日本神経学会治療ガイドラインから抜粋
|
ALS担当小委員会 |
|
|
●委員長 |
|
|
田代 邦雄 |
北海道大学神経内科 |
|
●委 員 |
|
|
阿部 康二 |
岡山大学神経内科 |
|
山本 悌司 |
福島県立医科大学神経内科 |
|
今井 尚志 |
国立療養所西多賀病院神経内科(国立療養所千葉東病院神経内科) |
|
木村 格 |
国立療養所西多賀病院(国立療養所山形病院) |
|
福永 秀敏 |
国立療養所南九州病院 |
|
大生 定義 |
横浜市立市民病院神経内科 |
|
林 秀明 |
東京都立神経病院 |
|
難波 玲子 |
神経内科クリニックなんば(国立療養所南岡山病院神経内科) |
|
進藤 政臣 |
国立長野病院 |
|
岩崎 泰雄 |
東邦大学大森病院神経内科(東邦大学大橋病院内科) |
|
濱田 毅 |
北祐会神経内科病院神経内科 |
|
●研究協力者 |
|
|
島 功二 |
国立療養所札幌南病院神経内科 |
|
青木 正志 |
東北大学神経内科 |
|
中瀬 浩史 |
虎の門病院神経内科 |
|
吉野 英 |
国立精神・神経センター国府台病院神経内科 |
|
佐古田三郎 |
大阪大学神経内科 |
|
大八木保政 |
九州大学神経内科 |
|
中川 正法 |
京都府立医科大学神経内科 |
|
近藤 清彦 |
公立八鹿病院神経内科 |
|
森若 文雄 |
北海道医療大学心理科学部言語聴覚療法学科(北海道大学神経内科) |
|
●評価・調整委員 |
|
|
中野 今治 |
自治医科大学神経内科 |
|
吉良 潤一 |
九州大学神経内科 |
|
福原 信義 |
国立療養所犀潟病院神経内科 |
|
糸山 泰人 |
東北大学神経内科 |
|
I.はじめに 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral
sclerosis,以下ALS)は,進行性の神経変性疾患で,臨床上に多数の問題,解決すべき課題がある.そこでALS患者を診療する日本神経学会会員を対象にALS治療内容を体系化するガイドライン作成は極めて意義深いものである. 1.病因・病態
12.ALS診断・治療・ケアへの対応(図参照) ALS治療ガイドライン小委員会での検討結果の纏めを図示する.ここには,検討項目相互の流れと,ALS患者の療養にどうアプローチするかが示されている.各担当分野は等しく重要であり,ALSに現時点でどのような選択があり,また,医療サイドも何が出来るかの可能性を述べている. 文献
|
|
VII.QOL評価 Fletcher1)らは彼らの著書の最初に病気のoutcomeとして5D(あるいは6D)を挙げている.Death(死亡),Disease(疾患,症状や症候),Discomfort(不快),Disability(能力障害),Dissatisfaction(不満足),Destitution(貧困)がそれらである.病気の転帰
はさまざまな側面がある.それなのに治療効果の指標として今までは,死亡率や再発率,検査データの改善率などが主体であった.しかし,最終的に患者総体としての人生がどうなるかが問われる時代となり,生命の質あるいは生活の質(QOLが重要であるとの認識が大きくなっている.しかし,QOLを定義することは難しい.「患者のこうありたいというexpectationと実際の状況とのギャップをどう認識しているのか」,この解離が激しいほどQOLが低いことになるのかも知れない2,3).WHOはQOLについて「individuals' perceptions
of their position in life in the context
of the culture andvalue systems in which
they live, and in relation to their goals,
expectations, standards, and concerns」と定義している. ‘Amyotrophic lateral sclerosis’と‘Quality
of life’をMesh及びkey wordでMDconsult(電子参考情報源)とPub
Medを用いて検索した.それぞれ78件,126件を抽出した.抄録を読み,どんな意味でQOLが語られているのかを検討した.「よりよい生活」や「内容の良い延命」など抽象的な意味として使われているものを除き,さらに総説(解説的なもの)を除くと次のように33件となった.
