島の評価を落とす試合になってしまった。けれど、すべてを否定するものではない。その要因を見る必要がある。中島には、中島のイメージするDFラインの姿があると思う。彼のこれまで所属したチームや指導を受けたコーチなどの影響を受け、彼は彼なりの理想のDFラインのイメージがあると思う。その中島に対して、サンフにはミシャが持ち込んだDFのスタイルがある。いや、選手たちが勝手に作り上げたDFのスタイルと言った方がいいかもしれない。これまでの2年間の中で、何度か試行錯誤した形跡がある。しかしストヤノフや槙野の意向を受けて、結果として今のスタイルができあがった。ある意味『腰の引けた守備』である。これはなかなかお目にかかるものではないし、現代サッカーでは珍しい部類だと認識している。そんな中で、センターバックの中央に置かれた中島。ただ、リーグ戦ではこの形でストヤノフ不在時を乗り切っている。決して、不可能な方法ではない。しかし、あの時とは大きな違いがある。カズがいないことだ。経験豊富で、各選手の特長を知り尽くし、状況に応じてバランスを変化させることのできるカズがいない。それどころか、ボランチに入ったのはハンジェと横竹。紅白戦でも彼らで組んだボランチのレポートを目にしたこともない。このような悪条件の中で、中島に何ができるのか。中島の中には、もっとラインを作ったり、自分のやりやすいDFのイメージがあったと思う。しかし、今のサンフのDFラインはストヤノフが中央にいることを前提としたもの。中島自身にストヤノフのような経験も強さもない。よって、どうしても中途半端なものにしかならない。2点目のドリブル突破を許したシーン・・・確かに中島のミスであり、DFとしてはあまりにも軽い守備だった。けれど、本来はああいう状態に強い選手でないことは中島自身も自覚していることだろうし、あの形には持って行きたくなかったはず。でも・・・変えようがなかった。この試合は中島の『負の部分』が目立ってしまったが、カズがいればまた違ったものになっていたと思うし、今回は気の毒だったと思ってる。

DF盛田・・・6.0
なんだかんだと言っても、安定感抜群。さすがはベテラン。修羅場を潜り抜けてきた選手だけに、ピッチに内に問題を抱えていながらも、自分のプレーを全うしていた。あのヘディングは決めたかったなあ・・・中澤の上から叩いていたし。

DF槙野・・・5.0
どういう気持ちで試合に入っていたのだろう。髪型を変え、気合は入っていたはずだ。気持ちは伝わっている。この日は若手が多く、後輩の横竹も初スタメン。それなりの想いはあったはずだ。しかし・・・とんでもないミスをやった。プロとしてはあり得ないし、やってはならない。時間帯も悪い立ち上がり。単に気負いすぎだったのか。ストヤノフやカズがいるリーグ戦でも、同じようなミスをやるのか。後輩に『いいカッコ』を見せたかったのではないだろう。そこまで愚かとは思わない。けれど・・・やっぱり精神的な何かがあったのではないか。ピッチ上の選手たちはどう感じたのかは知らないが、テレビの前では『この試合はテストになっちまった』と感じてしまった。真剣勝負の重厚感は吹っ飛んでしまった。できることなら、スコアレスで緊張感を持続したまま、試合が進んでほしかった。ナビスコ杯の浦和戦がそうであったように。若いからこそ、自由奔放に、そしてノビノビとプレーしてほしい。存在感、露出度・・・今の槙野は間違いなくクラブの広告塔であり、『ミスターサンフレッチェ』であり、クラブの『希望の星』である。だからこそ、『責任』もついてくる。髪型を変えて気合を入れるのもヨシ。しかし、だとすれば余計に責任を全うしないと。大宮戦のPK失敗も同じ。目立つ分、余計に慎重にならないと。若いからと言って、疲れ知らずではない。100%集中してプレーができないのであれば、志願して休むべき。同じ過ちを、1シーズンに2度もやってはいけない。

DHハンジェ・・・5.5
解説の清水氏は、WBに移動したハンジェを『消極的』と何度も連呼していたが・・・J2からハンジェはあのままだ。耳の痛い解説だった。ボランチに入ったハンジェは、やれることを100%やっていたと思う。もちろん能力や経験の問題はある。ダイレクトでクサビを入れようとして、前線と合わずに簡単に失った場面もあった。しかし寿人のゴールを呼び込んだボールカットなど、ハンジェの積極性は出ていた。けれど・・・やっぱりハンジェにとって適性なポジションとは思えない。この日与えられた2つのポジションともに、ハンジェの能力が活かされるポジションとは思えない。ハンジェは、シャドーだと思う。それでも、どこも『それなりに』こなしてしまう器用さも、ハンジェの持ち味。監督としては重宝する。が・・・ハンジェ自身にとってみれば、スタメンがほしい。となると、やはりシャドーを狙うべきだ。

DH横竹・・・4.5
ツバサの適性が、このポジションだとは思えない。もちろんユースや年代別代表では、ボランチをやっていたこともあるとは記憶しているが、プロとして確立するには、このポジションが適性とは思えない。もちろん、大きなミスもなく無難にこなしていたとは思うが・・・『無難』にこなしていたのでは、いけないポジションでもある。アオに交代してから、試合展開が劇的に変わってしまった。どちらにしても、ツバサをここで使った意味がわからない。

WB楽山・・・4.0
これまで何度も『楽山の特長がわからない』と書いてきた。この日90分間通してもプレーを見て、やっとわかったような気がする。が、それは『良い特長』ではなかった。昨シーズン楽山をレンタル移籍で獲得した時、『サイドができるドリブラー』という情報だったと記憶している。ところがこの試合、90分通してドリブルで仕掛けたのは、記憶ではわずか1回。しかも後半のロスタイムだ。これをどう評価するのか。本来はドリブルできるのに、ミシャのスタイルに合わせて変えているだけなのか。それとも、元々突破型ではないのか。左サイドでプレーしているにもかかわらず、左足でクロスを入れたシーンの記憶がない。右足に持ち替えて、ニアサイドに走りこんでくる選手やマイナスにインサイドキックで送り込むだけ。ファーサイドまで飛ばすようなクロスもない。とても『局面を打開した』シーンはなかったように思う。これでは、ハンジェがアウトサイドをやっているのと何も変わらない。ハンジェにないものを楽山に求めたと考えていただけに、違和感がある。さらに明確になった問題がある。それは『守備』だ。以前から『軽いな』という想いはあったが、本当にヤバイ状態だった。ドリブラーには縦へ仕掛けられるし、3点目のようにペナの中での守備も強くない。コウタも守備が得意な選手ではないが、楽山よりは粘り強いものがある。これではしんどい。楽山の実力が、本当にこの程度ならしんどい。一誠や洋次郎をここで起用したり、岡本、内田、橋内らを積極的にここで起用することも、将来的に見て視野に入れないといけないのではないか。個人的には、コウジが復帰したら、ここでプレーしてほしいと願っているのだが。

WBミキッチ・・・5.5
ミカのプレーに不満はない。意外と縦のドリブルに対しての守りにモロい部分はあるのだが。

MF柏木・・・6.5
今のところ、好調を維持してる。が、先日の『悪い時期』も見ているだけに、正直リーグ戦中断前のこの試合は休ませたかった。土曜日の大分戦で、またあの体たらくを見せられたら・・・。陽介は『周りを活かして自分も活きる』タイプの選手。それを完結するには、周りとのコンビネーションや相互理解が不可欠。この試合では、そういう目に見えない部分で『欠陥』が多かった。その分、陽介は無理をして、獅子奮迅の働きをしなければならなかった。こういうゲームを救えるようになると・・・陽介も、もうひとつ上に行けると思うんだけどなあ。

MF清水・・・5.0
テレビでは、コウヘイの動きの質まで確認できない。おそらくかなり動き回っていたのだろう。しかし・・・現実としては、ボールタッチが少ない。洋次郎や一誠がかかわっている回数とは比較にならないのではないかと思う。コウヘイに期待したいのは、1本右サイドのペナの外でクサビを受け、すばやくターンし、DFのアタックをドリブルで内側にかわし、左足でフィニッシュしたシーン。あれを期待している。けれど、大半はパスを選択していた。コウヘイはもともとサイドでプレーをするタイプだと思う。前線にいたとしても、サイドに流れてプレーするタイプだと考える。だとすれば、シャドーでプレーするのなら陽介や一誠のように中央付近をプレーゾーンとするのではなく、洋次郎のように積極的にサイドに流れてプレーすべきだと思う。いや、本来なら楽山のポジションでプレーすべきなのでは・・・とも思うが。必死で動き回ったと思うが、全体的には『空回り』だったというのがこの試合の印象。ただ、これを有効に変えていければ、近い将来チャンスは巡ってくる。どちらかと言うとドリブラーの育たない風土のクラブなので、貴重な存在として育ってほしいと思う。

FW寿人・・・6.5
頼むから、休んでくれ。正直なところ、『いつ壊れるのか』と不安になってしまう。見てわかる通り、今のチームで寿人が抜けるとかなり厳しい状況が生まれる。だからこそ、無理をしてはいけない。キャプテンの強い使命感は理解できるが・・・だからこそ、休む必要がある。大分戦後の中断から再開した後が、本当の勝負になる。下位に低迷しているチームは、必ず補強に乗り出す。そしてサンフのサッカーには厳しい、体力を消耗する暑い時期がやってくる。中断後を勝ち抜くだけの力を維持しなければならないし、新しい戦力も育てておかねばならない。だとすれば、どこのポジションよりも『寿人の代役』は重要になってくる。Jリーグ中断中のナビスコ杯も、当然キャプテンとして寿人は全部出るつもりだろう。が・・・平繁や清水、丸谷など、積極的に声をかけて育ててほしいとも思う。

DH青山・・・6.5
アオ自身のプレーには、まったく不満はない。アオが入ったことで、ゲームが安定し、しっかりポゼッションできるようになった。が・・・なぜ、アオを起用しなければならんのか。理解に苦しむ。

DFストヤノフ・・・6.5
イリアンについても、特にコメントはない。存在感が違いすぎる。

FW平繁・・・4.5
まだ元のリュウイチに戻っていない。交代からしばらく、ピッチ内にリュウイチがいたことを認識できなかった。それはどうか。ポストプレーに顔を出せなかったり、寿人と呼吸があっていないのにスルーをしたり、試合勘がフィットしていない。ガムシャラにドリブルだけでもダメ。ともかく少しずつでも試合に出て、感覚を取り戻していかないと。ちょっと厳しい。


2.全体の感想

試合後のモヤモヤ感は、ちょっとハンパではなかった。ようするに、『何がしたいのか』が見えてこなかったから。

いろいろ考え方はあると思う。ナビスコ杯も公式戦ではあるが、ACL出場権がかかっているわけでもなく、その価値は薄い。また週2試合のスケジュールを考えれば、マネージメントとしてスタメン組は休ませたい。しかし『ベストメンバー規定』なるものが存在する。このくだらないルールのおかげで、何人かはスタメン組を起用せざるを得ない。これがターンオーバーを考慮できるくらいの財力のあるクラブなら、まだ違うアプローチもある。しかし・・・残念ながらサンフの選手層は厚くない。『休ませたいが全員休ませれない』『できれば勝ちたい』『若手も育てたい』という複雑な要因の中で、メンバーを組まざるを得ない。

ミシャが選んだのは、『ある程度の主力を交代して残し、若手を組み込む』というやり方だった。これはトレーニングマッチなどで良くやる手で、完全にスタメン組を外すと戦力がガタ落ちして大敗し、トレーニングにならなくなる可能性があるため、スタメンを半分ずつくらい残して、サブ組を半分ずつくらい投入して一挙両得を狙うやり方だ。しかしこれは公式戦であり、練習試合ではない。メンバー交代は3人しか許されない。途中で修正は効かない。結果として『勝ちに行く』のか『若手を育てる』のか意味不明の試合になってしまった。

本当に『勝ちに行く』のであれば、スタメン組を分散するのはおかしい。この試合では、ミカは前半だけ、アオとイリアンを後半だけ起用した。けれど、勝利を目指すのであれば3人は同時に起用する方が戦力的に充実していたわけで、できれは前半にリードして、後半に徐々にメンバーを入れ替える方法をとるのがベターだと思う。本気で『勝ちに行った』としても、中途半端な感じだった。

『若手を育成する』『サブ組の経験を積ませる』という意味でも、疑問が残った。一番の疑問は、横竹のボランチ起用。将来を嘱望される若い選手たちは、ただ『試合に出せばいい』というわけではない。失敗を許容範囲としながら、将来プレーするポジションで起用する必要がある。その意味で、ツバサのボランチはどんな意図があったのだろうか。ミシャもフロントも、本気でツバサをボランチで使う気があったのだろうか。それとも『最終ラインでは荷が重いのでボランチで・・・』程度の考えなのか。正直なところ、ツバサをリベロで起用したり、槙野を外して横竹、中島、盛田の3バックで戦うことには危険すぎると判断したのだろうと思う。それでも経験を積ませたいから、ボランチで起用したと。しかし・・・それは価値があるのか。失敗するかもしれないが、ツバサを最終ラインで起用して経験を積ませる方が良かったのではないか。ツバサも槙野も、サンフレッチェにとっては『宝』だ。貴重なDFの逸材と期待されている。将来のサンフは、彼らにかかっていると言っても過言ではない。だからこそ、思い切ってDFとして経験させるべきではなかったかと思う。ボランチとして45分間プレーしたツバサは、DFとして体を張って守る場面は少なく、どちらかと言うと『プレス要員』にすぎなかった。また攻撃時のビルドアップを求められているDFラインのようなボール回しには入らず、通常のボランチとしてクサビのボールを受けていたにすぎない。彼にとって、どこまで価値があった45分間だったか、疑問を持たざるを得ない。

ツバサがボランチとして先発出場したことで、岡本がそのあおりを受けてしまった。前半を終えて1点リードされる展開になってしまい、さらにボランチでボールが収まらない状況では、アオを投入するしかない。この時点でトモの投入はなくなってしまった。ツバサを将来ボランチとして起用する意思がないのにボランチで起用し、ボランチとして育てているトモをボランチで起用しないどころか出場させない。まさに『チグハグ』で意味不明。あれこれやろうとしたのに、結果として『勝利』も『育成』も手に入れることができなかった。だから・・・『中途半端』と感じ、モヤモヤ感に包まれてしまった。

もうひとつ言いたいことがある。今回の3バックのこと。確かにツバサをDFとして起用するのは勇気がいる。しかし・・・いつかはモノにしなくてはいけないこと。それと同じで、槙野の問題がある。現時点で、槙野は3バックのセンターを嫌がってる感じがする。昨シーズン、センターをやってボロボロになった時があった。それ以来、トラウマになっているのかもしれない。けれど、将来のサンフレッチェの理想像を描いてみると、槙野、森脇、横竹の誰かがセンターをやらないといけない。たとえ補強が行われたとしても、いつかはこの3人で組まざるを得ない時があるだろう。それは4バックになっても同じだ。そう考えた時、3人の中では一番経験豊富な槙野がリーダーにならないといけない。もし槙野をセンターで起用するという選択肢があったなら、この日のスタメンは、盛田、槙野、横竹の3バック、中島と岡本のボランチ、ミカと楽山のアウトサイド、ハンジェと陽介のシャドーに、寿人のトップという形もあったかもしれない。試合後に感じた限りでは、楽山のところへ清水を入れた方が機能しそうだが。どっちにしても、私は本来のポジションで戦う若い選手たちのバトルを見たかった。

ベンチを見ると、イリアン、アオ、コウタ、リョウタが座っていた。なぜ、タツがいない。ハシがいない。紅白戦で出場機会に飢えている連中が、なぜベンチにいないのだ。勝ちたかったのか、経験を積ませたかったのか・・・何がしたい。中途半端なことをするくらいなら、最初からイリアンも、アオも、コウタも、リョウタも使えよ。使って、勝ち点3を持って帰れよ。実際、持って帰れたじゃないか。

見たいものが見れず、結果もついてこない試合は・・・やはり悲しいものがある。


2009/5/16】

[J1]サンフレッチェ広島 3−1 モンテディオ山形

やっと洋次郎の一発が出た。スカっとした。




1.個々の評価(私の満足度)

GK中林・・・6.5
失点シーンは、仕方ない。それよりもハイボールの処理に乱れがなかったのが良かった。安定している。

DFストヤノフ・・・6.5
カズがいない分、『いつも以上』に攻撃参加していた感じ。存在感は際立っていた。

DF槙野・・・6.0
前節の『借りを返した』という感じか。見事にマークを外してゴールに叩き込んだ。ただカズ不在の影響なのか、特に後半になってからはセットプレー以外、相手陣内深くまで進むことを自重していたようにも見えた。

DF森脇・・・5.5
ミスがあったわけではないが、あまり目立たなかった。攻撃の回数もあまり多くなかった。槙野同様、かなり慎重になっていたのか。

DH中島・・・6.0
意外とカズよりも攻撃参加が多かった。カズよりも高い位置でのプレーが多かった。まあ、それが普通のボランチのプレーなのだが、カズを見慣れていると違和感を覚えた。ただストヤノフがいつも以上に前へ進んでいくため、途中から後ろへ残る回数も増えていった。前節まで、トップ下でのミスが目立って、かなり不安を感じていただけに、無難にプレーしてくれてホッとしている。

DH青山・・・5.5
正直なところ、アオのプレーの記憶がない。ボールに関わっていないわけではないが、少ないタッチのプレーが多く、さらにロングパスもほとんど記憶がない。バランスを重視し、つなぎに徹していた感じ。もちろん、山形が早めに引いてしまうため、長いボールを出しにくかった影響もあるのだろうが。

WB服部・・・6.0
いつもと同じ。特別なことはなかったと思うが。不満があるとすれば、フリーでクロスを上げれる場面が何度かあったが、ほとんど効果的なボールがなかったことと、シュートを狙えるシーンがあったが撃ちきれなかったこと。両サイドアタッカーがコンスタントにゴールを奪えるチームが理想なのだが。

WBミキッチ・・・6.5
攻守に全力プレー、気持ちがいい。特に前半の攻勢は、ボールをドンドン前へ運んでくれることで、山形が深く引かざるを得なくなっていたことも大きく起因していたと思う。また守りに関しては、相手に早くアプローチしていたため、ボールを奪えなくても相手がドリブルで前へ運ぶことを完全に封じ込め、速攻を一切許さなかった。まあ、それでも・・・2本あったシュートチャンスは決めないと。

MF高萩・・・7.0
こんなに安定した洋次郎を見るのも久しぶり。愛媛時代以来か。体がキレていたのか、軽いプレーが見られず、トリッキーなプレーもほとんど成功していた。洋次郎があれだけボールを失わず、さらにハイボールの競り合いも積極的に戦ってくれると、ゲームは楽になる。まっ、そういう細かいことはさておいても、あのミドルだ。いままで何度もチャレンジしながら、ほとんど枠に行かなかったヤツが・・・まあ、きれいに決まったこと。あんなのを撃てる選手は、ザラにはいないよ。ほとんど無回転だし。ともかく、狙えよ。そして、しっかり枠に行くように練習しろよ。

MF柏木・・・7.0
なんだったんだ、過去2試合。どうしてここまでパフォーマンスが違うんだ。陽介がイメージしていたプレーのほとんどは成功していたと思うけど・・・シュートだけが。練習せぇよ。

FW佐藤・・・6.0
この日は、アオとのホットラインが不発。アオが長いボールを出すよりも、陽介と洋次郎へのボールの方が収まりが良かったため、そっちが優先された感じ。まあ、あれだけガードを固められると・・・ちとしんどい。

DF盛田・・・5.5
弾き返し役としては成功。あれだけ攻め込まれると、やむを得ない。

MF清水・・・5.5
らしさは出せず。もっとボールを受けないと。

MFハンジェ・・・5.5
時間も短く、評価は難しい。けど、サイドよりもトップ下でのプレーの方が、ハンジェにはベターだと考えている。


2.全体の評価

千葉戦では、同じ時間帯に先制したものの、その後のチャンスを外しまくって、そして逆転されてしまった。それを『教訓』と考えれば、この日は早い時間帯に追加点を奪って、楽にゲームを進めることができた。千葉戦も、決めるところを決めていれば、同じ結果を得られていたのだろうと思う。

このサッカーは、ともかく『手数』がかかる。ゴール近くまでボールを運ぶのにも、時間も人も多くかかる。またチャンスは多く作れるものの、完全に崩しきったり、ゴール前での『絶対的』な武器がない分、シュートも多いが決定的なシュートシーンは少ない。よって、シュートまでの動きの質、ボールタッチ、シュートまでのイメージの部分を高めていって、確実にゴールを奪う実力を上げていくしかない。その意味では、この日の3得点はシュートに至る『準備』がうまくできていたし、逆に外したシュートの多くは『準備』不足だったように思う。1点目の陽介のゴールは、相手ボールを予測する『準備』と、ボールコントロールが乱れたけれど慌てずに、フカさないように足にきっちり当てにいった。2点目の槙野のゴールは、前節、巻に振り切られたのを教訓にしたのか、マークについたレオナルドを巧みに振り切って、あとは正確に当てるだけだった。これも『準備』が良かった。3点目の洋次郎は、ボールを受ける直前の走りこむコース、さらにファーストタッチがすべて理想の状態で、インパクトを正確にする時間を『準備』できた。あれだけ余裕を持って蹴れれば、洋次郎のパンチ力と正確に長い距離を飛ばす技術が活きてくる。ともかく、如何にいい準備をして、フィニッシュをとれるのか・・・そこなのだが。

試合直後と、DVDを倍速で再生した直後では、印象がかなり異なった。試合直後は、後半はかなり攻められた印象が強かったが、実際はさほど攻められていないし、サンフも多くのチャンスを作っている。ただ・・・なんであんなにドタバタしたように感じられたか。DVDを再生すると、65分頃の失点から、ドタバタした感じが多くなっている。前半と比較すると、かなり攻め急いでいるように見える。緩急がないし、バックバスもほとんどない。早く前へボールを運ぶ意識が強すぎて、無理に前へボールを通そうとして引っ掛けられたシーンが多い。逆にその位置で引っ掛けられるため、相手の攻撃がカウンター気味になり、スローダウンさせる前にクロスを入れられていたように感じた。こうなると、前半は積極的に攻め上がっていた槙野も森脇も攻撃参加できず、結果的に『攻撃陣』と『守備陣』が2ライン状態になりかかっていた。やはり前線にクサビが入った時に、あまり『裏』ばかり狙うのではなく、DFラインでしっかりビルドアップして全体が押し上げる状況を作るべきだったと思う。そういうリズムを作れる選手が誰もいなかったことが、ちょっと残念だった。唯一ストヤノフだけが、ドリブルで時間を作っていた。後半の20分くらいが一番きつい時間帯ではあるが、ここをコントロールできるチームにならないと、これからの夏や、これから上のレベルで試合をするのが難しくなってくると思う。このあたりは、ガンバの遠藤や、鹿島の小笠原を見習うべきだと思う。彼らは試合の流れを見て、緩急を使い分けてゲームをコントロールするのが巧い。

山形の攻撃パターンが、『アレ』しかなかったのも幸いしたと思う。多彩な攻撃バリエーションがないので、ほぼパワープレーへの対処だけしっかりやれば良かった。それでも1点やられたことは、ちょっと・・・だが。

新潟戦辺りまでは、『追い込み』型のサッカーをやっていたが、ここんとこ『先行逃げ切り』型のサッカーになっている。4月半ばまでは、先にとられても後半圧倒して追いつくことができていた。しかし、5月になってからは立ち上がり圧倒しても後半息切れするケースが多い。この日のように前半に3点奪えればいいが、千葉戦のようにチャンスを外していると厳しいことになってしまう。暑い夏になれば、もっとその展開が顕著になるかもしれない。その時に、きちんとチャンスを決められる『形』を作っておかねばならないと思う。

この日も一番気になったのは、クロスボールがほとんどチャンスに結びついていないこと。コウタもフリーで上げるシーンが何度もあったし、ミキッチもいい強引な突破からのクロスが数回あった。しかし・・・中央で弾き返されている。FC東京戦は洋次郎がドンピシャであわせたが、ああいう形もこの試合は作れていない。一度、前に残っていた槙野が合わせたシーンくらい。もっと、寿人、洋次郎、陽介の入り方について考える必要があるのではないだろうか。そうでなくても遅攻になりやすく、相手もゴール前を固めている状態でのクロスが多くなってしまう。ニアであわせるとか、ニアでワンタッチしてファーサイドであわせるとか・・・もっと変化がほしいのだが。

この勝利で、12試合で勝ち点17・・・平均勝ち点1.4。34試合で勝ち点40に到達するためには、平均勝ち点1.2。この日勝ち点3を積み上げていなかったら、平均勝ち点1.2ペースだっただけに、ちょっとホッとできた。ただ、夏は待ってる。カズ不在でも乗り切れたことは大きいが、正直なところ相手が相手だったので。それに気温も低かったので。まだまだこれから、試練は待っている。


2009/5/9】

[J1] ジェフ千葉 2−1 サンフレッチェ広島

最低の試合。パスミスが続発すれば、このサッカーはできない。できない選手は、ピッチから去れ!


