最終更新日:2007年7月11日
『日本のピアノ100年 ピアノづくりに賭けた人々』(草思社) 2004/11/1 UP
【ノンフィクション】
日本で初めてピアノが作られてからの100年を、本当に駆け足で綴った本。帯によると、日本は世界のピアノ王国、だそうな(笑)。ちょうど、時期的にみても、「まさしく我が家もその通り!」と言う記述があったりして、思わず苦笑いしてしまった。
『タスマニア最後の「女王」トルカニニ』(草思社) 2002/11/15 UP
【ノンフィクション】
大英帝国の植民地となったオーストラリアのタスマニア島。19世紀のはじめに、その島に渡った一人の英国人が、報奨金目当てに原住民囲い込みに励む・・・知らずに手を貸した一人の少女は、囲い込まれて、やがて絶滅するタスマニア人だった。
これはただ、「悲劇」という言葉だけで言い終えることの出来ない重い歴史。過去から何かを学ぶことが、人にとってどんなに難しいことなのかを改めて感じさせる。学べない人にはなりたくない。少しでも、何かひとかけらでもいい、意味を掴み取りたい。
『ローマ建国伝説 ロムルスとレムスの物語』(講談社学術文庫) 2007/7/11 UP
【歴史】
歴史として読むか、伝説として読むか・・・意見が分かれるかもしれませんが、もともとは歴史だったはずの物語。いつしか生きている人に都合の良い伝説に変わってしまっただけ。ときには、その方がいいことだってある・・・あからさまに真実を告げられるよりも。
『全国アホ・バカ分布考』(新潮文庫)
【ノンフィクション】
手にした文庫本のあまりの厚さに、懼れおののいてから半年。夏休みを利用して読むことにしました。初めは番組のためだったのに、いつの間にかそういう枠組みを越えて、どんどん研究にのめり込んでしまう・・・その様子に思わず引き込まれました。特に後半、アホとバカの語源の謎に迫るところは全く目が離せません。
『グリム、アンデルセンの罪深い姫の物語』(角川文庫) 1999/7/18 UP
【フィクション】
グリム童話とアンデルセン童話を題材に、視点を変えて書かれたまったく新しい童話。かなり大胆な解釈に基づいて書かれているのですが、読んでいると「そうかもしれない・・・」と思ってしまいます。うーむ、童話って奥が深いわぁ・・・と思ったら作者の意図にはまってるのかも。
『あいにくの雨で』(講談社文庫) 1999/6/6 UP
【ミステリ】
登場人物の名前が、現実離れしすぎているほど、凝っていますねぇ。読み方を覚えるのが一苦労です(笑)。
やっぱり、なんというのか、独特の不思議な雰囲気のあるストーリーで、惹かれるんだけど、心のどこかで拒否してる・・・みたいなところがありますね。好きなのかどうなのか良くわからなくなってきました。
『痾(あ)』(講談社文庫)
【ミステリ】
一応、『夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)』の続編になるのでしょうか。登場人物は、生きている人たちはほとんど変わりません。これもちょっと不思議な雰囲気。ラスト近く、大変なことが起きてしまったんだけど、あれでいいのかなぁ。やっぱり全体的に不思議なお話だ・・・。
『夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)』(講談社文庫)
【ミステリ】
初めて読んだ作家です。なんと言うのか、ちょっと不思議なストーリーでした。一応ミステリなんですね・・・と、思うのですが、どこか納得できない部分があります。舞台の雰囲気は好きなんだけど。
『オペラの18世紀』(彩流社) 2004/2/21 UP
【評論】
オペラって、知れば知るほど分からなくなる。
18世紀に活躍した作曲家たちの生涯を、時代背景や関わった人たちを絡めて、丁寧に書き込まれた本です。作品は一人につき1作品取り上げられていて、どれもみな、聴きたくなり、観たくなるものばかり。とはいえ、これだけ集めるのは難しいだろうなぁ(ため息)。
『オペラ制作』(鳥影社) 2002/9/29 UP
