最終更新日:2006年12月3日
『死もまた愉し』(講談社文庫) 2001/12/24 UP
【語り下し(句集併録)】
本当に若いころから死を見つめ、死を見据えて生きるとは、こういうことなのか・・・
人間はいつか必ず死ぬ、誰かに言われるまでもなく、当然の、わかりきった事実さえ、今生きている私はまだまだ先のことだと笑っている。死が視野に入ってきたときに、慌てたってしようがないのに・・・それでもまだ、どこかで「そんな先のこと・・・」と他人事のように思っている私がいる。
『瑤泉院 忠臣蔵の首謀者・浅野阿久利』(新潮文庫) 2006/12/3 UP
【フィクション】
ノンフィクションにしたいような気もするけれど、やはり、これは、「忠臣蔵の小説」になるのだろうなぁ・・・あとから考えれば、ちょっとしたこと、ちょっとしたすれ違い、ただそれだけに過ぎないのに、それが全部、悪い方に重なってゆくと、こんな風になってしまうのだ・・・なんともやりきれない、そんな思いだけが残りそう。初志を貫いた人も、そうでない人も、きっと、私たちが想像している以上に複雑な気持ちだったに違いない。そして、自分の選んだ道が、本当に最善のものだったのか、残る一生を悩んで過ごしたのかもしれない。人は、それぞれに、「そのときそのときで最善と思える道を選ぶ」しかないのだけれど・・・
『夏の庭』(新潮文庫) 2001/10/15 UP
【フィクション】
厚みのない本だけれど、これほどいろんなものが詰まった本はないでしょう。
人が死ぬ、その「瞬間」を見たい・・・子供たちが観察を始めた老人は、なぜかどんどん元気になってゆくようだった・・・いつ死んでもおかしくない、そう思って選んだ老人だったのに。けれど、観察している、とばかり思っていた子供たちも、実は老人に観察されていて、3人の小学生と1人の老人は、やがて交流を始める・・・夏が終わるころ、おじいさんは逝ってしまう。
そこからの数ページで、3人の小学生は、残りの半年を慌しく駆けてゆく。夏休みが終わるまでの時間はちょうど、子供のころに感じていた時間。いつまでも終わらない一日、長い長い時。秋から翌年の春にかけて、飛ぶように過ぎ去ってゆく時間は、これからどんどん早くなってゆく日めくりのカレンダーと同じ。
『ポプラの秋』(新潮文庫)
【フィクション】
読み終わった今、何と言ったらよいのか、思うような言葉が出てきません。思いつく言葉はみんなどこかピントがずれている・・・。さりげなく何かを誰かのためにする、それは難しいことだけれど、そういう風にできたら。本当は、それほど難しく考えないでも、一人一人、それぞれに出来ることってあるのかもしれないですね。ほんの少し、視点を変えるだけで、それは身近に見つかるのかもしれません。
『脳のシワ』(新潮文庫) 2006/9/7 UP
【エッセイ】
解剖学者養老先生のエッセイ。まじめなお話なんだけど、読んでいるとどうしても、クスッと笑いたくなる(笑)。どうしてだろう? 何にしても、知らないことを知るのはとても楽しい。気分転換にぴったりの本です。
『脳の冒険』(知的生き方文庫) 2003/10/18 UP
【エッセイ】
解剖学者養老先生のエッセイ。これは少々難解なんだけど、時々無性に読みたくなるのです。一つ一つが短くて助かりました(^^;
『続・涼しい脳味噌』(文春文庫)
【エッセイ】
なかなか興味深い表紙です。意味を求める方が変なんでしょうか(笑)。それはともかくとして、ミヒャエル・エンデの『モモ』に絡むお話、「なるほど!」と思いました。エンデの本って、なかなか意味深で大人になってしまった今となっては読みこなすのがとても難しくて、いやになってしまうのですが(あ〜、大人になんかなりたくない!)、そうか、こんな風に読めば良かったのね・・・と、思いました。なんだか得をした気分です。左利きの話も面白かったです。実は、私も左利きなのですが、特に矯正された覚えもなくお箸も鉛筆も右で持つので、誰も「左利き」だとは思っていないみたいです。でも、消しゴムもスティックのりも、左でしか使えません。
