障害者自立支援法 Q&A

川口有美子

昨年(2006年)10月から本格的に実施された自立支援法。本部/支部事務局にも質問や相談が寄せられています。ここで制度を利用するためにポイントについて、Q&A方式で述べます。
 
Q1、受給者証の見方がわかりません。加算って何ですか?
A1、自治体ごとに受給者証の書式は若干違いますが、どの受給者証にも重度包括支援や重度訪問介護の対象者には、加算率(%)が、どこかに書かれているはずです。これらは15%と7.5%の二種類のどちらかで、気管切開により人工呼吸器を装着しているためにコミュニケーションが困難な人には15%加算となっているはずです。
 事業所にとって、今回の制度改定ではすべてのサービスの単価が大きく減額になり、特別な支援が必要なALSには、ますますヘルパーを派遣しにくい状況になっています。そこで国は今回、気管切開による人工呼吸器の利用者には15%加算することにして、人工呼吸器のユーザーも積極的に事業所に引き受けてもらえるように配慮をしました。
ところが、自治体によっては「伝の心」等を利用してメールやコミュニケーションができるALSには、「コミュニケーションは日常的に可能」として、本来であれば15%加算の対象者であるにもかかわらず、7.5%しか加算しないところもあります。
協会では国に対して、ヘルパーの研修費や訪問看護のヘルパー指導加算料が請求できるようにして欲しいと訴えてきました。しかし、今回はその要求はまだ入れられていませんが、せめて15%加算を確実に実施してもらうように、もし気管切開による呼吸器利用者なのに7.5%止まりでしたら、国の定めた判定基準どおりに自治体でも15%加算で決定してもらうように要求をしてください。(この加算は事業者のサービスに対して請求時に加算できるようにするもので、利用者の自己負担額に影響するものではありません)
 
Q2、ヘルパーの二人体制は可能ですか?また、入院時のヘルパーの付き添いは?
A2,今回の改定では移動介護も厳しい条件になっています。まず、第一に何時間外出しても1日4時間分しか請求できず、これでは遠出はなかなかできませんね。移動時には最低でもヘルパーの二人体制(家族を除く)を認めてもらわねばなりません。また、安全性確保のために複数の人手を必要とするケアには移動のほかにも、トイレ介助や入浴など日常生活に必要な介助が多々あります。これらも合わせて、国に対してケアにより二人体制が必要なことを示し、要求をしていかねばならないでしょう。また、入院時のヘルパーの付き添いは原則的に認められていません。しかし、市区町村によっては例外的に認めるところや、独自のコミュニケーション支援事業の枠組みで、数時間だけ認めるところもありますので、個別に問い合わせてみてください。
 
Q3、今まで身体介護だったのが、重度訪問介護になってしまいました。認定調査の結果、重度訪問介護の対象になっても、従来どおり身体介護を頼めますか?
A3,たとえば、1日3時間以上の介護が必要な人でも、短時間の身体介護が1日のうち複数回、必要な人には、従来どおり身体介護で支給決定することができます。(平成19年2月16日厚生労働省から各都道府県宛の通達に関連の記述があります。)
 
Q4、「重度包括支援」とは、どんなサービスがあるのですか?
A4、国は1日のうち長時間連続した介護が必要な人のために、さまざまな地域ケアサービスを組み合わせて利用できる仕組みを導入しました。それが重度障害者等包括支援サービスです。たとえば、ホームヘルプとデイケアや短期入所など、在宅と施設の組み合わせも可能になります。ただし、全国的にこのようなサービスを提供できる事業所がまだほとんどありません。月単位の包括払いでも効率と収益性が確保できればこのようなサービスに取り組む事業所も出てくると思われます。
 
協会では今後も国に対して粘り強く、以上に掲げたような質問と要求を続けると共に、国の難治性疾患克服研究事業にも協力をして、エビデンスを積み上げ交渉力を強化したいと思っています。今年も面倒な調査の依頼があるかもしれませんが、制度をより良くするためにも、会員の皆様方のご協力をお願いします。
 
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日本ALS協会