最終更新日:2007年8月25日
バーバラ・ヴァイン(Vine, Barbara)
『煙突掃除の少年』(ハヤカワポケットミステリ) 2002/3/21 UP
The chimney sweeper's boy
【サスペンス】
殺人事件は起こらない。それどころか、犯罪らしい犯罪も起こらない。ただ、罪は、ある・・・
死んだあとに、これほど丹念に過去が掘り返されるとは思っていなかっただろうか・・・それとも・・・。読みながら、そんな疑問が浮かんだけれど、読み終わった瞬間、「そうされるはずだ」という確信があったに違いないと思った。まるで、本当に、生きているかのような、じっくりと書き込まれた本。
『ステラの遺産』(ハヤカワポケットミステリ)
The brimstone wedding
【ミステリ】
久しぶりのバーバラ・ヴァイン。レンデル名義の本もここしばらく読んでいないので、どっちにしてもしばらくぶりです。ヴァイン名義の本は、ミステリというよりもサスペンスものが多いのですが、この本は、サスペンスというにはちょっと・・・と言う気もしますけど、人の心の動きを読ませるので、一応ミステリにしてみました。ジャンル分けって結構しんどいですね。
さて、この手のお話は、愛音はそれほど好みではないので、前半はだるかったのですが、後半はなかなかおもしろい展開になってきて楽しめました。ラストのひねり(ひねりと言うほどでもないのですが)はお気に入りです。
『アスタの日記』(扶桑社ミステリー)
Asta's Book
【ミステリ】
ルース・レンデルの別名義による作品。ある女性の年代記かと思っていたら、出てくる、出てくる、謎、また謎。謎に対してちょっと長すぎるような気もするけれど。
ヒーラット・ヴァーメイ(Vermeij, Geerat)
『盲目の科学者:指先でとらえた進化の謎』(講談社) 2000/10/28 UP
Privileged hands
【ノンフィクション】
3歳で失明した少年が、科学者を志し、初志貫徹、進化生物学者となった半生を綴った自伝。失明以前も、ほとんど色と大体の形が分かる程度、闇に閉ざされた中で、何かに挑戦していこうという、あのたくましさは、何処から生まれてくるのだろう?
目が見えないことは、彼にとっては、決してハンディキャップではない。むしろ、見える人には見えないものが、よりはっきりと見えているのではないか・・・そう思えるくらい。夢をかなえるのは、持って生まれた才能ではなく、まっすぐに前に進もうとする意志力なのかもしれない。こういう本が出ること自体は、まだまだいろいろな偏見が多いことを示しているのかもしれないけれど、帯に書かれた「目が見えなくても、夢はかなう!」という一言が、この本の素晴らしさに、陰りを添えているようで、それが少し哀しかった。
フレッド・ヴァルガス(Vargas, Fred)
『青チョークの男』(創元推理文庫) 2006/6/14 UP
L'homme aux cercles bleus
【ミステリ】
とても変わったタイプの警察署長、アダムスベルクが主人公の新シリーズ。フランスのミステリ界では大人気だとか・・・たしかに、フランスミステリらしい感じだけど・・・苦手意識が働くせいか、それほど楽しめませんでした。
『死者を起こせ』(創元推理文庫) 2002/7/18 UP
Debout les morts
【ミステリ】
フランスミステリにしては筋が通ってる(笑)
こんな風に書くと御幣を招くかもしれないけれど、普通は苦手なフランスミステリが、こんなにすらすら読めると、本当にこれはフランスもの?と思ってしまいます(^^;。一癖も二癖もある登場人物がずらりと勢ぞろいで、謎も謎でない部分も100%楽しめる貴重な1冊。
ジル・ド・ヴァン(Van, Gilles de)
『イタリア・オペラ』(文庫クセジュ) 2005/6/25 UP
L'opera italien
【評論】
イタリアオペラ史の入門書。オペラの始まりから近代まで、代表作の解説もついていて、とても判りやすく、お得な1冊。
S・S・ヴァン・ダイン(Van Dine, S. S.)
