| フェルメールとその時代 |
| 2000年4月4日
〜 7月2日 大阪市立美術館
(大阪市・毎日新聞・毎日放送主催) [予告] ついについに、フェルメールの「青いターバンの少女」が日本上陸します。まさか、この作品を日本で見ることができようとは…。嬉しさのあまり今回は鑑賞を前にそのお知らせです。2000年早々に、こんな報告が出来るなんて、とても幸せです。 フェルメールは、オランダの17世紀中期の画家。当時オランダは海外貿易などの成功で、豊な中産階級が生まれ、彼等が絵画を部屋に飾ったりするのが流行っていました。フェルメールも当時流行った風俗画家の一人で、当時は全くと云っていいほど無名。19世紀になってようやくフランスの美術評論家トレ=ビュルガーによって「再発見」という形で広く知られるようになる。また、贋作家メーヘレンの存在によっても有名になりました。現在ではレンブラントと並んで、オランダを代表する画家となっています。 作品としては、風俗画家と云われる、当時の中産階級の生活風景を描いたのがほとんど。部屋内部で、音楽を奏でたり、手紙を書いたり、読んだり、と云ったもの。また、宗教画、風景画、肖像画的なものなどもいくつか。フェルメールの特徴は、なんと云ってもその光。窓から部屋に差し込む光りが、人物の一瞬の表情を捉え、見事な静かな緊張感を作り出しています。写実的に描かれたその作品は、強烈な印象はないですが、その一瞬の輝きに心奪われます。手紙を読むその女性、手紙を書きちょっと顔を上げた女性、牛乳を一心にそそぐ女性、編み物を一心にする女性、その静かな画面の中には、限りない物語に溢れています。見事な光りの描き方などの技法を見るのも楽しいですが、画面から溢れてくるその物語に浸るのも、フェルメール作品の楽しみでもあります。 その光の描き方については、カメラのようなものを使ったとも云われていますが、最近では別の説も出てきたり、まだ謎です。フェルメールはとにかく謎の多い画家です。当時無名だったせいもあるのでしょうが、彼の生涯についての資料は乏しく、絵が描かれた年についても不明なのがほとんど。現存する作品はわずかに30数点。その中でも現在真偽の不明なのが数点あり、画集によっては作品数が異なったりしています。 さて、今回の展覧会「フェルメールとその時代」では、日蘭交流400周年記念ということで、フェルメールの作品が5点、出展されるということです。 (1)「青いターバンの少女」(真珠の耳飾りの少女) オランダ マウリッツハイス美術館 (2)「天秤を持つ女」 アメリカ ワシントン・ナショナルギャラリー (3)「地理学者」 ドイツ フランクフルトシュテーデル美術研究所 (4)「リュートを調弦する女」 アメリカ メトロポリタン美術館 (5)「聖プラクセデス」 アメリカ バーバラ・ピセッカ・コレクション 以上5点。なんと云っても、「青いターバンの少女」です。フェルメールと云えばこの絵、と云う一番人気の代表作。青いターバンをし、なんだか大きな服を着た少女が振り向いた一瞬の表情。黒い背景をバックに、光りのあたったその表情は、軽く開いた唇がなまめかしくもあり、輝く瞳が透き通る、大傑作です。門外不出的なこの作品の出品を決断したオランダ政府には、ただただ感謝、感謝、感謝!!です。『「今後、この作品が海外に出ることはまずないだろう」と関係者は断言する』(毎日新聞)、だそうです。 フェルメール展と云えば、’95〜96年に開催された、大フェルメール展が話題になりました。なんとその時には23点ものフェルメール作品が一堂に会したという、これからはまず起り得ない展覧会でしたが、見に行けない私はただただ指をくわえて悔しがっていただけでした。今回はそれには及びませんが、中には出品に難色を示したところもあったようで、開催に助力された方々にも感謝です。 私がフェルメールのファンになったのは、大学に入ってしばらくでしたでしょうか。某テレビ局の、名作絵画を紹介するわずか10分くらいの番組で、フェルメールの「デルフトの眺望」に、「青いターバンの少女」などを紹介していたのです。絵画とは思えない、その光の輝きにゾクゾクとさせられ、一気に魅せられてしまいました。私が絵画に興味をもち、絵画展にも足を運ぶようになったのも、このフェルメールのおかげと云えるでしょう。 今まで私が直にフェルメール作品を観たのは、ただ一点、ワシントン・ナショナル・ギャラリー展での「手紙を書く女性」のみ。フェルメール作品を観るには、海外の美術館に行かなければ無理かと思っていましたが、今回の奇跡のような展覧会には、嬉しさと共に驚きです。 皆さんも是非、足を運んでみてください。日本では、印象派ばかりが脚光を浴びていますが、フェルメールには絶対感動します。 私としては、フェルメール以外にも同時代の、ピーテル・デ・ホーホや、ヤン・ステーンと云った画家の作品も観られるようなので、楽しみです。この年代のオランダ絵画的にもこれだけそろうのはそうないでしょうから、そういう面でも貴重かと思います。 「フェルメールとその時代」展についての情報は下記のサイトにて紹介されています。 ○毎日新聞 わが国初の展覧会「フェルメールとその時代」 ○Johannes Vermeer フェルメール作品については、下記のサイトにて紹介されています。 ○Paintings of Vermeer |
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| Created : 4 Jan 2000 |