| パリ・オランジェリー美術館展 |
| 1999年11月
7日 京都国立近代美術館 ちょっと午前中は、バタバタとしていたので昼からポカポカ陽気の中をのんびりと出かけてきました。しかし、着いてみるととてものんびりとは出来ない人の多さ。入場するのに列ができているのは、始めてでした。うわ〜〜、とちょっとゲンナリで、やはり午前中に出かけて来るべきだったと、反省。 入場すると、いきなりセザンヌの作品がずらり。最近セザンヌ作品が好きになってきた私としては、いきなりオオ、オ〜、と嬉しい悲鳴。14点あったでしょうか。これだけのセザンヌ作品を一堂に会するのを観たのは始めて。しかも質もなかなかのものばかり。風景画と静物画が中心。風景画は、森の濃い緑に黄緑、黄色、土や石の赤といった色が混ざり合い、荒々しく迫力をも感じる。でもとっても温かさをも感じられて、観ていても飽きないんですよね。緑の木々の中の、赤色がとっても印象的で、温かく感じさせてくれるんでしょうか。 風景画でもう一点良かったのが、海辺で水浴をする風景。構図とか、絵としてはそんなには印象はないんですが、その海の青さがなんともいい。あの青色は、セザンヌの青。独特の深みのある青色を観ているだけでも、観る価値があります。 |
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| そして、静物画。以前は静物画自体、それほど好きでなかったのですが、セザンヌの静物画を知ってからは、じっくりと観るようになりました。今回は机上のリンゴを描いたものが数点。輪郭を黒線で描き、赤や緑に黄色、明るい色合いではなく、なんだかカビでも生えてるのかな、っていう感じ。でも、この色合いが実にいいのです。どっしりと落ち着いて、存在感があって、静物画で観ていて飽きないっていうのも他ではあまりない。 しょっぱなから、大満足でした。 さて、ルノワールのコーナーは、大盛況。日本で印象派って云うと、ルノワールと云うぐらい大人気だけあって、ものすごい人、人、人…。ごりごりとなんとか前に出て、観ることができました。こちらもずらり、セザンヌを上回る17点。これもまた、質のいい作品ばかり。 「ピアノを弾く少女たち」等、オルセーや他の美術展で観たことある作品の秀作ってのも何点かはありましたが、でも質は全く落ちていません。 「二人の少女」等の、少女を描いた作品の色合いはなんてすばらしいんでしょうか。ふくよかな頬が、うっすらと鮮やかに赤く染まり、輝く金髪は赤や緑もまざり、色彩ゆたかに。もうとろけるような色彩。観ていると、ホント豊な気持ちにさせてくれます。 ルノワールの息子たちを描いた作品もまた絶品。「ガブリエルとジャン」に「ピエロ姿のクロード・ルノワール」等。女の子かと見間違うような愛らしい表情に服装。息子たちをこよなく愛するルノワールの、限りなく愛情に溢れた眼差しをうかがえる傑作に、心洗われます。 静物画に関しては、私はセザンヌの方が好きでした。 モネもありましたが、たった1点。でもこの1点が実にすばらしい絵でした。「アルジャントゥイユ」。水辺、中央に赤い舟が2艘。水面には鮮やかに舟の赤が映り、手前には水草が水面を覆い、広がるバックの空、構図も見事、全体的に穏やかな色彩に包まれ、その絵に吸い込まれてしまいました。タッチもモネにしてはタイヘン細かく、丁寧に描かれていて、至福の1枚でした。 今回は、なかなかに有名どころがそろってました。アンリ・ルソー、マティス、ピカソ、モディリアーニ、マリー・ローランサン、ユトリロ、等など…。どれも1点だけでなく、数点とりそろえてあり、特にモディリアーニ、マリー・ローランサンをいくつも観られたたのは嬉しかった。しかし、ルノワールの絵の前では、牛歩どころか、カタツムリのように全く動かなかった群集が、他の絵はまるで素通りのようにちらちら観るだけで、じっくりと観いる人がほとんどいなかった。有名だからって観るんでなくって、もうちょっと気に入った絵を探すとか、自分なりの楽しみかたをすればいいのにね。 そういう私も、マティスの絵の良さってのが、いまいちわからない。色彩的、構図的な面白味はあるけども、じっくりと観ていたいとは思わなかった。 あまりにも、人が多く動かないため、前で見ている人は待ちきれずに目の前の絵はもう観ずに隣りのを覗き込んでる。だもんで、後ろからは前の人の横顔を見る羽目に…。後姿ならまだしも、これはちょっとイヤですね。一番前にいるのに、絵を観るのはほんの一瞥。あとはただ列が動くのを待ってる。なんで目の前の絵をもっとじっくりと味わおうとしないかなあ。最近は、こういった文化的なものに興味を持って、観に来る人が増えているのはいいことだと思いますが、その内容はだうなのかなあ、とちょっと疑問です。もっとゆとりを持った楽しみ方が必要でしょう。 今回は、人の多さに疲れてしまいましたが、その絵の内容にはタイヘン満足でした。ビッグネームに値する作品群。おきまりの印象派ばかりではありましたが、これだけ揃うこともそうないでしょうから、貴重な一時を過ごさせてもらいました。 |
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| Created : 14 Nov 1999 | ||