『誰も知らないイタリアの小さなホスピス』(岩波書店) 2005/7/21 UP
【ノンフィクション】
イタリアにあるとある小さなホスピスとそれを支える人々・・・ホスピスの始まりは、いつも、こんな風に、身近なことから始まるのだろう・・・それはやがて、自ら意志を持って流れ始め、静かだけれど、大きな波となって打ち寄せる。ここにも一つ、「死を想う」形がある。生の対極にある死。「メメント・モリ」は息づいている。
『死のある風景』(文春文庫)
【フィクション】
私小説。短編。散りばめられた幾つもの死、死、死。連綿と連なってゆく死。ずっしりと重い内容であるはずなのに、その重みを感じることはできない。いつの日か、私にも訪れるのだろうか−このように淡々と死を語れる時が? 「死ぬことは怖くない」そう言いながら、死を語れないのはなぜか? 死は怖くない。ただ、朽ちてゆくことが怖い。そう思うことは、欺瞞にすぎないのか? 「死は命あるすべてのものにとって、共通のゴールだ」と言う言葉に頷きながらも、やはり、「死ぬことは負けだ」と心の片隅のどこかで思っている…。
『iレディ』(角川ホラー文庫) 1999/8/14 UP
【ホラー】
ホラー文庫に入っているんだからホラーにしたけど・・・愛音の考えるホラーとはちょっと違います。でも、怖かった(^^;。ラストシーンが特に不気味だなぁ・・・。あんな目にあっても「当然!」と思えるんだけど、それでもやっぱり・・・
『アムリタ』(角川文庫)
【フィクション】
えー、今まで読まず嫌いでした(^^;) おじいさんの秘伝が心に焼き付いています。でも、この本は良かったけど、他のを読もうとは思わないですね〜。どうしてでしょうか。
『明治天皇の一日』(新潮新書) 2006/9/23 UP
【歴史】
これはいったいどういう分野にしたらいいのだろう? 一応歴史にしておいたけれど(笑)
読んでいると、思わず吹き出す個所が続出。だって、大の大人がこんなことをやっていたかと思うようなことばかりなんだもの・・・こうして本になって読んでいるから面白いけれど、こういう世界で実際に暮らさなければならないとしたら、大変だろうなぁ・・・(ため息)
『旅行者の朝食』(文春文庫) 2005/4/30 UP
【エッセイ】
裏表紙によると、グルメエッセイらしいけれど・・・雑食エッセイ、と言う気がする・・・(爆)
どうして手を伸ばしたのか判らない本だ(笑)
『退屈姫君恋に燃える』(新潮文庫) 2005/10/22 UP
【フィクション】
シリーズ3作目。人妻なのに「恋に燃える」とはなにやら物騒な(^^;
でも、読んでみると、いつものように、退屈をもてあましている姫君が、一見なんでもないようなことがどたばた喜劇に大変身。ほっとする展開です。
『退屈姫君海を渡る』(新潮文庫) 2004/10/14 UP
【フィクション】
退屈姫君シリーズ第2弾。今回の謎は、ちょっとありふれていてつまらなかったけれど、キャラクターたちが面白いのは相変わらず。実際には、こんなこと、出来なかっただろうけれど・・・(笑)
『退屈姫君伝』(新潮文庫) 2004/10/6 UP
【フィクション】
痛快な時代小説。結構、厚みのある本だけれど、ほとんど一気に読めてしまいました(笑)
『ダブル・スパイラル』(双葉文庫) 2003/12/21 UP
【ミステリ】
長編は2冊目? なんとなく、暇つぶしで読んでしまった・・・読んでいる間は、それなりに面白かったんだけど・・・
『医者がぼけた母親を介護する時』(集英社文庫) 2003/9/13 UP
【ノンフィクション】
