検 査
肺機能検査 ・ 血液の検査 ・ 気管支の検査
心臓の検査 ・ その他の検査



肺機能検査

スパイロメーター(スパイロメトリー) ・ 全肺気量(TLS) ・ 肺活量(VC)
残気量(VR) ・ 努力性肺活量(FVC) ・ 予測肺活量 
1秒量(FEV1.0) ・ 1秒率(FEV1%)  予測肺活量1秒率(=指数) 
最大呼気流量(MEF) ・ 酸素消費量(VO2) 



スパイログラム(スパイロメトリー)

スパイロメーターという機器を使った肺(呼吸)機能検査のひとつ。呼吸による肺の中の空気の変化を測ることができる。機器につながった筒を口にくわえ、鼻から息が漏れないようにクリップなどで鼻孔を閉じ筒を通して息を吸ったり吐いたりする呼吸曲線(スパイログラム)が記録される。


全肺気量(TLC)

精一杯息を吸ったときに、肺の中にためこんでおくことができる空気の量。
肺活量〔VC〕と残気量(RV)と加えたもので、健康成人では約6〜7g。

@全肺気量が増加するもの
   肺が柔らかくなる病気で肺気腫等。

A全肺気量が低下するもの
   肺が硬くなる病気で肺繊維症など。
   胸郭が硬くなる胸郭形成術後など。
   呼吸筋力が弱くなる神経筋疾患など。


肺活量(VC)

ゆっくりとできるだけ大きく息を吸った後、ゆっくりと息をはいた場合に吐き出すことができる空気の量。
測定値は、年齢と性別と身長から割り出される「予測肺活量」との比(%肺活量)で判断され、80%以上なら正常、これ未満の場合は障害があると言える。
%肺活量〔%VC〕=肺活量/予測肺活量×100

越前水仙


残気量(RV)

できる限り息を吐き出した時に、肺の中に残ってしまう空気の量。


努力性肺活量(FVC)

できるだけ大きく息を吸って、一気に吐き出すことができる息(空気)の量。
呼吸器の機能に問題のない人では、正常の肺活量との差はほとんどないが、吐き出すことが難しくなるような閉塞性疾患(障害)や肺の弾力性が低下するような障害を持っている人では正常な肺活量より少なくなる。


予測肺活量

性別・年齢・身長から割り出し、健康な人であれば当然あると予測される肺活量。通常、20歳頃が最高で以降低下する。
〔予測肺活量の計算式〕

 男性(27.63−0. 112×年齢)×身長(cm)

 女性(21.78−0. 101×年齢)×身長(cm)


1秒量
(FEV1.0

努力性肺活量のうち、最初の1秒間に吐き出された量。


1秒率(FEV1%)

1秒量を努力性肺活量で割ったもので、息の吐き出しやすさを示す。

  1秒率=1秒量/努力性肺活量


予測肺活量 
1秒率(=指数)

スパイロメーターで測定される「1秒量」を「予測肺活量」で割って100を掛けた値をいう。
気道の通りやすさ、肺胞の弾力性、呼吸筋の力などを反映しており、身体障害者手帳や障害年金受給の等級を決める認定基準のひとつとなっている。

 予測肺活量1秒率=1秒量/予測肺活量×100

 


最大呼吸流量(MEF)

ピークフローによって測定される。
努力性呼出の最初の200mlから 1000mlが呼出されるまでの平均の呼出流量を測定する。
閉塞性疾患(障害)の指標となる。
できるだけ大きく息を吸い込んで、空気が漏れないようにしっかりマウスピースを口にくわえて、一気に強く吹いて、最も高い数字を記録する(通常2回測定する)。
喘息などの閉塞性疾患(障害)の人の場合には、朝と夕に測って基準値をみつけることが予防や治療には不可欠。

大文字草


酸素消費量(VO

外気から吸い込んだ酸素を体内でどのくらい使ったか(代謝に活用したか)を示す。
これを測定することによって代謝の活発さを知ることができる。また、最大酸素消費量を測定することにより、運動能力を見極め、適切な運動量を決めることができる。


血液の検査

アシドーシス ・ アルカローシス ・ 血液ガス分析
動脈血酸素飽和度(PaCO2・SPO2) ・ ヘモグロビン
パルスオキシメーター ・ 動脈血酸素分圧(PaO2)
動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2) ・ PH(ペーハー)=酸塩基


アシドーシス

血液が酸性に傾いた状態(pH7.35以下)。
〔原因〕
@肺気腫・慢性気管支炎・気管支喘息などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)。
A肺繊維症・肺結核・肺腫瘍・肺切除後の肺疾患など。
B脊椎後側わん症などの胸部・肺の運動障害。
C神経筋疾患による呼吸筋の麻痺。
D脳血管障害、麻酔薬過剰投与、肥満症などによる呼吸中枢の抑制。


アルカローシス

血液がアルカリ性に傾いた状態(pH7.45以上)。
過呼吸によって起きる。


血液ガス分析

動脈血から採決した血液からpH(酸塩基)、動脈血酸素分圧(Pa)、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO)ヘモグロビン(Hb)を測定する検査。

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動脈血酸素飽和度(Sa・SPO

通常はパルスオキシメーターによって測定される。パルスオキシメーターで測定した酸素飽和度は、SaまたはSPOと表記される。
動脈血中のヘモグロビン(Hb)に酸素(O)がどの程度結合しているかを示す。
〔安静時の酸素飽和度〕

93%以上:正常値

90%以下:検査を進める必要がる

70%以下:チアノーゼを呈する

50%以下:組織の損傷

30%以下:細胞の死


ヘモグロビン(Hb)

