平成19年6月
福祉保健局長
安藤 立美 様
病院経営本部長
秋山 俊行 様
産業労働局長
佐藤 広 様
都市整備局長
只腰 憲久 様
教 育 長
中村 正彦 様
特定非営利活動法人 東京難病団体連絡協議会
平成20年度
都予算案に対する要望について
日頃は、私たち都民の難病医療対策の拡充や、障害者福祉対策の拡充にご配慮をいただき、厚く御礼申し上げます。また公費負担対象疾病の拡大等にご尽力をたまわり、深く感謝申し上げます。
つきましては、平成20年度東京都予算要求にあたり、次の事項を要望いたしますので、その実現についてご尽力くださいますようお願い申し上げます。
要 望 事 項
《福祉保健局》
1. 予防治療も重視し、難病の早期発見、早期治療体制を確立・推進して下さい。
2. 難病の原因究明と治療研究を促進してください。また、実施した専門研究の成果がどのように進展し、その結果をどのように患者治療に生かしてゆけるのか説明の機会を設けてください。
3. 難病医療費公費負担対象疾病については、存続および拡充してください。また、骨髄異形成症候群(低リスク不応性貧血のRAとRARSのみ)について追加して下さい。
4. 国内の非血縁者間骨髄移植に関係する費用すべてを、保険適用になるよう国に働きかけてください。
5. 難病医療費助成制度が維持・拡充され、これ以上の患者負担増にならないようにしてください。
6. 「東京都難病相談・支援センター」について、日本の人口の約1割が居住する東京における難病等の患者・家族に対し、設置目的に適った支援ができるように、難病相談支援員及びピア相談員を増員する必要があります。委託事業費を増額してください。また、地下鉄丸ノ内線「新大塚駅」より難病相談・支援センターに至るまでの経路について、車椅子や歩行が不自由な人も迷わず来られるよう、案内標識の設置をお願いします。
7. 「難病患者等居宅生活支援事業」について、事業内容の分かりやすい広報と全地域での実施が早急に行われるよう各自治体を誘導してください。
8. 乳幼児をはじめとする児童・生徒・勤労者・家庭婦人・自営業者などに対する検尿を完全実施し、慢性腎炎の疑いのある人に治療費の公費負担をしてください。
9. 病院施設内における感染予防策、医療事故、災害対策の行政指導を徹底してください。
(主旨補足)多発する医療事故防止策として地域での医師研修制度、看護師、臨床工学技士等にも事故防止指導を強化してください。
10. パーキンソン病の特定患者の認定にあたっては、医師がパーキンソン病と診断し、投薬を開始した段階で「特定疾病」と認定してください。
11. 難病患者も身体障害者福祉法の障害者の対象となるよう、国に働きかけてください。
12. 介護保険における保険料、利用費は難病医療助成対象患者(2号保険者)や年金生活者にとって大きな負担になっているので引き下げてください。
13. 難病患者の自立と社会参加を促進するために、「難病患者都営無料乗車券」を発行してください。
14. 難病患者がタクシーを利用する場合に、1割引制度を新設するようにお願いいたします。
15. 難病等慢性疾病にも障害者施設と同様に階段を追った就労の機会が保障さ れるよう、都単独の事業である共同作業所のメンバーとして助成の対象となるようにしてください。
16. 区市町村障害者就労支援事業を実施している就労支援機関と有機的な連携 が取れるように、連絡会議などの場に難病患者団体も参加できるようにし て下さい。
17. 東京都の事業である区市町村障害者就労援助事業の対象として難病者等も 明記し、この事業においても難病患者等の就労支援がされるようにしてください。又、この事業の委託先と難病相談支援センターとの有機的な連携の 指示、推進をお願いいたします。
18. 児童扶養手当を母親が重度障害者の場合でも給付できるようにし(現行制度は父が重度障害者の場合)、母親が重症の難病等で夫が介護のため働けな い家庭の経済的支援をしてください。
19. 北療育医療センターに重症心身障害児(者)の通所事業を早急に実現して下さい。(経過報告を望む)
20. 補装具修理費の自己負担を軽減する措置を講じてください。
21. 大震災時の難病患者支援対策を確立・実施してください。
@ 患者支援マニュアルの作成して下さい。
A 区市町村における災害時の難病患者支援ネットワークづくりをして、「患の避難体制」、「緊急治療体制」などを図るようにして下さい。
22. 地震などの災害時に備え移動困難な難病患者のため近県との緊急体制を早急に確立して下さい。