1.個々の評価(私の満足度)

GK中林・・・5.5
1点目はやむを得ない。問題は2点目。たぶん、ウッズが予想した以上にボールが伸びてきたのだろう。そうだったとしても、触れなかったのはミス。あのミスはダメだ。

DFストヤノフ・・・5.5
やってたプレーは悪くないのだが、フリーキック、シュート、どれも効果的ではなかった。

DF槙野・・・4.5
過去最低のプレー。ドリブルは奪われる。巻に振り切られてフリーにする。存在感なし。代表なんて・・・あり得ないわ。

DF森脇・・・4.0
周りも見えないほど疲弊していたのか。集中力を欠いているとしか思えない。ウッズが接触したシーンも、森脇の判断ミス。アキと同じ目に遭うのかと思ったぞ、ふざけるな。

DHカズ・・・5.5
失点する直前まで、クサビを入れりゃ、陽介も洋次郎も失い続ける。もう、お手上げ。試合を見てる方は『ふざけんな』と怒りに震えていた。ああいう時に、ピッチ内ではどうやって修正するのか。いや、ピッチ内で選手たちが修正しなければ、何も変わらない。ピッチ内のことはわからないが、誰かが修正するように『声』をかけなきゃいかんだろ。何も変わらない、変えられないうちに、カウンターを食らって失点。あのシーンも、陽介がボールを失ってやられた。ああなるのは、必然だろう。トゥーリオのように、何でもかんでも怒鳴り散らすのがいいとは思わないが、ああいう状況では何か荒療治をしなきゃ、ダメじゃないのか。ピッチ内でその権限があり、それをやれるのは寿人とカズしかいないじゃないか。ハーフタイムで修正することを考えていたのかもしれないが、結果としてハーフタイムまでに2失点くらい、それが致命傷になった。カズがこのチームを愛し、本当に強くし、ACLに出場したいのなら・・・やっぱり言わなきゃいかんのじゃないのか。悔しかったわ。

DH青山・・・6.0
特に悪いところはない。が・・・ボールタッチが少ない。また前半は、陽介と洋次郎がボールを収めてくれないので、アオのところで基点が作れない。アオにとっても、お手上げだ。これだけゲームが壊れたら、救いようがない。

WB服部・・・6.0
コウタがやれることは、すべてやった。今のコウタに、ベタ引きされた相手を突き崩す何かは期待できない。

WBミキッチ・・・5.5
やはり、かなり研究されている。縦へ突破できなくなってきた。何か違うアイデアがほしい。それと・・・これからはミキッチが得点を奪えるチームにならないと、もう1ランク上がるのは難しそうだ。

MF高萩・・・3.5
洋次郎も、過去最低。帰宅したのが16:20。前半15分を経過し、1点先制していた。よって洋次郎のゴールは見てない。私の見た洋次郎は・・・ひでぇもんだ。まあ、あれだけボールを失い続ければ、何の価値もなし。あれだったら、最初からリュウイチでよかったじゃん。くだらねぇ。

MF柏木・・・3.5
あんなんなら、出てくるな。はっきり言おう、陽介が2点目を奪っていたら、この試合は終わっていた。なのに・・・ゴール前でフリーで受けてシュートも撃てず、挙句の果てにボールを失ってカウンターを許し。同点に追いつかれやがった。テレビの前では、怒り心頭に達した。前節も勝ったから良かったものの、ミスの連発。そのまま修正もできずに、この試合。同じじゃない。いや、もっとひどいじゃない。気持ち入ってんのか。入っててあれなら、監督に言って出場辞退せぇや。『劇場』で騒いでいた3人が、揃いも揃って最低のパフォーマンス。大宮戦の槙野のPK失敗と同じで・・・感情的に許せない部分がある。

FW寿人・・・6.0
前では、寿人1人が安定したプレーを見せていた。あの2本の『ハンド』疑惑は残念だった。アンラッキーとしか言えない。実際、中央を固められて、寿人がシュートを撃たせてもらえるチャンスがなかった。

DF盛田・・・5.5
仕事はそつなくこなした。

FW平繁・・・5.5
リュウイチは、きれいにつなぐことにこだわらなくてもいい。ペナに向かって、果敢にチャレンジを繰り返した。あれでいい。まあ、それでも抜ききれなかったことは事実なんだが。チャンスを与えたい。

WB楽山・・・4.5
まさか『落ち着かせる』ために投入したんじゃないだろう。コウタから状況を変えるために投入したんだろ。が・・・正直、コウタの方が良かったと思った。突破するわけでもなく、クロスを入れるわけでもなく。ここ数試合を見ていれば、ああなることは予測できたのだが。


2.全体の感想

久々に『ぶちっ』と来たゲームだった。疲れということはわかってるが、プロならそれを言い訳にできない。30人もの選手を抱えていて、こんなに情けない連中をピッチに送り出すとは・・・ムカついた。最初っから、盛田、久保、平繁、ハンジェでいいじゃないか。あんなの金払って見せる試合じゃねぇわ。

これと同じ現象は、2年前も経験している。自分のひいきの選手しか信頼できない監督。コンディションがどうだろうと、彼らに頼るしかできない。そして・・・J2降格。レギュラー陣と同等の選手が育っていたなかったのか、育っていたのに信じて起用することかできなかったのか。J2シーズン、主力になった選手たちを見れば『育っていなかった』のではなく、信じて使うことかできなかったことが判明した。サンフよりも、鹿島やガンバはACLもあってハードスケジュールの中で戦っている。当然、サブも含めて多くの選手を起用しながら戦っている。鹿島では、ルーキーの大迫まで起用している。それでも結果を出している。

こんなハードスケジュールは、今シーズンもうない。しかし・・・夏場は日程以外にも『暑さ』がある。同じようにコンディションを崩すケースも考えられる。その時に、またまたああいう選手起用があるのではないかと心配になってしまう。

監督だけでなく、選手たちにも不満はある。柏木、高萩、槙野、森脇と広島ユース組が揃いも揃って最低のデキだった。これはいかがなものか。例えば、柏木。日本サッカー界から将来を嘱望されている逸材であることは疑う余地がない。しかし・・・ここまでパフォーマンスの上下動が激しくてよいのか。コンディションが悪いなら、悪いなりのプレーに修正できないのか。中村俊輔も、若い時に良い時と悪い時があった。それでも、ここまで低レベルなプレーはあまり記憶がない。シュンスケは、悪い時には悪い時なりのプレーをし、フリーキック1本で存在価値を証明したことも多々あった。それと比較すれば、雲泥の差だ。高萩も槙野も森脇も同じ。自分のコンディションを考え、プレーを切り替えれるようにならないと。バカの一つ覚えのようなプレーをしてどうする。監督は彼らを信じてピッチに送り出しているわけだ。自分たちを信頼した監督を裏切ってはならない。

彼ら若造だけでなく、ベテラン組にも不満はある。ピッチ内の選手たちには、選手交代の権限はない。だとすれば・・・メンバー交代以外の方法で状況を改善しなくちゃいけない。チームにとって、明らかに『異変』が起きていた。これまでなら、DFラインから入れるクサビのボールを2シャドーが失うことはほとんどなかった。そのクサビが攻撃の基点になって、そこからサイドへ展開し崩していくのが基本の攻撃パターン。ところが、そこでことごとくボールを失う。その『異変』を寿人もカズも気づいていたはず。サッカーの種類を変えるわけにはいかないのだから、何かしら彼らへのアドバイスや精神的なサポートを行わねばならなかった。前述したとおり、彼らはハーフタイムでそれを修正するつもりだったのだろうが・・・結果として、その前に崩壊してしまった。甘いと思う。若いタレントを使いこなすのも、ベテラン選手の使命。ベテラン選手には、自分のプレーだけでなく、そういうマネージメントも求められているはず。それができないうちに逆転を食らったから・・・余計に悔しいし、腹立たしい。

最近は、小学生でもポゼッションサッカーをする。DFラインからボールを動かし、ロングボールをできるだけ使わずに攻撃の形を作っていく。DFラインとボランチで数本のパスをつないでいく中で、どこかでクサビのボールが入る。そこが攻撃の『合図』になる。それは小学生もサンフも同じ。ところが・・・技術的に未熟な小学生は、DFラインのボール回しでミスが起きやすい。少し強いプレスを受けるだけで、精神的に焦ってミスを引き起こすことが多い。そのレベルでは、理想のサッカーはできないし、やりきれない。だから、徹底的にトレーニングしてミスをしないレベルまで上げていくしかない。これまでのサンフは、少なくとも『クサビ』まではミスなくボールを回せるレベルに到達していた。なので、ああいうサッカーをやれていた。でも・・・あそこでミスが出るレベルなら、あんなサッカーはできない。話にならない。

危惧していたのは、あのサッカーでしか戦えないこと。あのサッカーをするには、あのメンバーでしか不可能なこと。千葉がベタ引きしてきたら、結局崩せなかった。ストヤノフのミドルシュートしかなくなってしまった。あのサッカーしかできないから・・・いくら攻めても、点が入る気配を感じなかった。

強いチームでも、こういう負け方をすることもある。圧倒的に攻め続けながら、カウンターを食らって『取りこぼし』をすることがある。が・・・今回の敗戦は、それと同じだろうか。違うと思う。『忘れていい』『気持ちを切り替えればいい』というレベルではないと思う。もっと修正しなければならない問題があると思う。修正しないのであれば・・・残留争いは免れたとしても、ACLはあきらめるしかない。


2009/5/5】

[J1] サンフレッチェ広島 2−0 FC東京

鹿島戦を除いて、今シーズン最低の内容だったかもしれない。それでも悪いなりに戦って奪った『勝ち点3』・・・これは大きい。


1.個々の評価(私の満足度)

GK中林・・・7.0
ヴッズという名前が一般的になった。これで完全にサンフの中心選手と認められた証拠だろう。ともかく今は、失点のイメージが沸かない。それくらい存在感がある。新潟戦でやった『凡ミス』は、まず考えられない。1年間黙々と紅白戦でスタメン組の攻撃を受け続けて養われた反応の速さ、さらにアキにはないハイボールの強さと安定感。アキが7試合で11失点、ウッズが5試合で3失点。ここ3試合では無失点。確実に安定感、存在感を増している。もし無失点を続けて、さらにチームが上位に食い込むことがあれば、間違いなく注目されるし、知名度も上がる。もしかしたらトントン拍子に『代表』から声がかかる可能性もある。GKとはそんな特異なポジションとは言え・・・ウッズにとっては、プロサッカー選手として千載一遇のチャンスになるかもしれない。がんばってほしい。

DFストヤノフ・・・7.5
この日のようなピッチコンディションでは、ストヤノフの存在は大きい。前節は、ストヤノフからのロングボールが多すぎて、どうしてもチームのリズムが作れない印象があった。しかし、この日のようにピッチが悪くてボールコントロールに四苦八苦し、さらに選手の疲労が溜まって判断ミスが続出している状況では、この悪条件でもボールコントロールミスがなく、絶対にボールを失わず、確実にボールを前線に送ってくれるストヤノフの存在感は抜群だった。間違いなく、この日は救われた。けれど、これで100%OKというわけではない。ピッチが良い時なら、逆にリズムが崩れる可能性もある。とりあえず、この日はグッドだった。

DF槙野・・・5.5
前半は何度か攻撃に参加したものの、後半は守備に奔走。まあそれは、あの状況では仕方ない。無失点に抑えたことは、間違いなく評価できる。攻撃に関して、かなり相手に研究されてきている。相手も槙野が中へドリブルで入ってくるのをケアしているようで、ここ数試合で何度かそこでボールを失ってカウンターを食らっている。工夫に期待したい。

DF森脇・・・6.0
後半は『守備の人』だった。それでも集中を途切らせることなく、確実に体を寄せて競り合っていた。良かったと思う。それにしても・・・あのシュートは惜しかった。久々に内側に入り込んで左足を振り抜いたのだが・・・完全に枠に飛んでいたのに。あれはリョウタの武器なんだから、必ず1試合に1本はチャレンジしてほしい。

DHカズ・・・6.0
難しい試合だったと思う。ピッチ状態は悪く、今までになかった場面でボールを失うシーンが続出し、その度にカウンターにさらされた。それの『火消し』に追われた部分もあった。石川を吹っ飛ばしたシーンもそうだが、見ている側にはカードが恐かった。相手はスピードのあるアタッカーを4人くらい高い位置に残していたように見えた。サンフの攻撃を高い位置で引っ掛けて、そこからのカウンターを狙っていたようだった。それだけにバランスがとりにくかったと思う。ある程度強くアタックすることで、ドリブルミスやパスミスを誘うことも考えていたのではないかと思う。見ている側は、かなり危なく感じていたのだが。攻撃面では・・・あれは決めなきゃ。ここ数試合で、カズにとって一番のビッグチャンス。ゴールまでの距離、角度、カズにとって難しくない状況だっただけに・・・決めなきゃ。

DH青山・・・6.5
プレーの質は『5.0』だが、試合の貢献度は『7.0』だったと思う。アオ自身のパフォーマンスは、過去最低レベル。ピッチの悪さと疲労の蓄積から来る判断の遅れや判断ミスが顕著に表れていた。ポゼッションができずにFC東京のプレスに屈し、全体的に押し込まれてしまったのもアオのコンディションが一番の要因。が・・・それでもアオは90分間走り続けた。このことが、すばらしい。2点目のフリーランニングが、それを物語っている。しんどいだろうが、あと1試合だ。がんばってくれ、アオ!

WB服部・・・5.5
『鉄人コウタ』とて、この連戦の疲労が徐々に色濃くなっているようだ。サイドを深くえぐったところからのクロスを、数回ミスしている。すべりやすいピッチの状態もあっただろうが、それだけではないようにも思えた。前節に感じたミキッチからのクロスが流れてくるシーンが、この日もあった。あれを直接狙ってほしい。コウタが今シーズン5点以上奪えるようになると・・・マジでACLを狙えると思うのだが。

WBミキッチ・・・5.5
あの退場以来、何か勢いが落ちているように感じてる。縦にチャレンジする回数も落ちているし、逆にボールを奪われる回数が増えている。かなり警戒されているのもあるが、ここからがミキッチの正念場かもしれない。それにしても、長友にはやられた。試合後のコメントを読んでも『試合には勝ったが長友には負けた』というのが、ミキッチの心境ではなかったかと思う。

MF高萩・・・6.0
良くも悪くも洋次郎。あのヘディングは『ふかす』と思ったけどなあ、よく首を振らずに当てに行った。本人がコメントしたように、ヘディングが下手。長身がもったいない。今回のはクロスのタイミングとコースが絶妙だったので、洋次郎は特に何もすることがないシーンだったが、これからは難しいボールでも枠に収められるようにしてほしい。洋次郎がヘディングでゴールを奪えるようになると、相手守備陣にとっては守り方が難しくなる。なんとかレベルアップしてほしい。それにしても、あの左サイドから50メートル、ミキッチの足元にピンポイントで送り込んだロングパス・・・鳥肌が立ったわ。なのに、どうしてゴール枠には入らんかなあ。

MF柏木・・・5.5
『劇場』で本人もしゃべっていたが、ホンマ『なんにもできんかった』。4回あった。4点取れた。GKがクリアをミスし、陽介の前にボールが弾んできた。確かにボレーで叩くのは難しい。左足でジャストミートしたのは陽介の高いスキル。が、クロスバーを越えたのも陽介のスキル。寿人がDFを巧みにかわしてゴール前へ突進、DFのタックルの直前に陽介に流した。が・・・GKにブチ当てた。中央で梶山に誰かがプレスをかけ、そのボールが陽介の前にこぼれてきた。ワンタッチして左足一閃・・・ニアサイドに外れていった。カウンターから右サイドでボールを受け、ペナの中で1対1になった。切り替えして置き去りにしようとしたが、引っ掛けられてボールを失った。相手も必死であるが、『惜しい』では済まされない。こういうチャンスを『冷酷に』決めてしまうのが、世界的なスターたちだ。1度ならず、2度、3度、4度と繰り返してしまう辺りが、まだまだと感じるところ。今、陽介が代表に呼ばれたところで、Jリーグよりも過酷な国際試合の中で活躍できる姿をイメージできない。恥をかくだけだ。ともかくシュートを巧くなってほしい。

FW寿人・・・6.0
陽介とは違って、1回のチャンスを確実に決めきるところが、さすが。ただ、そんな寿人にも連戦の影響が。この日、これまでと違って、結構いいクロスが相手ゴール前を襲っていた。特にDFラインとGKの間を切り裂くようなクロスが何度か入っていた。しかし・・・寿人が反応できていなかった。疲れで『反応が遅れている』のだと思う。また、これまでは積極的に参加していた守備も、かなり自重気味だった。ヤバイ位置でボールを失って、全体のバランスが崩れていた時はある程度深い位置まで戻っていたが、それ以外は無理に追うことをしていなかったようだ。可能な限り、攻撃に体力を残しておく感じに見えた。さらに何度も転げまわっていたのに、ファールを取ってもらえなかった。疲労から踏ん張りが利かないため、レフリーにも『確実にボール保持できていない』と判断された可能性が高い。寿人も厳しいだろうが、あと1試合がんばってほしい。

DF盛田・・・6.0
『平山番』として投入されたが、確実に仕事をこなした。まったく不満なし。

MF中島・・・4.0
だから、中島をあそこで使っちゃいけない、って。そのタイプじゃないし、それができる選手でもない。能力の問題じゃなく、タイプの問題。あれじゃ、中島の長所を発揮できず、短所が露呈されるだけ。ケーキ職人に『中華料理を作れ』と言ってるようなもんだ。気の毒すぎる。

FW久保・・・4.0
もう少し時間がほしい。それとサポートできるセカンドアタッカーをそばに置いてほしい。リュウイチでもいい。紅白戦では、槙野相手にガンガンやってるんだよ。あんなもんじゃないんだよ。あんなタツを見せられて、評価を下げられるのは耐えられないものがある。コウジがいれば・・・。


2.全体の感想

本当に負けなくて良かった。失点しなくて良かった。これもサッカーとは言え、苦痛に満ちた90分間だった。

滑るピッチ、走るボール・・・ショートパスを中心としたサッカーをするには非常に困難な状況だったと思う。予測できないほどボールが伸びてきたりするため、ボールから目を離して視野を確保するのは難しい。さらに足元が滑り、パスが少しでもズレると態勢のリカバリーも難しい。追い討ちをかけるように疲労による頭の回転も遅くなりがち。雨や水しぶきが目の中に入ってきたりもし、サンフにとって、もっとも過酷な状況下での試合になってしまった。

一方のFC東京は、スピード系のアタッカーを配置し、サンフと同じような『走るサッカー』をしてきた。これもまた、サンフにとってゲームを困難にさせる要素となっていたと思う。ただ・・・なぜ、FC東京にゴールが生まれなかったのか。それは、前線に特異な『破壊力』を持ったアタッカーがいなかったこと。例えるなら『柏木陽介タイプ』はいても、『佐藤寿人タイプ』がいなかったということ。巧い選手はいても、ツボを持って決めてくる選手がいなかった。もし同じ状況下で京都サンガと対戦していたなら・・・たぶん失点を喫していたと思う。あの外国人アタッカー2人は止められなかったと思う。

そんな中で、唯一『いやだな』と感じたのは、平山が投入された時。特に長友にミキッチのサイドをことごとく破られていたため、『でくのぼう』であろうと真ん中にデカイやつがいる状況はイヤだった。いくらなんでも10回クロスが入ったら、1度は決定機を作られる。1度でもその状況を作られるのはイヤだった。その意味では、すぐさま盛田を投入したことは正解だった。結果はともかく、選手たちの心理面に与える影響は大きかったはず。盛田は『捨て駒』であったとしても、相手も平山が『捨て駒』になるわけで、これで実質的な脅威はなくなる。それはよかったのだが・・・。

やはり、中島と久保の投入について触れないわけにはいかないだろう。あの交代は、ムチャだと思う。どちらにとっても傷つくだけの投入。2人には、気の毒だったと思う。

前節で、中島の特長はある程度理解できた。具体的には『前方向には強い』選手ではあるが、『全方向に強い』選手ではないと思う。よってDFラインでは大きなミスを起こす選手ではないが、中盤ではミスを起こしやすい選手だと思う。もちろんプロ選手である以上、それほどレベルが低いわけではないはずだが、広島に来て日が浅く、他の選手との連係も確立していない中で中盤でプレーすることは、かなり困難だったはず。洋次郎を下げて盛田を投入したが、誰かを中盤に上げるでもなく、中盤は1人少ない状況。さらに押し込まれて、サポートも遅れている。当然、久保とのコンビネーションも皆無。ボールを受けても孤立し、味方を探しているうちにボールを奪われる繰り返し。これだったら、ミキッチをトップ下に入れて中島を右WBにするか、アオをトップ下に入れて中島をボランチにした方がマシ。前節はストヤノフをトップ下に入れる形が良いと考えたが、この試合は押し込まれている状況でもあり、あの時間帯にDFラインを変えるのは危険。かと言って・・・あまりにも無策。疲れた陽介に代えて、トップ下で相手ボールを追って、カウンターから攻撃の形を作るのなら、体力があって、ドリブルのできる選手じゃないと意味をなさない。中島を投入したいのなら、先のようなポジション変更をすべきだし、そうでないなら、ベンチにいたハンジェ、楽山、平繁をトップ下に投入すべき。この交代だけは、わずか5分とは言え、『醜態を晒す』だけの惨めなもので、とても後味の悪いものだったと思う。