【ドキュメンタリー】
私立の男子中学校・高校で4年間、連続してオペラ制作に携わった教員によるドキュメンタリー。こういうことを思いつく先生がいるって言うのも凄いけれど、それをちゃんとやってのける生徒も凄い。4年間に上演したオペラは、「ヘンゼルとグレーテル」「魔笛」「魔弾の射手」「後宮からの逃走」で、もちろん、編曲したり、短縮したり・・・男子校という制約もあって、女性役を削ったり・・・それでも、台本や制作資料を見る限りでは、やっぱりオペラ。この4年間に在学した生徒たちは幸せものです。
『定刻発車〜日本の鉄道はなぜ世界でもっとも正確なのか?』(新潮文庫) 2007/2/18 UP
【ノンフィクション】
日本の鉄道の正確さといったら、私たちにはごくごく当たり前のことに過ぎないけれど、一歩国外に出てみると、もう、とんでもないほどの奇跡。時刻表を見て、見合う時間に家を出て、ホームで電車を待つ・・・そこにはほとんど寸分違わず、必ず電車がやってくる・・・そこに疑問を感じてここまで調べる人もすごいけれど・・・本当に、引き込まれて読んでしまいました。
『停車場有情』(朝日文芸文庫)
【エッセイ】
遠い昔、どこかで見たような気がする懐かしい風景。子どもの頃に見たけれど、すっかり忘れてしまっていた情景が、心の奥から静かに甦ってきました。
『彼方の微笑』(創元推理文庫) 2003/7/30 UP
【フィクション】
なんと久しぶりに、じっくりと読み込んだ小説だろう・・・朝夕の通勤電車の中で、ほんの数ページずつ読んだ文庫本なんて、実際これが初めてといっていいかもしれない。たった今読んだばかりの言葉に、捉えられてしまったのは、いつのことだったろう? 次のページをめくるのと、元のページに戻るのとを繰り返したのは? 肝心なことは何一つ書かれていない・・・そんな気になるのはなぜだろう? 行間が、こんなにも深い意味を持って迫ってくるのは? 噛み砕いてしまうのに、読むのにかけた以上の時間がかかりそう。
『クレオパトラ(上下)』(新潮文庫) 2003/1/31 UP
【フィクション】
なんだか珍しい取り合わせに思えたので買ってしまいました。ヒロインのクレオパトラにあまりエジプトらしさを感じないのはどうしてかな? 歴史ものとしては楽しめたけど。
『寒椿』(新潮文庫) 2002/12/31 UP
【連作短篇】
はて、初登場?というのが不思議です。結構読んでいるつもりなんだけど(爆)。
どんな風に生きても同じ一生。だったら、どんなときにもこんな風に自分の力で凌いでいきたい。力が欲しくなると、なぜか読みたくなる作家。
『堪忍箱(かんにんばこ)』(新潮文庫) 2001/12/19 UP
【短編集】
読み終わったとき、思わずほぉっと、深いため息をつきたくなるような 苦味のある時代物を集めた短編集。みゆきワールドの時代小説は絶品。
『R.P.G.』(集英社文庫) 2001/8/26 UP
【ミステリ】
文庫書下ろしのミステリ。何気なく始まる前半から、息詰まるような取調室を経て、ゾクゾクと鳥肌立つようなラストまで、どこをとっても美味しかった。満足の一品。
『地下街の雨』(集英社文庫) 2001/8/26 UP
【短編集】
表題作を含めて、全部で7つの短編が収載されていますが、表題作に惹かれて買った1冊。本当は新刊の方が欲しかったのだけど、となりに並んでいたこの本も、思わず買ってしまっていました。
ミステリとはちょっと言えない・・・微妙な線の短編ばかりですが、面白いです。少しビターな幻想というのがふさわしいかな。
『パーフェクト・ブルー』(創元推理文庫) 2001/5/15 UP
【ミステリ】
元警察犬のマサが語り手、著者のデビュー作・・・だけど、今ごろ読んでいるよ〜(笑)
先に読んだ短編集でマサがすっかり気に入ってしまったのです。でも、短編集のマサのほうが頼りがいがある感じ! こっちの方では、そこはかとなく哀愁が漂っている雰囲気。引退したばかりって訳でもなさそうだけど。