1ではALSの疾患特異的スケールとしているSIP/ALS19と全般的スケールのQWB
SAとSF-36を比較しているが,相関がうまくでず,患者の病期や治療・介入によって使用するスケールを考慮すべきとしている.4は米国におけるALSのデータベース的な研究で,2と8はそれのヨーロッパ版である.米国ではSF-36やその短縮版SF-12,ALS/SIP19あるいは,次に述べる,ALSAQ40の短縮版であるALSAQ5が用いられている.ヨーロッパ版ではCarer
Strain Scale(介護負担度)についても力点が置かれおり,QOLスケールとしてはSF-36が使われている.3,5はJenkinsonが中心となって作成したALS疾患特異的尺度のALSAQ40の妥当性など心理計測学的な特徴を述べている.6はALSFRS-R・呼吸機能とSIPの関連を述べ,7はAppel
scaleという身体的機能のスケールと比較して,SIPがALSのQOLに有用であると述べている.身体機能のスケールと考えられるTuft
Quantitative Neuromuscular ExamとSF-36との関連を9で,SIPとの関連を11,12(11ではSIP/ALS19の有用性を)で述べている.10は主な近年の薬物介入のレビューであり,その中のQOLスケールは9試験中4試験で用いられ,すべてSIPであったと述べている.13は日本の研究者が,広く神経難病のQOL評価尺度を考案している,しかし,十分な定量的な検証には至っていない.
17だけが薬物介入でQOLスケールはSIPを用い,あとは呼吸補助介入でQOLのスケールとしてはSF-36,Chronic
Respiratory Index Questionnaire,Fatigue・mastery
score analog scale of life satisfactionを用いている.Evidenceのレベルなどは表1の通りである.
23はSpiritual Well-Being Scaleを測り,そのsubscaleのreligiousなファクターの重要性を指摘し,24ではMcGill
Quality of Life questionnaireなどとSIP/ALS19を測り,後者は身体面を主にとらえており,その他の側面も考えなければQOLはつかめないと述べている.25,26とも神経難病に対して,星野が考案した「主観的QOL尺度」を用いて主観的QOLを維持するためにはADL悪化を抑えること,機能水準を保つとともに在宅療養や必要に応じて労働の機会を確保することが重要と述べている.
これらは主に機械呼吸の装着された患者に対しての物語を中心とした症例報告あるいはケースシリーズである.33では呼吸器装着患者の精神状態を定量的スケールを用いて調査し,医療関係者の思うほど患者は絶望していないと報告している.その一方,29では長期呼吸器管理の患者の多くはある状況下になれば呼吸器の中止を求めるのではないかとも述べている. ALSのQOL評価では身体機能以外のドメインが大切であることは欧米でも認識されているが,さらに日本では呼吸器の患者が多く,患者だけではなく家族ぐるみの闘病の色合いが強い.それゆえ,患者個人のQOLに介護負担をもった家族のQOLをくみいれた患者家族総体を捉えていくことが,病状が進行してコミュニケーション障害も起こってくるため,いっそう重要になると考える.また,手法の上では,全体を見通すための,標準的定量的手法も重要ではあるが,進行していけば行くほど,家族・患者の個別性も強くなり,いわゆる質的検討も重要になってくると考えられる.これらを踏まえて,QOL評価の方面からは次の2点を研究する必要がある.現在の計画を下記に示す.