寿人を休ませて久保を投入したのは、基本的に間違っていない。あの状況で平繁を1トップに投入しても、1人で相手に脅威を与えることはできない。『ハッタリ』という意味でも、タツの方がいい。しかし・・・タツも5年前のタツではない。あの当時のように、1人で勝負する雰囲気はない。タツが自然体でプレーするためには、『相棒』が必要なのである。タツにとって、誰がベストの『相棒』であるか。それは寿人でもアオでもない。おそらく、彼らは紅白戦でもほとんど同チームとしてプレーしていない。カズとコウジ、コウタを除けば、今のスタメン組でタツとコンビを作れる選手はいない。唯一サブ組の経験の長い洋次郎くらいではないだろうか。となると、今シーズンになって長くタツといっしょにプレーしているのは、ハンジェ、楽山、平繁であると思われる。この中でも、より近い位置で常にプレーしているのが平繁だ。紅白戦では、2トップ、あるいはシャドーとしてリュウイチはタツと組んでプレーしている。つまり、今一番タツのプレーをわかっているのはリュウイチだと思われる。

監督として3枚のカードしか使えないのだが、時には失敗もあるだろう。一度投入してしまうと、もう変更はできない。が・・・2試合続けて同じミスをしているとしか思えない。これはどうなんだろう。ウェズレイにこだわりすぎて、入れ替え戦でも敗れた2年前が思い出される。中島のトップ下も、久保と中島のコンビも、おそらく紅白戦ですらやったことはないはず。それをいきなり試合でぶつけてくるなんて・・・ちょっとあり得ない。これだけは、この監督をどうしても支持できないところだ。

持ち駒をうまく使って、この試合をもっと楽にできなかっただろうか。批判だけでなく、一応自分なりのシミュレーションをしてみたい。洋次郎と陽介の疲労、寿人の腰の状態を考えると、3人の交代は試合前から想定する必要があったと思われる。できれば後半20分過ぎで、2点のリードを奪った状況で、交代カードを切りたかったと思う。その意味では、ほぼ予定通りに試合は推移した。当然、相手の平山の投入も予想できた。その対抗策として盛田投入も予定していたと思われる。が・・・ここで盛田は平山につけただけで、ポジションの修正はしなかった。結果として『6バック』状態となり、相手を自陣深くに引き込んでしまった。もちろんペナの中の人数を増やすことで、競り合った後のこぼれ球を拾う確率は上がったが・・・。

まず洋次郎と陽介の交代の順番だが、この日の陽介は歯車が狂っていた。どっちを残すかと考えた時、この日『迷い』を持ってプレーしていた陽介を先に外したと思う。また、後で久保を投入するつもりであれば、やはり紅白戦で同チームでのプレー経験の長い洋次郎を残したと思う。そして盛田を投入し、盛田は『平山番』と位置づける。ただし、この時点でFC東京は『4−4−2』から『4−3−3』へシフトチェンジしていると思われる。となると・・・変形の4バックはやむを得ないところか。ストヤノフが真ん中で余って、あと2枚を槙野と森脇が見る・・・か。ただ、6バックは避けたい。どうしたものか。

『2点リードを守りたい』という考えに落ち着くか、『ゲームの流れを互角に戻したい』という方向に進むかの選択になるだろう。盛田を『平山を見る』という意味での投入ではなく、『中の高さを上げる』という意味で投入するのなら、森脇に代えて盛田を入れると考えればいい。森脇を右WBに入れて長友対策にぶつけ、ドリブルのあるミキッチをトップ下に移動する。これなら『ベタ引き』にならず、『3−6−1』のバランスは崩れない。守りに入って守れたのだから、必ずしも間違った方法ではなかったと思うが、やはり自陣深くに相手を引き込んでしまうと、何が起きるかわからない。できれば、試合展開を互角に戻す采配も必要ではないかと思う。この日は2点のリードがあったが、もし1点なら・・・また違っていたかもしれない。

その後の交代は、私なら久保とハンジェを投入したと思う。楽山を入れてボールキープで時間を使う方法もあったかもしれないが、全体のサポートが遅れている状況では楽山も長くはボールキープできなかったと思う。平繁も同じ。楽山と平繁の守備力の問題もある。総合的に考えると、パサーであるハンジェをトップ下に入れて、久保に対して効果的なボールを入れさせた方がいい。ボールを失う可能性も高いのだが、久保にいいボールさえ供給されれば、まだまだ相手を恐怖に陥れるだけの力はある。ここ2試合で、久保はほとんど自分の意図するところにボールを出してもらっていない。あくまでもリアクションのプレーをしているだけで、自分からアクションを起こしてプレーしていない。これで、久保を評価するのは無謀だ。ちゃんと久保の要求するボールを出せるパサーさえいれば、久保はまだまだ超一流のFWだと考えている。少なくとも、紅白戦を見る限り、その想いはある。

ともかくスタメン11人に関しては、どんな相手でも安定したレベルのサッカーを披露するレベルまで到達できていると思う。が・・・長いシーズン、11人だけでプレーできるわけでもない。特にこれからの暑い夏では、交代3人がどれだけ有効にプレーできるかが重要になってくる。この2試合の交代メンバーが機能していない実態を考えると・・・少し不安になってくる。

そろそろ『スーパー○○』の登場を期待したい。


2009/5/2】

[J1] サンフレッチェ広島 0−0 清水エスパルス

帰宅したのは、前半30分頃。無失点にホッとしながら、何か『重たい』試合を最後まで見た。


1.個々の評価(私の満足度)

GK中林・・・7.5
サンキュー!いやいや、マジでチームを救ってくれた。飛び出しやキャッチングにミスがないので、失点する感じは皆無だった。つなぎの部分では、今は無理をせずにロングを蹴ってる。当面は、これでいいと思う。フィールドプレーヤーたちも、連戦でかなりきつそうだし、判断が落ちている。いいと思う。2試合連続完封は価値がある。ともかく、このまま守り続けてほしい。

DFストヤノフ・・・5.0
存在感とかそういう意味では中島とは勝負にならない。しかし、チームとして『どっちが良かったか』と考えると微妙。少なくとも私には、ストヤノフが繰り出すロングボールに違和感を覚えた。また残念ながら、そのボールと寿人、シャドー、両アウトサイドとの相性も良くなかった。過去2試合と内容が異なっていたように感じてしまった。

DF槙野・・・6.0
さすがにヨンセンには競り勝てなかった。まあ、体は押さえていたのだが。シュートが枠に行っていたのは好印象。そろそろゴールが必要だ。

DF森脇・・・5.0
恐かった。森脇の狙うロングボール、ミドルパスがことごとくカットされた。森脇サイドにボールが展開されると、なぜか猛烈な恐怖心に駆られた。同サイドを中心にプレーするアオの問題もあったが、低調なパフォーマンスだったと思う。

DHカズ・・・6.0
これまでの試合と違って『カズらしくない試合』だった。つまり、カズがゲームをコントロールする展開にはなっていなかった。『つなぎ役』としてはいつも通りのプレーだったが、あくまでも血気盛んなストヤノフを活かすプレーに終始していたような。そのことで何度か食らったカウンターのシーンで見事なタックルやボール奪取を披露したことはすばらしかったのだが・・・これまでのように積極的に攻撃に参加する感じは見られなかった。アオが疲れてくると、チーム全体のパフォーマンスも猛烈に落ちる。そこでカズが存在感を示すべきだと思うのだが。

DH青山・・・5.5
明らかに疲れている。考えられないような判断の遅れから来るミスも見られた。あと2試合、厳しいぞ。

WB服部・・・6.0
この日はいいクロスが入っていた。DFとGKの間を巻いてくるようなボールが良かった。ただ・・・あの『壁』だから。なにか工夫がほしい。それとコウタのシュートが、この試合のカギだったように、試合が終わってから感じた。ミキッチと陽介、森脇が右サイドで基点になるシーンが何度かあった。そこから繰り出すボールが、何度か中央を越えてコウタのところへ流れてきた。これをダイレクトで狙ってほしかった。トラップして折り返そうとしていたシーンが何度か見られたのが残念だった。

WBミキッチ・・・5.0
前半30分くらいから見たので、それまでのミキッチを確認できていない。だから、ミキッチらしさをまったく感じないままに交代してしまった。1.5試合休んでいただけに、あそこで交代せずに、他の選手の分まで90分間走り続けてほしかったのだが。

MF高萩・・・5.5
全体的には悪くないし、いつもの洋次郎。問題は、相変わらずのシュートの下手さ。この日も2度3度と言わずゴールチャンスはあった。そこで決められない。寿人や陽介はマークされるだけに、彼らの後ろから入ってくる洋次郎は、どちらかと言うとフリーになりやすい。あれほど得点が奪えていた状況から、連戦によってアオのコンディションの問題が表面化し、多彩なゴールチャンスが作れなくなっている。こんな時だからこそ、カギになるのは『シャドーストライカー』だ。頼むぞ、洋次郎!

MF柏木・・・5.5
名古屋戦のキレはなかった。1本カウンターで、相手と1対2になった時は・・・真ん中を割らずに少し左に流れて左足を振り抜いてほしかったのだが。こういう試合でゴールを奪えるようになってこそ、本当の『スター』なんだが。

FW寿人・・・5.5
体の痛みを感じない安定したプレーだったと思う。が、あの『壁』を1人で相手にするのは困難だった。

MF中島・・・4.5
『守備的』ではないMFは無理じゃないかな。適正ではないと思う。ホームだったし、勝ちに行くのなら、中島をリベロにして、ストヤノフをトップ下に入れた方が良かったと思う。メンバーが足りないのはわかるが、あそこで中島を起用するのは無理だと思う。

WB楽山・・・4.5
試合を落ち着かせるのには価値のあるプレーヤーだと思うが、勝ちに行くために必要な選手とは思えない。最近の楽山を見ていると『破壊力』というのを、まったく感じない。

FW久保・・・5.0
勝敗に関係なく、タツがいるだけで満足してしまう自分がいる。ただ・・・あまりにも時間が短い。エンジンのかかりも遅い。ラストプレーで、ものすごいジャンプ力で相手のはるか上まで到達しているのを見ると、もう5分ほしかった。このまま、このような起用で、タツが評価を落とし、存在感が薄れ、この世界から去っていくのだけは見たくない。


2.全体の感想

前半30分までは、ダイジェストしか見ていない。家族の話では、ほぼ一方的に攻めていたと言うが・・・私が見始めてからは、互角の展開だった。

こういうサッカーだけに、走れなくなったら厳しくなる。特にアオの走力が落ちてくると致命傷になる。アオが走れなくなって、いいポジションがとれなくなってくると、ボールを受けても前を向けなくなる。前を向けないと、前線にミドルパスを提供できなくなる。そうなると、再びボールはDFラインに戻り、結果としてストヤノフからのロングボールばかりになってしまう。 またアオのパフォーマンスが落ちてくると、それがモロに右サイドからの攻撃に影響してくる。この日は、ミキッチ、アオ、森脇の右サイドで何度もボールが停滞してしまった。相手もそこを狙っていて、試合終盤には激しいプレスをかけてきた。左サイドは、コウタ、カズ、槙野でいつも通りの崩しができていたのに・・・右サイドは落ち着かなかった。この状態は、あと2試合続く。どうやって対処していくのか。

この日の選手交代は、おそらく『予定通り』だったと思われる。ミキッチの交代は理由が見つからないが、陽介と洋次郎は、これからの連戦を想定したもの。彼らを休ませることが目的だったと思う。理解できる部分もあるが、ここで『勝ち点3』を簡単に放棄すべきなんだろうか。ホームゲームでもある。逆に、交代後に流れは清水に変わっている。もし負けていたら・・・どうするんだろう。その危険性は十分あったと思う。最近はミシャについて、一切コメントしていないし、ミシャのインタビューも一切見ないことにしている。コーチとしては、とても素晴らしい人だと尊敬しているが、監督しては・・・まだ疑問を持っている。こういうところが理解できないからだ。

疲れの見える選手は休ませたい。けれど、ホームで『勝ち点3』はほしい。だとすれば、他に手段はなかったのか。ミキッチは疲れていたようにも見えた。しかし『一発』のある選手でもある。楽山やハンジェにはないものを持ってるスペシャルな選手。しかも、彼は1.5試合休んでおり、さらに『退場』に対して『取り返したい』という意識もあったと思う。だからこそ、代えるべきではなかったと考える。陽介と洋次郎については、交代が必要だったことは間違いない。一誠が間に合わない状況では、あと2試合、彼らには戦ってもらわなくてはならない。けれど、彼らを代えた後、どうやってパフォーマンスを維持するのか。そこまで考えていたのだろうか。トップ下を2枚代えるのだが、そのままそこへ入れる交替選手は現在いない。だとすれば、システムを変えるしかない。そこで久保を投入することはアリだ。2トップにすることは間違っていないと思う。ただし・・・時間が短かった。特に『清水の壁』に対して、どうしようもない状態に陥っていたのだから、あの『壁』を混乱させるためにも、早めの久保投入はあるべきだと思う。後半20〜30分で洋次郎を下げ、久保を投入し、2トップにしてトップ下に陽介を入れる。これが最初の交代。次に、陽介を下げて、それでもパフォーマンスを落とさず、攻撃力をアップする方法を考える。ドリブルのある清水や平繁も考えられるが、2列目でゲームを組み立てられる選手でもない。2列目でゲームをコントロールできる可能性があるのは、カズとアオしかいない。カズをあの位置から動かすのは、あまりにもリスクが大きすぎる。よって、一番簡単なのはアオをトップ下に上げる方法。中島をボランチに入れ、アオを一列上げる。が・・・陽介と同様、アオの疲労も激しい。この交代は、何ももたらさない。そこで考えるのは、過去2試合、中島がセンターバックに入って守備が安定していたこと。つまり、中島をセンターバックに入れること。となると・・・ストヤノフが浮く。『ストヤノフをトップ下に入れればいいじゃないか』という発想が出てくる。これは悪くないだろうし、清水にとっても脅威だと思う。清水のみならず、他チームも寿人と久保の2トップの下に、ストヤノフが入る形を見たこともないし、スカウティングもしたことがない。もちろん、サンフの人間も見たことない。でも・・・アリだと思う。アオの疲れも考慮してアオも下げるとしたら、ストヤノフをボランチにして、トップ下に楽山を入れてもいいと思う。『使える選手』を全部使って、最高のパフォーマンスを常に発揮できる状態を作り上げることも、監督の仕事だと思う。

試合としては、この状態の中でも『勝ち点1』を奪ったことは評価できるし、2試合連続で無失点に抑えたことも評価できる。が・・・もっともっとできると思ったし、そこがモヤモヤしている。そろそろ『飽きた』気持ちも出てきた。何か『変化』がほしい。


2009/4/29】

[J1] 名古屋グランパスエイト 0−0 サンフレッチェ広島

ミキッチが欠けただけで、

ここまで攻撃力が落ちるものなのか・・・と。が、よく『勝ち点1』を持って帰ったと安堵の試合でもあった。


1.個々の評価(私の満足度)

GK中林・・・7.0
すばらしい。これが本来の中林の実力なんだと思う。試合には出ていなかったものの、中林の評価は高かった。彼は紅白戦で、常にレギュラー組と対峙していた。紅白戦を知る人は、『中林がいなかったらもっと得点が入っていた』と、よく言っていた。それくらい反応、判断がすばらしいと聞いていた。過去2試合、自らのミスから失点を招き、勝利を得ることができなかった。しかし・・・この日は、間違いなく中林の実力で『勝ち点1』を奪い取った。ハイボールの対応では、アキは腰が引けたようなプレーをすることがあったが、中林はそんな感じを受けなかったし、守備範囲も広かった。DF陣は、かなり救われていたと思う。他にもミドルシュートの反応なども安定していた。広島ユース出身者を『ひいき』にする傾向が強いチームなのだが、中林もこれでサンフレッチェの一員として正式に認められたと思う。是非レンタルから完全移籍を獲得して、アキと2人で切磋琢磨し、永くサンフレッチェでプレーしてほしいと思う。

DF中島・・・6.0
ほとんど存在感を確認できなかった。『中島』という存在を確認できたのは、ドリブルを潰されたカウンターを受けたシーンくらい。しかし・・・このことは必ずしも『負の評価』ではない。中島がほとんど目立たなかった分、カズ、森脇、槙野がとても多くボールに絡んでいた。彼らのボールタッチは目立っていた。ストヤノフは、どちらかと言うと『目立ちたがり』である。時にはバランスを崩してしまうことがある。ところが、中島は周りのタレントを巧く引き出した。中島自身は守備のバランスを最優先し、攻撃は他のタレントに任していたように見えた。結果として、サンフの特長はきちんと発揮されていたし、違和感もなかった。ストヤノフの役割はカズがこなしていたし、チーム力が落ちた感じはなかった。その意味では、中島の存在価値はとても高かったと思う。

DF槙野・・・6.0
守備では不安な部分もあったが、全体的には悪くなかったと思う。ただ・・・攻撃に関しては不満。この日はミキッチがいないため、どうしても左サイドの破壊力に頼るしかない状況だった。しかし、槙野は何度かドリブル突破を試みたものの、まったくの不発だった。特にペナの近くで勝負に行った場面では、ことごとくボールを失った。J2では通用したことが、J1では通用しなかった。まだまだレベルアップしなくてはならない。

DF森脇・・・6.0
ミキッチがいないため、攻撃の部分で右サイドをどれだけサポートできるのかと期待していたが、そこまでできなかった。結局、ミキッチがいないと、右サイドは苦しいという現実を認めざるを得なかった。

DHカズ・・・6.0
この日は『1人2役』を演じていた。本来のカズがやるべき仕事と、ストヤノフのやるべき仕事の2つをやっていたように見えた。ストヤノフとミキッチがいない状況で、これまでの攻撃力を落とさないためには、槙野と森脇を積極的に攻撃に参加させるしかない。もちろん、積極的に攻めさせた後のカバーリングもしなくてはならない。またストヤノフが出していた最前線へのロングフィードも、カズがやるしかない。複数の役割をこなしながら、目立たないけど『大車輪』の活躍をしていたと思う。相手もカズをターゲットにしていたようで、何度もそこを狙っていた。一度スローインからのボールを狙われて、危険な場面を作られた。あれは危なかったが、それ以外はダヴィのドリブル突破も含めて、冷静に対応できていたと思う。いかにも『カズがカズらしい存在感を示した』試合だったと思う。

DH青山・・・5.5
この日はメンバー的にいくつかの問題のあった試合だったが、それ以外の苦戦の要素としては、アオが本来の実力を発揮できなかったことがあったと思う。この日のアオは、ミスが多かった。おそらく2つの要因があったと思う。1つは、相手がアオを封じに来ていたと思われること。これまでのサンフの試合を分析していれば、誰でも『アオのロングフィード』が危険であることはわかるはず。これを封じるには、アオが簡単に前を向いてボールを受けられない状態を作り出すしかない。よって、アオに対してかなり厳しいプレスをかけていたように見えた。さらにアオのコンディションにも厳しいものがあったのではないだろうか。前節から中2日。名古屋への移動もある。攻守に体力を消耗するポジションだけに、アオが連戦の影響を一番受けやすい。『判断ミス』と思われるキレのなさも時折感じられた。あと3試合、週2試合の連戦が続く。アオの運動量と展開力が『攻撃の命綱』のチームだけに・・・大変だろうけど、がんばってほしい。

WB服部・・・6.0
コウタとしては、ほぼ100%やりきったと思う。が・・・やはり、ミキッチ不在で左サイドの攻撃負荷が高くなると、限界が見えてしまう。ペナまではボールを運べても、そこから完全に崩せない。崩しきってのクロスが入らないから、高さのない攻撃陣では得点できない。そのためコウタのところで起点を作り、槙野が絡んで、陽介とのワンツーでペナに進入し、そこから強引に崩してシュートに持ち込むしかなかった。けど・・・フィジカルのないアタッカー陣では苦しい。う〜ん、限界と言えば限界。

WBハンジェ・・・5.0
残念ながら、存在感がなかった。まあ、ミキッチがあまりにもスーパーな存在であり、逆にその存在感を痛感してしまった。ハンジェがやっていたのは、昨シーズンのJ2と同じ。『やれることをやった』プレーのみ。確かにボールは収まるが、そこから前へボールを運ぶことができない。ミキッチは、まず『運べるところまで運ぶ』というプレーをする。わかってはいたが、その違いは大きかった。また守備の部分でも、このサイドはかなり激しくドリブルで攻め立てられていて、何度か縦への突破を許してしまった。今後ミキッチ不在の時、ハンジェを選択すればこの状況から脱することはできないわけで・・・違う選択肢も準備する必要があるのではないかと思う。

MF高萩・・・6.0
陽介はなぜ『代表』候補として名が挙がり、洋次郎は挙がらないのか。洋次郎は、陽介に劣らない才能を持っている。運動量、キック力、視野の広さは陽介を凌駕する。しかし、あまり評価されない。それは残念だし、悔しい。ピクシーにとって、この日一番厄介な存在は陽介だったと思う。が、洋次郎も同じくらいイヤな存在だったはず。けど・・・陽介ほど恐さは感じていなかったと思う。洋次郎の弱点は、そのムラっ気と軽さ。さらにシュートの下手さ。逆サイドまで、40〜50メートルのボールをピンポイントで通すキック力と破壊力を持っていながら、なぜかシュートは枠を捉えない。シュートなら、一誠の方がはるかに精度が高い。また180センチを超える長身でありながら、ゴール前の競り合いに強くない。ここを改善しない限り、洋次郎は『いい選手』ではあるが、『代表』からお呼びがかかるほどの選手にはなれない。なんとか『スター』になってほしい、魅力いっぱいの選手なのだが。

MF柏木・・・7.5
陽介は『特異』な選手だと思ってる。多くの選手は、11人のチームにとって『部品』であり、チーム戦術や戦い方が大きく変化することはない。ところが、陽介には『部品』以外のモノがある。陽介が入ることで、サッカーの『質』までが変わってしまう何かがある。今の陽介は、心身ともに絶好調のようで、活き活きと躍動しているのがわかる。その陽介について、是非ピクシーのコメントを聞きたい。ストイコビッチという世界的な『ファンタジスタ』に、『柏木陽介』がどのように映ったのか。あるいは、何が足りないのか。それを聞いてみたかった。それくらい名古屋にとって陽介は『鬱陶しい』選手だったと思う。90分間、激しく動き回る。しかも、ただ走ってるだけでなくダッシュを繰り返す。奪われたボールに激しくアタックして奪い返す。ボールを奪うとちょこまかと変幻自在なボール扱いを見せる。相手にとって、とんでもなく厄介な存在だったはずだ。しかし『恐いか』と言われると、それは否定するだろう。ダヴィがボールを持って前を向いた時の恐さとは、雲泥の違いがある。スタイルが違うとはいえ、そこが陽介に足りない部分。つまり『ゴールを奪う』という部分。陽介は目立つプレーヤーではあるが、まだまだ『チャンスメーカー』にすぎない。プラティニも、ジダンも、デルピエロも、バッジオも、リベリも・・・彼らは『チャンスメーカー』の枠から飛び出し、『セカンドアタッカー』として君臨してきた。それが残念ながら、陽介には足りないんだと思う。こういうミキッチがいなくて、いつもの攻撃ができないゲームで、いかに違うスタイルを見せて得点を奪えるのか。それが求められていると思うのだが・・・陽介が『代表』に行くためには。