血液の成分の1つである赤血球に含まれる血色素。肺でのガス交換の時に、酸素と結合して酸素を体内に運ぶ役目をする。


パルスオキシメーター

血液中のヘモグロビンに結合した酸素の量{動脈血酸素飽和度(Sa・SpO)単位%}を測る機器。指先にバンドやクリップを巻きつけてはかる。簡単な検査なので運動中や睡眠時の血液中の酸素濃度の変化を連続して測るのに用いられる。


動脈血酸素分圧(Pa

動脈血内の酸素(O)濃度{分圧(単位torr}を示す。肺でのガス交換がどの程度障害されているのかを知り、酸素吸入の必要性や治療開始の緊急性を判断する。
〔正常値:一般的な正常値の下限の目安〕

 100−0.4×年齢(臥位)

 100−0.3×年齢(臥位)


動脈血二酸化炭素分圧(PaCO

動脈血内の二酸化炭素(CO)の濃度{分圧(単位torr)}を示す。
肺でのガス交換がどの程度障害されているかを知り酸素吸入の必要性や治療開始の判断をする。

正常値:35〜45torr

 

PH(ペーハー)=酸塩基

動脈血の酸性、アルカリ性を意味する。
血液中に二酸化炭素(炭酸ガス)が蓄積すると動脈血二酸化炭素分圧(PaCOの値が大きくなる)PHの値は低下する。何らかの原因により、生体の代謝系に異常な酸の蓄積またはアルカリの消失があって血液の酸性が高まった状態(PH7.35以下の状態)をアシドーシスと呼ぶ。逆にアルカリに傾いた状態(PH7.45以上の状態)をアルカローシスと呼ぶ。

正状値:7.35〜7.45

福寿草


気管支の検査

気管支鏡検査 ・ 気管支造影 ・ 経気管支生検


気管支鏡検査

先端にレンズをつけた直系約5mmの内視鏡(ファバースコープ)を口から気管内に挿入し、肺疾患や気管支の病巣の観察と病変の診断をするための検査。
軟性気管支ファイバースコープが開発されたことにより、従来到達できなったところも観察できるようになった。


気管支造影

気管支から枝分かれした気管支鏡が入りにくいような細部の様子を検査する方法。細いプラスチックの管を気管支に挿入し、造影剤を注入してX線テレビ透視下で撮影する。

経気管支生検

気管支の組織細胞を採取し、顕微鏡によって形態や細胞組織の観察をするためにおこなう検査。
口から内視鏡(ファバースコープ)と呼ばれる細い管を気管支まで挿入して、組織の一部を採取し、組織や細胞を顕微鏡下で観察する。

しろやまぶき


心臓の検査

心電図(ECG・EKG) ・ 心拍出量 ・ 心拍数

心電図(ECG・EKG)

心臓の拍動によって起こる電気的興奮を、手足や胸部の表面から誘導して、電圧の時間的変化として心電計で記録したもの。不整脈や肺性心などの肺の病気に伴う異常の有無を知るだけでなく、心筋の障害や左室肥大なども知ることができる。


心拍出量

1分間に心臓から拍出される血液の量。正常な人は、安静時3.5〜6 5gの心拍出量がある。
心不全を起こすと心拍出量は低下する。


心拍数

1分間に心臓の拍動する数。
正常な人間で安静時60〜80拍。
運動時負荷をかけることで増加する。

スイトピー


その他の検査

MRI(核磁気共鳴イメージ)  CT(コンピューター断層撮影)
Tomo(断層撮影) ・ ヒュー・ジョーンズ(H-G)呼吸困難度


MRI(核磁気共鳴イメージ)

X線を用いず、電磁波を用いて人体のいろいろな方向からの断面を正確に画像化する検査。
核磁気共鳴により発生する弱い電磁波を受診して体内のどの部分からどれだけの電磁波が発生しているかをコンピューターで計算して画像をつくり、これを詳しく分析することによって体内の正常部とは異なった病変部を発見することができる。MRIでは、X線被爆の心配はないが強い磁場を用いるので別の注意や配慮が必要になる。
〔検査が不可能な人〕
@心臓ペースメーカーをつけている
A体内に人工関節や手術クリップが入っている
〔検査の障害になるもの〕
@金属
A磁気カード(テレホンカード・マネーカード)


CT(コンピューター断層撮影)

人体を透過したX線を検査機を用いて検出し、それをコンピューターで処理して断層画像をつくり、人体を横断(輪切り状)にして、体内の様子を調べる検査。頭部から胸部、腹部などの内臓を鮮明に把握できる造影剤を用いることで診断の応用範囲を広げている。

omo

人体を横断(輪切り状)にして観察する画像撮影をいう。肺のある深さの層にピントを合わせ、目的の断面だけを鮮明に映し出すことができる。骨や大血管の陰影に重なった病巣や複雑な病巣群の中にある空洞の診断、病巣の位置の診断に有効である。

アカプルコ

ヒュー・ジョーンズ Hugh-Jones (H−G)呼吸困難度

呼吸困難(息切れ)の程度を客観的に評価するための1つで5段階にわけるもの。在宅酸素療法の適応を検討するときの目安をして用いられる。
〔ヒュー・ジョーンズ分類〕

 T度:同年齢、同体格の健康な人と同様の動作、歩行ができ階段や坂
     を登ることも健康な人と同じようにできる。
 U度:平地では同年齢、同体格の健康な人並に歩行ができる。階段や
     坂の昇降は健康な人と同じようにはできない。
 V度:平地でも健康な人と同じように歩けない。自分のペースならば1k
     m以上歩ける。 
 W度:休みながらでないと50m以上歩けない。
 X度:会話、衣服の着脱にも息切れがする。息切れのため外出もでき
     ない。