高校野球界のスーパースターが被害者、というからもっと野球野球しているのかと思っていたけれど、そうじゃなくて良かった。当分目が離せない著者だな・・・と、これは独り言。
『理由』(朝日新聞社) 2001/4/29 UP
【ミステリ】
淡々と書き連ねられてゆく言葉が、まるで本当にあった現実の出来事のように。読んでいるうちに、これはフィクションではなく、実際に起きた事件なのだと錯覚してしまうような・・・一つ一つの出来事は、それがバラバラに、遠く離れた場所で、何の関係もなく、起こったことなのに、なぜかただ一つの結末へ向かって、滝壷へなだれ落ちてゆく一筋の流れのように、いつしか絡み合ってゆくのです。「僕もおばさんたちを殺したんだろうか」−どうしても飲み込めぬ小さな骨のように、喉もとに突き刺さった言葉が印象的。
『心とろかすような−マサの事件簿−』(創元推理文庫) 2001/4/21 UP
【ミステリ】
デビュー作『パーフェクト・ブルー』に出ていた用心犬マサが活躍する短編集。イラストのマサがとても可愛い・・・と思ったら、やっぱり、ひらいたかこさんの絵だった。
お話はずっとマサの一人称で進みます。ちゃんと聞き込みにも行くし、人の話も聞いて−というのは、聞き込みに行く場合には、現場近くの犬や猫、カラスが相手になるので−、ちゃんと推理もしている。もちろん、マサが推理したことは、直接人間には伝えられないのだけれど。聞き込み先の犬や猫たちの言葉遣いや性格がきちんと書き分けられていてびっくり。これは、『パーフェクト・ブルー』を読まなければ(^^;
『火車』(新潮文庫) 2001/4/1 UP
【ミステリ】
昨日、美容院の帰りに仕入れてきた本ですが・・・実を言うと、宮部さんのミステリは読むのが初めて。わぁぁぁ・・・今まで、どうして、読まなかったんだろう??? つくづく、自分の天邪鬼的な性格に愛想を尽かしてしまいますね。こんなに面白い本を今まで見逃していたなんて!!! これから頑張って取り戻したいと思います。
『平成お徒歩日記』(新潮文庫) 2001/1/12 UP
【エッセイ】
著者唯一の小説以外の本だそうです。実際に歩いて体験するというのは、なかなかよい企画だと思ったのですが・・・呼んでいるだけでも大変そう(笑)。時間と体力が許せば、一度どれかひとつくらいは追体験してみたいものですね。
「徒歩」を「かち」と読めない人がいたそうですが・・・「へいせいおとほにっき」って読むのは変ですよねぇ(爆)。それにしても、かの一太郎でも、「かち」と入力して「徒歩」と変換されなかったそうですが、MS-IME2000はちゃんと変換してくれました。
『ヴェルサイユの異端公妃−リーゼロッテ・フォン・デァ・プファルツの生涯』(鳥影社) 1999/6/24 UP
【伝記】
あの太陽王・ルイ14世の宮廷に、こんなに人間らしい、魅力的な人がいたなんて!
リーゼロッテは、太陽王の弟の再婚相手ですが、王族としてがんじがらめに縛り付けられた生活の憂さを晴らすかのように、とにかく手紙を書いては送りまくった一生をおくったようです。王弟の最初の妃・イギリスからお嫁入りしてきたアンリエット公妃が毒殺(・・・と言われていますが、真相は不明)されたあと、再婚していたなんて知りませんでした。
登場人物の関係が理解しにくいのが難点ですが、読みものとしても小難しくないので面白かったです。
『森のなかの海(上下)』(光文社文庫) 2004/11/1 UP
【フィクション】
読み始めの頃の劇的な展開が、いつの間にか、落ちついていって、最後は、なぜ、こんなにも穏やかになれるんだろう? 覗きこみたくないような深い淵を、恐る恐る覗き込まされたような、暗い部分も、大変なのだけれど、妙に明るい部分も、シーソーみたいで、読んでいる間中、不思議な感覚だった。
『月光の東』(中公文庫) 2000/6/18 UP
【フィクション】
ミステリと言ってもいいのかもしれない。謎がある、といえば、「ある」から。
月光の東、という不思議なタイトルに惹かれて買ったのですが、読み終わってみると、もっと不思議なイメージが頭の中に残っています。答えは、簡単には与えられないものですね。けれども、この本は、答えを得ることよりも、そこに至るまでの道がもっと大切、という事を教えてくれているのかもしれません。