二人の医者−息子と父−が、生活習慣病のためにボケ始めてしまった母親(妻)を看取った記録。この記録の何が凄いって、それは、介護する側からだけのことではなく、ボケつつある母親自身の言葉が残されていること。それは、本人にしか分からない辛さ。誰にも説明できないこと。それを残せるというのはこの人だから出来たことだなぁ・・・と思った。
『癒しの診察室』(徳間文庫) 2002/5/11 UP
【短編集】
未来の医療と診察事情満載の短編集。笑っちゃいけないのかもしれないけれど、大笑いしちゃう(爆) こんな様子じゃ、医療が進んでも、いえ、進めば進むほど、病気にならないように気をつけるほうがいいみたい。でも、「健康」っていったい何なんでしょうね? ほんとうに健康ってどういうことなんだろう? 病気になって治療するよりも先に、考えなきゃいけないことがたくさんあるじゃないかなぁ・・・
『神経内科へ来る人びと』(ちくま文庫) 2001/10/1 UP
【エッセイ】
神経内科での20年間を綴ったレポート、とでも言ったらいいのでしょうか・・・本当に本当の神経の病気から、外科や内科へ行くべき病気なんだけど、とりあえず最初は神経みたいな症状があらわれるもの、さまざまな病気を抱えて登場する患者たちへの先生のまなざしはいつも変わらない。たぶん、私が、先生の本を読み続けるのはその視線の確かさ。
『勝手に訪問2 大学病院の選び方関東・関西編』(幻冬舎文庫) 2000/7/30 UP
【ルポ】
大学病院にかかるときには、絶対にこの本を読んだ方がいいなぁ(爆)
病院内の売店やレストランのことまでレポートされていてとても役に立つ本だと思います・・・。
それにしても、大学病院って、大学病院って。(笑)
『ロックド・イン症候群』(幻冬舎文庫) 1999/11/11 UP
【フィクション】
ちょっとミステリタッチなんだけど、そう言い切ってしまうのもなんだかなぁ・・・という感じがするのでフィクション。あるいは、医学サスペンス、と呼んでもいいかもしれないけど、愛読するロビン・クックに比べるとサスペンス度が物足りないので、やっぱりフィクション(笑)
変わった題材だけど、軽く読めてまあ面白いけど・・・。この「・・・」がすべてを物語ってるよね(笑)
『介護の鉄則』(小学館文庫)
【エッセイ】
介護の厳しい現状を明るく見据えた本です。こんな先生がいる限り、日本の医療も捨てたものじゃないって思いますが、現実にはなかなか、なんでしょうね。軽く軽く書いてあるけど、本当はとっても重たい本です。
『大学病院最後の1年』(幻冬舎文庫)
【エッセイ】
とうとう辞めちゃったんですねー。思わず納得の一冊。やっぱり、いろいろ、あったんでしょうね・・・。これからも頑張って欲しいです。先生のファンは、ここにもいますよぉ〜。小説も読んでみようかな?
『医者も歩けば』(幻冬舎文庫)
【エッセイ】
海外旅行の時、一緒に行った友人が持ってきていて、帰りの飛行機で読みました。中の一節「最近死ぬほど食っているんです」が大うけ(笑)。それというのも、海外で死ぬほど”食って”きたばかりだったからなのですが・・・。
『午前3時の医者ものがたり』(集英社文庫)
【エッセイ】
エッセイとして読む分には面白かったけど・・・救急外来にだけは、決してお世話になるまい・・・そう堅く心に誓った読後でした。
『医者の半熟卵』(集英社文庫)
【エッセイ】
医学部ってもっと忙しくて大変そうに思っていたのですが、この本を読むと「そんないい加減なことでいいのか???」と、疑問だらけ。いくら面白そうに書いてあるからって・・・それでも・・・それでも・・・そう思うのなら読まなければいいのですが・・・読ませてしまう米山先生ってひどいと思う・・・。
『さまよえる患者』(集英社文庫)
【フィクション】
限りなくノンフィクションに近いフィクションでした。お医者様のエッセイを読むと、病院に行くのが本当に嫌になります。でも、ついつい手が出てしまうのです。これが、恐いもの見たさ、という厄介な気持ちなんでしょうか。
湯本香樹実
養老孟司