夫婦山行その45 尾瀬沼

平成16年6月20日

ワタスゲの広がる尾瀬沼 大江湿原   〜久しぶりの会津行〜

 

(コースタイム)

沼山峠7:30発−三平下9:00/9:30−沼山峠11:00

 

会津から帰ってきて3ヶ月。都会での慌しい生活にも慣れてきたが、深夜まで仕事をして帰ってきたときにふと「会津では今どんな季節なのかな。どんな花が咲いているのかな」などと一人ベランダでウイスキーを飲みながら思いを馳せることが多くなった。

久しぶりに夫婦で休みが揃ったので、両人一致で会津へ戻ろうと決めた。前日土曜日の午後に埼玉を経ち、夕方に前の職場に顔を出し、地元の木賊温泉につかった。村の人たちも馴染みのある顔ばかりで、ビール一本を買いに行くにも心が躍る。緑の成分を含んだ空気がおいしい。

前の上司や同僚と楽しい時間を過ごした後、明日の尾瀬行きにそなえて桧枝岐村まで車を移動した。村の中ほどにある中土合公園に停泊し、フィットを寝台車試用にして、ほどなく眠りに着いた。

翌朝、少し肌寒さを感じながらの始まりとなった。車を降りて背伸びをする。舟岐川のせせらぎが朝のゆるりとしたリズムには心地よい。フィットを始動させ、一路尾瀬の玄関、御池へ向かう。途中、残雪をいただいた燧ヶ岳がブナ林の向こうで我々を見下ろしている。その表面にははっきりと分かる「火打ちバサミ」の雪形が姿を現していた。

御池にてシャトルバスに乗り換え、沼山峠までの座席はもちろん左側を選ぶ。広大なブナの林を眼下に見下ろし、その先には帝釈、田代の連山を望むことができるからだ。20分後、沼山峠へ到着した。

 

どっしりとした燧ヶ岳を望む

ワタスゲが広がる大江湿原

 

今の時期、尾瀬沼を飾るのはワタスゲである。5月後半のミズバショウや7月後半のニッコウキスゲと比べると地味ではあるが、メインを山や沼に譲り、脇役となって尾瀬というフィールドを盛り上げるという点では名役者である。

ワタスゲと同様、この季節は激しい自己主張をする花は少ない。ゴゼンタチバナ、サンカヨウ、タテヤマリンドウ、ツマトリソウ、オオバタチツボスミレ、などの花はあくまでも脇役に徹している。次へ続くニッコウキスゲやサワギキョウなどへの夏花へのバトンタッチを、地味ながらも着実に行っているように思う。

 

タテヤマリンドウ(大江湿原)

イチリンソウ(三平下)

ミツガシワ(三平下)

 

ホトトギスの声が湿原によく響く。「ケキョホケキョキョ」という一塊の旋律が、回を重ねるにしたがい次第に低音になっていく。その変化を感じながら歩くのも面白い。やがて長蔵小屋を経て三平下に着いた。途中、オオバウユリの太い幹が今にも花を咲かせようとしていた。

 

大江湿原から尾瀬沼を望む。

 

遅咲きのリュウキンカがまだ咲いていた。

小繋林道からの会津駒ヶ岳。

 

 三平下からは来た道を戻った。大江湿原から山道に戻るとき、女房が湿原へ向かって手を合わせ「また来ます。次もきれいな花を咲かせてください」と願いごとをしていた。私もまったく同じ気持ちであったが、照れもあって言動には出せなかった。

 帰りは桧枝岐村の燧の湯で汗を流した。桧枝岐村と舘岩村を結ぶ小繋林道を選び、小繋トンネルをくぐる。途中、まだ白く輝く会津駒ヶ岳と中門岳の姿に車を止めた。二重三重になった奥に、堂々と横たわる「南会津アルプス」へ一時の別れを告げて、帰京した。次回は紅葉の綺麗な頃に訪れたい。

 

 

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