prologue
時の生成の場は行為により測られる
行為からすべての意味を剥奪したとき
そこには はるかに密度を増した世界の
細密な具象が現れる
物質の領域に貶められた行為は
虚空の地平に佇ずむことを許されない
むしろそれらは時空の巨大な慣性により祝福されており
限りなく豊穣な 今という世界の生成の現場に
参画せざるを得ないのだ
現在この瞬間のタブロウに削り取られた世界は
物という陰影の断崖に屹立する
過剰を払拭する不在
ここに現前するのは
親しげな既知である
ものたちは
裸形の所作により切り取られた
形ない静謐のなかに
微笑みに近い何かを纏って
間断もなく湧き出でる
瞬間の群れが厳かに事物の表皮を撫で
叫びと物象の殆ど境のつかぬ領域において
世界の輪郭を明瞭に画してゆくのだ