ワンポイント
「労働生産性」の基準は
企業は経営資源を活用して利潤を追求しなければなりませんが、企業が存続するための最低限度の生産性は絶対に維持しなければなりません。
生産性にも資本生産性、設備生産性等いろいろありますが、特に労働生産性は業種を問わず重視しなければならない重要な経営指標です。
労働生産性の指標の中でも、従事員1人当り加工高又は付加価値額は特に重要です。どのような企業でも、世間並みの人件費を支出してなおかつ事業を維持していくためには、ある一定以上の価値を稼ぎ出さなければなりません。それを従事員1人当りの月額か年額で計算します。
ここで加工高と付加価値額の違いに注意する必要があります。加工高とは、売上高から外部購入原価を控除した額を言います。販売業の場合には(売上高−商品売上原価)であり、建設・製造業の場合には{売上高−(材料費+外注費+消耗品費)}となります。また、サービス業の場合もこれに準じて社外から購入または社外に依託して顧客に提供する原価額を売上高から控除することになります。つまり、加工高とは売上高のうち自社が付け加えた価値のことです。販売業では粗利益額が加工高です。
一方付加価値額は加工高と同様に自社が付加した価値のことなのですが、付加価値項目として定められている金額を加算して求めます。
付加価値額=人件費+支払利息+賃借料+租税+営業純益
従って、一般に 加工高≧付加価値額 となります。どちらを用いてもかまいませんが、同業種の平均値及び自社の過去の実績値との比較を行い、毎期必要額を達成することが大切です。
ご参考に付加価値生産性(1人当り年付加価値額)と1人当り加工高(年)の指標を掲載します。
付加価値生産性 資本金1億円未満の法人 483万円
資本金1億円以上の法人 969万円
全平均 618万円
(「法人企業統計年報」平成10年値)
1人当り年加工高(黒字企業)
建設業 866万円 製造業 814万円 卸売業 972万円
小売業 712万円 飲食業 493万円 サービス業 761万円
全産業 815万円