最終更新日:2006年10月10日
アン・マイクルズ(Michaels, Anne)
『儚い光』(早川書房) 2000/11/11 UP
Fugitive pieces
【フィクション】
行間から絶えず滲み出てくる、直視できぬものの存在が恐い小説だ。彷徨う魂が、過去を忘れられず、悪夢にうなされながら、生きてゆく・・・。恐ろしいことは、何一つ、直接には語られない・・・なのに、読み終わった私の心の中には、恐怖だけが巣食っているようだ。
フィオナ・マウンテン(Mountain, Fiona)
『死より蒼く』(講談社文庫) 2004/12/10 UP
Pale as the dead
【ミステリ】
ある意味で、謎を追う・・・と言うのはミステリなのだろうけれど・・・たぶん、私の好きなタイプのミステリではないはずなのに、最後まで、読めてしまった。ときどき、こういう本に出会う。
アン・マキャフリー(McCaffrey, Anne)
『もしも願いがかなうなら』(創元推理文庫) 2006/10/10 UP
If wishes were horses
【ファンタジー】
マキャフリーらしいファンタジー。ほとんど一息に読んでしまって、ほぉっとため息をつく。あぁ、なんて幸せ。それ以外に言葉はない。言葉はいらない。
『だれも猫には気づかない』(創元推理文庫) 2003/3/28 UP
No one noticed the cat
【ファンタジー】
久しぶりのファンタジー。 創元にしては大きな文字でもったいない(爆)
あっという間に読める他愛のないお話だけれど、安心できる。
イアン・マキューアン(McEwan, Ian)
『アムステルダム』(新潮文庫) 2005/8/6 UP
Amsterdam
【フィクション】
初めて読んだけれど、なんていったらいいのだろう? 言葉が出てこない。こんな風に考えるのは、ある意味で不謹慎だけれど・・・誰が勝者か? 最後にニヤリとさせる結末が凄い。
パトリシア・A・マキリップ(McKillip, Patricia A.)
『影のオンブリア』(ハヤカワ文庫) 2005/5/8 UP
Ombria in shadow
【ファンタジー】
かつてよく読んでいたマキリップ。この頃はほとんど読み返していなかったけれど、久しぶりに読んでみると、このなんとも言えず不思議な時間が、たまらなく愛おしい。この人の頭の中は、いったいどんな風になっているのだろう? こんな物語が、たえず、紡ぎだされてくるなんて。
マーク・マクシェーン(McShane, Mark)
『雨の午後の降霊会』(創元推理文庫) 2005/6/13 UP
Seance on a wet afternoon
【サスペンス】
初めはありふれたサスペンスもの・・・だと、思っていた・・・ラストの7ページが衝撃、と言う言葉も、単なるキャッチフレーズくらいに思っていた・・・本当に、最後のこの数ページが、この本のすべて。それまでの、短いのにだらだらとしている、もどかしさを、見事にひっくり返してくれる。
ヴァル・マクダーミド(McDermid, Val)
『処刑の方程式』(集英社文庫) 2001/6/17 UP
A place of execution
【ミステリ】
最初は普通のミステリだと思って読み始めたのに、いつのまにか、大変なことに・・・特に第2部に入ってからは目が離せない展開。あまりにも簡単にことが進みすぎているような感じがしていたのだけれど、こういうオチになるわけ?
