Vol.020 7 Days in Tibet 8


今回のチベット旅行は、思いがけずもシャングリラに遭遇して驚いたところから始まりました。

架空の知名だとばかり思っていたシャングリラという地名が実際に存在していたことを知った私は、帰国後「シャングリラ」をキーワードに検索かけてみました。そうすると、なんとなんと30万余の項目がヒット。なるほどなるほど、風俗関係の店名にシャングリラが多いのも、それはそれで桃源郷理想郷だわいと納得ナットク。そんな便乗ネーミングの中からふるいにかけたシャングリラ〜チベット情報をまとめるとこんなことになります。

「シャングリラ」とは、ジェームス・ヒルトンという英国人作家が1933年発表した「失はれた地平線」に出てくる地名。飛行機事故で遭難した英国人外交官がたどり着いたシャングリラは人類の理想が具現化した社会のこと。この小説はベストセラーになり、さらに映画化によってチベット奥地に存在されるという「シャングリラ」は、理想郷・桃源郷として欧米人に広く植えつけられたものらしい。

そして、わきあがった「シャングリラ」探索騒動に「我こそはシャングリラなり!」と名乗り出たのが中国の中甸で、地名を「香格里拉(シャングリラ)」と改名して観光客誘致にアピールしたのだといいます。なるほど中甸→香格里拉の写真を見てみると、美しい棚田といい、穏やかな人々の顔といい、チベット文化圏が色濃く残っている風情はミョーに旅ゴコロを誘います。

そこで、シャングリラ伝説を決定付けた映画『失はれた地平線』を紹介しておきましょう。関心を持ったらレンタル屋行くなり、ネットショップで探すなりして、「シャングリラ」に対して想像力をふくらませて下さい。さらに“チベット〜ダライ・ラマ”に関連したビデオも併せて紹介しますからどうぞ。





LOST HORIZON
失はれた地平線
1937年 
アメリカ


第10回アカデミー賞2冠に輝いた
アドベンチャー映画の原点

 《STORY》
イギリス外交官ロバート・コンウェイらを乗せ、戦乱の中国から飛び立った飛行機はハイジャックに遭う。予定外のコースをたどる飛行機は、折からの暴風雨と燃料不足のため、雪深いチベットの奥地に不時着してしまう。死を覚悟した生存者全員の前に、やがて、どこらともなく現れた一人のラマ教寺院の僧チャン。彼はコンウェイたちを、いまだかつて誰も足を踏み入れたことがない伝説の理想郷“シャングリラ”へと導いていった。





LITTLE BUDDHA
リトル・ブッダ

1993年 
イギリス/フランス


全ての人は生まれ変わる

現在、そして過去・・・・・。
はるか2500年の「時」を受け継ぐ
運命の子を探して。

 《STORY》
現代のアメリカに住む一人の少年と、2500年前の時代、壮麗な宮殿に君臨するシッダールタ王子が数奇な絆でひとつに結ばれる時、時空を超えた壮大なドラマが幕を開ける・・・。

「ラストエンペラー」でアカデミー賞9部門を独占したスタッフが再結集。アメリカ、ネパール、インドそして秘境ブータンで史上初の大ロケーションを敢行。ヴィットリオ・ストラーロが描き出す圧倒的スケールの絢爛たる映像美、坂本龍一の魂を揺さぶる旋律!画面を埋め尽くす極彩色の色と光、圧倒的な音と感情の洪水があなたを揺り動かす。





SEVEN YEARS IN TIBET
セブン・イヤーズ・イン・チベット
1997年
アメリカ


ブラッド・ピット
失われた神の地で、男は、民族の扉を開いた
禁断の聖地“チベット”の激動の時代を舞台に
魂を揺さぶる感動実話。

 《STORY》
「セブン」「12モンキーズ」「スリーパーズ」に続く、20世紀最後のスーパースター、ブラッド・ピットの最新作。
1939年、オーストリアの登山家ハラー(ブラッド・ピット)は、アウフシュナイターと共にヒマラヤ登頂を目指して旅立った。しかし、雪崩によって踏破を断念。折りしも第2次世界大戦が激化。インドで捕らえれれたハラーたちは捕虜収容所送りとなる。脱走した2人は逃避行を続け、禁断の聖地チベットのラサにたどり着く。

歴史に巻き込まれていく激動のチベットに滞在した7年間、若き日のダライ・ラマとの交流を描いたロマン溢れる感動の一大叙事詩。





KUNDUN
クンドゥン

1997年
アメリカ


なぜ、彼はチベットを逃れねばならなかったのか。
チベットの最高指導者、ダライ・ラマ14世
インドの亡命を余儀なくされた彼は、
40年後の今なお祖国の地を踏んでいない・・・。

巨匠マーティン・スコセッシが放つ、
感動の映像スペクタル!!