FW寿人・・・7.0
以前の寿人には『1トップ』というイメージは沸かなかった。それよりも小柄でスピードと瞬発力を活かした『2トップで裏を狙うアタッカー』というイメージの方が強かった。ところが、最近そのイメージが変わってきてる。丸1シーズン『1トップ』としてプレーしてきたことと、他のプレーヤーとの連係を高めたことで、寿人なりの『1トップ』の完成形を作っているような気がする。最近見られるのは、左右のサイドに大きく流れてボールを受けるプレー。大きく開いて、そこでロングボールを受け、確実にボールを収めるシーンが目に付く。今までのように『DFラインの裏』ばかりでなく、また敵を背後に背負うプレーも減っている。この辺りは『進歩』だろうと思う。グランドの幅を大きく使うようになってきたことで、逆にゴールへ直線的に向かうロングボールもオフサイドにかからず受けられるようになって来ている。横に流れることで、DFのギャップめがけて走りこみやすくなったのではないだろうか。もちろん、ボールを供給するアオとの『阿吽の呼吸』の成熟もあるだろう。ともかく、以前は2トップだけで攻めようとして簡単にボールを失ったり、背後から激しいフィジカルコンタクトを受けてコロコロ転がっていたりしたシーンが目立っていたが、最近はほとんどボールを失うシーンを目撃しない。新しい『1トップの寿人』を見事に披露していると思う。

WB楽山・・・5.5
ゲームを落ち着かせたことは事実だと思うが、大きく好転したわけでもない。もっとドリブルでチャレンジしてほしいのだが。


2.全体の感想

この試合は『主力が欠けた時』の試金石だったと思う。その意味で、いろいろ考えさせられた。

今のチームで、絶対に欠けてはならない選手が数人いる。それは、寿人、ミキッチ、青山、カズの4人だ。彼らのうち、1人でも欠けるとチームが変わってしまう。大きな戦力低下を招く。

ちなみに、ストヤノフや陽介も存在感は大きいが、彼ら不在でも、チームの根底が崩れるほどの衝撃はない。またある程度代わりを務められる選手もいる。ストヤノフなら、中島とカズのコンビで近いパフォーマンスを出せるし、陽介なら洋次郎と一誠でカバーできる。けど前述の4人は・・・代役がいない。しかし、いつかは出場停止やケガ、代表選出などで不在のケースも考えられる。その場合、どうすればいいのか、少し考えてみたい。

今回、ミキッチが不在だった。あらためてミキッチの破壊力や存在感を思い知らされ、ミキッチがいないと『得点を奪えない』現実に直面してしまった。今回は代役をハンジェと楽山に求めたわけだが、やはり同レベルの攻撃は不可能だった。もう『お手上げ』なのだろうか。ヒントは、前節のミキッチ退場後にあったように思う。あの時、3バックを構成していた森脇を右WBの位置に上げ、槙野を右サイドへ移した。森脇と槙野という『前への迫力』があるサイドアタッカーを右サイドの前後に配置したわけだ。このことによって、本来は1人少なくなって守備的になる状況を、彼ら2人が前へ激しくボールを運ぶことで反転攻勢を仕掛けた。つまり『ミキッチ不在』の答えは、ここにあるのだろうと思う。右サイドを森脇と槙野のコンビにして、左サイドに服部と盛田のコンビにする。これで最悪の状態を回避できるのではないかと思われる。

あとの3人については、なかなか難しい。寿人不在の場合、代案が見つからない。J2の昨シーズンでは、洋次郎を1トップで起用した試合もあった。が、前述のように『アオ→寿人』のホットラインが攻撃の基軸になっている現状では、軸がぶれてしまう。かと言って、平繁、久保では同様のことはできないだろう。今の攻撃は『寿人がいる』ことを前提に成り立っている部分が大きく、寿人が出場できなかったり、長期で出場できないアクシデントが発生した場合、非常に困難な状況が生まれると予想できる。

アオとカズは、どちらが欠けても大変な状況が生まれる。今の攻撃は『アオにはじまる』状況であり、アオのミドルパスによって攻撃がコントロールされている。もしアオが不在となれば、あのようなミドルパスが激減する可能性がある。ショートパスが多くなりすぎて狭いサッカーになったり、ストヤノフがバンバン蹴ってしまう展開に陥るかもしれない。またアオがあそこまで思い切って攻撃にかかわり、自由に攻撃のタクトを揮えるのも、カズが後ろのバランスをとっているから。カズが不在ならアオはあそこまで攻撃にかかわれなくなってしまう。逆にアオが不在なら、カズはアオの分まで攻撃の負担を背負い込んでしまうことになり、カズ自身もキャパオーバーになってしまう。カズが不在の場合は、中島が代役になるのだろうが、その場合はストヤノフの負荷が著しく上がってしまう可能性が高い。これもまた、しんどい。アオ不在の場合は・・・本当ならコウジなんだろうけど。結果として、一誠、洋次郎のどちらかが務めるしかないのだろうか。個人的には、トモに出てきてほしいのだが。

ともかく、この試合に関しては、『中2日』というスケジュールの問題、ミキッチとストヤノフ、さらに一誠不在と言う状況下で、名古屋相手に引き分けをもぎ取った価値は大きい。名古屋もケガ人を多く抱え、さらにACLで疲労も激しい中であり、サンフ以上に厳しい状況ではあったが、アウェーで互角の戦い方ができたことは大きい。特に、昨シーズンのJ2にはない『強力な外国人FW』を擁し、そこを狙ってゴリゴリ攻めてくる一番苦手なスタイルのサッカーを相手にしていただけに、この手の相手にも屈しなかったことは大きいと思う。

3試合連続のドローで、またまた『勝ち点3』を奪えなかったことは残念ではあるが、4月を負けなしでクリアしたことは自信にもなったと思う。次はミキッチもストヤノフも復帰するだろうし、盛田も復帰間近だ。一誠も2週間程度で回復できそうだし、なんとか再度態勢を整えることができそうだ。とは言え・・・長丁場のリーグ戦だけに、控えメンバーの充実は重要。それを深く考えさせられる試合だった。


2009/4/26】

[J1] サンフレッチェ広島 1−1 川崎フロンターレ

またまた『勝ち点3』を逃した。もったいない試合だった。が・・・楽しい試合でもあった。



次の試合まで時間もないので、簡易版の観戦記にしたい。


1.守備について

中島中心の3バックは悪くなかった。やはり日本人同士ということもあり、コミュニケーションはとりやすそうだ。さらにストヤノフと違って、中島には相手のアタックを受け止める強さはない。よって、どうしても高い位置でグループとして守る意識が強い。そのためラインが深くなるすぎることもなく、10人になってもあまり押し込まれずに済んだとも言える。

個人技で力任せに崩しに来る相手に対して、ペナの中へ入れさせない守備ができていた。ストヤノフの場合は、かなり簡単に侵入を許しているが、この日はほとんどペナの中には入れさせていない。ラインが下がらないということは、ペナの外にかなり分厚い『紫の壁』が形成されており、そのコンパクトなゾーン内で、相手から何度もボールを奪えていた。特に相手がボールを保持して考えている間に、柏木や寿人が下りてきて、そこで潰したシーンが何度もあった。彼らが下りて来れる位置で相手を食い止めることができたことが、その伏線になっていたと考える。

それにしても・・・1人少なくなって、ああいう戦いするもんかなあ。

       寿人
     柏木
        青山
楽山  高萩      森脇
  カズ  中島  槙野
      中林

普通なら3バックはいじらずに、ハンジェを入れて、陽介か洋次郎を下げるのが普通。けど・・・攻撃性の強いタレントをベンチに下げず、逆に森脇を前へ上げて、カズを下げた。かなり無茶をするもんだ。大量失点しなくて良かったと思う。ここで大崩れしていたら・・・マジで、2年前の再現になるところだった。

終盤、相手も破壊力のある外国人を3枚並べてきた。それに対して、3人しか残っていない。本来は洋次郎よりもアオの方が後ろなんだろうけど、アオはガンガン上がっていく。途中から、洋次郎が後ろでバランスを取り始めていた。しかし・・・アオだけでなく、中島もカズも、チャンスと見たらガンガン上がっていく。終盤のビッグチャンスは、彼らのオーバーラップから生まれている。いや〜、驚いた。

J1屈指の『個の破壊力』がある川崎を、ミスによる1失点で食い止めたことは大きい。でも、途中で川崎の足が止まったことも事実。ACLのため、サンフよりも無理な状況の中で戦っている川崎。1人退場後、『1人分』をフィールドプレーヤー9人でカバーし、相手を上回る運動量で圧倒したことはすばらしい。が・・・今回だけは、正当に評価するのは難しいと考える。


2.攻撃について

実は、あの失点・・・あれは『守備のミス』ではない。あれは『攻撃のミス』だ。

あの場面、中林は槙野のサイドでパスコースを探していた。しかし、そのサイドは敵も味方も多く、中央を見て、下りてきた森脇を確認する。この時、森脇はまだ『ボールが来る』という意識はなかったと思う。残念ながら、アキであれば、あのタイミングでボールは出さなかったと思われる。その感覚で、森脇は動いていたと思う。よって、背後を確認できず、『とりあえず』中林に戻してリターンを受け直そうとした。そこを背後から狙われて奪われたわけだ。

こういうのは、技術的な部分とかスキルの問題ではないと思う。試合経験とか、意思疎通の問題。試合を繰り返して、お互いの連係を高めるしかない。特にサンフのスタイルは、GKは『攻撃の起点』であり、あるいは『11人目のフィールドプレーヤー』である。中林と森脇の間の理解度が欠けていたというのは言い訳にすぎず、きっちり試合で披露できるレベルまで引き上げなければならない。ここが崩れてしまうと、このサッカーの根本が崩れてしまう。

攻撃全体を見ると、徐々に『アオの存在』が際立ってきている。アオから繰り出される20〜40メートルのパスがビシバシ通る。DFラインとカズを中心にボールを動かしている間に、アオが中盤のいいポジションへ移動し、巧みにボールを動かしてアオにボールが入った瞬間、スイッチが入ったようにアタッカー陣がスタートを切る。そこへ計ったように精度の高いパスが飛んでいく。ショートパスからロングパスへ切り替わった瞬間、一気にカウンターへ攻撃に切り替わっている。またアオのパスが繰り出された後のプレーも、試合を重ねるごとに整理されてきている。シーズン開幕直後は、ミキッチにボールが入っても、ミキッチはまだプレーを探していた。しかし、今は一切迷うことなくスピードを活かしたプレーを選択している。これはコウタも同じだし、陽介や一誠、洋次郎も同じ。迷わないから、アタッカー陣が足を止めずに全力で走り抜けている。そして、その流れのままフィニッシュを取れている。だからこそ、他チームのようにバイタルエリアで停滞せず、一気にフィニッシュまで持ち込めるから圧倒的な『シュート数』を誇っているわけだ。

もちろん、アオが躊躇せず攻撃に参加できるのは、後ろでバランスを取っているカズの存在が大きい。この日の終盤は、なんと洋次郎がバランスを取っていたようにも見えた。アオが攻撃に関わる回数が多くなればなるほど、寿人も陽介も活きてくる。この攻撃力を維持するためにも、アオを攻撃の場面に押し出すバランサーの存在が重要になってくると思われる。


3.全体の感想

ミキッチが退場になったプレーは、微妙だ。相手の手はかかっているし、ミキッチはファールを求めるプレーヤーではない。彼は『真のドリブラー』であり、ファールを受けることを『是』としていない。彼は相手をドリブルで抜くことに情熱を注いでいる。そんなミキッチが、わざと倒れるわけがない。退場になるまでのミキッチのプレーを間近に見ているレフリーが気づかないわけがない。

ミキッチのスピードは速い。相手も止めるために体を押さえに来る。あのスピードで相手の抵抗を受ければ、多少なりともバランスが崩れる。故意でなくてもバランスを崩し、足を滑らすシーンも生まれる。だからこそ、あの場面で笛を吹くのはおかしい。笛を吹いてしまえば、PKを与えるか、シミュレーションで警告を与えるしかない。どちらのチームにとっても、深い傷を負ってしまう。だからこそ、あの場面は流すべきだった。レフリーが何もアクションを起こさなければ、どちらも傷を負わない。ガンバ戦のPKも、レフリーが流していれば問題ないシーンだった。

もちろん、その前に受けた警告は良くない。ああいう軽率な警告を受けたことが、その後の『事件』を引き起こすことになった。ミキッチには、猛省を促したい。ただ・・・2枚目の警告が出たとき、ミキッチは見苦しい態度をとらなかった。不満はあるにせよ、判定を受け入れ、スタンドに謝罪しながらベンチ奥に消えていった。いさぎよい男だと思う。

ミキッチの退場も痛かったが、一誠の負傷退場も痛かった。この日の一誠は、これまでで最高の出来だった。キレ方が尋常ではなかった。それだけに・・・惜しい。もったいなさすぎる。早期復活を希望する。

2年前なら、ああいう失点の後にズルズルと失点を重ねて大敗を喫していた。しかし、今はそういう雰囲気がまったくない。必ず『点を奪える』と全員が信じて、チャレンジできている。10人になろうとも、DFの槙野も中島も、カズまでもがチャンスとみれば最前線まで走り抜いていた。いままでのサンフの歴史ではあり得なかったことだ。

欲を言えば・・・終盤の攻撃で、1点奪いたかった。『惜しい』『よかった』・・・で満足するのは、そろそろ卒業しないと。鹿島戦以外は、常に主導権を握ったスペクタルな『自分たちのサッカー』ができているのに、2勝3分2敗の『勝ち点9』だ。勝たないと・・・そろそろ。


2009/4/18】

[J1] アルビレックス新潟 3−3 サンフレッチェ広島

引き分けに持ち込んだことを称えるべきなのか、簡単に3失点したことを責めるべきなのか・・・なんとも微妙な試合だった。


1.個々の評価(私の満足度)

GKアキ・・・4.5
あれは、どうなんだろ。少なくとも触れなかったんだから『判断ミス』と言われても仕方がない。飛び出すタイミングの問題なのか、それとも躊躇すべきだったのか。ああいう部分で『勝負できるGK』に成長してほしい。

DF槙野・・・5.5
守りに関しては、ヘディングの競り合いに勝てていない。立ち上がりは何度も危ない場面があった。ベディングに負けてはいけない。攻撃面では、やっぱりシュートを決めないと。枠内も枠外もあったが・・・やっぱ、決めないと。

DFストヤノフ・・・5.5
かなりプレスを受けていて、それをなんとかいなしていたものの、いつものストヤノフではなかった。ミスもあった。致命傷にはなっていないが、ちと恐かった。守りでは、1点目の場面で裏を取られた。あれはアキが取ると流したのだろうか。どっちにしても失点し、アキは負傷した。あの守りは良くなかったと思う。

DF森脇・・・5.5
負傷上がりとしてはよくがんばっていた。ただ、体はキレていなかったと思う。それでも、ミキッチとの関係が次第に良くなっているようにも感じた。ミキッチをダミーに、ドンドン内側に斬り込んで左足で狙ってほしい。

DHカズ・・・6.0
3失点はちーむとして『いただけない』が、そこからのゲームコントロールはうまくできていたと思う。ひたすらカウンターを狙ってくる新潟に対して、カウンターに対処できる態勢を維持した状態で周りの選手を攻撃させていた。大宮戦のような感じはなかった。1本惜しいミドルもあったし、この試合展開にしては評価できる内容だったのではないかと思う。

DH青山・・・6.0
悪くない。アオの特長が良く表現されていた試合だったと思う。特に不満はない。

WB服部・・・6.0
タイミングを見計らったロングランニングは、実に見事。『走ればボールが出る』というレベルまでチームも成長しているし、それを信じて走りきっているコウタもすごい。それでもあえて注文が2つ。ひとつは、クロスの質。新潟の高い壁に対して、あまり工夫が感じられなかった。それと・・・あの寿人の幻のゴール。あれはコウタに撃ってほしかった。

WBミキッチ・・・6.0
立ち上がりは1対1に負けていたが、途中から圧勝だった。あのチャレンジ精神と自信・・・すごい選手だ。ただ、クロスがちょっと、なあ。あまり中とは合っていなかった感じ。それでも本当に良く走っていたし、あの時間の交代はやむを得ないこと。ミキッチがあのサイドで勝負してくれることで、新潟のあのサイドはほとんど攻撃参加できなかったんだから、その価値は大きかった。

MF柏木・・・6.5
いやいや、いいゴールだ。この試合だけでなく、これからの試合にとっても陽介にとって価値のあるゴールだったと思う。あの距離からあれだけ精度の高いシュートを撃たれると、やはりDF側は陽介のシュートをケアしてくるだろう。そうなると、ドリブルやワンツーを使いやすくなる。『点の取れるセカンドアタッカー』に近づいてほしい。

MF高柳・・・6.0
徐々に違和感がなくなりつつある。安定したいいプレーができていると思う。1本強烈なシュートもあったし。ただ・・・体力的にきつくなってる感じ。ここまで連続してスタメン出場はないだろうし。レギュラー定着への正念場だな。

FW寿人・・・6.5
1点目は、本当にすばらしい。ああいう『ワンチャンス』をきっちり決めてくれると、本当に助かる。今回は、特に不満なし。

GK中林・・・4.5
まあ、気の毒だった。完全に試合に入れないまま失点し、ゲームは進み、終わってしまった。冷静になれないまま中林の『初陣』が終わってしまった。2点目のミスは、通常の練習ではあり得ない。アキの状態はよくわからないが、中林にとってはチャンスなのだから、反省するところは反省して、次に向けて準備してほしい。

MF高萩・・・5.5
決めんかい、洋次郎。あのヘディングを決めたら、終わってたやんか。まっ、同点に追いついたコーナーキックは、洋次郎らしい対応しづらいスピードボールだったので、それはOK!あとは、シュートが見たかったんだけどなあ。

WB楽山・・・5.5
ミキッチと同じことができるわけはなく、それなりの安定したプレーを見せていた。寿人へのクロスは、良かったんだけどなあ。ただ・・・最近、楽山の特長が良くわからなくなっている。


2.守備について

2点はGKのミスだからなあ・・・ちと、厳しい。何かして修正できることでもないし。

細かいことを言えば、1点目はよく見ると、ストヤノフと槙野はオフサイドをアピールしていた。しかし森脇が残っていた。あれは、DFラインの『連係ミス』とも言える。あのあたりを修正できないもんかなあ。

2点目と3点目は、完全にパニくっていたので・・・あの状況は責められないかも。あれは『事故』だから。

失点シーンを、もう一度DVDで確認してみた。

1点目は、ミキッチのサイドをドリブルで持ち込まれ、そこから服部のサイドにボールを展開されたところから始まる。この時、一度3バックがペナの中深くまで下がって網を張っていた。ここで、一度相手の攻撃を食い止め、服部がドリブルをカットしている。しかし、そのボールが大きく前方に転がる。ここで、ストヤノフはペナの外までラインを上げようと前に出ていた。槙野も同様にペナの外まで位置を上げようとしていた。ところが・・・森脇は、残っている。ストヤノフは、ペドロ・ジュニオールのマークを外し、ペドロ・ジュニオールを自分の背後に置いていた。ストヤノフの頭の中には、森脇もいっしょにラインを上げて、ペドロ・ジュニオールにボールが出てもオフサイドをとれると考えていたのではないだろうか。

服部がカットしたボールを拾った選手に対して、柏木がチェックに行く。その柏木に対して、すこし横にずらして、そこからいきなりPKマーク付近に浮き球が送られた。当然、ストヤノフはペドロ・ジュニオールを視野から外している。ストヤノフの背後に出されたボールに、ペドロ・ジュニオールが頭を突き出して、飛び出してきたアキが手を伸ばす直前に当ててゴールに流し込んだ。

不思議なのは、この時の森脇の行動。ロングパスが出た瞬間に、森脇は手を挙げて何かをアピールしている。この時点で、森脇は自分の前後に相手を抱えている。ストヤノフの背後、自分の目の前にペドロ・ジュニオールを置いている。また自分の背後に、もう1人のFWを置いている。森脇が手を挙げたのは、おそらくペドロ・ジュニオールのオフサイドのアピールだと思う。自分の背後の選手を視野に入れているとは思えないので、その選手のオフサイドのアピールは考えにくい。となると・・・ペドロ・ジュニオールのオフサイドしか考えられない。しかし、映像を見る限りではまったくオフサイドではない。間に合わないと考えた森脇が苦し紛れにアピールしたのか、それとも斜めの角度でペドロ・ジュニオールを見てオフサイドと勘違いしたのかのどちらかだ。

どちらにせよ、この時点で、ストヤノフと槙野、それと森脇の意識はズレていたわけだ。そこが一番の問題。きちんと声で連係を確認していなかったストヤノフと槙野も悪いが、やはりここは彼らとの意識を合わせられなかった森脇に問題があったと考えるべきだと思う。森脇は、あの場面で自分が遅れていたのはわかっていたはずだし、少なくともそのことをストヤノフに伝える義務はあった。オフサイドをアピールしたくらいだから、ストヤノフの背後に入り込まれていたことも認識していたわけだ。自分が遅れたら遅れたで、それを修正すればよかったのだ。森脇がラインアップに遅れたこと、遅れたことによるズレの修正を行わなかったこと・・・この2つが致命傷になった。

DFラインがパニック状態に陥っていたわけではない場面での失点だけに、あまりにももったいなかったと考える。『守備練習』というのを基本的にやっていないわけで、その部分は選手の判断に委ねられているのが現状。だからこそ・・・もう一度、森脇がストヤノフと槙野と話を持ちかけて、この場面について反省する必要があると思われる。

2点目は、GK交代直後の相手の攻撃で、ペドロ・ジュニオールにドリブルでペナの中まで運ばれ、そこからのシュートをかろうじてストヤノフが体に当ててCKを与えてしまったことから始まった。ただ・・・ボール自体はイージーで、しかも中林の飛び出しを妨げるものは何もなかった。敵も味方も、誰一人そのゾーンにはいなかった。キャッチングも、普通にオーバーハンドキャッチで取りに行っており、変な手の使い方をしていたわけではない。あくまでもキャッチミス。この失点は、修正できる次元を超えてしまっていた。

