ギフト (DVD)
監督:サム・ライミ
ほどの良さが格調を感じさせる効果をもたらした。
偏見だが、「アメリカ南部」というと、いろいろ因習と無知と偏見渦巻く現代の暗黒世界、というムードがある。オレだけか? まあそれはディープサウスで、ジョージアはもっと現代的な合理性があるのだろう、当然。
とにかく、「南部」で、カード占いをしていて、殺人事件を見通したり犯人を当てたりしていると、「魔女」と言われて大変な事になるじゃないか、という感じがある。
が、この作品では、ヒロインは多少の非難はされるが、リンチを受けたり家を焼かれたり町から追い出されたりする事はない。事件の罪をなすりつけられて苦しむ事もない。
僕はてっきり、ヒロインのケイト・ブランシェットがとことんまで追い込まれてぼろぼろになってしまうのか、と思っていた。
で、この作品の予備知識もないままに見たのだが、憎まれ役が、あの、キアヌ・リーブスだったのには驚いた。キアヌが、こんな役を? しかも、「憎まれ役のように見えて、実はいいヤツ」という構造でもない、ほとんどストレートな憎まれ役。しかも、キアヌのドメスティック・バイオレンス夫から離れられないダメ妻をヒラリー・スワング、そして、四面楚歌で頼る者もいないヒロインに唯一同情的な学校の先生がグレッグ・ギニアという豪華キャスティング。これは、サム・ライミが信頼され「使って欲しい監督」だからなのだろうか。
そういう事はさておき、ラストは、心癒される。人の真心というものを信頼したくなる。そういう温かなラストに、ほっとした。ギトギトの血みどろの末に助かるよりも、こういう作品の方が、心地いい。救われる気分だ。
これは、作り手側にいろんな「余裕」が出来た証拠のように感じる。ということは、サム・ライミの作家的成熟なのだろう。そう思うと、なんだか親戚のように「よかったねえ」と思ってしまう。作家は成熟していくものなのだから、素直に賞賛したい。