歌劇『茶(Tea)〜A mirror of soul』
(全3幕・上演時間:約2時間)
最終更新日:2007年10月20日
[あらすじ|CDリスト]
珍しく現代オペラです。題材が新しいものじゃないので、大丈夫かなぁ・・・と思ったのだけど、甘かった(笑)
作 曲: タン・ドゥン
原 作:
台 本: タン・ドゥン、シュウ・イン(英語)
初 演: 2002年・東京・サントリーホール
登場人物: セイキョウ(Br)/ラン皇女(S)/皇子(T)/皇帝(B)/ルウ(A)
古えの日本、京都にある寺院の茶庭。静寂の中、高僧セイキョウが、静かに茶を点てている・・・皇子としてこの世に生を受けた彼は、10年前、僧侶となった・・・ある苦い愛の思い出のために・・・
10年前の唐の都。宮殿では、皇帝一家−皇帝とその息子、そして美しいラン皇女−がくつろぎ、影絵劇を楽しんでいる。そこに、セイキョウが入ってきて、影絵劇が中断され、皇帝は驚く。セイキョウは、美しいラン皇女と結婚したいと望むが、皇帝は決断することが出来ず、セイキョウに茶経を暗誦するように求める。ラン皇女の兄皇子は、激しく怒り出し、「何人も、皇家からラン皇女を奪うことは出来ない」と言う。しかし、セイキョウの暗誦の素晴らしさに、皇帝はラン皇女との結婚を許すことにするのだった。
唐の国の作法で茶が点てられる。生き生きと、鮮やかな茶。そこに、ペルシアの王子の到着が告げられる。入ってきた王子は、一千頭の馬と引き換えに一冊の本を求める。驚いた皇帝は問い返す、「一千頭の馬、とな? それだけの価値のある本とは何じゃ?」「茶経です」−茶経・・・数々の知恵と神秘の本! 皇帝が求めると、皇子はしぶしぶ袖の中からこの本を取り出す・・・茶経は、皇帝に霊感を与えるのだ。しかし、セイキョウは、かつて南方で勉学に励んでいた頃、その著者から見せてもらったものと、この「茶経」が本当に同じ本なのかどうかを疑っていて、思わず「それは偽ものだ」と叫んでしまう・・・怒った皇子は、「この本が偽ものだというのなら、本当の茶経とやらを見せてもらおう」と言い出し、ついには、命を懸けた争いごととなってしまう。ラン皇女は、驚きと哀しみで張り裂けそうになりながら、二人の間をとりなそうとするがどうすることもできない。
ラン皇女を伴ったセイキョウは、南方へ茶経を求める旅に出る。彼の願いは賢人ルウユウに出会うことだ。セイキョウは、太陽と月に祈る。ラン皇女は、茶の歴史とさまざまな中国茶について詳しくセイキョウに話す。
セイキョウとラン皇女が南方に到着したとき、時はすでに遅く、賢人ルウユウの娘ルウが、父の死を告げ、茶の儀式を捧げていた。ルウは、セイキョウとラン皇女に茶経を渡す。二人が茶経を読んでいると、突然、皇子が飛び出してきて、ラン皇女の手から茶経を奪い取る。皇子とセイキョウは、激しく争いはじめ、仲裁に入ったラン皇女は命を落としてしまう。
皇帝は、最愛の娘の死を悲しみ、別れの歌を捧げている。皇子は、セイキョウの前に跪き、剣を差し出すと言った、「この災いは、私から始まった。終わらせるのも私でなければならない。」と。皇子の死後、セイキョウは、髪を下ろして僧侶となった・・・
日本の茶庭では、高僧セイキョウが、空っぽの急須を掲げ、空っぽの茶碗をまわし、茶を捧げている・・・「茶を供することは、本当に、難しいものだ・・・」
☆ CD & LD List ☆
がついているCDがお薦め! 3つが最高です。★印はDVDです。
★『Tea』
Grammophon(00440 073 0999)
演奏はNHK交響楽団&ネーデルランド・オペラ・バス−バリトン合唱団、指揮はタン・ドゥン。
2002年サントリー・ホールでのライヴ収録。世界初演。
幻想的というには、あまりにも渋すぎる舞台。もう少し、華やかさが欲しい・・・こういう難しい題材であっても。やっぱりオペラなんだから。オペラだと思うのではなく、別のものだと思ったほうがいいのかなぁ? 単に、私の好みじゃないってことなんだけど(笑)