3点目は、矢野に服部サイドをドリブルで仕掛けられたところから始まる。縦への突破を食い止め、マルシオへボールは戻される。マルシオは一度下がるように見せかけて、中央へ巧みにクサビのパスを打ち込む。ここから新潟は中央突破を仕掛けるものの、なんとか人数を集めて中央ではシュートを撃たせなかった。この時、中央に森脇、ストヤノフ、槙野がペナの中で網を張っていた。また両WBも中央寄せていた。ペナの外で、カズとアオが『ワイパー』の役割を負い、そこで激しくプレスをかけていた。

ところが中央でシュートが撃てなかったため、再び服部サイドの深い位置へボールを展開してくる。服部は中央に寄せていたため、サイドに残っていた矢野にボールが送られた時、完全にフリーの状態になってしまっていた。ここでしっかり中を確認して、矢野はゴール前を横切る速いボールを入れてきた。

この場面、ゴールエリアのライン上に3バックが立っていた。ニアの角に槙野、中央にストヤノフ、ファーポストに近い位置に森脇。相手は、森脇の前に2人、ミキッチの外側に1人、とわずか3人しかいなかった。それにもかかわらず、槙野とストヤノフはゾーンを埋めているだけで、そこには誰一人敵はいなかったし、飛び込んでくる気配もなかった。結果として彼らの前をボールは横切り、森脇の前にいたFWが森脇をブロックするような形になって、その後方にいたペドロ・ジュニオールがダイレクトにゴールに叩き込んでしまった。

相手のクロスボールに対して、ストヤノフも槙野も、相手が誰もいないのに、誰をケアするのでもなくゾーンに立っていたことが、まったく理解できない。いくら流れの中とはいえ、自分が2人も相手を見ているのに、それをストヤノフや槙野に伝えなかった森脇の甘さ。J2ならそれでも通用しても、J1では隙を見せたらアウトだ。またペナの中に入った相手に対し、マークもせずにゾーンを埋め、『網を張る』ため立っていただけのストヤノフと槙野の愚かさ。あまりにも考え方が甘すぎる。『網を張る』のは、ペナの外までで、そこから中はきっちりマークすべきだ。その辺のことがあまりにも曖昧なまま試合に臨んでいるため、どうしてもボロが出る。監督の指示を仰ぐまでもなく、自分たちで修正すべきだ。

ただ、あのパニック状態から立て直したことは事実だし。それは評価したい。大宮戦の修正はできていると考えたい。


3.攻撃について

サイドは良く崩せていた。アオやストヤノフから、寿人もコウタもミキッチも、最高のタイミングでボールを引き出せていた。そこまではいいんだけど・・・クロスに中が合っていない。中が寿人1人のケースも多かった。ここなんだよなあ、なんかいい手はないんかなあ。あれほどサイドを完全に崩しているのに、まともにフィニッシュが取れてないんだなあ。

中に合わせる形をもっと工夫する方法もあるけど・・・現在の形では、1トップだし、高さもないし。そこで改善を期待するのは、やっぱり両サイドアタッカーのシュート。クロスと見せかけてのシュート。コウタもミキッチも、もっとシュートへのトライ回数を増やしてほしい。そうすれば、逆に中央も手薄になるからクロスも活きてくる。

全体的には、『あれしかない』サッカーをやり続けて、最初は新潟の猛プレスを受けて危ない場面も何度かあったが・・・途中から完全に新潟が根負けし、新潟の体力を奪っていった。あれを『やり続けた』ことは・・・マジで『すげぇ』と思う。その意味では、ほぼチームとして『完成形』に到達しているということなんだろう。もちろん、今のメンバーが揃っているのが前提であって、トップ下はともかく、カズ、ストヤノフ、寿人にアクシデントが発生した場合は、同じことはできないかもしれない。それでも、少なくとも今は『完成したサッカー』をやってる。

新潟のホームで、新潟を『ギブアップ』寸前まで追い込んだことは、今のサッカーが『ホンモノ』である証明だと考える。


4.全体の感想

GKが負傷し、交代して入ったGKがパニくっている中で、2点差を追いついて『勝ち点1』を奪い取ったことは、長年サンフを見てきた私にとっても衝撃だったし、驚いた。選手たちは、本当によく立て直してくれたと思う。

それでも、GKというウィークポイントをさらしてしまったわけだし、DFラインは高さに問題があることもあらためて露呈してしまった。また、DFラインが揃わず、自然に下がってしまう特長も各チームは弱点として分析してくるだろう。事故とはいえ『3失点』献上してしまったことは事実で、失点の多さは改善されていない。なんとかしなくてはならない。

J2に落ちた年、ミシャは『失点してもそれ以上に得点を奪えばいい』というコメントを何度もしていたし、そのような方針を明確に打ち出していた。しかし・・・失点は想定内でも、得点が想定していた数字を出せなかった。そのため、J2へ落ちてしまった。でも、今年はミシャの信念通りのサッカーができている。アウェーで2点差ゲームを追いついてしまった。

ここまでのリーグ戦6試合で、鹿島以外は『自分たちのサッカー』をやりきっている。相手が『サンフ対策』として特別なプレスをかけてきても、『自分たちのスタイル』を崩さず90分間戦っている。結果として、相手が根負けするケースが増えてきた。また鹿島戦以降、寿人と両WBが裏に抜け出すケースが増えてきた。おそらく、ボールを供給するアオやカズに、恐れずDFラインの裏を狙う意識が強くなってきたのだろう。その優先度が高くなってきているのだろうと思う。特にアオが、間髪入れずDFラインの裏を狙うケースが目立つ。この意識の変化が、相手のプレスを『逆手に取る』形で効果的に決まっているのだろうと考える。

本来なら勝たねばならない試合だった。しかし・・・まあ、ああいう『事故』が起きてしまった以上、この結果は仕方ないし、あの状況で追いつき、試合内容でも圧倒したことは、しっかり評価したい。ともかく、この試合は『ヨシ』としよう。


2009/4/11】

[J1] サンフレッチェ広島 4−1 柏レイソル

あまりゆっくり見れる状況

ではなかったので・・・ざっくりと。まあ、勝ったので、あまり書くこともないのだが。


1.個々の評価(私の満足度)

GKアキ・・・6.0
あまり活躍する機会もなかったような。ミスもなかったような。

DFストヤノフ・・・6.0
ちょっと自重気味だったかな、と。流れがいい時に、イケイケドンドンになって大宮戦のようになってしまうこともあるから。カウンターで抜け出されそうになった時も、冷静に対処していたし。特にないでしょう。

DF盛田・・・6.5
高いよねぇ。槙野のゴールが決まった時、とんでもない高さに飛んでいたもんなあ。前であの高さまで飛ばれたら、そりゃ槙野もフリーになれるわ。森脇も悪くないけど、ゲームが落ち着く部分では、まだ盛田の方が一枚上のような気がするんだけどな。

DF槙野・・・6.0
さすがに右サイドだと、あまり攻め上がれないわな。ミキッチは宇宙人だから。コウタと違って、止まってくれない。ドンドン前へ仕掛けていっちゃう。その分、槙野としてはヒマだったかも。

DHカズ・・・6.0
特にないんだけど・・・そろそろシュートを枠に飛ばしてほしいのだが。最近、ミドルシュートが全然あさっての方向にしか飛んでいないんだけど。なんとかならんかな。

DH青山・・・7.5
この日は『スーパー』だったなあ。あれだけビシバシ前線にミドルパスを通しちゃうと、ちょっと手がつけられない。完全に寿人との『ホットライン』ができている。アオの場合は、ルックアップしたとたん、ワンステップで蹴るのがすごい。ターゲットを見つけるのも速いし、見つけてから蹴るまでも速い。だから、守備側は態勢を整える時間がない。一発、するどいミドルもあったし、この日は非の打ち所がなかったと思う。

WB服部・・・6.5
盛田とのコンビは、槙野とのコンビとはまた違った良さがある。ドンドン追い越していく槙野と違って、盛田は後方からしっかりサポートするので、コウタ自身が積極的に仕掛けているようにも感じる。槙野とのコンビの場合は、『槙野に何かやらせよう』という雰囲気を感じるんだけど。まっ、あの2点目が、この試合のすべてだから。あれを、あの時間に、スバッと決めたことは、4つの得点の中でも一番価値があったと思ってる。

WBミキッチ・・・7.0
いやいや宇宙人だね。ここまで積極的に仕掛けて、しかもほとんどボールを失わない外国人も、サンフの歴史上に記憶がない。コリカもここまで仕掛けなかったし、ハウストラは突破型ではなかったし。ハンジェには悪いけど、去年のハンジェのままだったと思うと・・・ちと恐い。正直、現時点で今シーズンのMVPを選ぶとしたら、ミキッチにするなあ。

MF高柳・・・7.0
いや〜、マジで信じられない。ここまで我慢していたミシャが凄いのか、やれるのにやらなかった一誠が悪いのか。なんなんだろうね。スタメンで出て、90分間プレーすることに戸惑いでもあったのだろうか。『消える』『全力疾走しない』が定番だった一誠が、完全に躍動しているんだから。今は、完全にペース配分なんて無視してるでしょ。行けるところまで『全力』を出し切ってるでしょ。いわゆる『迷い』が取り除かれた感じかな。とにかく『続けてほしい』と願うのみ。

MF柏木・・・6.0
陽介に求めているのは『得点』。巧いだけの陽介は要らない。『点を取れるアタッカー』になってほしい。バッジオもデルピエロも、プラティニもジダンも、チャンスメーカーだけどストライカーでもあった。今のままでは、香川の方が評価される。その評価を覆すためにも、もっともっとゴールが必要だ。ああいう誰かが『お膳立て』してくれたゴールだけでなく、苦しい時に『自力で奪い取る』・・・そう昨年のセレッソ戦のようなゴールを、陽介には期待したい。

FW寿人・・・7.0
この日は、ポストプレーが安定していた。相手を背負っても、しっかり受けて、攻撃の『起点』を作っていた。もっと言えば、激しく倒される場面もほとんどなかった。体もキレていたのではないかと思う。本当に『いい調子』でゴールを重ねている。すばらしい。

DH中島・・・5.0
この日は、ちょっと低評価。背後から寄せてきた相手に気づかずボールを失う場面もあった。それはプロとして『あるまじき』プレー。中島が入って、全体的に押し込まれる状況が続いてしまった。アオほど展開力があるわけでもなく、アオの役目は厳しいのかも。あの位置で中島を使うなら、トモの方がいいのではないかと思ってしまった。

MF高萩・・・6.0
悪くはないが、目立ってもいない。だからと言って、洋次郎が悪かったわけでもない。

MFハンジェ・・・5.0
微妙。ハンジェの弱点は『おや?』というプレーがないこと。陽介、一誠、洋次郎には、時々予測できないプレーが飛び出してくる。それに対して、ハンジェはミスは少ないものの意外性の部分は乏しい。押し込まれてサポートの少ない時間帯だったこともあって、意外性で局面を打開できないハンジェには、ちょっと厳しい状況だったかも。ハンジェが『生き残り』を賭けて戦うのなら・・・プレースタイルとかではなく、『点を取る』というボールを蹴る技術を活かしたところだと思うんだけどな。ともかく『点』をとってほしい。


2.守備について

あの失点は・・・手前で当たってコースが変わっちゃったからなあ。さすがの盛田も対応できず。まあ、仕方がないと言えば仕方がない。

ただ、ちょっと気になったのは・・・ペナの近くでドリブル突破を何度か許したシーン。後半途中まで、相手ボールを奪ったり、相手と激しく競り合うシーンは、ほとんどバイタルエリアよりも前のゾーンだったように思う。それが後半途中から、ペナルティエリア付近、あるいはペナの中でドリブルを仕掛けられている。で・・・結局、『事故』のような失点が生まれてしまった。

ガンバ戦の『誤審』PKにしてもそうだが、やはり『ペナの中に入れさせない守り』をもっと真剣に取り組むべきだと思う。ミシャは、そういうトライを積極的に指導するとは思えないが、そこは選手たちがコミュニケーションをとって、ライン調整すべきだと思う。ラインを『上げっぱなし』『下げっぱなし』というのではなく、試合展開によって、あるいは時間によって微調整してほしいと思う。

試合の中で、そのあたりの『守備の駆け引き』ができるようになった時、安定して上位に位置するチームになれると思うのだが。


3.攻撃について

前半を見る限りでは、速攻、遅攻、サイド攻撃、中央突破、さらにセットプレーと、多くのパターンが見られていたので、特に不満はない。あれを続けたらいいと思う。

問題は・・・後半の流れの悪い時の攻撃。どうやって流れを変えるのか。そこは、まだ改善できていないと思う。

確かに流れの悪い中で、カズのロングパスから寿人がラッキーな形でゴールを奪えた。それはそれで評価できる。が・・・完全に流れを変えて、もう一度ペースを握り返すところまでできていない気がする。それを求めたい。

流れが悪い時、緩急、強弱・・・いろんな形でボールをしっかり支配し、相手を敵陣深くに押し戻す形を作りたい。しかし、いったん相手を自陣深くまで呼び込んでしまうと、自陣に敵味方合わせて21人が入っている状況になってしまい、そこからボールをつないで相手陣内に進入することは容易なことではない。いくら『ハーフコートの11対11』を日々トレーニングしているとは言え、やはり成功率は高くない。相手が強ければ強いほど、難しくなる。いかに『相手より高い』か、『相手より速い』か、『相手より走る』かにかかっている。

こういう展開は、だいたい後半途中に発生している。しかしこれまでは、2列目以降の選手を入れ替えて『運動量を上げる』ことで対処しようとしてきたように見えた。けど・・・必ずしもうまく行っているように思えないし、これから夏場にかけて、それで対処できるとも思えない。つまり、これまでとは何か違った『武器』も必要ではないかと思うのだ。

ひとつは『高さ』。ひとつは『ドリブル』。久保、平繁、清水・・・寿人や陽介、洋次郎とは違った『武器』を持っているタレントがベンチに入り、必要な時にピッチに立って『流れを変える』ことができるようになれば、きっともっともっと上を目指せるチームになるのではと考えている。


4.全体の感想

結果を知って、帰宅してDVDを再生して見ていたのだが、もっと早い時間に1点目が入ったのだろうと思っていた。しかし・・・意外と1点目は遠かった。それに少し戸惑った。あのまま前半を無得点で終えていたり、2点目が入らない展開になっていたとしたら、ちょっと悪い状況に陥っていたかもしれない。その意味でも、コウタの2点目は、時間的にも最高だった。

柏には昨年末の天皇杯で、圧倒的にゲームを支配しながら、フランサにやられた。それがあっただけに、大宮戦のような展開になるのが恐かった。まあ、サッカーって、本当にちょっとしたことで大きく結果が変わってしまうスポーツだと思う。今回は、いい方に転んでくれた。

どっちにせよ、この『勝ち点3』の意味は大きい。リーグ戦では開幕戦から勝利が遠ざかっていただけに、ここで『今のサッカーを続けていれば間違いない』という手ごたえを得られたことは大きい。内心ホッとしている。


2009/4/4】

[J1] ガンバ大阪 2−2 サンフレッチェ広島

決めとかんかい、陽介!こんな負け惜しみは言いたかないが・・・マジでガンバを勝たせたかったのか、あのレフリー。あれはPKを取ってはいけない場面だし、あれがPKなら陽介のも、寿人のもPKだ。それに追加タイムは4分なのに、理由もないのに5分以上追加した。それにより鹿島戦のような危険な状況が生まれた。


1.個々の評価(私の満足度)

GKアキ・・・6.0
2失点したものの、ハイボールの対応とか、積極的な飛び出しとか、チャレンジに対してミスはなかった。ただ・・・そこまでリスクを負ってパスをつながなくてはならないのかという部分と、ロングキックがハーフラインを越えず味方DF陣の前でカットされるケースが何度かあった。改善してほしい。

DFストヤノフ・・・6.0
体調に不安がある中で『さすが』というプレーを見せてくれた。それでも2度ほど狙われて『おい』というプレーがあった。

DF森脇・・・6.0
交代はどこか痛めたか。全体的に安定していた。危険だった安田の突破も、ミキッチが完璧な対応をしてくれたので楽だった。徐々に攻撃にも広範囲に絡めるようになってきているし、問題ないでしょう。

DF槙野・・・6.0
1対1で突破されたシーンがあったので、そこは改善点。それでも全体的には戻ってきているので、一安心と言うところ。まあ、足と頭で2点は決めていないと・・・あれはもったいなかった。

DHカズ・・・6.5
頭が冴えていた感じ。ダイレクトパスがものすごく多かった。しかも、20〜30メートルのダイレクトパスが多かった。それだけ前線まで良く見えていたと言うこと。この日のカズは、アオとともにかなり前線にボールを入れるプレーが多かった。バックパスが少なく、相手の浅いラインに対して積極的に仕掛けていたようだ。このカズの正確な『クサビ』によって、ガンバは守備を整える前に崩され、特にカギになる明神のゾーンをすばやく抜け出すことができていたように思う。

DH青山・・・6.5
木曜日に練習を見た時には、かなりミスが多くて不安だったが・・・杞憂だったようだ。常に寿人を視野に入れ、オフサイドにかかってもかまわない意識でボールを送り出していた。これまでならストヤノフのところからしか出てこない長いボールが、アオの位置から出てくることで、うまくカウンターをとれていた。この試合は、アオの特長が出ていたいい試合だったと思う。

WBミキッチ・・・6.5
よく走っていたし、よくファイトしてくれた。安田に本来のプレーをまったくさせず、攻守で圧倒できたことが、この試合を常に優位な状況で進められた大きな要因だと思う。また安田だけでなく、ルーカスとのマッチアップにも奮闘していた。ルーカスが守備で体力を消耗していたため、ガンバの『鋭さ』が半減していたように感じた。

WB服部・・・6.0
前半途中から消えてしまった時間帯があった気がするが、90分間いつも通りのプレーをしてくれたと思う。槙野を巧く引き出してサイドを攻略するパターンは、そろそろ『芸術の域』に達してきた感じ。寿人へのクロスもパーフェクトだったし、若い時とは違うコウタのプレーを見せてもらっている。

MF高柳・・・7.0
まったく不満なし。それにしても・・・つかみどころがない。こういうプレーを、どうして常に安定してできないのか。ボールに絡むプレーは、キープ力、パス精度ともに抜群なところを見せてくれたし、これまであった『消える』『全力疾走しない』というマイナス部分は感じさせなかった。球際も強く、明神とのバトルも互角以上だったと思う。とにかく、続けてほしい。

MF柏木・・・7.5
小さなミスは何度かあったけど、ほぼ陽介のイメージ通りのプレーが90分間できたのではないだろうか。いいんじゃないですか。

FW寿人・・・8.0
浦和戦に続いて、ボールの収まり方がいい。寿人のところでいい収まり方をするから、カウンターがとれる。1点目は、カズのロングフィードに競り合ったこぼれ球から陽介のダイレクトスルーパスが生まれた。2点目は、ストヤノフのスルーパスに対して、コウタの位置を確認した上でボールを背後に送り込んだ。どの場面も、ボールが出てから反応するのでなく、マイボールになった瞬間の動き出しがあるから、球際の競り合いに勝利できる。特に体の小さい寿人にとって、一瞬の動き出しが『すべて』だ。すばらしい。

WB楽山・・・6.0
ミキッチのように激しくバトルする場面はなかったが、ミスのないプレーをやりきったと思う。

DF中島・・・6.0
ストヤノフと比べて、できるだけ『前で奪う』『前へ寄せる』という意識が強いように感じた。ラインは深くなりがちなのだが、バイタルエリアにボールが入りそうな瞬間に、中島だけがすばやく反応してボール保持者に対して体を寄せていた。ボール回しには不安な部分はあるが、ちょっと危険な選手交代に無難に対処してくれた。

DF横竹・・・4.5
何もできなかった。一瞬の切り返しに対応できず、危険なシュートを撃たれたのは大きなマイナス。それ以外、ボールに絡むプレーはなかったと思うし、まだまだレベルアップを期待したい。

2.守備について

2点目のPKはともかく、1点目はこの間危惧していたこと。J2なら、あのゾーンから決めてくるストライカーはいないが、J1にはいる。前線からバイタルエリアへ下りてくるFWに対して、3バックが追っていない。相手が下がっても、後ろ3枚は横並びで『網』を張ってる。それがいいのか悪いのかは、考え方の問題だと思うが、私はついていくべきだと思う。ついていかないから、どうしても5バック状態になってしまう。ゴール前とバイタルエリアでは、やはりマンツーマンに切り替えるべきで、下がってボールを受けようとするFWに対しては厳しく寄せて、前を向かせないようにするべきだと思う。2失点目は納得できない部分があるが、この1点を減らせていれば文句なしに『勝ち点3』を獲れていたのだから、『安い失点で勝ち点2を失った』と考えても間違いじゃないし、こういう失点を減らさないと上位にいけないし、また残留争いに巻き込まれる危険性を否定できない。この内容の試合でお互いに『勝ち点1を分け合った』という事実は、ガンバにとっては『最悪の内容で勝ち点を拾った』、サンフにとっては『最高の試合で勝ち点3を奪えなかった』ということで、結果的には安定して『強いチーム』との差なんではないかと思う。

守備全体では、陽介も一誠も積極的にボールを追い、アオとカズも下がらずにボールにアタックしたため、中盤で相手の攻撃を食い止めることができた。それは良かったと思う。ただ・・・ガンバは代表組の疲れもあっただろうし、ロングパスを使わないパスサッカーを志向していたため、ロングパスによる早い攻撃を受けなくて助かった部分もある。かつて清水で活躍した頃のように、チョ・デジンに長いボールが繰り出される展開だったら、苦しくなっていたかもしれない。というわけで、90%評価できるが、10%は評価しづらいところもあった。


3.攻撃について

これまでの試合と比べて、ダイレクトパスが多かった。特にアオとカズのダイレクトパスが多かった。彼らが前へ早くボールを入れる意識が高かったことで、ガンバの守備が整う前に攻めかかることができたことが大きかったと思う。もちろん、彼らの視野の広さや前への意識だけでなく、ダイレクトでバスを送れるということは、前線の寿人、陽介、一誠の3人の『攻守の切り替え』意識が高く、マイボールになりそうな瞬間に動き出してフリーなポジションをとっている証拠。それがあるから、アオやカズから長いダイレクトパスが出ていた。それは高い評価ができると思う。寿人は裏を狙い、陽介と一誠は足元で受けられるゾーンを狙って動き出すことで、『読み』には定評のある明神のアタックを巧く回避できていたと思う。 いつもハーフコートで11対11のゲームをやっているため、『攻守の切り替え』の重要性を選手たちはわかっているわけで、その成果が明確に出た試合だったのではないかと思う。『攻守の切り替え』で完全にガンバを圧倒できたことで、こういう試合ができたことは事実だろうし、こういう意識で戦えれば鹿島とも同じような内容の試合ができたと思う。

ひとつだけ課題があるとすれば、ミドルシュートが少ない。立ち上がり2本あったが、そこから止まってしまった。あるいは、ミドルを狙ったが相手に当たって弾き返されている。相手が引いた時は、もっと積極的に狙ってほしい。特にスリッピーなピッチ状態だっただけに、その工夫がほしかったと思う。


