| 書籍案内 |
El Grupo de Solidaridad con las Luchas de Indi'genas en Mexiko, de Kansai-Japo'n
| 1994年1月1日、EZLNが蜂起してから(いやそれ以前から)、彼/彼女らは日常からグローバル化する経済のことまで、柔軟にも自分たちの言葉でコミュニケを発表し続けた。蜂起するはるか以前から自分たちの豊かな世界像を練り上げていて、それは具体的な法整備や、社会システムの構築にまでおよんでいる。その根底にあるのは、自由、民主主義、正義。教条的なイデオロギーを明文化する方向とは正反対に、具体的で豊かな、そして夢のあるアイデアをあまねく取り込んだ内容になっている。文体もエッセー風のものから、沸き上がる怒りを抑えたものまで、種々様々。サパティスタたちの豊かな世界観がここに濃縮されている。
|
| 1997年12月22日、チアパス高地のチェナロォ地区にあるアクテアル村で45名の先住民が虐殺された。ともすれば(メキシコ連邦政府やチアパス州政府が当初発表したように)単なる「先住民同士の諍い」で片付けてしまいそうなこの事件だが、小林は政府(PRI派)が先住民たちに仕掛ける「低強度戦争」の実態を正確に後付け、先住民諸運動の展開とその芽を巧みに摘んできた政府施策の歴史を簡潔にまとめ、事件の背景に迫っている。
|
| 主に中米地域の情報を伝え、特にグァテマラの民衆団体を支援する活動を行っているレコム。『そんりさ』はすでに50号以上出ているが、いずれの号も実際に活動する人々の体験記に溢れている。 メキシコ先住民関係の記事があるのは、 vol.22 「特集 チアパスは今」マルコス副司令官のメッセージや、メキシコ関連の本の紹介 vol.27 メキシコ「人間のため、そして新自由主義に反対するための大陸間会議」レポート 異色の世界会議に参加して‥‥古屋哲 など vol.45 「メキシコ・チアパス問題 紛争から大災害へ?」 など。
|
| 支援委員会・東京 発行のパンフレット。現在6号まで出ているが、EZLNの声明(その多くがマルコス副司令官名)を日本語で詳細に知ることができる数少ない文字媒体のひとつ。「サパティスタ密林の夜明け−−サパティスタ支持基盤の村」ギオマル・ロビラ著、柴田修子訳 連載中。EZLNの外側にいて解放軍兵士の後方支援をしながら、むしろ実態としては政府軍や準軍事組織と対峙する「前線」で生き生きと「抵抗」している先住民たちの姿を描いている。
|
| ジャーナリストによる一風変った旅行記。メキシコを北から南まで駆け抜ける。もちろん旅の終わりはチアパス州であり、現代メキシコの文化と経済の諸々のせめぎ合いを論考する著者は、当然EZLNのことにも多くのページを割いている。CONAIのサムエル・ルイス司教とのインタビューもあり。サパティスタのことだけでなく、現代メキシコ社会の諸問題、先住民の歴史、さらには当節の政治・文化事情までをさりげに紹介しているこの本は、一読に値する。
|
| エンツェンスベルガー『政治と犯罪』(邦訳は晶文社から)に多大な影響を受けたこの書物は、全体が6つの論考で構成されている。そのうちのひとつがサパティスタを扱った「幾たびもサパタ」。EZLNの活動史のみならず、メキシコの政治状況、グローバル経済の荒波、そして先住民運動の脈動が生き生きとした筆致で描かれている。 けれどもその筆致はいわゆる「ノンフィクション・ジャーナリズム」のそれであり、センセーショナリズムの色が濃い感は否めない。数多くの情報や、インタビューが掲載されているのだが、今一つまとまりに欠けている点も気になる。 そんなまとまりのなさが、しかし、最後になって「サパタ」に収斂してゆく点は(個人により評価は様々だろうが)おもしろい。著者が「豊浦志朗」名義で書いた『叛アメリカ史』(ちくま文庫)からの抜粋「ある不死鳥伝説の素描−再読エミリアーノ・サパタ」が資料として収録されている。
|
| 日本では経済の「グローバル化」が叫ばれて久しいが、考えてみればラテンアメリカ経済は、それこそコロンブスの「発見」の時からすでにグローバル経済の荒波の中にたたき込まれ、様々に形を変えては巧みに搾り取ろうとするその動きのただ中に置かれ、翻弄されつづけたのであった。 ガレアーノのこの経済史の特色は3つある。ひとつは一貫性。経済構造の変化を歴史的に、五百年前から今日まで、決して平板な通史の手法で描くのではなく、迫力ある同時代史の手法で描き切っていること。もうひとつは、対照的な分析対象の(特に数字の)用い方。これにより読者は、政府や国際機関発表の「客観的な数値」とは別の、より現実を反映した客観数値の中に否応なく晒されることになる。そして最後に多様性。経済学の扱う労働、土地、制度、収益率、生産といった概念を越えて、歴史的な事件のあらましや個人や企業のもくろみを多彩に描くことで、人間の欲望の生々しさやそれに抵抗する人々の意志を、静かに、怒りを込めて伝えることに成功している。
|
| メイド、ジュニア、火炎芸人、越境者、赤ひげ、不良、与党員、野党員、闇商人、ゴミ捨て場住人、農民、警官、ジャーナリスト、プロテスタント、コメディアン、ホモ、霊能者、金髪美女、フェミニスタ、出国者。以上が全20話からなるこの本のテーマ。とにかく扱ってる話題が多種多様。別にメキシコという国の雑多さや猥雑さを意識して伝えようとしているわけではない。「現実」をそのまま描いただけだ。しかも経済状況や歴史の記述が、その「現実」を色褪せたものにするどころか、ますます面白いものにしているところにこの著作の価値がある。
|
| メキシコに住み、インディヘナとともに活動してきたバイオリニストが著した“古典”。すべてが彼女の経験に基づいた記述になっているので、メキシコ社会の全体的構造や、先住民が置かれた位置はなかなか把握しにくくなっているが、積極的に現地の文化に溶け込んでゆこうという姿勢や、貧困の問題に関して見聞きしたり、勉強したりしたことを素直に書いてゆこうという意志には敬服する。 「サパティスタ以前」(ほんとは以前も以後もないのだが)の様々な先住民運動に関しても記述があり、読んでいると、EZLNが決して先住民運動の前衛にいるのではなく、いろんな運動の中のひとつの形態に過ぎないということを再認識させられる。
|
| EZLNのマルコス副司令官が、先住民のアントニオ翁に聞いたお話を絵本にまとめたもの。内容は見てのお楽しみ。 ドミンゲスの画は本から活き活きと飛び出してきそうなほど。すばらしい。 amazon.com.で、安価で早く手にすることができる。
|