23. 臨床個人調査票の負担額の軽減を図るように、医療機関へ指導・勧奨して下さい。また、住民票、非課税(課税)証明書については、無料で発行するように区市町村に指導・勧奨して下さい。
24. 患者が研究利用についての同意している臨床個人調査票については、難治性疾病克服研究事業の研究班が患者の疫学的な背景を把握できるように、できるだけ速やかに電子媒体化の作業を終えて、研究班にデータを渡してください。(経過報告を望む)
25. 網膜色素変性症患者に対する補装具日常生活用具につきまして自立支援法 が執行され、その運用内容は各区市町村に任されていますが、下記の点につきましてガイドラインを明確に示して欲しい。
網膜色素変性症患者に対する補装具、日常生活用具に関する支給基準の見直しと追加認定をしてください。
(主旨補足)白杖の緊急時使用のため同時に2本の支給 遮光眼鏡は晴天・曇天用の2種類がどうしても必要です。 視覚障害者の8割を占める中途視覚障害者のため、ハンディタイプの拡大読書機や高性能活字文字読み取り機器とその周辺パソコンソフトを支給対象にしてください。
26. 「ヘルパー研修、ケアマネージャー研修」の中に、障害を伴い且つ常に痛みのある疾病の関節リウマチを理解するための時間を設けるよう事業者等を指導してください
27. 障害者自立支援法によるサービス提供事業者を拡充すると共に、各区市町村において基準該当事務所の設置許可を普及するよう指導してください。
28. 医療依存度の高い住宅筋ジストロフィー等の患者にとっては、障害者自立支援法の居宅サービスは実効性に欠ける面があります。柔軟な制度運用を可能にし、家族の介護を軽減すると共に当時者のQOLの充実を図ってください。
29. 「東京都神経難病医療ネットワーク事業」について、人工呼吸器使用重症患 者等で長期的なケアが必要な者や、独居及び老人介護等のために在宅療養ができない患者が、安心して長期療養できるよう、「協力病院」に補助と指導を行ってください。ベッド数の充分な確保をお願いします。
30. 「都在宅難病患者緊急一時入院事業」について、その運用が確実にかつ安心して遵守できるよう、徹底して下さい。また、指定病院において、家族が付き添わなくてもよいように、医療関係者への教育研修を行って下さい。また、コミュニケーションが困難で、常時、見守りが必要な患者に対しては入院中も重度訪問介護のヘルパーの付き添いを認めてください。
31. 「身体障害者療護施設設置ALS居室」について、疾患を問わず人工呼吸器使用重症患者が利用できるように、地域で支援体制を構築してください。
また、ALS居室はALS患者が優先して利用できるように、施設に対して指導をしてください。
32. 「在宅難病患者医療機器貸与・機器貸与患者訪問看護事業」の運用に関して 「在宅難病患者医療機貸与患者訪問看護事業」と同様に、人工呼吸器使用者 であれば無条件でうけられる事業に改訂してください。また、事業が廃止になることがないように、継続を強く希望します。
33. 制度改正により難病患者等日常生活用具から補装具になった重度障害者用意思伝達装置の申請についてはできるだけ迅速に対応し、出来るだけ早く給付をしてください。
34. 重度包括支援の対象者である人工呼吸器利用者が、重度訪問介護サービスを利用する場合は、たとえ意思伝達装置を使えるとしても、ひとりでは意思 伝達はできないため特別介護が必要です。標準単価に15%の加算を行うことを徹底してください。
35. 日本ALS協会東京都支部で作成した災害時手帳を都の難病対策事業として行って下さい。
36. 区市町村に対して、自立支援法が十分に使えると共に、給付量の格差をなくすように指導してください。また、独居の患者についでは一日につき最低でも24時間の介護が公的に保障できるようにしてください。
37. 障害者自立支援法対策臨時特例法交付金による特別対策事業により、人工呼吸器利用者にサービスを提供している事業者に対する研修費の補助等の支援を行ってください。
38. 動脈血酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)がALS患者同様に、必要な筋ジス患者の在宅生活者にも無料貸与されるようにしてください。
39. 在宅人工呼吸器使用難病患者等訪問看護事業について、『訪問看護師増員の 方策』を至急、検討下さい。
40. 『難病患者に対する保健活動ガイドライン』による在宅難病患者医療機器貸与や難病保健師活動等に関し、東京都全ての自治体で実施されるよう指導・勧告して下さい。