『殺しの四重奏』(集英社文庫) 1999/7/15 UP
The wire in the blood
【ミステリ】
プロファイルもののシリーズ。これは邦訳2作目。前作を読んでいないので、ちょっとわかりにくい状況もあるのですが、それほど気になりません。かなり分厚い本ですが、内容も厚さに負けないほどの充実度。犯人あてのミステリではないので、早くから目指す相手はわかっているのに・・・という苛立たしさはほとんど感じませんでした。「これからどうなるのだろうか?」−次作への期待が持てるエピローグもお気に入りです。
フィリップ・マクドナルド(MacDonald, Philip)
『フライアーズ・パードン館の謎』(原書房) 2005/6/13 UP
Mystery at Friar's Pardon
【ミステリ】
ありふれたミステリ・・・読み出したときの印象は、個性溢れる登場人物たちの中で、どんどん変わってゆく。人が生きているところが○。
リチャード・マクドナルド(Macdonald, Richard)
『ハンニバル・レクター博士の記憶の宮殿』(夏目書房) 2001/7/12 UP
Dr. Hannibal study
【評論】
トマス・ハリスのレクター博士3部作に出てくる、あの「レクター博士」の研究書。なかなか面白かったです。殺人年表がついているのは当然としても、日本で買えるハンニバル・レクター博士ご推奨ワインのリストや、ハンニバル・レクター博士の晩餐を再現してくれる(もちろん、日本で!)レストランの紹介にはびっくり。写真入メニューも載っているけど・・・レクター博士と直接関係ないとはいえ、こんな風に書かれると、ちょっと食べる気が失せちゃうな・・・メニューとしてはそんなにゲテモノじゃないと思うけど。
スチュアート・マクブライド(Macbride, Stuart) ![]()
『花崗岩の街』(ハヤカワポケットミステリ) 2006/6/23 UP
Cold granite
【ミステリ】
スコットランドのアバディーンを舞台にした警察ミステリの新シリーズ。これがシリーズ1作目なので、登場人物すべてを覚えるのが大変だったけれど、先が楽しみなシリーズです。もう、87分署シリーズは読めないのだし、ほっとした(笑)。特に、主人公がいい感じです。
エド・マクベイン(McBain, Ed)
『最後の旋律』(ハヤカワポケットミステリ) 2006/6/12 UP
Fiddlers
【ミステリ】
87分署シリーズ。
これが本当に最後と思うと、切ない。最後まで、本当に最後まで、まったく変わらない高いストーリー性。ここまで気力を持たせたものはいったいなんだったのだろう? もっともっと読みたかった。まだたくさんの構想があっただろうにと思うと本当に残念でならない。
『歌姫』(ハヤカワポケットミステリ) 2005/2/11 UP
The frumious Bandersnatch
【ミステリ】
87分署シリーズ。
久しぶりに読むマクベイン。最後まで、読者の目を惹き付けて放さないストーリーテラーは健在。もう「凄い」の一言しかない。
『最後の希望』(ハヤカワポケットミステリ) 2001/1/25 UP
The last best hope
【ミステリ】
ホープ弁護士シリーズ最終巻。シリーズものが終わると寂しいですね。でも、「こういうこと」をやめたくなったというマシューの気持ちはわかるような気がするので・・・特別友情出演(?)もあったしね。
いくつかの細い細い伏線が、少しずつ寄り添うように集まってきて、最後には太い一本の流れになって迸り出す様子は言うまでもなく絶品ですが、今回は、読んでいて少しばかり違和感が・・・翻訳のせいなのか、それともオリジナルの本文がこういう文体になっているのか、原書を読む習慣がないので判りませんが、うーん・・・
それにしても、ハッピィにならないラストはシリーズ終了以上に哀しいぞぉ(笑)
『ラスト・ダンス』(ハヤカワポケットミステリ) 2000/12/12 UP
The last dance
【ミステリ】
87分署シリーズ50作目。
冒頭の事件が、最後にはこんなことになるなんて・・・!
もう言葉が出ないほど。このシリーズは、ずっと続けてくれるのかしら?
『ビッグ・バッド・シティ』(ハヤカワポケットミステリ) 2000/8/31 UP
The big bad city
【ミステリ】
87分署シリーズ49作目。
マクベイン節は、今回も絶好調。複雑に絡み合う糸が、伏線なのか、そうでないのか? 考えるだけでも愉しい。
『ノクターン』(ハヤカワポケットミステリ) 2000/6/27 UP
Nocturne
【ミステリ】
87分署シリーズ48作目。もうこんなになるんですね。日本でも、今年中に50作目が翻訳されるそうです。今年はエド・マクベインの本がたくさん読めそうでうれしい。
ストーリーは、いつものように、いくつかの事件が、いつの間にか複雑に絡み合ってきて、終盤、一気に解決へとなだれ込みます・・・が、本当に解決されたのか?・・・と言われると、ちょっと苦しいものが・・・。でも、それが普通のことですよね。実際の生活では。きっちりと、悪は悪!という具合に、片がつくのは、ミステリの中だけの幻想かも。
『寄り目のテディ・ベア』(ハヤカワポケットミステリ) 2000/5/27 UP
Gladly the cross-eyed bear
【ミステリ】
ホープ弁護士シリーズの最新刊。前巻では意識不明の重態だったマシュー・ホープが見事な生還を遂げました!