『僧正殺人事件』(集英社文庫)
The Bishop Murder Case
【ミステリ】
集英社文庫から出ている、「乱歩が選ぶ黄金時代ミステリーBest10」の1冊。好きな本なので、もうすでに2冊(創元推理文庫版と角川文庫版も持っているにもかかわらず、買ってしまいました。
気鋭の訳者による新訳だそうですが、個人的には、創元推理文庫の井上訳が好みですねぇ。
『僧正殺人事件』(創元推理文庫)
The Bishop Murder Case
【ミステリ】
ヴァン・ダインと言ったら、やはりこれでしょう。アメリカの黄金時代を築いた本格推理の最高傑作・・・とは、私だけが勝手に思っていることではない、と思います。ファイロ・ヴァンスは、一歩間違えばかなり嫌みな人間にもなりますが、責任感があって、ちゃんと一本筋が通っていて。
ロイ・ヴィカーズ(Vickers, Roy)
『老女の深情け−迷宮課事件簿III』(ハヤカワミステリ文庫) 2004/3/12 UP
Eight murders in the suburbs
【ミステリ】
実際にこんな課があるんだろうか? イギリスには?
あれば面白そうだなぁ・・・とは思うけれど、調べつくされて、時間も経ちすぎて、証拠もきちんと残っているんだかどうだかよく分からない状態・・・だいたいの事件は、1年とか2年とか経ってからまわされるみたいだ・・・で、引き受けなきゃならないって言うのは辛いよね。それも、毎回(爆)
『百万に一つの偶然』(ハヤカワミステリ文庫) 2003/11/10 UP
Murder will out
【ミステリ】
通常の捜査でお蔵入りした事件ばかりを相手にがんばる迷宮課の事件簿。どうしてそんなことから解決できるのか、よく分からないけれど、担当のレイスン警部はいつの間にか難事件を解決してしまっているのでびっくり。こういう短編集は面白くて好き。
サリー・ヴィッカーズ(Vickers, Salley)
『ヴェネツィアの青い天使』(DHC) 2003/4/28 UP
Miss Garnet's angel
【フィクション】
読み進めば進むほど、味のある本。残りの数ページは、本当に読んでしまうのが惜しかったくらい。かなり分厚い本ですが、それを感じさせず、ほどほどに重厚。聖書には親しんでいたつもりだったけれど(一応宗教教育のある学校を卒業したし・・・)、旧約聖書外典にはほとんど馴染みがないとわかってびっくり。こんなに物語性の高い本なのに・・・文庫でも出ているそうなので、早速読んでみようと思います。
クリフォード・ウィッティング(Witting, Clifford)
『同窓会にて死す』(論創海外ミステリ37) 2006/5/4 UP
A bullet for Rhino
【ミステリ】
殺される側の人間が気に入らない(爆)。だけれど、ミステリとしては上々。最後まで面白かったです。悔しいけど。
キャロリン・ウィート(Wheat, Carolyn)
『彼女は水草に抱かれ』(ハヤカワミステリ文庫) 2001/3/21 UP
Fresh kills
【ミステリ】
弁護士キャスが活躍するシリーズものですが、まだ第1作が翻訳されていないようです。この作品は第3作。
はじめの方では、納得いかない気分で読んでいたのですが、解決が見えてきた最後の数ページは、それまでを覆すような感じでびっくり。読み終わった今では、どういう評価をしたら良いのか、悩んでいますが・・・(笑)
ドナ・ウィリアムズ(Williams, Donna)
『自閉症だったわたしへ U』(新潮文庫) 2001/4/7 UP
Somebody somewhere
【ノンフィクション】
『自閉症だったわたしへ』の続編。読んでもなお、「自閉症」と言うものの意味が心の中に響いてきません。ただ、それが、感情というものに深く関わりがあるもの、という捉え方しかできない。耳に届く言葉や目に入るものに何の意味も感じられないことや、感情が感じられないことがどんなものなのか、想像もできない。
どちらがより「自由」なんだろう? 感情を知っていてさらけ出そうとしない人と、感情を知らないが故に何も出せずにいる人と?