4.全体の感想

『内容に勝って試合に勝てなかった』ゲーム。もったいない。

レフリーの問題も多分にあったと思うが、それでも有無を言わせず『勝ち点3』を奪い取るためには、終了間際の陽介のシュートのような決定機を決めなきゃいけない。『上位』と『中位』の微妙な差は、そこで生まれる。大宮戦もガンバ戦も、そこを決められなかったから『勝ち点5』を失ってしまった。あまりにももったいない。シーズン序盤で、そこまで指摘する必要もないのかもしれないが、その意識がないと上は狙えない。相手のガンバは、リーグ、ナビスコ、ACL、さらに代表と、選手は相当な疲労の中でプレーしている。またチームとしても、前線に外国人3人を起用するなど、全員揃って練習できないハンデを負いながら戦っている。橋本が慣れない左サイドバックで四苦八苦しているのを見ても、かなり厳しい状況の中で戦っているのがわかる。それでも彼らは、最低限の『勝ち点1』を確保した。ここに差があるように感じてしまう。

選手交代については、納得できる部分と、納得できない部分があった。ミキッチは確かに疲れていたが、走れないほどだっただろうか。ミキッチの存在自体が安田に恐怖を与えており、試合状況の中で楽山の方が安田にとっては安心できたのではないだろうか。ミシャの考えでは、ミキッチのパフォーマンスが落ちたことで、楽山を入れてさらに安田に対して脅威を与えたかったのかもしれないが、果たしてそうだったのか。疑問が残る。ストヤノフの交代については、ストヤノフの体調面を考慮しての交代だろうが、これもわずかな残り時間を考えれば、交代させることの方がリスクは高かったと思う。長いボールを駆使するタイプではない中島との交代は、押し込まれる要因にもなりかねない。疲れによる『集中力低下』を危惧して、鹿島戦の『二の舞』を繰り返さないための交代と言われれば、それは否定できないが。さらに横竹の投入。盛田をなぜ連れて行っていなかったのか。木曜日の練習では、盛田がサブ組で出場し、横竹は紅白戦にも出場していない。サブに横竹を入れるのなら、紅白戦に出場していた西河でも良かったはずだが。なぜ・・・ツバサなのか。この人は、まだ『育成』を考えているのか。経験豊富な盛田でも西河でもなく、ツバサを連れて行ったのはなぜか。相手はガンバだし、中島はストヤノフとの交代カードとして考えていたはず。ちょっと理解できない。ツバサがドリブルで突破されたシーンで失点していたら・・・大変なことになっていた。ツバサには成長してほしいし、一番将来を期待している選手だから、それはそれで活躍してほしいが・・・ムチャだ。私は疲れの見える一誠に代えて、ハンジェか洋次郎を投入すべきだったと、今でも考えているが。

ともかく『もったいない』試合だった。ガンバ相手に、これだけの試合ができたことは成果だし、選手たちも自信を持ったと思う。それは良かったと思う。J2降格シーズンには、シーズン序盤でガンバにホームゲームで手も足も出ずにチンチンにされた。それを考えれば、この試合は大きな意味があった。が・・・優勝を目指すなら、ACL出場を目指すなら、選手たちには悔しがってほしい。4試合で『勝ち点4』の現状を徹底的に悔しがってほしい。『内容は悪くないので・・・』という甘い考えは捨ててほしい。『勝ってナンボ』である。『勝てるチームが強い』のである。強くなってほしい。


2009/3/25】

[ナビスコ杯] サンフレッチェ広島 1−0 浦和レッズ

連敗をしなくて良かった。が・・・問題点も明確になった試合でもあった。


1.個々の評価(私の満足度)

GKアキ・・・6.5
手も足も、とても安定していた。ピンチを救った場面もあったし、ハイボールの対応もミスはなかった。こういうゲームを続けて経験値を高めていくことだ。

DF槙野・・・6.0
見た目は、かなり回復している。まだ試合中の笑顔は見られないが、これくらい緊張感を持って集中している方がいいくらいだろう。プレーに関しては、特に不満はない。

DF中島・・・7.0
初めてフルタイムのプレーを見た。すばらしい・・・というか、このチームに合ってる。能力的には、戸田と変わらないだろう。それでも戸田よりもいいと思うところは、いい意味で『でしゃばっていない』ところ。他から移籍してくる選手たちには申し訳ないが、なんだかんだと言っても、今は『カズのチーム』である。その形は、あと数年は続くだろう。そのカズだが、悪いことに『親分肌』ではない。よって、移籍してくる『助っ人』によって自然にチームは左右に傾いてしまう。特に個性の強い『助っ人』の場合は、その傾向が強くなる。ところが・・・この試合を見る限り、中島はチームの形を崩さずにポジションに収まっていた。これは、ありがたいことだ。またプレーの安定度も高い。経験豊富な対応も垣間見れた。さらに能力的にも高い。実は、前半途中まで、テレビの画面ではどっちがカズだかわからなかった。それくらいプレースタイルが似ていた。『カズが2人いる』のなら、ホンモノのカズをDFに下げなくてもいいわけだ。ちなみに、『ストヤノフよりも中島の方がいいかもしれんよ』という話を、友人から聞いていた。確かに『チーム』『組織』という視点から見ると、ストヤノフよりも中島の方がサッカーの柔軟性が高く、チームレベルが高くなる可能性もある。ストヤノフの場合、彼を中心にボールが動いてしまう傾向が強く、ある意味『武器』ではあるが、戦い方が硬直してしまう傾向も強い。今シーズンは、ストヤノフが最優先であることは間違いないが、ストヤノフ不在でも安定したサッカーができる保証が得られたことは、この試合の大きな意味であったと思う。

DF森脇・・・5.5
私的には、特に悪いとは思えなかったが、試合終盤に交代させられた。これは、なぜか。ミシャは、森脇の『空中戦』に不安を感じていると言うことだろうか。それとも、どこか故障を抱えていたのだろうか。あるいは、なかなか攻撃の部分でかかわれず、ミシャは不満に思っていたのだろうか。パフォーマンスより、そっちの方が気になったのだが。

DHカズ・・・5.5
悪くはないが、良くもない。うまく攻守のバランスが取れていない。もっと言えば、『腰が引けている』。ストヤノフがいないということと、センターバックとして初スタメンで中島が起用されたことと、連敗していることと、相手が浦和だということ・・・その影響があったのかもしれない。特に守備面では、かなり慎重になりすぎていたと思う。次のガンバ戦までには、修正しないといけない。あと、ひとつ。素直に言いなさい・・・あれは手を出したでしょ。PKでしょ。危ないよ。

DH青山・・・5.5
この試合でハッキリ見えたこと。やはり、このチームの攻撃のカギを握っているのはアオであること。アオ次第で、良くなったり、悪くなったりすること。試合の立ち上がり、いきなり精度の高いミドルパスを連発した。そこから一気にリズムをつかむことができた。ところが、ある時間帯からアオのボールタッチが減った。アオのパスが通らなくなった。そこからガタガタとリズムが崩れ、攻め込まれる時間帯が生まれた。鹿島戦では、アオは何もできなかった。そのため、前線にボールを供給できないし、ボールがハーフラインを越えなくなってしまった。つまり、このチーム『浮沈のカギ』はアオが握っていると言うことだ。アオ自身がもっとレベルを上げないといけないし、もっと走らないといけない。他に改善策はないのだから。

WB服部・・・6.0
パフォーマンスは、いつも通りほぼ100%出し切っていると思う。ただ昔のようにスピードがないにしても、まだまだコウタには成長してほしい。例えば、カウンターで抜け出して柏木アーリークロスで合わせようとしたシーン。ああいう場面で、クロスでなくシュートを撃てるようになってほしい。往年の名良橋は、ベテランになっても点を取れるサイドアタッカーだった。あの場面、確かに柏木は突っ込んできていたが1人だった。それよりは、ファーサイド側に強いシュートを放って、GKがこぼれたところを誰かがつめる方が得点の確率は高い。特に、寿人の恐さは対戦チームはわかっているため厳しいマークがつく。かと言って、2列目に強くて高いアタッカーはいない。サイドまでボールを運んでも、なかなか中央であわせられないことが、今後も予想される。この日、ミキッチは切り返しから左足でクロスバーをかすめるシュートを放った。あのようにサイドアタッカーが直接ゴールを狙う場面が増えないと、今後苦しい展開が予想される。ベテランになっても、シュート力を高めることはできる。チャレンジしてほしい。

WBミキッチ・・・5.5
やはり、どのチームも『ミキッチ対策』を打ってきているようだ。活きのいいヤツや、守備の強いヤツをあのサイドに配置してくる。この日も、かなり手こずっていた。柏木や森脇との連係を、もっと高めてコンビで崩すこともやっていかねばならないかもしれない。まあ、それでも守備を必死でする姿勢がいい。すばらしい。

MF高柳・・・5.5
巧い。ミスは少ない。しかし、まだまだモノ足りない。解説の風間さんが語っていたが、サンフのボール回しには『強弱』が欠けているらしい。風間さんが言うには、『ボール回しは巧い』が『崩すためには微妙にズレている』と。それはパスコースであったり、バスの強弱のことだろうと思う。一誠も、あのポジションでプレーするからには、ただボールをつないでいるだけではいけない。相手の急所を突くような厳しいパスや、意外性のあるターンやドリブルからのシュートが必要だ。できない選手ではないはずなので、ともかくトライしないと。あれだけがんばっているのに『目立たない』というのは、プロとして『いかがなものか』と思う。奮起を期待する。

MF柏木・・・5.0
本来なら、もっと高評価だろうし、チームの貢献度も高いと思う。が・・・私の『満足度』という意味ではこんなもの。陽介は、もう結果が求められている。単に『巧い選手』で終わってはいけない。『恐い選手』にならないと。あのヘディングも『惜しい』じゃダメ。ペナの中でボールを受けたら、少なくともGKがビビるようなシュートを撃たなきゃ。その意味で、大きな減点。それともうひとつ減点したのは、『流れ』を読めないプレーがあったこと。カウンターになった時、一気に勝負に行ってボールを失ったシーンが何度かあった。確かに、カウンターは得点になりやすく、可能ならトライした方がいい。けど・・・その直前のゲーム展開というのもある。DFラインが押し上げられず苦しみ、波状攻撃を受けている時までトライすべきなのか。後ろの人間からすると、『一息つきたい』と思ってる時もある。中盤で時間を作って、ゆっくり押し上げて中盤のポゼッションに持ち込みたいと思うものだ。血気盛んに飛び込んでいくのも否定できないが・・・やはり状況に応じてプレーをしてほしい。そこも大いに不満だった。

FW寿人・・・8.0
この日は『ヒサトさまさま』でしょ。もし鹿島戦のように寿人のところにボールが落ち着かなかったら、同じように厳しい試合になっていたと思う。しかし、この日は坪井と堀之内に対して、ほぼ100%近い確率で先にボールタッチし、マイボールに収めたり、相手のファールを誘うことができた。これにより、前線で起点ができて、2列目以降が攻撃に参加できる形が作れた。99%、この勝利は寿人がもたらしてくれたものだ。が・・・寿人のところで『収まらなかったら』という課題はクリアされていない。浦和にトゥーリオと阿部がいたなら、同じ展開にはならなかったかもしれない。

MF高萩・・・5.5
軽い。この軽さが、洋次郎、陽介、一誠のユーストリオの悪い意味での特長。陽介もそうだが、ドリブルで突いていって簡単に失うシーンがある。洋次郎は交代直後、右サイドでフリーになり、ドリブルで仕掛けようとしたシーンがあった。その時、陽介かコウタがオーバーしようとしていたため、それを使おうか、ドリブルしようか迷っている間に中途半端にボールを前へ出して失ってしまった。あの軽さは・・・たまらんなあ。ああいう『しまりのないプレー』はやめてほしいなあ。試合終盤のロングシュートなど、洋次郎には特別なサッカーセンスもあるんだから、マイナス評価になるような『軽さ』は減らしてほしいと思うのだが。

DF盛田・・・6.5
高いだけでなく、巧い。また槙野にはない『長いボールの供給』という特長もある。今シーズンの立場では、どうしても若い2人の後塵を拝する形になるかもしれない。が、その存在感と安定感は誰もが認めているのだから、『仕事人』としてしっかり役割を果たしてほしいと思う。

MFハンジェ・・・5.5
久々にハンジェを見た。けど、あのワンプレーしか記憶がない。あのトラップミス・・・シュートさえ撃っていれば。


2.守備について

無失点で終えられたのは、多分にラッキーな部分が多かったと思う。

浦和には、田中、トゥーリオ、阿部、都築が代表で抜けていた。特に田中とトゥーリオ不在は、浦和の攻撃面で影響を与えていたことは事実だと思う。ドリブラーの田中の代わりは、若い原口や山田がいたかもしれないが、セットプレー時のトゥーリオの代わりはいない。終盤、パワープレーに持ち込まれていたら屈していたかもしれない。これで『浦和に勝った』と浮かれている余裕はない。

ただ、そうは言っても、高原など『元』代表クラスを多数擁するタレント軍団であることも事実。それを食い止めたのだから、それなりに評価はできる。

結果とは別に、気になっていることがあって、そこを気にして試合を見ていた。それは・・・前節、小笠原が語った『あんなに引いてくるとは』『一昔前のサッカー』という言葉だ。そこを冷静に検証してみたかった。

一概に『引く』『引いて守る』と言っても、細かい部分を見ると『全部が引いている』わけではない。『カメのように引っ込んでいる』わけではない。そこを確認してみた。

例えば、相手がサンフの右サイドに持ち出したシーンを思い返してみよう。タッチライン沿いにボールを保持している相手に対して、縦方向を切りにミキッチが寄せている。中央から青山、戻りながら柏木が寄せて、3方から挟み込む形を作ってる。この時、ペナルティエリア内のPKマーク付近にDFラインができている。ニアサイドに森脇、中央にカズ、中島、槙野、ファーサイドに服部が横一列に並んでいる。で、実際には3人の囲みの中からペナの外にいたポンテにパスを通され、中央にいた誰かが慌ててポンテに寄せるも、すでにシュート体勢に入っていて、結果として枠内に飛んだシュートをGKアキがかろうじて手に当てて弾き出した。これが、象徴的なシーンだと思う。

これをもっと細かく分析してみる。ポンテに横パスが入った時点で、浦和の選手が3人ペナの中にいた。ペナの中で横一列になっていたサンフの選手たちは、この3人をケアしていたわけだ。これを『引いている』と言えるかどうか。あるいは『引いていない』と言えるかどうか。ここからは考え方だと思う。

ペナの中にいた5人にとって、ペナの中にいた相手選手3人が恐かったわけだ。それを無視できなかったから、その位置で網を張って待っていた。それは『正論』だ。しかし・・・問題は人数ではないかと思う。本当に、5人も必要だったのか。そこが『引いて守る』という認識に影響していると考える。

例えば、こんなシーンも良く目に付く。ペナルティエリアの手前約10メートルのタッチライン沿いで相手がボールを保持している時、相手が『下りてきた』FWに対してクサビを打ち込んだり、アバウトなクロスを放り込んでくることがある。この時、3バックと両アウトサイドの合計5人が横一列になっていることが多い。しかし、クサビやクロスに対して、相手がフリーでボールに触れている。これは、なぜか。結局、人数はいるんだけど、誰が誰を見るか明確になっていないからだと考える。

先ほどのポンテがシュートを放ったシーンを見ると、ペナの中にいた相手選手を明確にマークしていたのは、ファーサイドの服部だけ。センターバックの森脇、中島、槙野は、残りの2人に対して、マークしている感じではなく、距離を置いて『ケアしているだけ』という感じだった。

人に密着マークをすることは、そこの駆け引きに負けると失点するリスクが大きくなる。その意味では、ゾーンで守ることは理に適っている。ただし・・・ペナルティエリアでのゾーンディフェンスはどうなんだろう。先ほどのようにFWが『下りてくる』ポストプレーを簡単に許したり、ゴールと反対側のクロスボールを簡単にトラップされてはいないだろうか。

正直、ペナの中でマークせず、ゾーンで守っていることは異常だと思う。またそのことで、パイタルエリアを自由に使われ、ミドルシュートを浴びている。もっと言えば、3バックが『人につかない』ことで、ボランチや両アウトサイドが深く下がって『人を見る』しかなく、そのことで全体の守備ゾーンが下がり、たとえボールを奪ってもカウンターに移れない状況を作っている。

普通に考えれば、森脇と槙野は『つぶし屋』的な役割を負っているはず。相手の屈強なFWに対して、空中戦を挑み、さらに足元に入ってくるボールを出足よく奪うのがメインの仕事だと思う。その2人が自陣ペナの中に入ってクロスを待っている相手FWに対してマークをしないとはどういうことなのか。競り合いの強くないカズやコウタに『任せる』とはどういうことなのか。根本的に間違っていると思う。

基本的に『強い』FWに対しては、まず森脇と槙野が責任を持ってマークを担当する。これで通常相手が2トップなら、『FW2人vsDF3人(森脇、槙野、中島)』という形ができる。前述のシーンであれば、ファーサイドから入ってきた選手をコウタが見るだけで、ボランチのカズは余る。カズはバイタルエリアにいたポンテに寄せることができたはずで、あのシュートも生まれていない。

要するに『最低限の人数で守る』『相手の前でボールを奪う』という意識が希薄なんだろうと思う。それを改善しない限り、失点は減らないと思う。

確かに最低限の人数で守り、前でボールを奪おうとすれば、逆に失点のリスクも大きくなる。が、今のように『誰が誰を見るか不明確』で、人数だけ揃えて立っている守備よりは、マシじゃないかと思う。特にJ2と違って、J1ではミドルシュートも恐い。相手を自陣深く入れてしまうと、大宮戦や鹿島戦の失点のような事故も起きる。

DFラインを作ってオフサイドトラップをかけるようなことは望まない。当然、オフサイドトラップを仕掛けないということは、中盤のスペースが広くなり、その分選手たちの『走力』が求められる。『それでも走った方がいい』というのなら、それは否定しない。そのかわり、ちゃんと走りなさい。ただ・・・それぞれの役割だけは明確にしてほしい。FWをマークし、FWとの競り合いに勝ち、FWの前でボールを奪うのは森脇と槙野の仕事。マークのズレをカバーし、スペースを埋めてバランスを保つのがストヤノフ、中島、カズの仕事。ファーサイドへ飛び込んできた相手MF陣を抑えるのが、両アウトサイドの仕事。これを徹底するだけで、5バックになったり、『引いて守るサッカー』なんて言われなくなるよ。

具体的には、ボランチであるカズが森脇と槙野に対して『2人でFWを見ろ』と指示すればいいだけのこと。ストヤノフは勝手に危険なゾーンを察知するだろうし、カズはバイタルエリアに意識が移せる。両アウトサイドももっと高い位置をキープできる。

4バックの場合は、サイドから攻められた時、中央は残りのDF3人とボランチで中央の守備を行う。それに対して、今のサンフは最低でも1人多い。いや、多すぎる。3バックだから『多くてもいい』というものじゃない。考え方を変えるべきだ。

以前のカズ、戸田、盛田という元々DFじゃない『寄せ集め』『高さなし』『スピードなし』の3バックなら、ある程度人数は必要だったかもしれない。しかし、今の森脇、ストヤノフ、槙野の3バックは、J1で戦うだけの守備力を持っているホンモノのDFだ。これから上のレベルで戦おうとするなら、『人数をかけて守る』なんて『甘え』は捨てるべきだ。『最低人数で守って見せろ』と言いたい。


3.攻撃について

とにかく『寿人vs坪井&堀之内』のバトルに寿人が圧勝したことによって、狙い通りのポゼッションに持ち込むことができた。が・・・やはり、トゥーリオと阿部がいたなら、こうは行かなかったと思われる。

結局、得点はアオからのロングパスに対して、浦和DF陣が躊躇している間に寿人が決めた1点のみ。この試合、目新しいものや、前節までの改善点は見当たらなかった。

全体の攻撃の組み立ては、いつも通りできていたと思う。それは・・・浦和の守備が鹿島より緩かったため。特に2トップの守備はユルユルだった。あの程度なら、中島とカズでかわせる。そしてアオが前を向いてボールを受けられれば、当然ながらボールは一気に相手DFラインの裏へ飛んでいく。

ひとつだけ、これまでとは違った形が見られた。それは、中島から最前線への低いクサビのボールが打ち込まれていたこと。ストヤノフは、相手DFラインの裏へ長いボールを通すのが『趣味』だが、誰もがあんなボールを蹴れるわけではない。それに対して、中島は低いボールを寿人、陽介、一誠の足元にスバッと通していた。このため、試合開始からしばらく中島とカズの区別ができなかった理由でもある。上背はないが、足元の技術の確かな前3人にとっては、こっちの方がプレーしやすかったかもしれない。ストヤノフがスタメンの時は、カズがもっとビシバシ通してほしいものだ。

この試合は中盤のプレスをかいくぐり、サイドまではボールを運べていた。が・・・そこからは『相変わらず』の状態。結果として、サイドを有効に崩せてはいない。

左サイドは、服部がサイドの高い位置でキープしている間に、槙野が寄せ、さらに陽介が絡んで3人で崩しを試みるシーンが何度か見られた。しかし、『出たとこ勝負』の感はぬぐえない。左サイドを崩した後、クロスを入れるのかシュートを狙うのか。一度、槙野が縦に抜け出そうとしたシーンがあったが、相手のフィジカルコンタクトで潰された。もし、潰されてなかったら、どうしたのか。中央は高い壁がある。ニアに寿人が入ってくるのか、それとも逆サイドのミキッチまで飛ばすのか、あるいはマイナスのボールをアオが合わせるのか。ここ数試合では、飛び込む選手をダミーで使って、3列目のアオが合わせるシーンが目立つ。が、もっと多くのパターンがほしい。また左サイドの場合は、3人がかりで崩すことが多く、槙野ほ前へ行かせるのなら、やはり槙野は内に斬り込んでシュートを撃たせたい。そういう『得意のパターン』を作っていく必要があるのではないかと思う。

右サイドは、ある意味『手詰まり』になりかかっている。横浜戦や大宮戦では、まだミキッチはノーマークに近かったが、鹿島や浦和は対策を講じてきた。彼らはミキッチの縦への突破を許さないように、まずはスピードを止めることに専念している。このことで、ミキッチは常に1対2の状況に追い込まれている。それでもボールを失わないテクニックはさすがだが、自分のタイミングでクロスが入れられず、残念ながら相手の守備陣形は整ってしまっており、高さのない攻撃陣ではクロスを入れても効果的ではない。よって、今は右サイドの攻撃からゴールが生まれる雰囲気がしない。やはり、2シャドーと森脇が、どのようにしてミキッチと絡むかを考えなくてはならないだろう。