だけど、哀しいことに、このシリーズはあと1冊で終わりになっちゃうんです(泣)
ミステリの方は、久しぶりに骨太なストーリだったのが嬉しい。
『寡婦』(ハヤカワミステリ文庫)
Widows
【ミステリ】
87分署シリーズ。このシリーズ、ポケミスで読むときと文庫で読むときと、二通りあるのですが、今回は文庫。大きな事件と小さな事件と、それから何気ない言葉が、最後にはすべて絡まってきて、大好きなシリーズです。特に好きなのはキャレラなんだけど、今回はキャレラがたくさん出てきてうれしかったです。
謎解きの方は、メインの事件(と言ってもいいと思うのですが)の犯人が最後まで分からなかったので、ちょっぴり悔しいかな。
『小さな娘がいた』(ハヤカワポケットミステリ)
There was a little girl
【ミステリ】
ホープ弁護士シリーズ第11作目。ショッキングな幕開けです。好きなシリーズですが、どういう風に評価したらよいのか。周りの人間模様が好きなので、こんなストーリーもありかな〜と、納得できるのですが。そろそろ大団円が近づいてきて、複雑な心境です。シリーズものは、終わりがあるのが恨めしい。
『ロマンス』(ハヤカワポケットミステリ)
Romance
【ミステリ】
いつ訪れてもいい街です、アイソラって。たとえ犯罪ばかりが紹介されていても、ね。87分署シリーズも最初の頃ほど夢中になれませんが、出てくる人々が本当に生きてそこにいるようで、やはり目が離せません。
『晩課』(ハヤカワミステリ文庫)
Vespers
【ミステリ】
本の厚みが増しても手を抜いていないところはさすがにマクベイン。昔のようなスピーディーさはなくなってきたようですが、ホントに”読まされて”しまいますね。派手なトリックはないけれど、ちょっとした事実から真相が割れてゆく様をじっくりと味わうことができます。
シャーロット・マクラウド(MacLeod, Charlotte)
『牛乳配達退場』(創元推理文庫) 2000/1/6 UP
Exit the milkman
【ミステリ】
ピーター・シャンディ教授シリーズの最新作。マクラウドはいろんなシリーズを書いているけど、どれもユーモアたっぷりで面白い。中でもシャンディ教授はお気に入り。途中で、他の出版社から出たりして、シリーズものなのに順番に読めなくなってしまったのが残念でなりません。
相変わらずのドタバタものですが、そこがまたたまらない魅力。
『納骨堂の奥に』(創元推理文庫)
【ミステリ】
衝撃的なデビューを飾ったセーラ・ケリング・シリーズの1作目です。一つ事件に出会う毎に成長するセーラから目の離せないシリーズ、だと思います。脇役たちもとてもいい味を出しています。途中から守られていないのが気になりますが、できることなら順番に読むことをお薦めします。
『にぎやかな眠り』(創元推理文庫)
【ミステリ】
マクラウドのもう一つのシリーズは、とってもユーモアに溢れたシャンディ教授シリーズ。こちらは結構どたばたものになっていますが楽しめるミステリです。
シャーリン・マクラム(McCrumb, Sharyn)
『いつか還るときは』(ミステリアス・プレス文庫)
If ever I return, pretty Peggy-O
【ミステリ】
シャーリン・マクラムと言えば、ミステリアス・プレス文庫が出始めた頃、一冊読みましたねー何だかとっても懐かしい・・・でも、あの「暗黒太陽・・・」は気に入ったけど、この本はあんまりお薦めしたくないです。
T・J・マグレガー(MacGregor, T. J.)
『蜘蛛の誘い』(創元推理文庫) 2006/3/25 UP
The seventh sense
【サスペンス】
あまり好きなタイプの本ではないけれど、なぜか最後まで読了。それだけ、呼び込む力のある文章、ってことかなぁ?
