歌劇『オルレアンの少女』
(全4幕・上演時間:約2時間30分)
最終更新日:2006年10月9日
[あらすじ|CDリスト]
フランスを救った聖女ジャンヌ・ダルクの物語をオペラにした作品。本で読む分には困らないけれど、オペラにするとなると大変だろうなぁ・・・と思っていたのですが、想像以上にきれいにまとまっていてびっくり。
作 曲: ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
原 作: シラーの悲劇「オルレアンの乙女」のロシア語訳
台 本: ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(ロシア語)
初 演: 1881年・マリインスキー劇場
登場人物: ジャンヌ・ダルク(S)/シャルル7世(T)/アグネサ(S)/枢機卿(B)/リオネル(Br)/デュノア(Br)/ティボー(B)
オルレアン近郊のドンレミ村。
ジャンヌは両親と共に住む羊飼いの娘、父親のティボーは、イギリス軍に攻め込まれているこんなときだから、といって、娘にライモンドと結婚するように勧めるが、ジャンヌは、私には別の運命が待っていると答える。ティボーは叱責するが、ライモンドは、何事も神の意思に従うまで、無理強いはしないようにと言う。ちょうど警鐘が鳴り響き、イギリス軍の攻撃から逃れてきた人々が、イギリス軍がすぐそこまで来ていること、フランス軍が配送していることを知らせる。ジャンヌは、救い主は生きておられる。復讐のときが必ず来ると言って皆を力づけようとするが誰も信じない。ジャンヌは、甲冑を身にまとうと、天使たちの合唱に送られて、フランスを救うために出発する。
シノンのフランス国王の宮廷。
国王シャルル7世は、妃アグネサに慰められている。重臣のデュノアは、国王に軍の先頭に立って兵たちを指揮して欲しいと頼むが、シャルル7世はなかなかうんと言わない。が、渋る国王を何とか説得できたかと思ったところに、負傷した兵士が入ってきて、フランス軍の配送を報告すると息を引き取ったので、恐れを成したシャルル7世は逃げ出そうとし、あまりの臆病さに、デュノアは呆れ果て、自ら剣を取ると出陣してゆく。アグネサは、自分のもっているすべての財宝を戦のために差し出す。そこに、デュノアが戻ってくる。フランス軍が勝利したのだ。枢機卿が入ってきて、一人の若い娘がフランス軍の先頭に立ち、奇跡が起きて、イギリス軍を負かしたと話す。国王は、自分の代わりにデュノアを立たせると、預言者を試そうと言う。入ってきたジャンヌは、代わりの国王ではなく、本物のシャルル7世に向かって挨拶する。枢機卿は、ジャンヌには点の祝福があると宣言し、シャルル7世も、ジャンヌを信じることにして全軍の指揮権を彼女に渡す。
ランスの郊外にある戦場。イギリス軍側で戦っていたブルゴーニュの騎士リオネルは、ジャンヌと戦って敗れる。が、ジャンヌはどうしても最後の止めを刺すことができない。デュノアがやってきて、祖国を裏切っていたが、反省したのでフランス軍に戻りたいと言うリオネルを許す。
ランスの大聖堂では、シャルル7世の戴冠式が盛大に挙行されている。群集は、国王とジャンヌを称えて歌っているが、ジャンヌを追いかけてきたティボーとライモンドは苦い表情をしている。戴冠式を終えたシャルル7世がジャンヌと共に現れて、彼女を救国者だと称え、彼女のための祭壇をここに立てると宣言する。そのとき、ティボーが進み出て、ジャンヌは魔女だと告発する。自分で弁護し様としないジャンヌに代わって、デュノアがまず弁護に立つが、彼女は黙ったまま。雷鳴が鳴り響き、枢機卿がジャンヌに答えを求めるがさらに大きな雷鳴が鳴り響いて遮られる。リオネルがジャンヌを救おうとするが、ジャンヌは拒絶する。
森の中で、ジャンヌは一人祈っている・・・彼女は、誓いを破り、恋をしてしまった・・・! リオネルがやってきて、二人は抱き合う。天使の合唱が彼女の裏切りを責める・・・ジャンヌは、誓いを破ったので、死を持って償わなければならない・・・そこにイギリス軍が現れ、リオネルを刺し殺すと、ジャンヌを捕らえてしまう。
ルーアンの広場。
ジャンヌは、魔女だと断罪され、処刑されるのを待っている。民衆はジャンヌに同情しているがどうすることもできない。ジャンヌは、リオネルのなきがらに十字架を置いて欲しいと懇願し、デュノアが自分の十字架をリオネルの胸に置く。天使の声に誘われるように、炎が燃え上がり、ジャンヌは天上へと上ってゆく。
☆ CD & LD List ☆
がついているCDがお薦め! 3つが最高です。★印はDVDです。
★『歌劇《オルレアンの少女》』
ワーナー(WPBS-90186)
演奏はボリショイ交響楽団&合唱団、指揮はアレクサンドル・ラザレフ。
1993年、モスクワ、ボリショイ劇場での収録。
正統派の舞台、ボリショイならでは、と言っても良いのかなぁ? 妙な現代風演出じゃなくって一安心。こういう史実(?)ものは、やはり、忠実な演出が良いような気がする(^^;。それにしても、ボリショイ劇場の舞台って、日本の劇場よりもずいぶん広いんだろうか? とても大掛かりなセットで、奥行きもたっぷりって感じで、登場人物が多いのに、ちっとも狭苦しさを感じさせない。
ヒロイン、ジャンヌ・ダルクが女性とも男性とも感じさせず、とてもいい雰囲気。