歌劇『エレクトラ』
(全1幕・上演時間:約1時間45分)
最終更新日:2006年10月8日
[あらすじ|CDリスト]
短いけれど、胸を突くオペラ。こういう悲劇性の強いお話は好きなほうだけれど、音が入る分だけ、本を読むよりも悲劇かなぁ・・・
作 曲: リヒャルト・シュトラウス
原 作: ソフォクレスの悲劇『エレクトラ』
台 本: フーゴー・フォン・ホフマンスタール(ドイツ語)
初 演: 1909年・ドレスデン・宮廷歌劇場
登場人物: エレクトラ(S)/クリテムネストラ(Ms)/クリソテミス(S)/エギスト(T)/オレスト(Br)
古代ギリシア、ミケーネの王宮。
夕暮れ時、王宮の中庭で、下働きの女たちが水汲みをしながら噂話をしている・・・亡くなった先王アガメムノンの王女エレクトラの噂だ・・・父が死んでからというもの、まるで獣のよう、凶暴で悪意そのもの! 中でたった一人、一番若い下女だけがいう・・・それでも、やはり王女様だわ。あの威厳は普通の人間には真似できるものではない、と。女たちが立ち去ると、そのエレクトラがひとり現れる。亡き父への思慕を語っているうちに、だんだん興奮してきたエレクトラは、いつものように復讐の誓いを口にする。と、そこに妹のクリソテミスがやってくる。彼女が言うには、アガメムノンを殺したエギストと母のクリテムネストラはエレクトラたちを幽閉しようと画策しているらしい。普通の女性としての幸せのみを求めるクリソテミスは、「復讐なんて恐ろしいことは忘れて」と姉に懇願する。が、エレクトラは聞き入れようとはしない。
王宮から、神々にいけにえを捧げる人々の列が出てくる。クリテムネストラも美しく着飾り、供を従えて現れる。が、クリテムネストラの心のうちは悲惨だ。夜ごと恐ろしい夢に苛まれ、疲れ果てている。もともと迷信深い彼女のこと、ありとあらゆる魔術を試しては見たが効果はなく、今は、娘のエレクトラだけが自分を救う魔術を知っているのだと思い込んでいる。娘に迫るクリテムネストラ・・・だが、エレクトラは知っている・・・母クリテムネストラがなぜ悪夢に悩まされているのか? エレクトラは言う、「人間の女を犠牲に捧げれば悪夢は払えるでしょう。ひとりの男が、ひとりの女を捧げれば・・・! そして、その女とは貴女! 父アガメムノンを倒したその手斧がいつか必ず貴女の上に振り下ろされます」。恐怖の底に突き落とされるクリテムネストラ。だが、ひとりの侍女が走り出てきてクリテムネストラに何かを耳打ちすると、急に憎々しげな笑みを浮かべて、王宮へと戻ってゆく。残されたエレクトラは狼狽する・・・何事がおこったのだろう? 駆け込んできたクリソテミスが恐ろしい知らせを継げる・・・オレストが、死んだ! 下男が二人走り去り、エギストへその知らせを告げに行く。エレクトラは自らの手で復讐を遂げようと決心し、クリソテミスに手助けしてくれるように頼むが、恐れをなしたクリソテミスは逃げ去ってしまう。この上はひとりエレクトラのみで復讐を・・・と決意し、アガメムノン殺害に使われた手斧を掘り起こし始めるのだった。
と、ひとりの男が現れる・・・彼は、死んだと知らされていたオレストだ・・・が、エレクトラは気づかない。反対に、オレストはすぐに姉エレクトラだと認める。「私は生きている!」オレストが叫び、エレクトラもようやく、目の前の男が弟だと気づく。オレストを養っていた老人とともに、オレストは呼ばれて王宮に入ってゆく。エレクトラは手斧を渡し忘れたことに気づくがもう遅い・・・王宮の中から、クリテムネストラの悲鳴が聞こえてくる・・・みんなが集まってくる。復讐を成就する時が来たと喜びに震えるエレクトラは、明かりを持って前に進み出て、エギストを先導してゆく。助けを求めるエギストの声と、勝ち誇ったようなエレクトラの叫び・・・復讐を見届けたエレクトラは踊り始め、やがて倒れて動かない。クリソテミスの叫ぶ声が響く・・・「オレスト、オレスト」
☆ CD & LD List ☆
がついているCDがお薦め! 3つが最高です。★印はDVDです。
★『Elektra』
Grammophon(00440 073 4111)
演奏はメトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団、指揮はジェイムズ・レヴァイン。
1980年、ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場でのライヴ収録。
迫力の舞台。ビルギット・ニルソンのエレクトラは、迫力がありすぎるかも(笑)。でも、復讐のことだけを見据えている瞳には、鬼気迫るものがある。
『Elektra』
DECCA(470 583-2)
演奏はボストン交響楽団&タングルウッド・フェスティヴァル・コーラス、指揮は小澤征爾。
クリスタ・ルードヴィッヒが出ているので買ってしまいました。どうも私は、出演する人に惹かれて買ってしまいがちなので、困りものです(^^;。それでも、堪能しました(笑)