『閉ざされた刻(とき)』(創元推理文庫) 2000/6/18 UP
Mistress of the bones
【ミステリ】
クィン&マクレアリ・シリーズ最終作。本当にこれが最後なんだなぁ・・・途中の何作かは、楽しめない本もあったけど、全体としては、ホラーが勝った味付けで、ミステリとしては変わった感じがして好きだったんですが・・・。最終作の舞台は、別シリーズと同じ場所。登場人物も、いつものレギュラーメンバーではなく、そっちの方とダブっている人も出てきたりして、「もしかして、このシリーズが終わっても、あっちの方で出てくる人もあるのかなぁ」なんて思っちゃいますね。
謎はそこそこのものですが、シリーズ全10作の中ではお薦めできる本です。
【クィン&マクレアリ・シリーズ(全10作・完結)】 創元推理文庫から出版されています。
1.闇に抱かれた女
2.銀幕に踊る死
3.密のような殺意
4.凍てついた絆
5.狂おしい血
6.冥い(くらい)渇き
7.秘めやかな宴
8.別な肌
9.震える青
10.閉ざされた刻(とき)
『繭−Lagoon』(創元推理文庫)
Lagoon
【ホラー】
内容は完全にホラー。なので、初めてホラーというジャンルが登場しました。分厚くて、はじめの方は、あんまりおもしろくないと思っていたのですが、なんとか最後まで読んでしまうと、まあまあかな。でも、解決が悲しい・・・。
『震える青』(創元推理文庫)
Blue pearl
【ミステリ】
クィン&マクレアリ・シリーズの第9作。スタイルに馴れてきたのか、謎の底が浅かったのか、作者に最後まで犯人を隠そうと言う意志がないのか、半分も読み終わらないところで「ははぁん」と読めてしまいます。次作では、もう一つのシリーズと同じ舞台になるそうなのでちょっと期待しています。それにしても、マクレアリは可哀想。こんなに痛めつけないでもいいんじゃないの?
『別な肌』(創元推理文庫)
Storm Surge
【ミステリ】
長さの割に対した謎もない・・・シリーズだけど人物に少し厚みが欠ける・・・と思っているのですが、ここに来てどうやら”新しいお仲間”が登場したようなので、将来に期待して。もう一つのシリーズは打ち切りのようですから、サスペンス風の味つけだけでなく、ミステリとして逃げないで欲しいですね。せっかくだから登場人物の”生活”のことも、ちゃんと見据えて書いて欲しいけど。
トム・マクレガー(McGregor, Tom)
『エリザベス』(新潮文庫) 1999/11/16 UP
Elizabeth
【フィクション】
実在する人物を扱っているので、本当はノンフィクションにしたほうがいいのかもしれないけど、なんとなくフィクション。
話題の映画のノベライゼーション・・・とも言い切れないような気もするけど、読み物としてはなかなか楽しめました。偉大な歴史上の人物って、光をあてる方向によって、本当にさまざまな輝きを見せてくれるので面白い。そして、決して、本当の輝きを見せてくれないところが愉しい。
ヘレン・マクロイ(McCloy, Helen)
『死の舞踏』(論創海外ミステリ51) 2006/7/30 UP
Dance of death
【ミステリ】
ミステリとしては底が浅いのですが、シチュエーションは面白い。これがデビュー作というのだから、なかなか(笑)
『歌うダイアモンド』(晶文社) 2003/4/11 UP
The singing diamonds and other stories
【短編集】
晶文社ミステリの1冊。こんなシリーズが出ているなんて知らなかった〜。マクロイは最近気になっている作家なので、早速読みましたが、オススメの短編集です。シリーズのほかの本も早く読まなきゃ。
『割れたひづめ』(国書刊行会) 2002/12/4 UP
Mr. splitfoot
【ミステリ】
世界探偵小説全集も第4期が刊行中。延々と続いているシリーズですが、こうして、あまり紹介されることのない作家の作品が次々と出版されるので、もっともっと続いて欲しいなと思います。
「家蠅とカナリア」と同じシリーズものですが、こっちのほうはあまりオススメできないかな。
『家蠅とカナリア』(創元推理文庫) 2002/10/15 UP
Cue for murder
【ミステリ】
あまり紹介されることのない作家のシリーズもの。たぶん、読んだのは初めてじゃないかなぁ? 人物像も面白いし、犯人探しの醍醐味が味わえる素晴らしい作品。同じシリーズがもっと翻訳されるといいなぁ・・・