注:SEIQOL-DW(the Schedule for the Evaluation
of Individual Quality of life):患者個人個人にあわせて,項目を抽出し,重み付けをするQOLの描写方法8). 文献
|
|
V.支援ネットワーク ALS患者とその家族がより高い生活の質(QOL)を維持しながら生活できるためには2つの支援ネットワークが必要である. 1)全国横断的な専門医療ネットワーク構築 2)全国都道府県毎の医療ネットワーク構築 3)地域の支援ネットワーク構築 ALS患者の療養形態として専門病院での入院療養と在宅療養が中心になるが,今後はその両者の中間的な施設として「難病ケア・ハウス」や身体障害者施設への入所が新たな選択肢として利用されるものと考えられる.これらの施設は時系列的に交互に選択され,チームとして連携利用させることによって長期療養が維持できるであろう.それぞれの選択肢のもつ医療機能と生活の自由さや環境条件を考慮し,これらを上手に組み合わせることによってできるだけ恵まれた療養環境で過ごすことができる. ALSなど難病患者が在宅で安定して療養を継続できるための最も大きな条件は必要な介護要員を確保することである.現在,都道府県や市町村,保健所を核としてさまざまな階層に対する育成が行なわれている.神経内科医はその専門家として当該地域での研修,実習,育成に関心を持ち,機会がある毎に積極的に指導できる立場に立つことが期待されている. 文献
|
|
VI.在宅ケア ALS患者の在宅ケアに関する診療ガイドライン作成にあたって,学術的なevidenceと在宅ケアの経験や実践に基づいた指針の作成が必要である.そこで学術的なevidenceを求めるため,MEDLINEによる文献検索を行った.ALSとHOMEの組み合わせでは96件がヒットし,ALSとHOMECAREでは46件がヒットした.これらの文献の内訳を整理すると(一部重複もしくは除外),在 宅人工呼吸管理が最も多く21件,homecare全般についてはreviewを含め11件,QOLに関するもの2件,緩和ケア4件,その他10件であった.ただ外国の文献の多くは,在宅ケアの仕組みや制度の違いなどのため,日本の現実に適用できるものは少ないことが判明した.そこでこのガイドラインでは,主に日本の在宅ケアの実践に基づく経験的な事実をもとに,診療ガイドラインの作成を行った. 1)日本の現状 1)病状の評価
2)介護者の評価
3)社会資源の活用
4)ネットワークとケアシステム
5)解決が急がれる問題点
文献
|
|
VIII.呼吸管理・栄養管理 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral
sclerosis = ALS)は規則性をもって運動神経系を選択的に障害する系統変性疾患である.そのため,医師はALSの患者・家族に,これから先に生じる運動機能低下を予測し,事前にそれらへの対応を一緒に準備する期間をとることができる疾患であるといえる1). 1)ALSの呼吸筋障害の位置づけ 2)人工呼吸器を装着するか否かに際しての説明 病名告知をする時に医師は,将来呼吸筋麻痺のため呼吸不全に陥ることを患者・家族に説明するが,一度話しても患者・家族は十分に理解することは困難である.
(1)気管切開し人工呼吸器を装着することの意味について,(2)人工呼吸器装着後の入院・在宅を含めた療養環境については,呼吸不全になる前に患者・家族が納得いくまで説明する必要がある(詳細は告知・在宅ケア・ネットワークの項目参照). 3)ALSの呼吸機能低下の早期診断 A.ALSの早期の呼吸機能低下症状 B.ALSの呼吸機能評価法
4)呼吸筋障害による換気不全への対応と治療 A.ALS患者の呼吸補助を導入しない時の対応と手順 B.ALS患者の呼吸補助を導入する時の対応と手順 5)呼吸器離脱の問題(withdraw invasive ventilation) 長期の呼吸療養から,TLSを含め,新たに呼吸筋麻痺を越えたALSのターミナル(「死」)の問題が検討され,TLSを新たなALSのターミナル(「死」)として,TLS患者からの呼吸器離脱の問題がでている.しかし,呼吸器離脱は,呼吸器の非装着の問題とも関係し,advanced directives(進行期の治療要望書)やdurable power of attorney for health welfare(医療に関する永続的代理委任)1)15)25)などのALS患者の生命やQOLなどに関係した倫理的諸問題を含み,これから更に深めていかなければならない課題となっている. 6)今後の課題 1)呼吸筋麻痺後の長期呼吸療養の医療環境を整備していくことが緊急の課題となってきている.現状の長期呼吸療養患者療養施設が絶対的に不足していること,コミュニケーション障害を含め質的にも量的にも時間を要する重度の看護・介護による病棟マンパワー不足のため呼吸療養患者の入院枠が限定されていること,在宅呼吸療養では主たる介護者に加わる医療的看護負荷と福祉的介護負荷などの重負荷の軽減化が遅れていることなど,在宅呼吸療養の継続を困難にしている要因1)6)26)27)に早急に取り組んでいく必要がある. 球麻痺による嚥下障害では,次の二項目の治療が要請される.
