歌劇『テンダのベアトリーチェ』
(全2幕・上演時間:約2時間25分)
最終更新日:2006年7月30日
[あらすじ|CDリスト]
ベッリーニのとても美しい・・・理不尽でヒロインが可哀想な・・・オペラ。ヒロインの独壇場、と言ってもいいほど、ひたすらベアトリーチェが目立つオペラですが、アンサンブルも合唱も、それから、悪役だけれど、ミラノ公フィリッポ・マリア・ヴィスコンティも気に入っています。これで、ラストさえもう少し明るければねぇ(^^;・・・と、思わないでもないけれど・・・そうしたらオペラじゃなくなっちゃうかしら?
作 曲: ヴィンチェンツォ・ベッリーニ
原 作:
台 本: フェリーチェ・ロマーニ(イタリア語)
初 演: 1833年・ヴェネツィア・フェニーチェ劇場
登場人物: ベアトリーチェ(S)/フィリッポ・ヴィスコンティ(Br)/オロンベッロ(T)/アニェーゼ(Ms)
1418年、ミラノ近郊ビナスコの城。
ミラノ公フィリッポ・ヴィスコンティは、テンダの領主の娘で、未亡人になっていたベアトリーチェと結婚している。しかし、彼は、公爵の身分にふさわしく取り決められたこの結婚を鬱陶しく思っていて、妻が主催した祭りに参加するよりも、今夢中になっているマイノのアニェーゼと過ごそうと考えている。そのアニェーゼは、ミラノ公の宮廷に仕えている若い貴族のオロンベッロを愛していて、オロンベッロが、ミラノ公夫人を密かに慕っていると知って嫉妬に狂い、いつかベアトリーチェを破滅に追い込んでやろうと思っていた。ベアトリーチェ自身はといえば、公国の民衆たちや自分に対するミラノ公の圧制に驚きを隠すことができない。フィリッポは、ベアトリーチェの不貞の確証を得ようと探し回り、二人は激しく諍う。ベアトリーチェは絶望し、今は亡き最初の夫の許しを祈る。ミラノ公とベアトリーチェの諍いを立ち聞きしたオロンベッロは、ベアトリーチェの側に跪いて、彼女の忠実な友人と同じように忠誠を誓う。ベアトリーチェを取り巻く危険について語っているところへ、アニェーゼを伴ったフィリッポが現れる。二人の様子はフィリッポに絶好の機会を与え、不運なカップルは連行され牢へ押し込められてしまう。
牢の中で拷問を受けたオロンベッロは、ベアトリーチェと不貞を働いていたと、偽りの告白をしてしまう。ミラノ公フィリッポは、ベアトリーチェにも刑を言い渡すように主張する。ベアトリーチェに責められたオロンベッロは、拷問の中で仕方なく嘘をついたと話し、ベアトリーチェは潔白だと叫ぶが、フィリッポは強引に事を運び、思い通りにしてしまう。アニェーゼは、一度はベアトリーチェのことを密告したものの、今は罪の意識に囚われていて、フィリッポに寛大な処置を懇願する。ベアトリーチェは拷問にも屈しないために、フィリッポは、妻の処刑命令書への署名を強行できずにいる・・・が、ベアトリーチェの支持者たちが、フィリッポに反逆ののろしを上げたことを知ると、素早く心を変え、命令書に署名してしまう・・・反逆者たちの罪はベアトリーチェ自身の罪だと言って・・・
ベアトリーチェは、この苦しい試練を通して、神が彼女に強さを与えようとしているのだと、フィリッポとベアトリーチェに敵対している人たちの罪は最後の審判の時に裁かれるのだと、そう確信して、牢で判決が下るのを待っている。アニェーゼは加担した陰謀を告白し、ベアトリーチェの許しを求める。処刑が決まったベアトリーチェは、あれほどまでに彼女を苦しめたというのに、フィリッポとアニェーゼのために祈るように頼み、絞首台へと導かれてゆく・・・そうして、苦痛に満ちたこの世に、別れを告げるのだった・・・神の栄光に満ちた勝利の笑みを浮かべながら。
☆ CD & LD List ☆
がついているCDがお薦め! 3つが最高です。★印はDVDです。
★『歌劇《ベアトリーチェ・ディ・テンダ》全曲』 ![]()
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TDK(TDBA-0083)
演奏はチューリヒ歌劇場管弦楽団&合唱団、指揮はマルチェッロ・ヴィオッティ。
2001年チューリヒ歌劇場でのライヴ収録。
中世イタリアでのお話ですが、この映像では、近代の演出です。無機質にも見える舞台装置が凝っていて、衣装は結構華やかなので、こういうのは好き(笑)
CDと同じく、グルベローヴァの独壇場・・・というよりも、彼女に比べると、アニェーゼなんか翳んでしまって可哀想なくらい。特に高音部の伸びがぜんぜん違う。グルベローヴァの声は不思議。響きは硬いようにも思うのに、聴いていて耳障りではなく、どちらかと言えば心地よい。無理なくどこまでも高く伸びてゆくところはなんとも言えない。
『Beatrice di Tenda』 ![]()
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Nightingale(NC070560-2)
演奏はWiener Jeunesse-Chor & ORF-Symphonieorchester、指揮はピンカス・シュタインベルク。
ベルカントの女王グルベローヴァの独壇場みたいなオペラですね。ライブ録音らしく、ところどころに盛大な拍手が入っているのですが、本当に、グルベローヴァって、生の演奏とCDとに差がないんですね〜。ちょっと調子の悪いときってないのかしら?と思っちゃうほどです。