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1999年9月26日 京都市美術館
いよいよ、ようやく涼しさを感じられるようになってきたこのごろ、芸術の秋もいよいよ本番と云った感じになってきました。なんだか、うだうだとしているうちに、本展も最終日になってしまいまして、おっといかんいかん、といそいそと出かけてきました。
さて、本展は先にチラシで紹介を見てましたが、モネにセザンヌ、クールベ、シスレーと云った印象派の面々の名前がでており、どんな絵が見られるのだろうという楽しみと、名前を聞いたことの無い美術館の展覧会だけに、また名前だけの小品でガッカリさせるなよ〜と、多少心配もしながら…
さて、案内によりますと本展は5つのテーマの内容と云うことでした。「イタリアへの旅」「自然、魂を映す鏡」「自然の外観」「光」「人間と木」と云うことで、自然と人間を描いた作品が多かったです。19世紀を中心に印象派の作品も並び、上記の有名どころの画家の作品もやはりほとんど1点ずつでしたが、それなりにいい絵が来てたので、十分楽しめました。
一番最初に眼にとまったのは、ヘンリー・ブロックマンと云う画家の作品数点。やわらかで繊細な色彩に、全体に靄のかかったような景色に、眩しいばかりの光りが輝き、なかなかに引き付けられました。薄い色合いにその構図が、日本画をも感じさせる。日本人好みだなあって感じの絵でした。
印象派では、モネ、ピサロ、シスレー、コローと云ったところが1点ずつ。いずれも、それぞれの特徴の出た絵でした。モネのは、なかなか大きなサイズで、全体を覆う青い色、海の色、うす靄の中、遠景の家々の青い景色、そんな中に真っ赤な夕日、海面にうつるその赤、モネの見事な色彩がすばらしい。遠景の家々の描き方も日本画を感じさせられましたが、どうなんでしょうか…。コローの絵は大作って云う程ではなかったけど、十分コローの雰囲気を楽しめました。
気に入ったところでは、セザンヌとクールベの作品。セザンヌの人物画はそれほど好きではないのですが、今回のは水辺での三人の裸婦像。やはり人物そのものの描き方は好きでないのですが、水辺の風景に溶け込んだような景色がすばらしい。粗いタッチでの濃い自然の緑の木々に水面。近くでまじまじとその筆のタッチを観た後、ちょっと離れて眺めてみると、おお〜と感動。あまり大きな絵ではないのですが、力強いタッチに濃い色彩のハーモニーが見事。すごくせまってくるものがあり、引き込まれます。
クールベのは、「クールベと黒犬」。黒い上着と帽子のクールベによりそう黒犬。右手奥には広がる遠景。ちょっと気取った感じのクールベに落ち着いた眼差しの黒犬。一見たいした絵には感じませんでしたが、なんだかしみじみと観てしまって、落ち着いたいい雰囲気を感じました。
後は、日本画の影響をもろ受けた作品群に、エッチング作品。日本画の浮世絵の影響を受けた作品は、もう浮世絵そのままの構図に、描き方。こんな想像性を感じられない真似作品って、美術品として並べる価値あるんかと思ってしまいます。確かに浮世絵が印象派の画家に与えた影響と云うのはただならぬもので、そういうのは日本人として嬉しくは思いますが、ちょっとこういうのは興味がもてない。で、そこはほとんど素通り…。最後のエッチング作品は、なかなか見るのがいつも楽しみ。影なども細かく線で描かれた絵は、なかなかに味わい深いです。どれも小さく細かくって、絵にひっつくようにして観てしまいました。
絵画展は行くたびに新たな発見をさせてくれます。気に入ってた作品は、ますます好きになりますが、それまであまり気にも留めなかったのとか、あまり好きでなかった作品にも感動させられたり…。どんなに画集で観ていても、本物の前にはかなわない。やはり絵画はまず本物を見るに限ります。
そして、こういった展覧会は画集では紹介されていない日本では無名の多くの画家の作品にも出会えるので、ビッグネームだけでなく、次はどんな画家の作品に出会えるんだろうって、いつも楽しみなのです。
今回も、いろいろと知らなかった画家の作品に出会えることができて幸せでした。 |