『自閉症だったわたしへ』(新潮文庫) 2000/7/7 UP
Nobody nowhere
【ノンフィクション】
自閉症ってもっと違うものだと思っていました。こんな具合だとはちっとも思っていなかった・・・。
感想が書けない。
ロバート・ウィルスン(Wilson, Robert)
『セビーリャの冷たい目(上下)』(ハヤカワミステリ文庫) 2005/6/11 UP
The blind man of Seville
【ミステリ】
警察官が主人公のミステリだけれど、警察小説らしいさがないところが魅力。読んでいると、胃の辺りがぞっと冷たく、重たくなってくるような感覚で、簡単に先には進めないけれど、ミステリが重厚というわけではない。何かこう、「読みたくないなぁ」と思わせるものと、「いや、このまま読み続けなければ」と思わせるものが、不思議に同居している感じ。
R・D・ウィングフィールド(Wingfield, R. D.)
『夜のフロスト』(創元推理文庫) 2001/6/21 UP
Night Frost
【ミステリ】
フロスト警部3作目。今までは、フロスト警部の上司に同情していましたが・・・この巻を読んで考えを変えました(笑)。ドーヴァー警部みたいに下品で汚らしくても、ちゃんと仕事はしているし(仕事振りだけなら、名警部!)、人の手柄まで横取りするようなことは決してしないし、人は外見で判断しちゃいけませんね・・・つくづくそう思いました。
それにしても、この警察署は、本当にいつも人手不足なんですね・・・上の人に問題があるんじゃないかしら?(爆)
『フロスト日和』(創元推理文庫)
A touch of Frost
【ミステリ】
1冊目の「クリスマスのフロスト」は、冒頭からいきなり昏睡状態で登場の人物にびっくりさせられ、途中でも何度となくひっくり返りそうになりました。2冊目のこの本では・・・本当にひっくり返ったかも・・・人材が不足しているのやらそうでないのやら、悩めるところですね・・・もしも、私が上司だったら。
ジャクリーン・ウィンスピア(Winspear, Jacqueline)
『夜明けのメイジー』(ハヤカワミステリ文庫) 2005/4/30 UP
Maisie Dobbs
【ミステリ】
一口にミステリと言い切ってしまってよいかどうか悩むところだけれど・・・邦題から受ける印象とはまったく正反対に、中身は、実に味わい深い物語。長さも、バランスも、登場人物の興味深さも、何もかもがちょうど良い。
ドン・ウィンズロウ(Winslow, Don)
『砂漠で溺れるわけにはいかない』(創元推理文庫) 2006/10/11 UP
While drowning in the desert
【ミステリ】
またまたずいぶん久しぶりのニール・ケアリーのシリーズ。今回はものすごくイライラした。最初から最後まで。イライラすると言いながら、最後まで読みきるところが我ながらなんとも(笑)。一応これがシリーズ最終巻らしいけれど、あとがきを読むと、そのうちまた再開するらしい。個人的には、これで最後にしたい。
『ウォータースライドをのぼれ』(創元推理文庫) 2005/8/28 UP
A long walk up the water slide
【ミステリ】
久しぶりのニール・ケアリー。次々と変わる場面に時々イラツキながら・・・最後はなんだかほっとする・・・ニールは、これから自分の好きな道を歩けるといいなぁ・・・
『高く孤独な道を行け』(創元推理文庫) 1999/8/7 UP
Way down on the high lonely
【ミステリ】
ニール・ケアリーが主人公を務めるシリーズ3作目。2作目からずいぶん年月が経っています。物語の都合上、仕方の無いことですが・・・。今回も、ニールの行く手はかなり険しいもの。おまけに、ストーリーの設定自体がニールにふさわしくない・・・よーな気がする・・・。ニールは好き好んでこんなことをしているのではないのだけど、それなのに読んでいる間は、そう嫌っているわけでもないようにも思えてくるから不思議です。すべての片をつけて、ニールは再び静かに幕の向こうへと去ってゆきました。また逢える日を信じています・・・。でも、あとがきを読むと・・・不安だ(笑)
『仏陀の鏡への道』(創元推理文庫)
The Trail to Buddha's Mirror
【ミステリ】
1作目が出たとき、ちょっと変わったミステリだなと思いましたが、2作目のこの本はますます変わっているような・・・。あまりお薦めできない本かもしれませんが、何となく主人公が気になってつい読んでしまいました。
ヘンリー・ウェイド(Wade, Henry)
『議会に死体』(原書房) 2007/7/13 UP
The dying alderman
【ミステリ】
あ〜、やられた〜(笑)。こうも伏線だらけでは、アリバイを崩すのも大変。ふむふむ・・・と思いながら読んでいたら、あっという間に足元をすくわれてしまった感じ。
『塩沢地の霧』(国書刊行会) 2003/4/25 UP
Mist on the saltings
【ミステリ】
世界探偵小説全集37巻。
あ、騙されていたんだ・・・と半ばくらいで納得していたのに、最後は、まだ「あ、」と思わせられてしまいました。ちょっと苦味の残る結末ですが、そのわりには後味は悪くありません。
『警察官よ汝を守れ』(国書刊行会) 2001/6/17 UP
Constable guard thyself!