『ひとたびはポプラに臥す 6』(新潮社) 2000/4/17 UP
【紀行文】
長い旅路の終わりが見えてきました。もう、あとわずかで日本へ帰ってきます。
この本を読んでいる間、私はずっと思っていました。人には誰にでも、必ず辿らなければならない旅路が待っているのだと。それは、いつ始まり、いつ終わるのか、普通の旅のようにはスケジュールが決まってはいないけれど、だけれども、いつか必ず、それぞれに決められた道を、決められたように、何かを探しながら、歩いていく日が来るのだと。
愛音にとっての旅はまだ始まっていない。いつか始まる旅が、今はとても待ち遠しい・・・。
『ひとたびはポプラに臥す 5』(新潮社) 1999/8/15 UP
【紀行文】
熱砂のシルクロードを旅してきた一行は、クンジュラーブ峠を越えて、パキスタン領へと入りました。ここで、今まで同行してきた中国人ガイドさんたちともお別れです。
そして、タイトルもこの間に決まりました。オアシスのポプラ並木が旅人たちの癒し・・・鳩摩羅什もきっとポプラの葉陰に憩いながら旅を続けたに違いない・・・と言うところから決まったそうです。この辺を読んでいて、愛音は思わず「オンブラ・マイ・フ」を口ずさんでいました。オペラ「セルセ」で歌われる有名なアリアです。
でも、ポプラって砂漠のオアシスでは大丈夫なのかしら? 少なくとも、うちの大学構内にあるポプラの木は、去年の台風で根こそぎ倒れてしまったんだけど・・・。水がないほうがいいのかなぁ?
『ひとたびはポプラに臥す 4』(新潮社) 1999/8/14 UP
【紀行文】
とうとう鳩摩羅什(くまらじゅう)の生地・クチャに到着。ゴビの中、最大級のオアシスです。オアシスと言うのは、本当に自然の不思議な力ですよね。まだ行ったことはないけれど、たぶん、行くことはないだろうけど、この本を読んでいると、私たちがいろいろと思い悩まなくても、自然はそれなりに配慮して、この世を形作っているのだと言う気がしてきました。
『ひとたびはポプラに臥す 3』(新潮社) 1999/8/14 UP
【紀行文】
シルクロード、といえば、天山南路。NHKで見たシルクロード以来、なぜか、シルクロードと言うと絹の道と言うよりもむしろ、神々しいまでに険しい白い山、を、思い浮かべてしまうのですが、とうとう、旅路も天山南路までやってきました。
エッセイそのものも極限状態をとても魅力的に書いてある本ですが、写真がとても素晴らしくて、読み終わったあと、しばらくはこのページ、あのページ、と、写真だけを繰って眺めています。
『ひとたびはポプラに臥す 2』(新潮社)
【紀行文】
まだ道半ば、ですが。どんどん奥地に入っていって、都会の人間が少しずつ崩れていって、最後に生まれ変わるとき、どんな風になっているんだろう、と思います。人を、こうまで突き動かすものって一体何なんだろう?
『ひとたびはポプラに臥す 1』(新潮社)
【紀行文】
こういう旅も一度はしてみたいなぁ・・・と思うのですが、たぶん、絶対にしないだろうな・・・。テーマのある旅って素敵ですよね。
『朝の歓び(上下)』(講談社文庫)
【フィクション】
人それぞれに、幸せの形は違っていて、そうであることが当たり前のことなんだと判っていても、どこかで「自分のものさし」を当てはめてしまっているのですね。「その人にとって幸せならそれでいいじゃない」という言葉が、宙に浮いたように聞こえるのは、「でも・・・」という後半のセリフが続いているからなのでしょう。ただ、音となって現れないだけで。作中の大きな砂時計。流れ落ちる砂を見て、「砂時計の中では滑り落ちていくのか、溜まっていくのか」とつぶやくシーンが印象に残っています。
『彗星物語』(角川文庫)
【フィクション】
あ〜、しみじみ。ボラージュに腹を立てたり、同情したり。3年間という時間を、私も共に過ごしたような気がします。フックが死んで哀しいけれど、彼がいたからこの話はあったんだと、勝手に思っています。

