イギリス・フランス近代名画展
 
  2000年9月3日  奈良県立美術館

ここのところずいぶんと美術展もご無沙汰していました。なんだかんだと、計画通りにいかなかったりで、久しぶりになってしまいました。奈良県立美術館もそんな久しぶりの感じは受けなかったんですが、考えたら奈良へもお久しぶり。まだまだ残暑の中、だるい体をひきひき出かけてきました。

さて、今回の展覧会は、イギリスのアバディーン美術館所蔵作品から、イギリス、フランスの近代作品約80点を並べたものでした。イギリス絵画といわれても、ピンとこないですねえ。誰か有名な人いたっけなあと考えてしまいます。さらに、アバディーンというのはスコットランドに位置する、そういった美術館がどれほどの作品を所蔵しているかも楽しみでした。
イギリス絵画、う〜むなんと申しましょうか、あまりそそられる内容ではありませんでした。風景画から人物画といろいろとありましたが、気に入って見入った作品は少なかった。風景画は結構綺麗なんですが、面白味がない。構図的にもまとまってはいるものの、なんと云いますか、緊張感もないし、迫ってくる様な印象も、ジワ〜とした印象もなく。ちょっと残念でした。また、今回の展覧会の紹介に使われたのはロセッティの「マリアーナ」。イギリスの人物画は時々こういった作品を見ますが、この顔は好きでないですねえ。なんだか蝋人形のようで、ちょっと不気味なのです。なにやら文句ばかりですが、気に入った作品がなかったわけじゃないです。ジェイムズ・ガスリーの「新しい牧草地へー鵞鳥使いの少女」がなかなかよかった。横長の構図に、右から少女が小枝片手に左側に鵞鳥を追っている姿。画面左の鵞鳥は半分しか描かれてないのもあり、まだまだ左に続く鵞鳥の列が浮かんでくる。帽子を深めにかぶり、静かに鵞鳥の後を追う少女の姿がなかなか味わい深い。低い視線からまるで鵞鳥を追う少女と同じ目線で、画面一杯にとらえ、じっくりと見入ってしまいました。
後半はフランスの作品。ルノワール、モネ、シスレーといった有名どころの作品がそれぞれ1点ずつ。しかし、どれも小品といった感じのあまり特徴の出ていないのもありましたが、でも、イギリス絵画よりも味わいのある作品が並んでいたので、まあそれなりにたのしめました。

今回は目玉となるような名画とかはなく、有名作家のもそれほど傑作が来ていてわけではありませんでしたが、こういう美術展こそ普段は耳にしない日本では知られていない画家とか、あまり紹介されることのない作品なんかが観られるのです。そうやって自分好みの作品を見つけられたり、新た発見があったりする、嬉しいのです。
奈良県立美術館は、タイヘンゆったりと作品が並べられていて、天井も高く、ゆっくりと見られ、またソファーがあちこちと置いてあるのもありがたい。一回りした後でも気に入った絵の前でのんびりとソファーに座り鑑賞。ただ残念なのは、全てガラス内に展示してあり、ガラス越しでの鑑賞になることです。絵のタッチとかがじっくりと観られないのが少し残念でした。
 
 
  Created : 9 Sep 2000