ソウル・ガーディアンズ−退魔録−

監督:パク・カンチュン

 韓国映画としては空前のCGを使ったホラー映画、ということだが、感心しなかった。
 韓国と日本では、生活レベルの見た目がとても似ている、ということもあるので、『異国情緒』に惑わされないし、この映画の中に出てくる描写の大半が、日本の映画やテレビドラマのエピゴーネンに見えてしまう。
 冒頭に登場する刑事(殺人現場にハンバーガーを食いながら登場)を見て、あ、こりゃあかん、と思った。こういう勘は当たるし、特に映画祭で映画漬けになっていると鋭くなっている。
 で、やっぱり、ダメだった。
 こういう作品は、ディティール描写を丁寧にしないと恐くないし映画としてリッチな感じがしない。
 そもそも僕はヤソ教徒じゃないから、キリスト教的恐怖(即ちホラー)には鈍感なのだが、この作品、テンポがのろくて困った。
 他の作品が極めて現代で快適なテンポで難しい題材を描こうと疾走しているのに、この作品にはそういう疾走感(ドライブ感といってもいい)が足りない。
 やはりこういうジャンルのものは、アレヨアレヨという間にとんでもない世界に観客を引き摺り込まなければならないと思う。それが出来ていない。「まだ同じようなところをウロウロしてるのか!」と思ってしまう。
 また、観客に知らされない、もしくは知らせていても判り難くて記憶に残らない情報が多すぎた感がある。
 この作品のキモの部分であろう、主人公の男は、いったい何者なのだ? 彼はどうしてヒロインと絡んでくるのだ? もう一人の主人公である元医師で今は破門されかかった神父はよく判る。しかし、この男がよく判らない。眠気を堪えて見ていたから、見落としているのかもしれないが……。
 
 アメリカ映画を、日本もよくパクる。それと同じことをこの作品も、ディティール描写とかキャラクター描写でしているのだと思う。しかし、似てるヒトがやると、なんだか日本映画をパクったように見えてしまう。これは誤解だろうが。
 
 で、アメリカ映画を見慣れた韓国の観客も目が肥えているだろうに、この程度のCGに驚き、喝采を送ったのだろうか?(タイトルにイマジカの文字が見えたが、処理は日本でやったのか?)
 
 東洋的ホラーというのはいろんな可能性があると思う。が、この作品は、ちょっと違う、と思った。