【ミステリ】
世界探偵小説全集34巻。第3期もいよいよ佳境か?
犯人はわりとわかりやすいほうだと思うのですが・・・どうでしょうか。今回は、殺された側にもちょっと問題があったと思うので、ラストシーンには胸が痛みますね。
『推定相続人』(国書刊行会)
Heir presumptive
【ミステリ】
世界探偵小説全集シリーズの1冊。なかなか出版されないので、本当に首が伸びてしまいそうです。この本は、第1期に入っていたのに、結局第2期に回されてしまいました。でも、まあ、待った甲斐あり。結構どんでん返しがあっておもしろかったです。犯人(?)も割と早くに読めちゃうのですが、なんだか憎めないんですよね。ラストシーンの続きが気になる終わり方もちょっと気に入ってます。
クリストファー・ウェスト(West, Christopher)
『黄昏の北京:王警部補の事件簿』(講談社文庫)
Death of a blue lantern
【ミステリ】
事件そのものはあんまり好きになれないタイプだったのですが、主人公の王警部補がとても良い味を出していて、お薦めのミステリです。最初から最後まで苦悩続きの中で、結構踏ん張ってくれます。登場人物の中国名が難しくてなかなか覚えられずに困ったけれど、次の作品が訳されたらまた読んでしまう(笑)
ドナルド・E・ウェストレイク(Westlake, Donald E.)
『弱気な死人』(ヴィレッジブックス) 2005/7/30 UP
The scared stiff
【ミステリ】
ミステリと言うよりも、コメディなピカレスク、といった感じだけれど、ウェストレイクらしい一品。面白い。
『斧』(文春文庫) 2001/4/11 UP
The ax
【ミステリ】
リストラされたために人殺しになった男・・・思わず、「そんなバカな!」と叫びそうですが、読んでいるうちに、「ふむふむ・・・」と納得してしまっている自分に危ない気分(笑)。こんなことが実際にあったら怖いけど、ないとは言い切れないよなぁ・・・たしかに、そういう時期だもの。
アリスク・ウェッブ(Webb, Aliske)
『12の金の糸』(青山出版社)
Twelve Goleden Threads
【フィクション】
パッチワークキルトに重ねて語られるおばあさんの人生哲学−金の糸。一冊の本の中で過ぎてゆく一年の時は、時に美しく、時に厳しいもの。おばあさんの最後の時は、まさに最後の言葉−人生に拍手を!−にふさわしいものでした。どのようなときにあっても、その瞬間瞬間に「成功」を感じられたら、その人生は平凡なものではなく、花も実もある素晴らしいもですよね。
パトリシア・ウェントワース(Wentworth, Patricia)
『ブレイディング・コレクション』(論創海外ミステリ21)
The Brading Collection
【ミステリ】
元家庭教師の老婦人が私立探偵と言う異色シリーズ。初めて読んだけれど、ミスマッチングな取り合わせなのに、本職っぽくて驚き。これはぜひとも読みつづけたいシリーズ。他のも翻訳されるかなぁ?
