一本のモガシの
地面から120cm登ったところに蝉の抜け殻があった
そこから更に2m上
張りだした枝に隙間無くひしめき合う蝉たち
ジーーーーー
独唱に続いて一斉に鳴き出す蝉たちで
枝もゆれる
辺り一面蝉の音
突然
ぴたりと音が止む
指揮者が音をつかんだように合唱が止まる
耳がうなり出すほどの静けさの中
はらりと
モガシの赤い葉が落ちた
落ち葉の積もる地面に
一個
一足先に夏を終えた蝉
詩のようなもの |
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縮図
一本のモガシの
地面から120cm登ったところに蝉の抜け殻があった そこから更に2m上 張りだした枝に隙間無くひしめき合う蝉たち ジーーーーー 独唱に続いて一斉に鳴き出す蝉たちで 枝もゆれる 辺り一面蝉の音 突然 ぴたりと音が止む 指揮者が音をつかんだように合唱が止まる 耳がうなり出すほどの静けさの中 はらりと モガシの赤い葉が落ちた 落ち葉の積もる地面に 一個 一足先に夏を終えた蝉 2005/07/23
[←前へ戻る] 晴れのち雨
彼女はいつもキッチリとしていたから
大事な時はいつも晴れ 高く澄み渡る青空 晴れ女の面目躍如 四十九本の煙が流れて 全てが滞り無く過ぎ去って サヨナラと手を振った翌日は 蕭々と涙雨 2004/11/20
[←前へ戻る] 島に吹く風
海の真中に浮いているその島では
毎年大風が吹くという 澱みを払うため吹くという その年はいつになく大風が吹いていたというのだが それでも なお 島を覆う澱みは消えなかったのだ 2004/08/26
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