1)ALS嚥下障害の症状の特徴 ALSの嚥下障害はALSの運動障害の一つの球麻痺により,そのまま放置すると食事摂取困難による脱水・栄養不良や誤嚥性肺炎などで死に至るため,早期からの治療対応が必要である. 2)球麻痺の嚥下障害では同時に呼吸筋麻痺の評価が必要とされる ALSでは,球麻痺と呼吸筋麻痺とは近接して麻痺を生じる傾向がある2).そのため,球麻痺の増強で呼吸道と食物道を共通に使用している口腔・咽頭腔の諸筋群に麻痺が生じ,上気道の呼吸道としての機能が低下すると,潜在化していた軽度の呼吸機能低下が顕在化するとともに,嚥下障害が球麻痺による嚥下機能障害の程度以上に増強することが少なくない. 3)ALS患者の必要カロリー 実際の食事摂取量は,患者の日常生活の状況を理解した介助者の評価と患者自身の空腹感や渇き感などから決められている15),呼吸器を装着したALSの患者の必要カロリーでは,筋萎縮および筋力低下や随意運動の減少で,必ずしも同年齢の身長・体重の体表面積から換算した標準カロリー摂取は必要としない29). 4)嚥下障害の客観的評価と経口摂取の限界の基準 嚥下障害の客観的な評価は,透視下の造影剤の嚥下試験で可能であるが,経口摂取中止の絶対的な基準の作成は難しい15).随意筋麻痺の進行とともに経時的に体重は減少するために,体重の減少は栄養摂取低下をそのまま表示してはいない.しかし,体重が今までの10%以上減少する時には,生命予後から経口摂取のみでは限界とする報告がある29). 5)球麻痺による嚥下障害の治療 A.球麻痺による嚥下障害治療を行う─呼吸機能は%FVCで50%を基準に考える
B.球麻痺による嚥下障害の治療を行わない 6)これからの課題 球麻痺による嚥下困難で,臨床所見または検査所見から,非経口摂取に変更する移行基準を何処に置くかの検討が必要である. 文献
|
|
IX.対症療法,緩和ケア この項では,球麻痺,偽性球麻痺症状により患者の日常生活の質が落ちると考えられる,流涎,強制笑いに対する薬物療法を示す. 流涎 ALSの流涎に対し比較試験は行われていないが,アトロピン(硫酸アトロピンR),トリヘキシフェニジル(アーテンR),スコポラミンなどの抗コリン作動を有する薬物が有効と報告されている1).これらの使用にあたっては,特にALS患者でADLが落ちている場合,イレウスや排尿困難などの副作用に十分注意が必要である.また最近ボツリヌストキシンA(ボトックスR)の唾液腺への注入が流涎に有効であるとの報告がある1).しかし特にボツリヌストキシンAは適用外使用であるため,流涎により患者のQOLが著しく阻害されている場合にのみ,添付文書に記載されている副作用を十分説明の上,患者の同意のもと,使用を考慮すべきで,安易な使用は避けるべきであろう. 強制笑い,強制泣き 強制笑い,強制泣きはALS患者で頻繁にみとめられる症状で,これらに対しアミトリプチリン(トリプタノールR)が比較対照試験で有効であると報告されている3).またオープン試験であるがSSRIであるフルボキサミン(デプロメールR,ルボックスR)が有効であると報告されている4). 参考文献
緩和ケア 【ALSにおける緩和ケア(末期に限定)の定義】 WHO(1990年)は,癌を対象とし「緩和ケアは,治癒を目指した治療が有効でなくなった患者に対する積極的な全人的ケアで,痛みやその他の症状コントロール,精神的,社会的,霊的問題の解決が最も重要な課題である.その目標は,患者とその家族にとってできる限り可能な最高のQOLを実現することであり,末期だけでなく病初期から行うものである(狭義の緩和ケア)」と定義している1).日本では医療哲学の立場から,清水は「緩和医療は,対象となる人の現在のQOLを可能な限り高めることによって,今後の余命期間に亘るQOLの積分を可能な限り高めることに寄与することを目指す」とし,癌のみでなくALSなどの神経疾患も含めてQOL評価・緩和医療・尊厳死などに言及している2). 【倫理上の考慮】
【緩和ケアの目標】
【症状緩和の方法】 全国の神経内科医に対する緩和ケアに関するアンケート調査では,終末期を診療する経験の多い医師ほどALS患者の苦痛の緩和を優先し,各種薬物や酸素投与などを積極的に行うのがよいとの意見が多く見られた8).しかし,日本では終末期の苦痛症状緩和の系統だった方法論やそのoutcomeの研究はほとんどないため,具体的方法論とその評価などは,1999年,Neurologyに発表されたアメリカ(AAN)のガイドライン6)を参考(一部改変)にする.