右サイドを突破してからのクロスは基本だが、高さのない攻撃陣ではゴールにつながりにくい。となると、クロスと見せかけてのミドルシュートのパターンを増やすのが得策だと思われる。この試合で、ミキッチは1本、左足でファーポストへ巻くようなシュートを放った。左足でも十分なコントロールされたシュートが撃てるということだ。森脇も、強烈な左足のシュートがある。洋次郎とのコンビでは主に右サイドに流れてくる陽介も左利き。コウジが復帰すれば、コウジも左利き。やはりサイドに張って勝負を仕掛けるミキッチの内側へ巧みに走りこんで、陽介、コウジ、森脇が左足でゴールを強襲するパターンを増やしてほしい。前半と後半で、槙野と森脇が1本ずつで4本のミドルシュート。それに左サイドから洋次郎や一誠が内側に斬り込んで右足でシュートを狙うとして、2シャドーが前半と後半で1人2本ずつで8本。さらにマイナスのクロスやクロスのこぼれ球に走りこんできたアオが前後半で1本ずつ合わせたとして2本。これにミキッチを含めれば、1試合でミドルシュートを15本近く狙えるはず。ミドルを狙えない非力な選手ではなく、みんな結構ミドルシュート得意でしょ。攻撃陣に根本的な高さがないんだから、やはり『フィニッシュはミドルで』というサッカーに移行しないとダメだと思う。強いシュートを放てば、『こぼれ球のスペシャリスト』もいるんだし・・・。


4.全体の感想

勝ててホッとしているものの、フルメンバーの浦和と対戦して勝てるイメージが作れない。まだまだ『J2レベル』の甘いサッカーをしていると思う。

今までやってきたベースを崩す必要はないが、そこからアレンジし、J2時代にやらなかった・・・やる必要もなかったことを、ドンドン取り入れて改善していかねばならないと思う。

J2を圧倒的な力で勝ち抜いてきたことで満足してはいけない。今のサンフレッチェは、J2に降格する直前の状況と変わらない。あの状態にやっとこさ戻ってきただけのことに過ぎない。あの当時と同じJ1残留争いではなく、もうひとつステップアップした優勝争いやACL出場権獲得争いを演じるには、守備も攻撃も、もっともっと変えていかねばならない。ミシャはそんなことを押し付ける監督ではないので、選手たちがそれぞれ話し合って、自分たちで『形』『パターン』を作っていくしかない。

『ボールを奪って展開する』『ポゼッションしながらサイドへボールを運ぶ』と、ここまでは3年かけて『形』『パターン』が見えてきた。最後の『サイドからフィニッシュへ』のパターンを完成させなければ・・・風間さんの言うように『巧いチーム』から『恐いチーム』へは成長できないのだ。


2009/3/22】

[J1] 鹿島アントラーズ 2−1 サンフレッチェ広島

すべての面で『完敗』だった。相手は『やれる』『できる』『普通』のサッカーをし、さらに『狙い通り』のサッカーをしてきた。それに対して、サンフは『普段通り』のサッカーができなかった。いや、『普段通り』のサッカーが通用しなかった、させてもらえなかった。そういうことだろう。

それにしても『巧い』だけでなく、鹿島の選手はよく走った。それも『走ったふり』のアリバイ的な走り方ではなく、間違いなく『本気』の走り方だった。これが本当に『強いチーム』の走り方であり、戦い方なんだと。

鹿島との大きな違いは、守備の考え方。サンフは、前からプレスをかけるが、なかなかDFラインと連動できない。いや、してない。プレスをかけた時、DFラインが連係した上下動までできていない。それに対して、鹿島は5人が前からブレスをかけてきた。ということは、後ろに残っているのも5人。つまり4バックとボランチの青木か小笠原のみ。ただし、プレスをかけた時の中盤の裏のスペースを埋めるため、4バックが統率された高いラインを形成する。巧く機能している時は、相手の攻撃を『起点』の段階で潰すことができる。潰せないにしても、長いボールを蹴らせてカットすることかできる。特にきっちりとポゼッションしようとするサンフに対しては有効で、サンフはハーフラインを越すことも困難な状況に追い込まれた。逆に、1本裏を取られるリスクは負っている。それに耐えるだけのDFラインの組織力と、DFラインとボランチの守備力があるわけだが・・・寿人に裏を取られてPKを与えたシーンのようなことも起こる。どっちの守備方法を採用するのかは、そのチームのメンバーの問題と監督の趣向が影響すると言うことだ。


1.個々の評価

GKアキ・・・6.0
大きなミスはなかったと思う。2点ともアキがなんとかできるレベルではなかった。

DF槙野・・・4.0
前節の影響を引きずっていなかったと言うとウソだろう。積極的な攻撃は皆無だし、ルーキー大迫に完敗した。さらに・・・終了間際の失点は、必死でマークをしようと応対したが相手の強さに屈してヘディングの折り返しを許してしまった。攻撃面でのミスも多く、しばらく影響は覚悟しないとダメだろう。あるいは、休ませて盛田に託した方がいいのかもしれない。

DFストヤノフ・・・5.0
この日も1つ、プレゼントバスがあった。相手チームは、一段とこれを狙ってくるだろう。鹿島は2トップを前線から下げず、常に2人でストヤノフとカズにボールが収まらない状況を作ってきた。これにやられた。1人かわしても、2人目、さらに2列目の本山と野沢までもがプレスをかけてきた。ストヤノフがボールを持つと、いつも3人群がっているように見えた。このサッカーをやめるか、さらなるレベルアップをして徹底的に続けるか。続けるしかないのだが。

DF森脇・・・6.0
よくがんばっていた。戦っていたし、食い止めてもいた。まったく攻撃に参加できなかったが、守ることに関しては及第点だったと思う。

DHカズ・・・5.0
いつものカズのフレー安定感が95%とすれば、この日は50%前後だった。ボールキープは3人から狙われ、プレスを受けながらのパス成功率は半分以下に落ちた。『ダメなものはダメ』だし『通用しなかった』ことも事実。けど・・・ここであきらめるわけにはいかないし、カズにはチームを立て直す責務がある。なにか修正する手立てはあるはずだし、そこを探って修正しなくてはならない。それができるのは、カズしかいないのだから。

DH青山・・・4.0
こんなにひどいアオは初めて見た。カズが守備の『起点』なら、アオは攻撃の『起点』だと思う。そのアオがボールを失い、パスが通らない。それじゃ、サンフのサッカーはできない。体調の問題なのか、精神の問題なのか、あるいはチーム全体の問題なのか。アオ自身も解決策を自分で探って改善してほしいと願う。

WB服部・・・5.5
ミキッチのサイドを徹底的に封じられたため、まともな攻撃はコウタのサイドでしか行えなかった。しかし、槙野があの状況ではいつも分厚いサポートは期待できない。それでも洋次郎がダイビングヘッドで合わせたシーンなど、何度かビッグチャンスを演出した。ただ、以前のように縦に勝負することはできず、どうしてもアーリークロスに頼らざるを得ない状況なのも事実。合わせる人間の選択や合わせ方など、今後改善してかいねば厳しくなりそうだ。

WBミキッチ・・・5.5
彼自身はいつものようにプレーしていたと思うが、相手の研究がハンパではなかった。スピードのある韓国人をマッチアップさせ縦への突破を遅らせ、さらに青木と小笠原が常に寄せていた。こうなると、さすがに1人では厳しい。それでもクロスは何本かあったが、中央の高い壁に跳ね返され続けてしまった。そろそろ縦だけではない、ミキッチのシュートも見せてほしいところだが。

MF柏木・・・5.5
『良いプレー』もあった。が、あくまでも『良いプレー』であり、それがチームとしてフィニッシュに結びついていない。孤立していた中で孤軍奮闘したことは認めるが、しかしボールをキープしきれず失ったり、体をぶつけられてドリブルを阻まれるシーンもたくさんあった。もっと遅攻になってもいいから、しっかりボールを保持してほしかったシーンもあった。縦へはやる気持ちもわかるが、こういう展開の時は、我慢もしてほしいと思う。

MF高萩・・・5.0
洋次郎らしさを完全に消されたゲームだった。彼の動くところ、必ず青木と小笠原がいたような気がする。そして、そこを崩せなかった。もっともっと洋次郎自身がレベルアップしてほしい。

FW寿人・・・5.0
岩政と伊野波相手に1人で勝負するのは、正直しんどい。必死で戦ってはいたものの、苦しかった。ただ・・・それでもチャンスはあった。相手のミスから抜け出したシーン。ああいう少ないチャンスをモノにしていかねば、今のサンフが上に行くことはできない。PKを奪取した動きは見事なのだが・・・大宮戦もそうだが、もう1〜2回、がんばって決めてほしい。

DH中島・・・5.5
悪くはないが、『武器』ではない。あの状況での投入は、『勝ちに行くため』なのか、『流れを変えるため』なのか、それとも『試合を終わらせるため』なのか。『終わらせるため』なら、結果として失点したのだから失敗である。まあ、アオの状態が悪すぎて、正直なところ『早く代えてくれ』と考えていたところだから、ゲームとしては安定した展開になったことは事実なのだが・・・失点は残念だった。

MF高柳・・・4.5
決して悪いプレーをしていたとは思わない。ボールに関わるプレーは問題ないし、好印象を持っている。が、それでも厳しい評価をしたのは、鹿島の全選手があれだけハードな守備を全力で90分間通したのに対して、途中交代の一誠が全力で走りきっていなかったこと。その一点に尽きる。


2.鹿島から見た広島対策

ちょっと視点を変えて分析してみる。鹿島にとって、この試合は『うまくいった』のか、『うまくいかなかった』のか。

鹿島があんなにハードなプレスをかけてくるとは想像していなかった。あれは『普段通り』なのか、それとも『広島対策』なのか知るヨシもない。が、それでも10人のフィールドプレーヤーの統一したプレスは『すごい』の一言だった。

サンフ側は、特別な鹿島対策はしていなかったと思う。しかし・・・まったく『自分たちのやりたいサッカー』ができなかった。それはどうしてか。

鹿島のスタイルは、伝統的な『4−4−2』システム。高くて堅固な2センターバックに、スピードのある両サイドバック。豊富な運動量で攻守のバランスをとる『影の立役者』青木と、チームの絶対的『大黒柱』小笠原。2列目にはテクニシャンの本山と野沢を配し、J1屈指のアタッカーであるマルキーニョスとルーキー大迫。

意図的かどうかはわからないが、まず目に付いたのはストヤノフへの対応。2トップが、できるだけサイドに開かず、中央に2枚残る形をキープしていた。このことで、ポゼッションの中心になるストヤノフとカズのラインに強烈にプレッシャーを与えていた。また彼らの守備自体も『アリバイ的』ではなく、かなり激しくアタックしていた。これは2列目以降の選手たちも『本気で狙っている』表れであり、『広島のポゼッションを高い位置で奪って一気に攻める』という意思統一がなされていたと想像できる。だからこそ、FWにとって『ムダな体力の浪費』につながりやすい守備を、『コースを切る』だけでなく『奪う』ところまで全力で行っていたのだと思う。この2トップの激しい守備に、J2でも、天皇杯でも、J1の2試合でも見られていたストヤノフとカズによる『余裕を持ったポゼッション』がまったくできなくなってしまった。

次に『すごい』と感じたのは、ストヤノフとカズから供給される『クサビ』や『ワイド』のパスコースまで潰していたこと。これまでなら、ストヤノフやカズにプレスがかかっても、槙野と森脇がサイドに開いてフリーで受けたり、あるいはアオがクサビに入って巧みにプレスをいなしていた。ところが、そこまでも強烈なプレスをかけてきた。アオが前を向く場面をまったく作らせてもらえず、槙野も森脇もボールを受けた瞬間、縦へのスペースを消された。過去2戦ではそれほど見られなかったGKアキへのバックパスが目立ったのも、鹿島のプレスの強さの証拠だと思う。

ただプレスをかけることは、逆にリスクを負うことにもなる。それは当然ながら『体力の低下』と『カウンターの脅威』だと考える。ボランチのアオが前を向けない、森脇や槙野がフリーになれないほどのプレスをかけ続けるということは、2トップや2列目の体力消耗は相当激しいものになる。しかし・・・意外と鹿島の連中は体力を消耗していないようにも見えた。大迫を除いたらベテランの域にある鹿島の選手たちが、どうして体力消耗を抑えられたのか。やはり、最終ラインのレベルの高さがあるからだろう。前線が追い込んでいる時、最終ラインはギリギリ高い位置をキープし、プレスをかけている選手が長い距離を走らなくてもいいように中盤をコンパクトにしていた。また苦し紛れに蹴ってくる長いボールに対して、完全に競り勝ってマイボールにしていた。これをやりきることによって、ほぼ広島陣内だけでのハーフマッチにしてしまった。

ここまでは、鹿島にとって『思い通り』の展開だったと考えられる。しかし・・・もうひとつのリスク『カウンターの脅威』には痛い目に遭ってしまう。寿人の抜け出しを許し、PKを献上した。この時点で、鹿島は大きな代償を負ったわけだ。あのまま試合が終わっていれば、鹿島は『内容で勝って試合に勝てなかった』ということになっていた。

それにしても、鹿島というチームは『すごい』と思う。ジーコが基盤を作り上げ、監督が代わってもサッカーのスタイルを変えない。伝統の『4−4−2』を堅持し、常に優勝争いに加わり、一度も残留争いに巻き込まれていない。また大迫がルーキーにもかかわらず先発出場したのは、大迫自身のレベルが高いこともあるだろうし、ACLとの関係で交代で出場していることもあるだろうが、それよりも『誰でも理解できる伝統の戦い方』が浸透しているからでもあると思う。これにより、常に安定した成績を収められるのだろうと思う。またルーキーがあれだけ自由に活躍できるということは、彼の回りを支える選手たちが、彼をしっかりバックアップしているからに他ならない。いろんな意味で、サンフも見習わねばならないと思う。

この試合は、サンフにとって悔しい結末であったが、裏を返せば鹿島も十分に苦しんだわけで、あのままドローで終わっていれば、サンフにとっては『よく耐えてワンチャンスを活かした』と美談で終わった試合だった。それだけ、『あけだけ攻められながらもよく戦った』と言える試合ではあるが・・・負けてはすべてが『水の泡』である。


3.苦しい時の戦い方

試合全般を通して、鹿島は思い通りに試合を進めていた。狙っていたのか自然にそうなったのかはわからないが、前からのプレスが効いて、サンフのやりたい『ポゼッション』ができなかった。こういう展開になった時、指をくわえて見るしかないのだろうか。何か劇的に変える方法はないのだろうか。

この試合は、相手のプレスに完全に屈してしまった。ストヤノフとカズにボールが収まっても、そこから前へボールを運べない。槙野も森脇も、ドリブルで前へボールを運べない。つなぐことが精一杯で、どんどんボールは後ろに下がっていく。徐々に自陣深くペナルティエリア付近まで追い込まれ、GKアキに戻すか、そこから苦し紛れのロングボールを前線に送るしかなくなる。しかし、岩政と伊野波の高いカベの前に跳ね返される。打つ手なしの状況に追い込まれた。

これを打開するには、ひとつは前へボールを運ぶ実力を上げるしかない。寿人も陽介も洋次郎も、必死でクサビのボールを受けようとトライしたものの、強烈なプレスの前にボールを失い続けた。それを失わずに確実に収める『強さ』がほしい。ここで確実に収めることさえできれば、相手を敵陣まで引かせることができる。そうなれば、ハーフライン近くで『いつものポゼッション』ができる。事実、後半何度かは、この状態を作れていた。

またパスだけでなく、クサビから巧みにターンしてドリブルで前へ進んだり、あるいはサイドをドリブル突破で突き進む形も必要だろう。そういう『局面を個で打開する』力がないと、このクラスのチームとの対戦では厳しくなるということだろう。

ただ・・・そうは言っても、そんなことはわかっているし、選手たちもチャレンジしたに違いない。実際、何度かはプレスをかいくぐって相手ゴール前に攻め込み、相手を慌てさせた。それは認める。が・・・その成功率が低いのが現状で、そのためああいう苦しい戦いを余儀なくされている。

『久保がいれば』とか思うところもあるが、そういう実現の難しい形ではなく、このメンバーでちょっとした修正で改善できなかったか。それを考えた。

私なら、やはり2トップに『打開の道』を探ったかもしれない。あそこまで後ろがプレスを受けてしまうと、ある程度ロングボールはやむを得なくなってしまう。それを前提に、ポジションの修正はあってもいいと思う。具体的には、洋次郎を前線に残すこと。寿人と2トップのような形にして、長身の洋次郎を『仮』のターゲットマンにすること。これで相手の4バックにプレッシャーをかけ、洋次郎が競ったボールを寿人と陽介が拾う形を狙える状態を作る。これは、ひとつの方法だと思う。時間が経過し、戦局が落ち着いたら元の『1トップ2シャドー』に戻せばいいのであって、あのような『危機的状況』の中では、どこか大きな手を打たねばならないと思う。

あとはやはり『人』の部分だろう。仮に洋次郎を前線に立てたとしても、洋次郎は競り合いに強い選手ではない。となると、ある程度ターゲットになり、競り合いに強い長身の選手を前線に置きたい。本来なら久保なのかもしれないが、彼のコンディションが万全でないなら、ミキッチでもいいし、盛田や槙野でもいいと思う。

とにかく、金にモノを言わせてほしい選手を獲得できるチームではないし、『個』で局面を打開できるメンバーが揃ったチームでもない。あのようにパスをつなぎまくって、相手のスキを突いてゴールを狙うしかない。そこを徹底的に鍛えまくって、今の到達点。これ以上、このレベルを急速に高めるのは・・・コウジが戻ってきたとしても、かなり厳しい。その意味でも、やっぱり『オプション』はほしいところだが。


4.全体の感想

マリノスに勝ったところで、この鹿島までのシリーズで『勝ち点7』を期待していた。が・・・終わってみれば、『勝ち点3』止まり。厳しいが、これが現実である。そして、この後、ナビスコ杯を挟んでガンバ、柏、新潟、川崎、名古屋、清水・・・と続いていく。直近で考えれば、ナビスコ杯の浦和、ガンバと、サンフにとって実力上位のチームとの対戦が待っている。最悪の場合、負け続ける可能性も高い。その場合、いかに今のサッカーを信じ、監督を信じていても、疑念や不安が増幅していくものだ。精神的に追い込まれていけば、3年前のJ1降格の危機に晒された年、2年前のJ1降格が現実のものになってしまった年に近い状況が生まれてしまう。それだけは避けたい。それだけに・・・大宮戦の敗戦が痛い。

ミシャがこのチームを率いて4シーズン目。そして、今のメンバーで再スタートを切ってJ2を1年間戦い抜いてきた。簡単に揺らぐことはないと思うし、マリノス戦や大宮戦を振り返っても、J1上位以外なら圧倒できるチーム力は持っていると思う。が・・・結果がすべてだ。どこまで選手たちが我慢できるか。自分たちを信じ続けることができるか。下手をすれば、ここから1ヶ月以上勝ち星のない状態が続くかもしれないが、それでもブレずに戦い続けることかできるのか。

単純に『机上の論理』だけなら、年間通してJ1残留必要条件を満たすだけの勝ち点は積み上げられると思う。それだけのサッカーはしているし、実力もある。でも・・・選手たちは生身の人間だ。迷いも生まれれば、ミスも起きる。その中で結果を出し続けるためには、どんな『手』を使っても勝ち続けること、負けずにコツコツと勝ち点を積み上げることしかない。大宮戦は、『勝ち逃げ』できなかったのか。鹿島戦は、『引き分けで終わらせる』ことができなかったのか。3節終了時に『勝ち点7』は不可能だったのか。いや・・・あと少し、あとちょっと工夫があれば、十分手が届いていた。

まだ長いシーズンの3試合が終了しただけ。でも・・・最初が大切だと言うことは、過去の2シーズンが証明している。『内容がいい時は確実に勝ち点3を奪う』『内容が悪い時は悪いなりに勝ち点1を得る』・・・順位表の下位に名を連ねないことが、シーズン序盤には重要なのだ。周りの『騒ぎ』に巻き込まれないことが、とても重要なのだ。

この状況を打開するには、寿人とカズを中心とした中堅メンバーの結束力こそ大切。若い選手たちを励まし、支え、アドバイスし、チームを良い方向に導いてほしい。そして、強敵であるレッズとガンバから『勝ち点』を奪ってほしい。今のチームには、わずか『勝ち点1』でも、それはとてつもなく大きな意味を持つ。自信を回復するためにも・・・がんばってほしい。


2009/3/15】

[J1] サンフレッチェ広島 2−3 大宮アルディージャ

前節の結果を考えると、あるいは主力にケガ人が続出していた大宮の状況を考えると、またこれから続く鹿島やガンバとの対戦を考えると・・・勝たないといけない試合だったし、勝てるだろうと考えていた。しかし・・・出先で届いたメールを見た時、目を疑った。


1.個々の評価(私の満足度)

GKアキ・・・6.5
危ない場面もあったが、全体的に前節から比べると安定していたと思う。だが、結果として3失点。アキが何かしたら防げる失点ではなかっただけに、残念だ。

DF槙野・・・4.5
がんばったと思う。正当な評価ではないかもしれない。しかし・・・2点差に広げるチャンスであったPKを外し、さらに3点目は完全にマトに振り切られてしまった。彼のがんばりは認めるが、寿人とともに『彼の日ではなかった』。もっと厳しいことを言えば、専門ではない攻撃に関するPKはともかく、彼のポジションでの責任がつきまとう『守備』と言うものに関して、『高さに屈した』事実は大きい。マリノス戦でも1本やられている。しかも今回の場合、競り合い前のポジション争いに敗れ、完全にフリーにしてしまった。これは屈辱だ。日本代表の岡田監督が注目する選手だとのマスコミ報道もあった。が・・・このままではいけない。今、代表に選ばれたとしても恥をかくだけだ。まずは無失点に抑えることのできる強い守備力を。そこだけは絶対に譲れない。

DFストヤノフ・・・5.0
恐れていたことが起きた。キャンプ情報などでも、これを連想できるような情報を何度か目にした。当然ながら、全チーム、ストヤノフとカズによる最終ラインからのビルドアップを恐れ、逆にそこを狙っているはずだ。それが・・・起きてしまった。2年前、戸田も何度かやった。そして守備が崩壊していった。あの位置でビルドアップすると言うことは、常に危険と隣りあわせだと言うことを、あらためて認識させられた。かと言って、これをやめるわけにはいかないのだが。2年前と比較して、いったいどれだけ減らすことができるのだろうか。

DF森脇・・・6.0
良くも悪くも、この日の森脇は当たっていた。言い換えれば『森脇の日』だった。しかし、勝てなかった。

DHカズ・・・6.0
いつも通りのカズだった。それ以上のコメントはない。

DH青山・・・6.5
前節以上に、アオはキレていた。この日のアオは非の打ち所がなかったのに・・・なんで交代したのだろう。失点は、アオの交代が影響したのだろうか。

WB服部・・・5.5
悪くはない。先制点と言い、タイミングの良い攻め上がりで相手を翻弄していた。槙野とのコンビも良かった。が、途中から急にパフォーマンスが落ちたようにも感じた。センタリングがゴールの後ろに飛んでいったシーンもあった。そして、しばらくして交代させられた。なんだろう、攻め疲れだろうか。

WBミキッチ・・・7.5
あまりにもすごい。相手を3人引き連れて、それでも突破にかかってる。おそろしいキープ力と突破力。また左右両足でのクロスもある。長いクロス、速いクロス、高いクロス、低いクロス、マイナスのクロスと、クロスのバリエーションも豊富だ。それだけに・・・中央の背の低さが気になるところ。やはりこういう展開になった時には、タツがピッチに立てる状況になっていてほしいのだが。