 《STORY》
1937年、チベット。片田舎のある民家に長旅を続ける僧侶たちが訪れた。まだ2歳にしかならない幼子の瞳を覗き込んだ彼らは、即座にこの幼子こそがチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマの生まれ変わりであると確信する。その日を境に、少年の苦難と波乱に満ちた“運命の旅”が始まることになった、、、。

『タクシードライバー』『カジノ』など、一作ごとに世界中を驚愕の渦に巻き込む巨匠マーティン・スコセッシ。アメリカ映画界最高の監督である彼が超一流のスタッフを得て、ダライ・ラマ14世の激動の生涯を映画史上はじめて描ききった宿命の感動作。





THE CUP
ザ・カップ
1999年
ブータン/オーストラリア


神秘の国ブータンから初めて映画がやってきた!
まどろむような時の流れの中で
少年僧たちの夢と希望が輝きはじめた!

 《STORY》
雄大なヒマラヤ山脈に抱かれた国・ブータン。日々修行に励むチョックリン寺院の少年僧たちはサッカーに夢中!中でも一番のサッカー・フリーク、ウゲンは、開けても暮れてもワールドカップ。決勝戦だけは見逃したくないが、お寺にはテレビがないのだ!そこでウゲンは考えた。「テレビを借りて、みんなで、お寺で観戦しよう!」ワールド・カップなんて聞いたこともない院長先生の許可はとれるのか?びっくりするほど高い衛星アンテナのレンタル代は工面できるのか?アンテナ設置は中継開始時間に間に合うのか?寺院の友達と先生を巻き込んで、夢の観戦のためにウゲンは走る!





益西卓媽
チベットの女

イシの生涯
2000年
中国


永遠の愛に生きて
恋歌に綴られる、農奴の娘イシの
50年にわたる愛の物語

 《STORY》
1950年秋、チベットの小さな村。
美しい歌声を持つ娘イシは3人の男と出会った。
ツァンヤンギャツォ(ダライ・ラマ6世)の恋歌の詩集をくれた初恋の人、僧侶サムチュ。
親の借金の形に身受けし、限りなく寵愛し、子供を授けた荘園の若旦那クンサン。
そして略奪同然に結ばれたならず者の行商人、夫のギャツォ。
チベット現代史50年にわたる時代の波は否応なく彼らを飲み込んでゆく。
翻弄されながらも、永遠の愛を捜し求めたイシが最後にたどりついた心は・・・。

オールチベットロケ、
チベット人俳優、スタッフによる
本物のチベット映画の誕生。
中国映画の巨匠シェ・フェイ監督と
チベット人女優テンジン・ドカーの
情熱が創りあげた涙の感動作





チベットチベット
TibetTibet

2001年
日本


ノンフィクションロードムービー
在日コリアンの青年が見たチベット

僕は世界一周の旅に出るため、
下関港をあとにした・・・。

民族性を傷つけられるという事は、
個人が傷つけられたり、ねじ曲げられたりする事と、
同じなんだ。

 《STORY》
在日コリアン3世の旅人、金森太郎こと金昇竜はビデオカメラを片手に行く先を決めない世界一周の旅に出た。最初に訪れた韓国を自分の足で歩くうち、押し付けられた民族教育のため大嫌いになっていた祖国を次第に好きになり、民族や国についての新たな思いが、心に湧き上り始める。
さらにアジアの旅を続け、モンゴルのゲルの一番奥に、ダライ・ラマ14世の写真を見つける・・・。

チベット人から受けた強い衝撃は、一人の旅人を
チベット問題をカメラで追うまでに駆り立てた。

ダライ・ラマ14世への10日間にわたる同行取材や、
本当のチベット(現・中華人民共和国チベット自治区)
を旅し、チベットとチベット人の今の姿、
失われつつある自然や文化の美しさをカメラに納める。



上記7本の映画、話題になったものあり、初めて知った映画だったりするかも知れません。特に解説はしませんが、もし、チベットに関心を持っているなら、ぜひ『チベットチベット』だけは見て欲しいと思います。撮影者の在日コリアン青年はもう二度と中国には入国できないのではないかな?と思えるほど「中国はチベットに何をしたか?」と問いかけています。

キレイな英語を話すハリウッド製チベット映画の描くロマンなどは、現実のチベット問題の前には所詮モノガタリでしかなく、本当の「シャングリラ」は、何処でもない自分自身の心が作りだすことなんだな。


(2005/11/05)


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