【推奨方法】
【今後検討すべきこと】
文献
|
|
XII.介護・福祉 ALS患者さんに対する医療,介護・福祉を経済的な側面から考えると,以下のような極めて複雑な要因が関与しており,現在,十分なEvidenceとして得られる情報はない.
したがって,今回は,現時点での医療における経済的状況と介護・福祉面での利用に関しての情報を資料として添付する.また,同時に今後の解決すべき問題点もまとめてみた.
ALSは神経難病の中でも身体介助量が膨大である.さらに呼吸管理を要するようになるとケアが多岐にわたり,マンパワー確保が最も重要となる.最近,各地で公的な入院施設確保事業が立ち上げられ,地域内における円滑な入転院が図られているが,しばしば受入拒否が見られる.その理由として,(1)人工呼吸器の部屋がないあるいは呼吸管理の経験がない,(2)平均在院日数が延びる,(3)診療報酬逓減制のため経営に支障をきたす,などがよく挙げられる.(1)については物理的なものであるので割愛するが,(2)と(3)について現状を把握しておく必要がある.平成12年度からの介護保険の導入とともに,従来の診療報酬制度や逓減制もかなり改訂がなされている. 【平均在院日数について】 【入院診療報酬について】 1.一般病床入院・人工呼吸器なし・経口摂取の場合:
2.一般病床入院・人工呼吸器装着・経鼻栄養・全面介助の場合:
3.療養病床入院・人工呼吸器なしの場合:
4.療養病床入院・人工呼吸器装着・経鼻栄養の場合:
一般と療養病床における診療報酬制度上の最大の違いは,療養病床では,検査料,投薬料,注射料および処置料が原則的に入院基本料に包括されることである(表2).従って,ADLが悪く全面的介護状態で様々な処置が必要なALS患者では,診療側のコストパフォーマンスが悪化することになりやすい.例えば,一般病院における人工呼吸管理のALS患者における看護ケアのタイムスタデイーでは,看護に要する時間は一日あたり5〜7時間と極めて長時間に及んでいた1).特に意思伝達に支障をきたす段階になると,患者本人の要望を理解するまでに長時間を要するようになり,著しい負担増となる.今後,このようなALS患者の特性が反映されるよう,診療報酬制度上の看護料の改善が図られることが望ましい. 参考文献
Model
注)重症度分類は「厚生省特定疾患神経変性疾患調査研究対象10疾患の重症度分類」を用いた. Stage1 一つの体肢の運動障害,または球麻痺による構音障害がみられるが,日常生活,就労に支障はない. 利用可能な制度,サービス等
point: Stage2 各体肢の筋肉(4)・体幹の筋肉(1)・舌・顔面・口蓋・咽頭部(1)の6部位の筋肉のいずれか1つまたは2つの部位の明らかな運動障害のため,生活上の不自由があるが,日常生活,就労は独力で可能. 利用可能な制度,サービス等
必要となる福祉用具,医療機器等
point: Stage3 上記6部位の筋肉のうち3以上の部位の筋力低下のために,家事や就労などの社会的生活を継続できず,日常生活に介助を要する. 利用可能な制度,サービス等
必要となる福祉用具,医療機器等
point: Stage4 呼吸,嚥下,または座位保持のうちいずれかが不能となり,日常生活全ての面で常に介助を必要とする. 利用可能な制度,サービス等
介護保険(療養型病床群80,000円 自己負担8,000円)
必要となる福祉用具,医療機器等
point: Stage5 寝たきりで,全面的に生命維持装置が必要である. 利用可能な制度,サービス等
必要となる福祉用具,医療機器等
point: ALS患者の在宅療養の現状
ALS在宅療養に関する診療報酬(2000年) 往診料(650) |