ヒラリー・ウォー(Waugh, Hillary)
『ながい眠り』(創元推理文庫) 2006/3/17 UP
Sleep long, my love
【ミステリ】
フェローズ署長の最初の事件、だそうな(笑)。いろいろな手がかりが次から次へと出てきては、どんどん反証が挙がってきて、もう何もなくなってしまったか・・・と思っていたら、見事などんでん返し。あ〜、すごい。
『愚か者の祈り』(創元推理文庫) 2005/7/12 UP
A rag and a bone
【ミステリ】
本当にいいものは、どんなに長いときを経ても、決して色褪せることはないのだ・・・それは、人生の色々なことだけではなく、ミステリと言う小説の1ジャンルにおいても同じなのだ・・・
荒削りだけれど、骨太の警察小説。1954年に発表された作品だけれど、発表年がいつか?なんてことはとっくに超越している。
『待ちうける影』(創元推理文庫) 2001/8/9 UP
Madman at my door
【ミステリ】
これが、1978年の作品だということがまず信じられません。むしろ、最も今的なテーマ。というよりも、今の日本の犯罪事情が、1978年当時のアメリカのそれと同じくらいになってしまったのか・・・
精神に障害があるということと、その人にどれだけの知性があるか?ということは必ずしも正比例するわけではなく、この二つの間には、まったく相関関係などないのだ、ということを、この本は示しているのかもしれません。精神に障害を持つ人が、それほど人の裏をかくようなことを考えたり、あるいは、そういう行動をとるなんて考えられない、というのは、ただ精神に障害をもっていないというだけの、いわゆる「正常」と呼ばれ、そう信じている人々の思い上がりに過ぎないのだ・・・と、思います。
人の心の中はまったくの闇。この本を読むと、そう考えてしまいます。
『冷えきった週末』(創元推理文庫) 2000/9/21 UP
End of a party
【ミステリ】
凄い! 久しぶりの上質ミステリ。やっぱり、ヒラリー・ウォーって最高。
ぜひぜひ、お薦めの1冊です。
『事件当夜は雨』(創元推理文庫) 2000/6/4 UP
That night it rained
【ミステリ】
よくある話・・・と思わせながら、どこかでちょっと「あれ? でも違うのかな」・・・雰囲気が楽しめるミステリです。
でも、内容よりもなによりも、タイトルのつけ方が愛音は好き(笑)。だって、味わいのあるタイトルだと思いません? やっぱりミステリのタイトルはこうでなくっちゃ(笑)
『この町の誰かが』(創元推理文庫) 1999/9/21 UP
A death in a town
【ミステリ】
最初から最後まで、インタビュー形式で書かれた変わったミステリ。テーマはヒラリー・ウォーらしくて、がんがんと突き詰めていく感じではないけれど、淡々としていながら、ページからどうにも目が離せなくて、ふと気づくと最後ページにきていました。久しぶりに面白いミステリを読んだ、と言う充実感があります(笑)
サラ・ウォーターズ(Waters, Sarah)
『夜愁(上下)』(創元推理文庫) 2007/6/17 UP
The night match
【ミステリ?】
「今」から過去へ・・・どんどんと遡っていくにつれて、砕け散ったはずの、パズルのピースが元通りに、きちんと収まっていく・・・そんな感じのミステリ。ミステリとは言い切れないけれど、隠されたものが明らかにされるのだから、やはりミステリと呼びたい。
『茨の城(上下)』(創元推理文庫) 2004/5/2 UP
Fingersmith
【ミステリ?】
上巻を読み終えたとき・・・読めた!と、思った・・・
なのに、あぁ・・・なのに、なんてことだろう? 下巻を読み進むにつれて、ちっとも読めていない、と思った。
