車椅子の旅  河口湖畔

 碧い空 秋の装い雄大な 富士の湖畔に紅葉色づく

 ポプラ並木の美しき水の辺にあひると遊び4歳の晃

 平日のドライブなので保育園をお休みしておばあちゃんの遠足に付き合った晃でした

 宝石のごときらきらと夕日射し周りの木々も錦に染まる

 遠出すると満足はするものの疲れて帰りたくなるもの。早めに切り上げて湖畔を一周。水辺の木々に木漏れ日が揺れて美しかったのでした。窓から見える景色は限られていたのですが、郊外はどこもかしも命に溢れていました

 ドライブの河口湖畔に生きている今の命を実感しおり

 
車椅子の旅  A山梨県 桃の里にて

 春の山綿毛色に萌え染めて山桜先色をそえおり

 母は油絵を習っていたので、こういう景色を見るとムショウに絵筆をとりたくなったはず。残酷な病です。

 空高く小鳥とびかう花の道我も歩きたし唱いたしや

 桃の里行き交う車と競うがに仰げば空に飛行機雲冴ゆ

車の窓から空ばかり見上げていた母なのですが、飛行機雲が見えてはしゃいでいました。

 過ぎし日にスケッチなせし桃の里再び訪れし喜びひとしお

桃の里は満開でピンクに煙っていました。母はひとり山の中に残され、同行者は桃農家とさっそく交渉開始。花より
団子とはこのこと。

 アルプスの残雪そむる桃の里桃源郷に我が頬染まる

アルプスの向こうには母の生まれた松本がある。どんなに懐かしく悔しく思ったことでしょう。あっちに行きたいね、と言ったら故郷とは錦を飾るものなどと文字盤で答えていた母。


車椅子の旅  B八ヶ岳 中央高原にて

 なつかしや三度訪れしこのロッジ咲く月見草に迎えられたり

まさかロッジは、母のお友達が経営しているバリアフリーのロッジです

 楽しげに夕餉囲む人々のことば聞こえぬ病の非情

耳が聞こえにくくなってしまって夕餉の団欒に参加できない悲しさ。ときどき耳鼻科の先生に空気を通してもらっていました。

 青空に白雲流れとんぼ飛び渡る風のここちよき

 夢に見し白樺林に身をおきて碧の風を頬にうけおり

白樺林がペンションのそばにありました。元気だった頃を懐かしみ歌った唱

 好きな道白樺林を車椅子呼吸器押しくれる人々に感謝す

車椅子に呼吸器が乗らないので、2台連ねて移動するのですが、とても大変です。

 初秋の高原に咲く野の花を花束にして持たせくれたり


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