Mohole Project
21世紀モホール計画(マントル掘削計画)について
モホール計画とは:
世界最大科学掘削船である「ちきゅう」が完成,一般公開等を行い,マスコミにも取り上げられるようになり,世間の皆様にも少し我々がやっていることがしれるようになって参りました.
ここで,特に私が力を入れている「モホール計画」こと“マントル掘削”について解説したいと思います.
モホール計画とは,1957年5月,米国NSF のメンバーであるWalter MunkやHessによって提案された「海洋地殻完全掘削計画」です.
大陸地殻(30-60km程度)に比べて格段に薄い海洋地殻(平均5-6km程度)を,
モホ面 (モホロヴィチッチ不連続面:Mohorovicic discontinuity)まで掘り抜き,
その下のマントル物質を採取するという壮大な計画であります.
これ以前の,1900年代初期から,地球深部掘削の試みはたびたび行われてましたが,
"Mohole"という名前が使われたのはこのときが初めてでした.
#"Mohole"は,"Moho"と"hole"を引っかけて作られた英語の造語です.
決して「"モホ"を"掘る"から"モホール"」という日本語的な造語でありませんのでご注意を.
更に1959年にニューヨークで行われた戦後第1回目の「国際海洋学会議」にて,
スクリプス海洋研究所 (当時)所長・レベル教授が記者会見を行い,
正式に"Mohole"計画として発表されました.
この深海掘削計画が始まって以来,様々な場所で深海掘削を行ってきました.
しかし,次第に研究者の興味はより浅い部分での変動(堆積物)を調査することへと移り変わって行ったのです.
そしてついに,資金不足等により1966年8月,アメリカ議会が正式に停止命令を出し,Mohole Project は一旦中止されました.
このモホール掘削が,21世紀の日本の科学技術(地球発見! HP参照)の元に復活したのです.
2005年7月ついに完成した巨大掘削船「ちきゅう」は,
2007年後半からは,水深2500mの海底から海底下6000mまでのプレート境界(巨大地震発生帯)目指して掘削を始める予定です.その後さらに水深4000mの深海底から,海洋地殻を掘り抜き,マントルまで到達する掘削を行う予定でいます.
アポロ宇宙計画が発表されるよりも前に始まり,アポロ11号が月に人類を送り込むよりも以前に中止に追いやられたこのモホール計画ですが,
この21世紀に蘇り,私達の現役時代にモホまで到達可能なところまで来たのです.
参考文献
・海底下の2億年 海洋の起源を探る航海(たび)/P.ブリッグス [著] ; 竹内均訳 (東海大学出版会)1976年
・地球内部の探検 : モホール計画 / ウィリアム・J・クローミー [著] ; 奈須紀幸訳 (時事通信社)1966年
・「地球の内部でなにがおこっているのか?」平 朝彦, 徐 垣, 末廣 潔, 木下 肇 [著](光文社新書)2005年
モホール掘削への思い
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Last modified Sep 25, 2005
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