はっきりミステリとは言いがたいけれど、サスペンスではなく・・・でも、しかし、ここには謎がある。読むに相応しい謎が。
『半身』(創元推理文庫) 2003/7/18 UP
Affinity
【ミステリ?】
あぁ・・・これはいったい、なんという本なんだろう? ただのゴシックロマンか、サスペンスか・・・そんな風に思って読み始めたのに、そして、読むのにひどく時間がかかっていたのに・・・どうしようもなく、ひきこまれてゆく・・・少しずつ、少しずつ。震えが止まらない終局、凄い。
ジャネット・ウォラック(Wallach, Janet)
『砂漠の女王〜イラク建国の母ガートルード・ベルの生涯』(ソニー・マガジンズ) 2006/8/13 UP
Desert queen
【ノンフィクション】
「アラビアのロレンスと共にイスラームの民を愛し、人生に愛を求めつづけたひとりの女性。砂漠を駆け抜けた、その愛と情熱に満ちた一生。」・・・帯の言葉に心惹かれ、手に取った一冊。英国の鉄鋼王の娘に生まれ、何不自由なく過ごした少女の日々から、イラク建国の立役者となった女性・・・それが、あのヴィクトリア朝時代の女性だと言うのだから驚き。しかるべき付き添いがいなければ、日中に出歩くこともままならなかった時代だというのに。始めは「逃避」に過ぎなかった東方への憧れが、彼女の生涯を支え、そして、死をもたらすことにもなる。才能も好奇心も、知識も大胆さも、男性が持っていたならば、これ以上はないほど人生に深みと幸せをもたらすものすべてが、女性をがんじがらめにする枷となる。それは今も変わらない。何一つ変わってはいない。もしかしたら、一見自由に見える現代の方こそ、もっと自由でないかもしれない。
シルヴィア・マウルターシュ・ウォルシュ(Warsh, Sylvia Maultash)
『死、ふたたび』(ハヤカワミステリ文庫) 2004/12/23 UP
Find me again
【サスペンス】
少しミステリ風味の入ったサスペンス。謎は、現代にも過去にも歴史の中にも。
久しぶりに、しっとりとした味わい深いサスペンスにめぐり合えた。とてもいい。
ミネット・ウォルターズ(Walters, Minette)
『蛇の形』(創元推理文庫) 2004/9/17 UP
The shape of snakes
【ミステリ】
読み始めはそれ程でもなく・・・だけど、読み進むにつれ、ぐいぐいと引き込まれてゆき、最後の数ページは、なんともお見事!というか、鮮やか、というか・・・
毎回思うことだけど、この作家、ラストの仕上げが憎らしいほど素敵。
『鉄の枷』(創元推理文庫) 2003/1/12 UP
The scold's bridle
【ミステリ】
読み終わって最後のページを閉じたら・・・知らず知らずにため息が出る。満足の? 驚きの? それともまたしてもしてやられたことに対する・・・
すべてが終わった・・・そう思ったあとのあのページがたまらなく残酷。
『囁く谺(こだま)』(創元推理文庫) 2002/5/3 UP
The echo
【ミステリ】
あぁ、なんという本なんだろう? まったく関係がないと思われる人が次から次へと出てきて、それがいつの間にか、本当は関係があるのかも・・・?と思わせるような展開になったり・・・あ、でも実際は違うかも、と思い直したり。出だしからじわじわと引きずり込まれて、最後はほとんど一気に読みきってしまった。
『女彫刻家』(創元推理文庫) 2000/9/24 UP
The sculptress
【ミステリ】
凍りつくようなエンディングが凄〜い!
前半は、「これって、冤罪」と、かなり納得させるような感じがありありと伝わってきたので、ページを繰るごとに、想像どおりの結末が近づいてきて、「やったぁ・・・」と、思っていたのですが・・・エピローグでやられた(笑)
しかし、ここまでやらなくても? ウォルターズってかなり偏執?