MF高萩・・・6.0
まあ、ケガからの復帰が早くてよかった。やってることは、いつもの洋次郎。相変わらず軽いプレーもあるが、それでも陽介とともに走る量が多い。特に問題もなかったと思う。やるべきことはしていたはずなのだが。

MF柏木・・・6.5
シュートもきちんと枠に飛んでいた。決まっていても不思議ではないのだが、なぜか陽介のシュートはGKのビッグプレーに阻まれることが多い。なぜなんだろう。スピード、タイミング・・・GKとしては、難しいんだけど、ギリギリのところでタイミングが合うのかな。ホント、入っても不思議じゃないけど、なぜか入らない。まっ、全体的に陽介のプレーに不満はない。

FW寿人・・・4.5
あくまでも私の満足度だから。マジで、『寿人の日』ではなかった。DFラインの背後への抜け出し、ゴール前を左右に振った後のフリーでのヘディングシュート。さらに終了間際のPKスポット辺りからクロスバーを叩いた右足のシュート。あのうち、1本でも入っていたら試合は全然違うものになっていた。特に、前半立ち上がりの数回のビッグチャンス。もし一度でも2点差にできていたなら・・・大差のゲームになった可能性すらある。前節の観戦記で、『決めるべきところを決めないと・・・』みたいなことを書いた。次の週に、そういう展開になるとは思ってもみなかった。

DH高柳・・・6.0
試合結果は先に知っていた。『何で失点したんだろう』と、その原因だけを想像しながらDVDを再生していた。一誠がアオと交代してピッチに入ったのが、後半21分。その後、後半27分、後半34分と失点している。DVDを再生しながら、アオが抜けたこと、一誠が入ったことで、何かバランスが崩れたのかと意識して映像を追った。しかし・・・それらしき現象は感じなかった。一誠はアグレッシブに守備をし、さらに攻撃時はボールを失わずに展開していた。『一誠が入ったから負けた』とは思えない。それでも、ストヤノフがあそこで追われてミスパスをしなくてはならない状況に追い込まれたのは、何か影響があったのだろうか。若干、そんな気は拭い去れないのだが。

FW平繁・・・5.0
映像では、龍一がピッチに入った直後の相手の攻撃でコーナーキックを与え、それを決められた。その後、ガチガチに固めた相手守備陣を突破できなかった。正直、龍一がボールに関わったプレーの記憶がない。

WB楽山・・・5.0
効果的なクロスも、強烈なミドルシュートもなかった。コウタの交代も、映像だけでは意味が良くわからなかった。いまだ、楽山のストロングポイントがわからない。


2.守備について

2試合で『5失点』の事実。これでは、2年前と変わらない。

しかし、失点シーン以外、ほとんど危険な場面も作られていない。プレスも良く効いていたし、高い位置でボールカットも数多く見られていた。全体的に失点するイメージも沸かない。

が・・・90分のうち、片手ほどのピンチを与え、そのうち3本も決められてしまった。J2では相手の攻撃ミスに助けられたものが、J1では失点と言う形になってしまった。これでいいわけではないのだが・・・だからと言って、何か変えることがあるわけでもない。単純に『受ける力が弱い』としか言いようがないのか。改善策がないのが辛い。

1つだけ気になっていることがある。3点目を食らう直前のプレー。サンフ側陣内中央付近に送られたハイボールの競り合いで、槙野が競り合って潰れた。それがサンフから見て左サイドに走りこんできた藤本に渡り、そこから縦へ勝負されてクロスを入れ、CKを奪われた。この時、ドリブル突破を試みた藤本を止めにかかっていたのは森脇だった。なぜ、右サイドの森脇が左サイドにいたのか。どうして、あの時、森脇が左サイドにいたのか。ケアしていた選手が左サイドに流れてきたので、そのままついていただけなのか。それとも、攻撃参加していた関係で帰陣が遅れたのか。

DVDを見ていて、はっきり言って2点目を食らうまで、負ける気も起きなかったし、失点する雰囲気すら感じなかった。そして、選手はみんな『やりたい放題』『イケイケドンドン』で楽しそうにボールを動かし、走り回っていた。森脇も槙野も、何度も何度も相手ゴール前に進出していた。しかし・・・やりすぎたんじゃないだろうか。90分間、あれだけ自由にボールを動かして攻め続けれは『楽しい』ものだ。けど、調子に乗って90分間もハイテンションで走り続けたら、いつかどこかで急な『ガス欠』に陥るもの。その状態ではなかったか。いくら一方的に押しまくっていても、あくまで『1点リード』にすぎなかった。3点目で、槙野がコーナーキックのマークを振り切られたのも、『ガス欠』が影響していなかったのか。

今のサンフのサッカーは、『DFの攻撃参加』が『ウリ』であり、魅力である。が・・・その代償が『3失点』になっていなかったのだろうか。2点奪っても3点失ったら負けである。逆に、1点差でも守りきれば勝ちである。守備がおろそかになるほど攻撃に参加することが、果たしてどれくらいの価値があるのだろうか。


3.攻撃について

この敗戦は、すべて攻撃陣の問題である。失点も確かに醜いが、あれだけのチャンスを外しまくった攻撃陣のミスを見逃すわけにもいかない。とにかく、決めなくてはならない得点チャンスを、あまりにも外しすぎた。その代償が、この結果にすぎない。

でも、裏を返せば、それだけ『自由自在』に攻めまくったのも事実。前線やサイドだけでなく、J2の時と同じ・・・いや、あの時以上に攻めまくった。普段、あそこまで行かないストヤノフまで、頻繁に最前線に顔を出した。攻撃のバリエーションも、マリノス戦よりも数段増えているし、そこに文句を言う部分は見当たらない。それだけに・・・ブロックにあったり、枠を外したシュートの多くが悔やまれる。


4.全体の感想

結果を知っていただけに『どうして負けたのか』をテーマにして、ずっとDVDを再生していた。分析結果として、『シュートの外しすぎ』と『攻め疲れの代償』という結論に至った。

少年サッカーを指導して、時々悩むことがある。私は子供たちに難しいことを要求し、技術的に未熟な子供たちにポゼッションサッカーを押し付ける。広いエリアから優秀な子供たちを集めたクラブではなく、一小学校区のエリアだけの子供たちだから、身体能力もスキルも、またモチベーションも千差万別だ。そんな子供たちに『U12年代で必要なこと』とは言え、無理やり押し付けることが良いことなのかどうか悩む。完璧ではない子供たちは、DFラインでのポゼッションでミスをし、失点する。彼らにノーリスクでクリアさせ、前線に足の速い子を配置すれば、相手のミスを誘発してでもゴールは奪える。それが小学生のサッカー。勝つためには、間違いなくそっちの方が近道かもしれない。

『良いサッカーをすれば勝てる』のか。いや『勝てるサッカーが良いサッカー』なのか。

『勝ったチームが強い』のか。『強いチームが勝てる』のか。いや・・・『負けたチームが弱い』んだ。『弱いチームだから負ける』んだ。

前半早々、ラッキーな部分もあったが、ほほ完全に崩しきって先制した。そこから、やりたい放題ボールを動かして、やりたい放題攻めた。大宮とすれば、ほぼ『お手上げ』状態だったと思う。しかし、絶好機を決められない。挙句の果てには、PKまで外してしまう。常識的に考えても、『3−0』にするチャンスは何度もあったし、そうなっても不思議じゃなかった。でも・・・1点リードで動かず、そしてワンチャンスにPKを献上して失点。それでも、後半早々に森脇が豪快にヘディングを叩き込んで突き放す。が・・・またまた1点リードで状況は変わらず、『上手の手から・・・』のことわざのごとく、ストヤノフのミスから同点へ。そして、CKのマークを外され失点。あまりにもお粗末な試合展開。

サンフのサッカーは魅力的だ。『金を払って』でも見る価値はある。が、『サッカーで魅せること』がプロサッカーの仕事なのか。目的なのか。それとも『勝つこと』が仕事や目的なのか。

ここまで魅力的なサッカーに仕上げたミシャのスタイルを否定する気はさらさらないが、でも結果がすべてだ。一度J2に落ちて地獄を味わい、そこから必死で這い上がってきた。もうあんな苦しい想いはしたくない。だからこそ、仕事の目的を明確にしてもらいたい。『2点差にして勝利を引き寄せたい』という気持ちもわかる。が、『1点差でも勝ちは勝ちだ』というのも美学だ。走れなくなるほど、守備に集中できなくなるほど、そこまでして攻め続けなくてはならないのか。あと15分、あと20分じゃないか。『2−1』で勝てたじゃないか。

ミシャのサッカーは、『武器』の少ない田舎の貧乏チームには最適なのはわかっている。これを続けるしかないのもわかっている。一方、あれしかない大宮は、全員で耐えて、守って、『武器』で強引に勝ち点『3』をわしづかみにして持って帰った。広島のホームゲームなのに。

試合内容に大満足しながらも、なにか納得できないものが残っている。しかも・・・この先の強豪との対決を考えると。


2009/3/7】

[J1] 横浜Fマリノス 2−4 サンフレッチェ広島

いよいよ始まったJ1復帰のシーズン。ミシャになって4シーズン目。今シーズンは感情に流されず、原点に戻って冷静に観戦記を作っていこうと思ってる。


1.個々の評価(私の満足度)

GKアキ・・・5.0
かなりハラハラだった。一言で言えば『経験不足』なのかもしれないが。とにかく飛び出すことは悪くないトライなのだが、ボールに触れられないシーンが続出した。あれはいかがなものか。さらにDFラインの裏へ出されたボールに対して、森脇やストヤノフへの指示が的確ではなく、彼らがGKの目の前でクリアしたり、ボールを持ち出す場面も何度かあった。今シーズンしっかり経験を積んで、ああいうミスを起こさない信頼できるGKに成長してほしい。

CBストヤノフ・・・6.0
『さすが』の一言。ショートパスの連続で追い込まれそうになった時に、彼のところでロングパスが出るから、あれ以上深い位置でのポゼッションにならない。やはり存在感は大きい。ただ、時々ストヤノフのロングパスでしか攻めれない時間帯も存在する。このように点差のついた試合だったから良かったものの・・・競ったゲームになると、やはり心配だ。

CB槙野・・・5.5
中澤とは、1勝1敗というところか。同点弾は、巧みに中澤の背後を奪って叩き込んだ。それ以外にも、2回ほどフリーでヘディングシュートを放ってる。が、2失点目は槙野とカズの上から思いっきり叩き込まれた。まだまだ甘いと言うこと。槙野だけの問題ではないが、1点目も2点目も、単純な放り込みにやられた感が強い。これから、他チームはここを狙ってくることも間違いない。代表を目指すなら、負けないだけの強さをきちんと身につけてほしい。まっ、それでも、槙野がセットプレーでゴールを奪えることが、『パスサッカー』という手数の必要で確率の低い攻撃パターンのチームに対して、別なバリエーションを与えてくれていることも確かなこと。極端な話、槙野が今シーズン、昨シーズン同様に『10ゴール』を目標とし、それに近づけるのならJ1残留、あるいはACL出場権も夢ではないと思う。

CB森脇・・・5.0
怪我もあって、その出遅れが影響しているのかもしれない。ちょっと『あまりにも』というミスが目立った。立ち上がりの失点シーンは単純なサイドからのボールに競り負けたことが原因だった。また、あわやオウンゴールというバックパスもあった。まだ頭と体が試合にフィットしていない感じがする。なんとか調整遅れを取り戻してほしい。それでも、攻撃については効いていた。昨シーズンのハンジェとは異なり、ミキッチがグイグイ縦へボールを運んでいくので、森脇自身も高い位置でボールに関わることができていた。一度、中へ斬り込んで左足で放ったミドルも威力があった。まっ、まずは守備を修正して次節に備えてほしいと思う。

DHカズ・・・7.0
すばらしい。『熟練の技』だな。バランス感覚と卓越したテクニックだけでなく、高さや強さもしっかりと身につけてきた。もちろんDFとしての経験が活かされているわけだが、それはあくまても『経験』の話であってDFとしての適正とは違う。山瀬にワンフェイクで突破されたように、最後尾で守備することが適しているわけではない。まあ、やってることはJ2の昨シーズンと何も変わっていない。カズがカズらしく、普通通りに『ボランチ』でフルシーズン戦えれば・・・このチームは下に落ちるようなチームではない。

DH青山・・・6.5
やはりカズがいることで、アオはアオらしく輝けることかできる。それはJ2だろうが、J1だろうが同じ。重厚なカズが後ろに控えているので、アオはその運動量を活かしてドンドン前からアタックを仕掛けられる。アオがやや高い位置でプレーできれば、その少ないタッチで繰り出されるボールで、相手守備陣を切り裂くことができる。OKでしょう。

WB服部・・・6.0
以前のように縦へ縦へボールを運ぶプレーはできない。それよりも、どのタイミングで、どのコースへクロスを送り込むか・・・そこを極めることがコウタに求められる。それはコウタだけでなく、中央の選手の『受ける動き』も求められる。特に2点目などは、今までにないバリエーションが見られたシーンであり、ニアサイドで縦に引っ張った陽介、中央で合わせようと走りこんだアオ、そして2人の動きをダミーにして裏ではなくファーサイドで待ち続けた寿人。あれこそ、『出し手』と『受け手』の意志が完璧にコラボしたシーンだったと思う。また幸いなことに、右サイドに個で突破できる強烈なアタッカーを配置することができた。駒野がいたシーズンと同じ状況が戻ってきた。昨シーズンと違って、コウタの負担も少なくなると思う。

WBミキッチ・・・7.5
いや〜、噂には聞いていたが・・・こりゃ、歴史に残る『良い買い物』をしたと思う。あの強さは半端じゃない。まさにクロアチア人。目の前に2人いようがお構いなし。重戦車のような力強さで前へ前へボールを運び、囲まれても体の強さと巧みなボールテクニックで突破したりコーナーキックを奪う。昨シーズン、どうしても停滞しがちだった右サイドが、完全に『主戦場』となった。この試合では、ミキッチの強引な突破が起点となった3点目の意味がとてつもなく大きかった。もし『1−2』でハーフタイムを迎えていたら、マリノスも修正してきたと思う。相手がミキッチの対応に混乱しているうちに3点奪ってしまったことが、実は非常に大きかったと思う。また攻撃に目が行きがちだが、守備の戻りの速さや1対1の強さもいかんなく発揮してくれた。本当に『良い買い物』だったと思う。

MF柏木・・・7.0
なんか久々に全開の陽介を見た感じ。J2だと、どうしても相手が引いてしまうためカウンターサッカーになりにくい。空いたスペースに向かってドリブルで突進する陽介の姿を見ることは少なかった。が・・・J1なら、スペースはある。サンフのサッカーのベースはポゼッションだが、良い意味でそのスタイルを裏切るプレーができる貴重な選手。陽介の走力、テクニックは、やはりJ1でないと100%発揮できない。J1に戻れて、本当に良かったと思う。

MF高柳・・・5.5
立ち上がりはいつものように『いるのかいないのか』わからなかった。が、途中から躍動する一誠が画面に登場するようになった。あれほど酷評していたジョギング走りも抑え目で、全力で相手ボールを追うシーンも見られた。一誠らしい長いボールによる展開やミドルはなかったものの、ボーを失わないテクニックは健在。途中でガス欠になり交代となってしまったが・・・久々に及第点の一誠が見れたことは良かった。

FW寿人・・・6.5
『代表』らしからぬミスもあったが・・・まっ、寿人の武器はボールを引き出す動きとスピード、そしてシュートの巧さ。2点目のシュートなんて、あのコースにダイレクトで蹴りこむのは奇跡に近い。たいしたもんだ。ただ欲を言えば、あと2〜3点抜け出してゴールを決めれる場面があった。ああいうのも決めてほしい。名古屋のダヴィは2点叩き込んでる。サンフが残留だけでなくACLを狙うなら・・・そこまで追求しないと難しいと思う。チャンスを決める確率をもっと高めてほしい。

DF盛田・・・6.0
正直、盛田投入は驚いた。高さ対策はわかっていたが、まさか最終ラインに4枚並べるとは考えていなかった。森脇か槙野を1列前へ出して、3バックは堅持すると思ったが、そうではなかった。よって『弾き返し役』として投入された盛田は、これまでのように攻撃をビルドアップする場面が見られなかった。ただし『高さ』はしっかりアピールできていたし、存在感は大きかった。

MF楽山・・・5.5
悪くはないが、良くもない。つぅか、あまり目立ったプレーはできていなかった。ミキッチの存在感が抜群だった分、ちょっと損した感じ。でもミスはほとんどなく、狭いスペースでボールを動かすプレーも安定していた。ただ・・・求めているのは突破とシュート。おそらくこれからも楽山が出場できる時間帯は、チーム全体のサポートが遅れる時間帯であり、前にスペースがある時間帯でもある。もっともっと恐れずにトライしてほしいのだが。

MF中島・・・6.0
千葉でのプレーに関して記憶がないため、初めてプレーを見たことになる。オールマイティーのプレーヤーだと思う。ミスは少ないし、運動量も豊富。試合経験も問題なさそうだ。最終ラインに入るイメージは沸いてこないが、『使えるコマ』が増えたことは良かったと思う。


2.守備について

う〜ん、少し判断が難しい。特に前半のマリノスは、何をしたいチームなのかさっぱりわからない状態だった。組織的な攻撃は皆無で、失点シーンと前半終了間際の混乱以外は『危ない』と思うシーンはなかった。よって、この時点で守備の組織などを評価するのは難しい。

ただ2つ確実に言えることがある。

1つめは、前線からのプレスが効いていたこと。寿人、陽介の献身的なプレス、いつもなら動きの少ない一誠も全力でプレスをかけていた。これと連動して、カズがアオをコントロールしながら高い位置で狙っていたこと。これにより3バックもズルズルと下がることなく、高い位置をキープし、全体的にコンパクトで強いプレスが効いていたこと。

2つめは、中央の守備の強さ。ボロボロにされた2年前の戸田、カズ、盛田は、高さもDFとしての経験値も低かった。それと比較して、森脇、ストヤノフ、槙野は『守備』だけとればレベルは高い。単純に失点しない強さがある。

この2点については、『J1でも通用する』と証明できたところ。あるいは、2年前よりも確実に強化できた部分。2年前は寿人とウェズレイが守備をまったくせず、下がってしまったDF陣に高さも強さもなかった。それと比べれば、安心できるレベルにある。

ただそれでも、単純な高さに屈した2失点。これが厳しい現実。それを克服しようと強引に飛び出してミスを繰り返したGKアキの経験不足。まだまだ修正すべき点はたくさんある。

さらに今回見えなかった不安。それは・・・メンバーが揃わなかった時。特にストヤノフの存在は代えがたい。ストヤノフのところが誰であっても、ポゼッションにこだわりすぎてシュートパスの連続となり、相手を深く呼び込んでミスを突かれて失点するシーンが目に浮かぶ。ストヤノフがフルシーズン出場できるとは考えにくく、そこに大きな不安が付きまとう。

それでも、層は厚くなったことは確実。それにより、盛田をバックアップではなく『高さ対策の4バック』という今まで見たこともない手法をとれるようになってきた。これまで頑として『形』にこだわり続けてきたミシャが、初めて『勝負』に徹したことに驚いた。その意味でも、層の厚さは重要だった。

この守備力は練り上げられて作られた組織ではなく、3年間試行錯誤で熟成されたもの。個々の選手が良く理解して、バランスも良い状態を維持できている。下手に組織に頼って『穴』を作るのではなく、とにかく全員が走って数的優位を作ってボールを奪う。そのためにも、バランスが崩れないことが一番大事なこと。それをコントロールできる『ピッチ内の指揮官』が重要なこと。まっ、正直なところ、カズをボランチで起用し続ける限り、大きな問題が起きるとは考えていないのだが。すべては、そこにある。


3.攻撃について

今までやってきたスタイルがJ1で通用したこと。そのことは喜ばしいし、確信を得られた。つぅか、今のサンフにはあれしかできないし、アレで4ゴール奪えたことは大きな収穫だった。

1点目は、コーナーキックのこぼれ球から残っていた槙野が合わせた。2点目は、中盤のプレスでアオがボールを奪い、服部のクロスから寿人が合わせた。3点目は、ミキッチが強引に競り合って抜け出し、ゴール前の混戦から陽介が決めた。4点目は、アオのスルーパスに抜け出した寿人が中澤に倒された得たフリーキックをストヤノフが決めた。 こうやって振り返ると4点のうち3点が『カウンター』であることがわかる。また2点がミキッチの強引な突破が起因していることもわかる。実際はポゼッションサッカーがベースにあり、本来は『遅攻』が得点の大半を占めるべきだ。しかし、現実はカウンターからのゴールが大半だ。ここにイメージしていることとのギャップがある。裏を返せば、『遅攻』でもゴールが奪えるようにならないとチームとしては一定の到達点には達していないし、安定した戦いも望めない。ガッチリ守っている相手を崩すことは容易ではないが、それでもゴール前の合わせ方、ミドルシュート、中央突破など、まだまだ上げていかねばならないことは多々あると思う。

さらに・・・この日のマリノスは3バックだった。ほぼ両チームのシステムが合致していた。そのため3バックの弱点である両アウトサイドのスペースをうまく突けた。特に2点目は、相手のボランチの位置でアオがボールを奪ったため、コウタが相手アウトサイドとすれ違う形で裏に抜け出た。それにより、あの時点ではマリノスDF陣は3人しか残っていなかった。これが主流の4バックのチームだったらどうだったか・・・という疑問も沸く。こればかりはやってみないとわからない。

それでも、高さのない攻撃陣でも4ゴール奪った意味は大きい。すばやく細かくボールを動かすことで、J1屈指のDF陣を崩したわけだ。1試合のみの結果ではあるが、ある程度計算ができることはわかった。

サンフにとっては、まだベストメンバーが揃ったわけじゃない。特に2シャドーの一角が、代役の高柳であったことは事実。本来のコウジ、洋次郎ではない。当然、コウジや洋次郎の方がいいとは限らない。また寿人が代表で不在の時もあるかもしれない。キャンプでは龍一がコンディションを上げているようだし、久保もいる。丸谷や清水の評価も上がっている。両サイドも、楽山、ハンジェと計算できる選手たちがいる。『使い方』さえ誤らなければ・・・チャンスはある。


4.全体の感想

4点を奪ったことは大きい。しかし、多分にマリノス側の問題があったことも間違いないと思う。浮かれてはいられないし、単純な高さに2失点した反省もある。ただ・・・間違いのない『采配』さえすれば、このチームはJ2に落ちるチームではない。

このチームの課題は、メンツが揃わなかった時だ。特にストヤノフが不在の時。ここで間違った選択さえしなければ・・・しつこいようだが、カズをDFに下げる選択さえしなければ、このチームは壊れることはない。それだけなんだけど・・・それを食い止めるのが一番難しいことなのだが。

ともかく初戦で『勝ち点3』をGETできたことはうれしい。さあ、これで疑心暗鬼から解放され、本当に『J1で戦う』気持ちに切り替えることかできたぞ。




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