41. 筋ジス患者の都在宅難病患者緊急一時入院事業の運用が確実に、且つ安心して遵守できるよう徹底して下さい。
42. 『障害者自立支援法』では医療依存の高い方(程度5・程度6)が重度障害者等包括支援の対象者になっていますが、この支援はどこの自治体でも引き受けてくれる事業所はないので指導して下さい。
《病院経営本部》
1. 都立大塚病院の開設が「リウマチ・膠原病センター」として整備に向け検討実施されていますが、都立駒込病院のアレルギー膠原病科の存続を要望します。
「膠原病科」を都立大塚病院に集約するのでなく、実態にあった都立病院の経営を要望します。
都立駒込病院の実績をどう評価されているのかお聞かせいただきたい。また、現在受診している多くの膠原病患者の不安にならないよう充分な配慮をお願いしたい。
@ 東京都のホームページでは、病院経営本部の病院紹介で駒込病院の診療科アレルギー膠原病科はない。昨年質問した中では標榜するとの回答を得ているが。
A 都立大塚病院への都立病院改革実行プログラムは進められているようだが、進捗状態をお聞きしたい
B 「都立病院改革実行プログラム」の概要によると、病院別再編成20年度開設となっているが、駒込病院ではアレルギー膠原病科の常勤・非常勤の医師を募集している。現在、常勤3名、非常勤3名、募集 常勤1名・非常勤1
C 再編成整備の内容として、医療機能の移転で《リウマチ膠原病についての医療機能を他の都立病院から移転・集約して充実を図る》となっている。回答を得ていることと異なる部分を多く感じるが、実際の進捗状況、計画予定をお聞かせいただきたい.
D 「リウマチ・膠原病医療センター」としてそれぞれの医療課題に対応するにあたっては、他の都立病院から移転する医療や新たに付加する医療機能を整理したうえで、病床規模を決定していく必要がある。となっているが、具体的にはどのようにまた、何処まで考えられているか
2. 神経筋疾患における呼吸理学療法(呼吸リハビリ)の有効性が認識されつつあります。特に区部において専門職に対する呼吸理学療法の啓発・研修の機会を設け、専門診療に対する支援を行ってください。
3. 都立神経病院の独立行政法人化にした場合、十分な診療が引き続き受けられるようにしてください。
《産業労働局》
1. 難病患者の自立支援のため、職業訓練施設の整備又は都立技術専門校及び東京障害者職業能力開発校等で、優先的に訓練を受講できるようにしてください。
2. 難病患者が社会参加できるよう、就労先の紹介制度を確立していただきたい。
しかし、就労先を紹介された後、実際に就労につながらない現状があるため、就労先に対して特定求職者雇用開発助成金の支援および、法定雇用率の換算ができるように国に働きかけてください。
3. 各公共職業安定所に設置している障害者のための専門窓口に、医療面での専門知識を持つ、難病に起因する内部障害者担当相談員を配置してください。
4. 事業主に対して、難病患者を雇用するに際しての、住宅勤務、短時間勤労、フレックスタイム制などの多様な勤務形態の事例集や雇用管理マニュアル等による指導・啓発等をしてください。
5. 難病相談・支援センターで、患者の就労支援が有機的にできるよう公共職業安定所等との連携・連絡調整等に協力してください。
《都市整備局》
1. 難病患者が優先的に入居できる都営住宅の供給を増やし、入居待機期間を短縮するよう努めてください。(経過報告を望む)
2. 借り上げ制度や家主への助成等により難病患者が民間住宅に入居しやすい環境を整てください。(経過報告を望む)
3. 歩行困難な難病患者(児)・障害者(児)のため、歩道公共施設等段差を無くすよう努力してください。
《教育庁》
1. 特別支援教育において、特別な支援を必要とする児童、生徒の中に「難病の子ども」を明記して、個別に対応してください。
2. 各学校で指名された「特別支援教育コーディネーター」には、難病の子どもについての研修も取り入れ、専門性の向上に努めてください。
3. 学校教育の中で、「難病について」を取り上げてください。普通学級に通う難病の子どもたちが「いじめ」の対象にならないように、病気の理解を深め、思いやりの心を育ててください。
4. 医療的ケアを必要とする難病の子どもたちが、保護者の付き添いがなくても教育が受けられるよう、環境を整えてください。
5. 久留米養護学校(都唯一の病弱養護学校)に設置された高等部のさらなる充実を図ってください。現状についてお知らせください。