『氷の家』(創元推理文庫) 1999/6/6 UP
The ice house
【ミステリ】
ハードカバーが出版された時、大変話題になった本ですが、愛音は例によって例のごとく、文庫化されるまでじっと我慢してました(笑)。でも、待った甲斐あって素晴らしいミステリ! 今年のベスト10入りは確実です。
最初から中盤にかけて、意味がわかったようなわからないような変なストーリー展開の部分もあったけど、ラスト4分の1くらいですべて盛り返しました。
ジョセフ・ヴォルピー(Volpe, Joseph)
『史上最強のオペラ』(インプレザリオ) 20061/8/13 UP
The toughest show on earth
【ノンフィクション】
メトロポリタン歌劇場の総支配人による、知られざるメトロポリタン歌劇場(笑)。表側からは窺い知ることのできないどろどろした世界も十分に楽しめます(爆)
ヒュー・ウォルポール(Walpole, Hugh)
『銀の仮面』(国書刊行会) 2001/11/29 UP
The silver mask
【ミステリ】
ミステリーの本棚最終配本。世界探偵小説全集に始まって、ミステリーの本棚まで、この一連のシリーズを買い始めたのは、今の職場に異動になる前ですから、もう足掛け6年以上になるのですね。
楽しみだった本あり、読んで落胆した本あり、思いがけず儲けた気分になった本あり(笑)・・・最終巻のこの本は、私向きではなかったですけど。
エドガー・ウォーレス(Wallace, Edgar) ![]()
『正義の四人/ロンドン大包囲網』(長崎出版) 2007/8/25 UP
The four just men
【ミステリ】
正義の四人という、法では裁けない悪人に鉄槌を下す4人が主人公のシリーズ。4人のうち1人は、どうもずっと同じ人ではないようだけれど・・・古典作品を読むと時々感じる「かつては大作」だったという印象が否めない。ラストのひねりはイギリスらしい。
クリス・ウッディング(Wooding, Chris)
『魔物を狩る少年』(創元推理文庫) 2005/9/10 UP
The haunting of Alaizabel Cray
【ホラー】
普通のホラーかと思いきや、どこかおかしな世界での出来事みたいで・・・殺人事件も出てくるのにミステリではなく、魔物が出てくるのに単純なホラーでもない。異次元の世界でもあり、現実と同じ世界でもあるような・・・読み終わってもなお、すっきりとしないし、面白かったのかどうかさえ定かではない。
P・G・ウッドハウス(Wodehouse, P. G.)
『ジーヴスと朝のよろこび』(国書刊行会) 2007/8/5 UP
Joy in the morning
【フィクション】
今回もかなりのドタバタです。でも、最後には、なぜかうまくいくのが不思議です。なんだかとても、行き当たりばったりな感じなのに・・・(笑)
『それゆけ、ジーヴス』(国書刊行会) 2006/6/30 UP
Carry on, Jeeves
【フィクション】
どうしてこうも、おかしな人たちばかり出てくるんだろう? これだけの変な人物を創造できたウッドハウスは、よほどの変人か!?
『よしきた、ジーヴス』(国書刊行会) 2006/6/30 UP
Right ho, Jeeves
【フィクション】
長編なんだけど、短編みたいな感じで読めるし、分厚いのに、製本や装丁があちらのペーパーバック仕様なので軽い。中身にあわせて軽くしているのかなぁ?なんて思ったりして(笑)
『比類なきジーヴス』(国書刊行会) 2006/6/17 UP
The inimitable Jeeves
【フィクション】
ユーモア小説の最高傑作・・・とあったので、まとめて購入してみました(笑)。確かに面白いです。でも、どうして、主人のバーティーが、ジーヴスに良いようにあしらわれているのに我慢しているのかわからないなぁ・・・(笑)。特に最後の「大団円」。
ジム・ウーテン(Wooten, Jim)
『ぼくもあなたとおなじ人間です。〜エイズと闘った小さな活動家、ンコシ少年の生涯』(早川書房) 2006/11/1 UP
We are all the same
【ノンフィクション】
人間とは、なんと罪深い、愚かな、そして哀れな存在なのだろう。自分ひとりが生きていくだけでさえも、真の意味では一人ではどうすることもできない。なのに、それだけではまだ足りないとばかりに、互いに傷つけあい、ズタズタになりながら、生きていく術しか知らないのだ。人を蹴落とすだけの人生に、いったい何の意味があるというのだろう? 他の生き物に比べると、桁外れに多くのものを与えられているのに、まだ不足があるのだろうか?
ヴァージニア・ウルフ(Woolf, Virginia)
『ダロウェイ夫人』(角川文庫) 2003/5/31 UP
Mrs. Dalloway
【フィクション】
途切れなく続いていく言葉・・・入れ替わりたちかわり、次々と目の前を通り過ぎてゆく人々のように、絶え間なく流れてゆく・・・時に散漫な気持ちになってしまうけれど、それもまた面白い。
リザ・ウンガー(Unger, Lisa)
『美しい嘘』(ハヤカワミステリ文庫) 2007/6/17 UP
Beautiful Lies
【ミステリ】
美しい嘘・・・そんなものがこの世に存在するのだろうか? 嘘は、嘘。美しくても、醜くても。それが真実。